感想で書いてくれた方、本当にありがとうございます。
目が覚めました(ぇ
@月O日
ルーマニアでの騒動も、ある程度治まった……と思う。
私は気絶していたので、殆ど覚えていないけど。
……ギャー君の大切な人を守れなかった。
失われた訳じゃないけど、ずっと気を失ったままだ。
『クリフォト』と名乗ったテロリスト達が三つある『聖杯』の内の一つを持ち去ってしまったからだそうだ。
ギャー君、いつの間にか強くなった。
助けるために、救う為に戦うと決意してた。
少し前からは考えられない。
ちょっと、凄いな、と思った。
私なんて、少しだけ仙術が得意になっただけだ。
霊や邪気と相性が良いと言われたけど、それだけ。
姉様やロスヴァイセさんみたいになんでも出来る訳じゃないし、レイナーレみたいに強くなったわけじゃない。
……ギャー君を助けたかったのに、足手纏いは私だ。
悔しいなぁ。
@月P日
ギャー君に慰められた。
……溜息しか出ない。
姉様達も言ってたけど、私は役に立てたのかな?
一番最初に気絶しちゃって、足手纏いじゃなかったのかな?
――だと、嬉しいな。
それに、私の力は『邪龍』相手には特に効果的だとアザゼル先生から言われた。
姉様よりも破邪に特化してる、とも。
役に立てたのだろうか?
でも、もっと力が欲しい。強くなりたい。
レイナーレ達は、いつもこんな事を思いながら頑張ってるのだと思うと、改めてすごいと思う。
私は、押し潰されそうだ。
……押し潰されたりなんか、しないけど。
一緒に居たいと思った。
一緒に居ると決めた。
だから、明日からもっと頑張ろう。
@月Q日
この前家に来た吸血鬼。エルメンヒルデが落ち込んでいた。
身内から裏切り者が出て、その皆は『邪龍』に改造されて、故郷は破壊されて。
……私に出来る事は、復興の手伝い――とも言えない、がれき処理くらいだった。
腕力ばかりが強くても、出来る事は殆ど無い。
もっと頭を使わないと。
レイナーレは、家を失くした人たちに料理を作っていた。
姉様は、子供たちに幻術を使った劇のようなものを見せていた。
凄いと思った。
誰かを笑顔にするのが、あんなに難しいと初めて知った。
@月R日
友達が出来た。たくさん。
私の腕力も、使い方次第だった。
イッセー先輩とガレキ処理をしていたら、褒められたというか、驚かれたというか。
女の私が片手でがれきを持ち上げたりしたら、確かに驚くか。普通は。
私は小さいから、なんだか優しくしてもらった。
……悪い気はしない。嬉しい。
でも、子ども扱いだったのは、ちょっと……。
明日には日本に帰るのに、なんだかなぁ。
やっぱり、大きくならないと子供なのかな。
レイナーレが言うには、子供だって悩む事が子供っぽいとか。
判ってるけど――どうしても思ってしまうから仕方がない。
姉様達が羨ましい。
身長もあるし、胸も大きい。
私も、周囲の気を集めて大きく成長する事が出来るようになったけど、事実を言うなら、アレは私の願望だ。
私がああなりたい、という想像の姿だ。
――大きくなっても、小さかったらどうしよう。
@月S日
ルーマニアに、徹先輩のお父さんが居た事を聞いた。
姉様も、教えてくれればよかったのに。
でも、アザゼル先生から口止めされていたそうだ。
どうしてか判らないけど。
アザゼル先生が口止めするくらいなんだし……普通じゃないんだろうな。
やっぱり、家は落ち着く。
徹先輩、ロスヴァイセさん。オーフィスにスコルとハティ。
皆と一緒に居るのが、一番良い。そう思える。
私は、もっと皆の役に立てる私になりたい。
ルーマニアの時みたいに、足手纏いになりたくない。
@月T日
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ええ、そうですよ。
私の理想の姿は、姉様ですよ。
そんな私が周囲の気を集めて成長したら、姉様に似ますよ。
でも、だ。
でも……面と向かって『姉様に似てる』とか言わなくてもいいじゃないですか。
そりゃ似ますよ。
姉妹ですし。私の願望ですし。
……そしてなにより、イッセー先輩は成長した私をエロいって言ってたのに、
徹先輩はいつも通りの反応だったのが……。
やっぱり私は、妹でしかないのかなぁ。
@月U日
妹、という立場はとても辛い。
きっと……徹先輩は気付いてないんだろうなぁ。
今日は徹先輩と一緒に帰った。
家に帰る前に寄り道して、遊んだり、沢山話したり。
デート、って言えると思う。
多分、世間一般で言うならデートだろう。
でも……物足りない。
だって、徹先輩は私を気遣ってたから。
一緒に楽しむんじゃなくて、私を楽しませようとしていた。
その気遣いは嬉しいし、楽しかった。
何だかんだで、徹先輩も笑ってくれていた。楽しんでくれたと思う。
……でも、私は先輩と一緒に楽しみたかった。笑いたかった。
並んで歩いて、手を繋いで、お金が無くても幸せな一時だったと思える。
そういうのが、デートだと思う。
私って、子供っぽいのかな?
