とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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なんか、スカイリムにはまってる。
これ面白いね、マップが広いから時間かかるかなぁ、って敬遠してた。



137(エピローグ 戦乙女日記)

 B月A日

 

 ああ――なんというか。

 『次元の狭間』から帰ってきた徹君は、いつも通りの徹君だった。

 デタラメで、規格外で、少し怖くて、凄く優しい。

 曹操を打倒したレイナーレさんも凄いが、オーフィスとグレートレッドを従え、冥界を蹂躙した『魔獣』を一瞬で滅ぼした人。

 きっと、今回の事も、オーディンは知っているだろう。

 いや、裏で糸を引いている可能性すらある。

 ――オーディンの知識への欲求は、常軌を逸している。

 これから先も、徹君を知る為に何かしらの行動に出るだろう。

 ……それを止める事を出来ない自分が、無力で堪らない。

 せっかく徹君が帰ってきて、家の中が明るくなっている。

 そんな雰囲気を私が壊すわけにもいかない。

 

 黒歌さんは気にしなくていいと言ってくれたけど、やはり気にしてしまう。

 徹君は優しいけど、その優しさに甘えたくない。

 ――甘えるだけは嫌だな、と思う。

 年上だし。

 

 

 

 B月B日

 

 徹君の発言力とでもいうべきか、彼の存在は世界にとって大きすぎる気がする。

 オーフィスさんを、まさか手元に置く事を許されるとは思わなかった。

 『異世界の神の器』である徹君と、『無限の体現者』であるオーフィスさん。

 どちらか片方だけでも、恐らく全世界と敵対できる。

 アザゼル総督からオーフィスの力が奪われたと報告を受けているのかもしれないが、オーフィスさんの力が全盛に戻っているのは誰もが気付いているはずだ。

 それでも徹君の傍に置くのは――世界中が、徹君がオーフィスさんを変える事に期待しているからだろうか?

 そして、オーフィスさんが気を許し、心を開こうとしているのも徹君だ。

 良い結果になれば、と思う。

 今回の件も、冥界を救う為…徹君と共に戦ってくれたのだから。

 

 ヴァーリさん達も気になるようで、しばらくは家に滞在する事になっている。

 彼らとも、随分と仲良くなれた気がする。

 こちらが一方的にそう思っている訳では……ないと思う。

 少なくとも、彼らが徹君へ一定以上の信頼を寄せているのは確かなはずだ。

 白龍皇が徹君の恩恵を受け、時間への干渉を可能にしたように。

 

 

 

 B月C日

 

 レイナーレさん――本当に強くなったと思う。

 今までも強くなることに勤勉であり、私達の誰よりも、徹君の為に動いていた。

 口にはしないが、きっと黒歌さんもそう思っているはずだ。

 私よりも付き合いも長いのだし。

 そのレイナーレさんが強くなり、オーフィスさんに認められたことは、素直に喜ばしい。

 白龍皇が徹君の恩恵を受けているように、兵藤君がグレートレッドから力を授かったように。

 レイナーレさんは、オーフィスから『血の力』を受け取った。

 きっと、世界でただ一人の存在だろう。

 それがどういう意味を持つのか、正確には私も黒歌さんも図りかねている。

 それでも――私達がする事は変わらない。一つ、増えただけだ。

 徹君を支える。そして、レイナーレさんも。

 それだけだ。

 うん……判りやすい。

 変な事に悩んで、自分の殻に閉じこもるのはもうやめだ。

 

 それにしても、本当にレイナーレさんは強くなった。

 いきなり強力過ぎる魔力を手に入れた所為で、まだ全然制御できていないようだったけど。

 それに、多分レイナーレさんの肉体がオーフィスさんの魔力に耐えきれないという事もあると思う。

 仙術の肉体強化、魔力の制御は私が教える事になるだろう。

 ――まだまだ、私達がレイナーレさんにしてあげれる事は多い。

 それはとても嬉しい事だ。

 近いうちに、きっと私達はレイナーレさんに勝てなくなる。負ける。

 嬉しい事だ…けど、寂しくもある。

 その時は、お酒でも飲んで慰め合おうと黒歌さんと約束した。

 

