とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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ちょっと(?)デレたかもしれない。
表面上はほとんど変わってないけど、内面はかなり変わってるかもしれません。


168(無限日記 エピローグ)

 P月3日

 

 カミシロトオル、冥界での事を覚えていない。

 その事を聞いてきた。

 我を守ると言った事、覚えていない。

 レイナーレの誓い、覚えていない。

 黒歌達が頑張った事、覚えていない。

 身体が重い。

 今日も早く寝よう。

 体調を崩した? サマエルに力を奪われた時のようだ。

 

 

 

 P月AA日

 

 グレイフィアが家に来た。

 ユーグリッドが捕まったから、外に出られるようになったと言っていた。

 良かった? うん、良かった。

 また来るか、と聞いたらまた来ると言っていた。また来てほしい。

 

 

 

 P月AB日

 

 カミシロトオルが、シトリーの娘とデートに行った。

 楽しそうだった? 多分、そうだと思う。

 デート。

 恋人同士で外出する事。

 カミシロトオルとシトリーの娘は恋人?

 家の皆は違うと言っていた。ならどうしてデートをする?

 判らない。

 恋人同士ではなくても、デートは出来る?

 我もデートをしたい。

 デートをすると、カミシロトオルは嬉しそうな顔をする。ロスヴァイセの時もそうだった。

 我は判らないけど、その感情はきっと悪くないモノだろうから。

 ――カミシロトオルに喜んでほしい?

 多分、そう。

 デートをすれば、我も嬉しくなる? 嬉しくなりたい。――嬉しいを知りたい。

 

 

 

 P月AC日

 

 レイナーレと黒歌から、力の使い方を聞かれた。

 カミシロトオルを守る為に。記憶を失わない為に。

 でも……判らない。

 力を使いたいと思って使った事が無い。

 我の『血』を分けたレイナーレもそう。

 力は使おうとするのではない。振るうものでもない。

 もう体の一部で、馴染み始めているモノ。

 力を使おうとするのではなく、受け入れればいい……と思う。

 でもまだ、レイナーレの肉体が耐えられない。

 レイナーレは弱いから。

 弱いから、強くなれる。

 それは我には無いもの。

 強くなる。それはレイナーレや黒歌達の長所。

 ――我には無い。

 

 

 

 P月AD日

 

 今日は家から出なかった。

 レイナーレに料理を教わった。昼食を一緒に作った。

 全然美味しくなかった。難しい。

 この家は、我以外は皆料理が上手だ。

 何故あんなにも美味く作れるのか。不思議。

 カミシロトオルに作るのか、と聞かれた。

 そんなつもりは無い。興味が湧いたから教わっただけ。

 ただ、作ったら喜ぶと言われた。美味しくないのに? 判らない。

 美味しくない料理で、なぜ喜ぶのか――理解できない。我なら、美味しい料理が良い。

 

 それと、カミシロトオルが黒歌とロスヴァイセに怒られていた。

 何故?

 ナンパは悪いこと? よく判らない。

 カミシロトオルから周囲から良く想われる――我は、悪い事とは思わない。

 ……人付き合いは、難しい。

 

 

 

 P月AE日

 

 カミシロトオルと恋人同士になった。

 よく判らない。何か変わった? ――判らない。

 これでデートをしたり、一緒にお風呂に入ったりできる?

 でも、お風呂は断られた。残念。

 一緒に気持ち良くなりたかった。

 次の休日に、デートの約束をした。

 カミシロトオルと一緒に、二人で出掛ける。

 楽しみ? 多分、楽しみにしている。

 

 

 

 P月AF日

 

 サーゼクスが家に来た。

 面白い玩具を持ってきた。

 リアス・グレモリーを模した人形。胸を押すとリアス・グレモリーの声が鳴る。

 カミシロトオルが鳴らしていた。

 我は触らせてもらえなかった。

 あと、カミシロトオルがまた怒られていた。

 何故? 判らない。

 グレイフィアの疑いももう少しで晴れると言っていた。

 楽しみ。

 グレイフィアのお菓子は、レイナーレと同じくらい美味しい。

 次はいつ来るだろうか?