――妹は、嫌だな。うん。
@月V日
部長たちにからかわれた。
昨日の事を見られていた。
……別に、隠してたわけじゃない。
まぁ、部活をサボって徹先輩と一緒に遊んだのは本当だけど。
デート、とは少し違う。
一緒に遊んだ。そんな感じ。
部長たちにどれだけからかわれても、そこだけは譲れない。うん。
子供っぽいとも判ってる。
でも、デートは彼氏と彼女がするものだ。
兄と妹じゃないと思う。
……自分で書いて、落ち込む……。
@月W日
そういえば最近、私は誘拐されたんだった。
……レイヴェルに心配されると、調子が狂う。
ギャー君もいつも通りだし。
なんだか、日常に戻ってきた気分。
そんな事無いんだけど。
『禍の団』の代わりに『クリフォト』が現れたし、吸血鬼達を味方にする事も出来なかった。
徹先輩の敵は増えて、強くなった。
姉様じゃないけど、敵ばっかりが増えていく。
そして、その事に危機感が無いのは、徹先輩に頼ってるから。
それじゃ駄目だと言われた。それじゃ駄目だと思った。
頼るんじゃなくて、頼られたい。
――そんな関係になりたい。
@月X日
ヴァーリさんが家に来た。
なんだろう……もどかしいというか、何というか。
ヴァーリさんは徹先輩と凄く仲が良い。男同士だけど、羨ましいと思うくらい。
今日も、家に来て徹先輩と仲良く話してた。
そして――弱音を吐いてた。
あまり聞いたらダメだろうから、聞かなかったけど。あの姉様だって、空気を読んでた。
何を相談したのかは判らない。
でも、あのヴァーリさんが誰かに悩みを相談するのは、本当に珍しいんだと姉様が言っていた。
私もそう思う。
あまり付き合いは長くないけど、ヴァーリさんはどんな悩みでも自分の力で解決するイメージがあった。
他人に弱さを見せない人だと思っていた。
だから……ヴァーリさんが、羨ましい。
そんな人が、相談できる――徹先輩を、そこまで信頼してる。
私は、そこまで徹先輩を信頼してるだろうか?
