とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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あれ? ロスヴァイセさん回って十七巻だよね?
ロスヴァイセさん勝利回(笑)


151(戦乙女日記)

 @月A日

 

 白音さんと勝負をした。

 黒歌さんの教えをちゃんと守っていて、以前からは見違えるほど強くなったと思う。

 私も負けていられないな。

 この前、レイナーレさんには負けてしまったし。今日は勝ったが。

 大人気なくも、最初から全力で叩き潰してしまった。反省している。

 私は黒歌さんのように搦め手は苦手だ。

 正面から、力で捻じ伏せるのが得意なので、しばらくはこの方法で戦っていこう。

 この方法で勝てているうちに、もう少し戦い方を増やしていかないと。

 正直、レイナーレさんの成長速度は以前とは全く違う。

 おそらく、肉体がオーフィスさんの魔力に馴染んできているのだろうと、黒歌さんは予想していた。

 

 

 

 @月B日

 

 明日の授業の準備で、帰るのが遅くなった。

 教師というのは、本当に大変だ。

 遣り甲斐はあるが、自分の時間を作るのが難しい。

 まぁ、仕事というのは、どれもそんなモノなのだろうけど。

 それと、おばあちゃんから伝言が届いた。

 あの主神の事だから、どんな裏があるかと思ったが、内容はごく普通だった。

 ……いや、普通とは少し違うけど。

 彼氏はいるのか、とか、ひ孫の顔が見たいとか。

 ――彼氏はともかく、ひ孫の顔って……。

 

 

 

 @月C日

 

 どう反応すればいいのだろうか。

 いや、徹君が悪い訳ではないとは、判っている。

 アーシアさんが持ってきたモノを、必要無くなったから貰った…というか、渡されたらしいが。

 それでも、高校生がエッチなゲームを持ってるのはいけないと思う。

 取り上げたが……タイトルがタイトルだ。

 堕天使シスターズ。内容はまだ見ていない。

 一応私は天使だし、レイナーレさんは元堕天使だ。

 ……どうしよう?

 

 あと、黒歌さんはともかく、白音さんには絶対早い。

 なんであの猫姉妹は、こういうのに興味津々なのだろう。

 悪いとは言わないけど、もっとこう…貞操観念は、強く持つべきではないのだろうか?

 

 

 

 @月D日

 

 恥ずかしい。

 勢いで、先日取り上げたゲームは処分したと言ってしまったが、まだ手元にある。

 いや、どうやって処分すればいいの?

 燃えるゴミに出すのは恥ずかしいし、お店に持って行って売るのも恥ずかしい。

 ……どうしよう。

 取り上げた事は間違ってないと思うけど、取り上げなければ良かったと後悔している。

 大体、こんないかがわしい内容のゲームをアーシアさんに買わせて、兵藤君はどうする気だったんでしょう?

 あーもう。悪いのは全部兵藤君だ。

 

 あ、でも。徹君に天使も堕天使、どっちが好きか、と聞いたら、どっちも言えないと聞けたのは良かった。

 堕天するかしないか、じっくり考えよう。

 

 

 

 @月E日

 

 部屋に隠していたゲームを、レイナーレさんに見付けられた。

 いや、悪い事をした訳ではないけど、何だろう、この罪悪感。

 正直にゲームをどう処分すればいいか迷っていると答えたけど、信じてもらえたかな?

 信じてもらえてると良いな……。

 どうしよう? いや、

 

 

 攻撃用の魔術をこんな事に使う日が来るなんて……。

 おばあちゃん、ごめんなさい。

 ロセは、魔術を悪い事に使ってしまいました。

 

 

 

 @月F日

 

 兵藤君達も、リアスさん不在は不安なようだ。

 アザゼル先生からも連絡が無いし、大丈夫だろうか?

 学園での仕事が多いのは、悪い事を考える暇が無いので良い事なんだと思う。

 あの人達の強さは知っている。

 大丈夫のはずだ。

 たとえ相手に、『神滅具』があるのだとしても。

 ヴァーリさん達も向かったのだし。

 

 

 

 @月G日

 

 白音さんが、ルーマニアへ向かう事になった。

 向こうの方で、動きがあったようだ。

 吸血鬼――ツェペシュ派内部でのクーデター。それにより、リアスさんと木場さんの行方が不明。

 おそらくは拘束されているだろうという事。

 それと、クーデターが成功し、ツェペシュ派のトップだった吸血鬼は逃亡。

 その騒動の裏には『禍の団』――ツェペシュ派を裏で操っていた可能性が高いそうだ。

 

 そして、リアスさんに恩義がある白音さんは、彼女を助けたいからルーマニアに行きたいそうだ。

 正直、私と黒歌さんは反対だった。

 先日誘拐されたばかりで、今度は手も目も届かない外国の地。行ってほしくない。

 何が起こるか判らないし、何か起こってからでは遅いのだ。

 ……それでも、白音さんの意志を汲む事になった。

 徹君が、白音さんはグレモリーの眷属でもあるから、と。白音さんの意志を汲んだから。

 レイナーレさんと黒歌さんが同行する事になっている。

 黒歌さんは白音さんの姉でもあるし、戦力としても申し分ない。

 レイナーレさんは、徹君の『女王』として。

 眷属と一緒に、無事に帰ってくるために。

 一人も欠ける事無く、短いであろう平穏をまた過ごす為に。

 それが自分に出来る事だと、言っていた。

 魔王ルシファーの眷属から言われていた事の答えはまだ見つかってないようだけど、自分で考えた『女王』であろうとしている。

 ――強くなったな、と。そう思った。

 私も負けてられないな。

 

 

 

 @月H日

 