 ……楽しみだ。

 

 

 

 P月AG日

 

 カミシロトオルの部屋でリアス・グレモリーの玩具で遊んでいたら、レイナーレに取り上げられた。

 よく判らない。なぜ駄目なのか。

 まぁだが、あまり面白くなかったのも事実だ。

 もう遊ばないだろう。

 

 

 

 P月AH日

 

 カミシロトオル、ファーブニルと遊んでいた。

 撫でたりしていた。

 我もドラゴンなのに。

 グレートレッドの時もそうだった。

 『次元の狭間』で、一緒に遊んでいた。多分、嬉しそうだった。

 カミシロトオル、大きいドラゴンが好き?

 でも、我は大きすぎる。この家を壊してしまう。

 ……どうすればいいだろう?

 我も、アーシアに下着を要求したら遊んでくれる?

 皆から止められた。怒られるとも。

 カミシロトオルから怒られるのは――嫌だ。

 やめておこう。

 

 

 

 P月AI日

 

 今日もカミシロトオル、ファーブニルと遊んでいた。

 ドライグとアルビオンが遊んでほしいと言っていたのに、ファーブニルと遊んでいた。

 我も遊びたかった。

 ファーブニルばかり。

 

 ヴァーリ達が悩んでいた。

 カミシロトオルの記憶の事で。

 ヴァーリも美猴も、カミシロトオルと仲が良い。

 カミシロトオルも、二人を友達だと言っていた。

 救いたいと。記憶を守りたいと。

 ――カミシロトオルは、この日々も忘れるのだろうか?

 レイナーレやヴァーリ達の事も忘れてしまうのだろうか?

 全部を忘れてしまったら、それはカミシロトオルなのだろうか?

 我は、カミシロトオルの記憶から消えたら、また変わるのだろうか?

 ……判らない。

 身体が重い。

 

 

 

 P月AJ日

 

 カミシロトオルとデートをした。

 楽しかった? 多分、楽しかったと思う。

 レイナーレ達に服を選んでもらった。その時間も楽しかった。

 悪くない一日だった。また過ごしたい一日だった。

 今日感じた感情は、『楽しい』だったはずだ。

 カミシロトオルも、楽しかったと言っていた。カミシロトオルと一緒に居る時間は、楽しい。

 一緒に居たい。……またデートに行きたい。

 まだ、握った手の感触を覚えている。

 歩いた道も、寄った店も、食べた物も、どんな話をしたのかも覚えている。

 ……今日の事も、カミシロトオルは忘れるだろうか?

 時間が経ち、今日の記憶が少しずつ薄れるのは当然だとしても。

 いつか突然、記憶から消えてしまうのか――。

 それは嫌だ。

 

 ――何故、我は嫌だと思ったのか。

 判らない。

 いつか忘れるのは当然なのだとしても、消えてほしくないと思った。

 守ると言った事を忘れた。

 今日のデートの事も忘れる?

 ……それは嫌だ。我は覚えている、だから忘れてほしくない。そう思う。

 何故?

 どうして我はそう思った?

 判らない

 我は、我の感情が、我自身が判らない。

 ――何故、我は嫌だと思ったのか。

 我はまた変わったのか。それとも変になったのか。

 

 

 

 P月AK日

 

 サーゼクスが遊びに来た。

 カミシロトオルにとって悪魔とは、と聞いていた。

 その答えに喜んでいた……と思う。

 カミシロトオルの答えは対等だったから。

 悪魔は人より強いだけの、人とそう変わらない存在。

 面白い答えだと思う。

 強いだけ。

 そう言えるの者は、少ない。

 我の事も、ただの子供として扱っている。

 ……その事を、悪くないと思う。

 不思議。

 

 カミシロトオルは、『力』を使えば記憶を無くす。

 なら、一番最初の記憶はどんな記憶だろうか?

 知りたいと思った。

 カミシロトオルの事を、知りたいと思った。

 何故? 判らない。

 でも知りたい。

 もっと、カミシロトオルと話したい。

 もっと、カミシロトオルを知りたい。

 何故? ……判らない。

 答えは無い。 

 ただ知りたい。

 カミシロトオルを、知りたい。

 だから話したい。

 一緒に居たい。

 どうして? ――その答えを、我は知らない。

 判らないことが、知らないことが、知りたいことが増えていく。

 

 

 また、デートに行きたい。そう思う。心から、そう思っている。

 ……不思議。

 

 




ドライグ・アルビオン「「ギリギリ」」

オーフィス「………(羨ましい)」ジー

ファーブニル「代わってよ、ねぇ代わってよッ」チクチク

ドラゴン勢は可愛いなぁ

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