信頼している、と言える。
言えるけど……何でも相談できる、とは言えない。
……もどかしい。
@月Y日
ヴァーリさんが嬉しそうに笑っていた。
静かに笑っているのは何度か見たけど、嬉しそうな笑顔は初めて見たと思う。
凄くレアだと思う。
あと、徹先輩と美猴さんがヴァーリさんに余裕を持てと言っていた。
もっと書くなら、彼女を作れと。
徹先輩にだけは言われたくないと思う。
先輩は、もっと周囲の好意に気付くべきだ。
もし気付いているなら、優柔不断なのか、悪い男なのか。
……徹先輩なら、悪い男でも――ないか。うん。似合わない。
@月Z日
私は少し強くなった。
大きくなれるようになったし、仙術も強力になった。
それでもやはり、私が一番弱い。
『クリフォト』という新しい敵が現れ、あいつ等は無関係の一般人を巻き込むような集団だ。
私が弱いと、きっとみんなの足を引っ張る事になる。
姉様達は言わないけど、きっとその可能性に気付いてる。
……簡単に強くなれたらいいのに。
何を馬鹿な事を。
強くなる近道は、努力しかないのに。
努力だけで強くなった見本が、すぐ傍に居るのに。
@月!日
サイラオーグ・バアルさんが家に遊びに来た。
あと、シーグヴァイラ・アガレスさんも。
徹先輩は、冥界では有名人だ。良い意味で。
冥界の救世主。そして、銀の英雄。
……『おっぱいドラゴン』は悪い意味で嫌だけど、『サタンレンジャー』もどうかと思う。
徹先輩が冥界を救ってから、凄く人気が出てきている。
以前は『おっぱいドラゴン』に逆立ちしても勝てなかったのに、今では互角。
流石に徹先輩個人の情報は洩れていないそうだけど、勘の鋭い上級悪魔クラスなら、気付いている人もいるそうだ。
シーグヴァイラさんもその一人だろう。勘だけど、確信した。
ほとんど初対面なのに、徹先輩の事を凄く持ち上げてた。
好きな人が褒められるのは悪い気分はしないけど、少し……。
サイラオーグさんみたいに、色眼鏡無しで徹先輩を見てくれる人が良いな。やっぱり。
徹先輩の『力』じゃなくて、人格とか、優しさとか。
そういうのを判ってくれる人が、いいな。
@月”日
『クリフォト』を含む対テロ集団として、『D×D』という組織が作られた。
発案はアザゼル先生。
最近見掛けないと思ったら、この『D×D』を発足するための準備に追われていたそうだ。
目的は対テロ。そして、徹先輩の保護。
『クリフォト』の狙いがグレートレッドと『666』の衝突なら、一番の障害は徹先輩なんだそうだ。
徹先輩なら、互角の勝負――その天秤を、一方に傾けられる。
そして、その天秤を永遠に均等にすることも……。
それは『クリフォト』の望むものじゃないそうだ。そうだろう。
テロリストの願いは、混乱と混沌。
平穏を望む徹先輩とは真逆。
私達にも情報はきたけど、加入の声掛けは無かった。
『D×D』に私達は加わらない事になっている。
訓練には参加していいと言われたけど、必要以上に関わるなとアザゼル先生から言われた。
私たちが関わったら、徹先輩はきっと自分の意志で関わってしまうから。
それは『クリフォト』が望む通りのシナリオだから、と。
ヴァーリさんは守ってやると言ってくれたけど、私も徹先輩を守りたい。
……強くなりたいな。
徹先輩を守れるくらい。徹先輩に頼ってもらえるくらい。
@月#日
姉様が居なくなり、独りになった時……手を差し伸べてくれたのは、部長たちだった。
周りの皆が敵になった時、味方でいてくれたのは、部長だった。
だから私は、壊れずに済んだ。
部長が居たから、笑えるようになった。
それは確かに絆なんだと、私は思っている。信じている。
『悪魔の駒』は失ってしまったけど、オカルト研究部という繋がりは残っている。
――きっと私は、今でも徹先輩に甘えてる。
皆に甘えてた。
それは弱さなのかな。
……アザゼル先生が、私は部長の眷属から外れるべきだと言った。
部長の眷属である限り、私はグレモリー眷属としても戦わないといけないから。
そうなったら――優しい徹先輩は、私の事を心配するから、と。
部長との絆か、徹先輩への想いか。
辛い。
私は選べなかった。
選んだのは部長。リアスさん。
……辛い、な。
また泣いた。私は泣き虫だ。
そしてこの家には、優しい人が多い。
だから好きで、大好きになりたい。
徹先輩だけじゃない。姉様だけじゃない。
この“家”を、大好きになろう。
@月$日
徹先輩が、ロスヴァイセさんに謝っていた。
学校で、またロスヴァイセさんではなくアザゼル先生を頼ったらしい。
いつもの事で、少し笑ってしまった。
皆、徹先輩が大好きだ。
私も、大好きだ。
これからは、部長の力にはなれない。私は、徹先輩の力だから。
まだ完全に吹っ切れてないけど、いつかきっと、この事を懐かしむ日が来ると思う。
その時も、今の気持ちのままでいたい。
徹先輩を大好きで、皆を大好きで、グレモリー眷属の皆を大好きなままでいたい。
昨日は後書きでチョメチョメな事を書いて申し訳ありませんでした。orz
活動報告ってああいう風に使うのか、と勉強になりました。
これからも、至らないところが多々あると思いますが、よろしくお願いいたしますorz