 私もルーマニアに行きたかったが、徹君の傍に誰も居なくなるのもダメだと言われた。

 徹君とオーフィスさんが居れば十分だと兵藤君達に言われたが、そうもいかない。

 というよりも、私達は徹君にも、オーフィスさんにも、戦ってほしくない。

 平穏を望んでるから。

 平穏を楽しんでいるから。

 二人には、平穏の中に居てほしい。

 この前の誘拐事件のような時こそ、本当なら私達が解決しなければいけなかったのだ。

 そして、今回もそう。

 徹君に頼ることなく、いずれこちらに飛び火するであろう問題を、事前に消す。

 それが、私達の仕事だ。

 

 ……今回は、私は留守番だが。

 

 仕事から帰ってきて、男の子が晩御飯を作って待っててくれる。

 ……レイナーレさん達には悪いけど、ちょっと心が折れそう。

 

 

 

 @月I日

 

 昨日は大層な事を思ったが、結局仕事が長引いて帰るのが遅くなった。

 ……溜息しか出ない。

 私って、前に出て戦うのは得意だけど、待って守るのって苦手だし。

 苦手というか、待つより前に出るのが好きというか。

 

 それにしても、グリゼルダさんには頭が上がらない。

 レイナーレさんが居なくて大変だろうと、食事をお裾分けしてもらった。

 ああいう気配りが、男の子にはポイントが高いんだろうな。

 

 

 

 @月J日

 

 私も家事で何か手伝いたいが、どうにも時間が取れない。

 せめて、朝食とお弁当だけでもどうにかできないだろうか。

 早起き、か。

 ……頑張ろう。レイナーレさんだって頑張ってたんだし。

 レイナーレさんに出来て、私に出来ないという事も無いはずだ。うん。

 努力努力。

 私だって、レイナーレさんに負けてないし。色々と。

 ――負けたくないし。

 

 

 

 @月K日

 

 生徒と教師が同じお弁当の内容というのは、気付かれるとやっぱり不味いだろうか?

 まぁ、同じところで食べている訳ではないから、気付かれる事は無いと思うが。

 美味しかったと言ってもらえるのって、かなり嬉しい。

 これからも、お弁当を頑張って作ろう。朝が辛いけど。

 あとお昼ご飯の後。今日はかなり眠かった。

 

 今日もグリゼルダさんから、お夕飯はお裾分けを頂いた。

 いい人だなぁ。

 私も、グリゼルダさんみたいな天使になろうと思った。

 

 

 

 @月L日

 

 徹君は、あまり料理が得意ではない。

 でも、一生懸命作ってもらうのって、とても嬉しい事だと思う。

 美味しかった。味はいまいちというか、色々と突っ込み所ばっかりだったけど、とても美味しかった。

 仕事から帰ってきて、キッチンで一生懸命料理を作ってる男の子を眺める。

 ……だめだ、魅力的過ぎる。

 あと、オーフィスさんも、頑張っておにぎりを握っていた。丸かったけど。

 料理が終わってから手伝っていた徹君のおにぎりも丸かった。

 こちらも、とても美味しかった。

 

 

 

 @月M日

 

 どうやらルーマニアの方は、とても大変なようだ。

 黒歌さんから連絡を貰った。

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。

 初めて聞く名前だが、ヴァーリさんのお祖父さんだそうだ。

 アザゼル先生が言うには、現魔王ルシファーやベルゼブブに並ぶ『超越者』。

 そして、その人が現『禍の団』トップ。

 ……ヴァーリさんは複雑だろうな。

 聞いた話だと、随分と荒れているそうだ。

 徹君も心配していた。

 レイナーレさん達は無事だったが、これからどうなるか……。

 今は、信じる事しかできないか。

 

 それに、以前曹操がサマエルを使って奪ったオーフィスさんの力。

 四分の三ほどの力で創られたもう一人の『オーフィス』。

 オーフィスさんは妹と言っていたが。また何か、変な番組を見たのかもしれない。

 どこまで本気なのか…まぁ、全力のオーフィスさんには届かないのだろうが。

 敵意は無いそうだが、大丈夫だろうか。

 

 

 

 @月N日

 

 今日の晩御飯は、いきなりランクアップしてハンバーグだった。

 オーフィスさんが食べたいと言ったらしい。

 結構焦げていたし、ソースも濃くて少し辛かったが、美味しかった。

 

 私ばかりが悩んでも、どうにもならないとは判っている。

 徹君達はいつも通りだし。明るく振舞っている。

 なら私も、そうする事にしよう。

 信じよう。無事に帰ってきてくれることを。

 徹君に降り懸かるであろう火の粉の一つを、潰してくれる事を。

 

 

 

 @月O日

 

 仕事に疲れて、心配で悩んでいたら、徹君からマッサージしてもらった。

 いや、肩揉みだけのつもりだったけど、やたら上手だったので、少し悪乗りしてしまった。

 私は悪くない……と思う。

 妙に上手な徹君も、一因なのだ。

 身体は軽くなったけど……溜息しか出ない。

 腰の痛みとか、足のむくみも随分解消されたし。

 まぁ、疲れが溜まってただけ、とも言えるけど。

 ……気持ち良かったなぁ。

 またしてくれないかな。

 でも、結構身体を触られたのに、全然反応してもらえなかった。

 ――悔しくないですけど。ただのマッサージですし。

 

 その徹君は、オーフィスさんから肩を揉んでもらっていた。

 見ているだけで和んだ。

 でも、痛くなかったのかな? 『無限の龍神』の肩もみ。

 

 

 




なんだろう。
回を重ねるごとに、ロスヴァイセさんがダメダメになってる気がする。
気の所為だよね? そんなことないよね?
ちょっと黒歌寄りになってるだけだよね?

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