 

 

 B月E日

 

 オーディン――様。

 きっと、どれだけ取り繕おうと、私の中ではオーディン様は私の上なんだと思う。

 北欧ではなく、徹君の傍に付くと決めた。

 でも、家族も……と。

 オーディン様は家族は保護してくれていると言っていた。無事だとも。

 でも、それを十全信じられるわけでもない。

 私の利用価値はもうほとんどないだろうけど……心配だ。

 オーディン様が私ではない新しい戦乙女を連れていた事もある。

 北欧には、もう私の居場所は無いのだろう。

 ……私がトオル君の傍に付く事を事前に察していたと思うと、悲しくなってくる。

 最初から裏切ると思われていた事が…悲しい。

 信じてもらえていなかった。

 だから――徹君は、この家に住む人たちだけは、裏切らない。

 

 徹君から、また心配されてしまったけど。

 家族……会いたいし、帰れるなら帰りたい。

 おばあちゃん達なら大丈夫かもしれないけど、心配だ。

 ……私が選んだ道は、正しいのだろうか?

 判らない。

 でも、私は裏切る為に戦乙女になった訳ではない。

 それだけは、本当で――もう偽りたくない本音だ。

 

 

 

 B月F日

 

 徹君が、オーディン様との会談の場をアザゼル総督に用意してもらおうとしている。

 私が年上なのに、徹君には守られてばかりだ。

 何かしてあげれる事は無いか、と思うが…彼には不足しているモノは無い。

 少なくとも、私は気付けない。

 レイナーレさんに黒歌さん、白音さん。

 他にも魔王達や天使、堕天使。

 彼を支える人は多い。支えようとしている人たちもいる。

 ……私は彼に、徹君に、どんな恩返しを出来るのだろうか。

 黒歌さんもレイナーレさんも、私には私にしかできない事があると言ってくれた。

 ――何か出来る事があればいいのだが。

 

 

 

 B月G日

 

 兵藤君達が、中級悪魔の試験に合格していた。

 アザゼル総督……もう総督の座は退いているので、総督ではないと強く言われた。

 アザゼル先生に教えてもらった。

 実力的には上級悪魔クラスなので、そう遠くないうちに上級悪魔への昇格もあり得ると言っていた。

 兵藤君の夢はともかく――頑張っているな、と思う。応援している。夢はともかく。

 彼も、遥か格上の存在を知っているので、慢心する事は無いだろう。

 

 それにしても、オーフィスさんは本当に徹君の事を一番に考えているようだ。

 今日は昼休みに、駒王学園まで徹君に会いに来ていた。レイナーレさんが付き添って。

 容姿の事もあって、まるで親子のように見える。『血』の繋がりもあるのだし。

 徹君も黒髪だし……そういうと、畏れ多いと言っていたが。きっと満更でもなかったのだろう。

 表情は嬉しそうだったし、心なしか足も軽くなっていたように感じた。

 ちょっと可愛かった。

 

 まぁ、そんなレイナーレさんには気付かずに、徹君はオーフィスさんのお世話をしていたけど。

 きっと彼は鈍感だ。女性関係に関しては、きっとそうだと言える。

 レイナーレさんに黒歌さん、白音さんも好きだと言っていたし、噂では生徒会長である蒼那さんとも良い仲だと聞く。

 他にもきっと、私が知らないだけでも徹君へ懸想している方もいるだろう。

 ……徹君はちょっと、女泣かせな所があると思う。

 

 

 

 B月H日

 

 オーディン様から、久し振りに連絡が来た。

 内容はまぁ…徹君と随分と仲良くなったな、という嫌味のような話だったが。

 多分、オーディン様に悪気はないのだと思う。そういう性格なのだ、あの主神は。

 

 徹君は相変わらずオーフィスさんに掛かりきりだし、レイナーレさんや黒歌さんはいつも通り。

 白音さんは少し…というか、随分自分に素直になっているようだ。

 徹君が『次元の狭間』へ封印されてから、一番変わったのは白音さんだと思う。

 自分に素直になった? そんな感じだろう。

 その形が、オーフィスさんへの嫉妬というのが微笑ましい。

 オーフィスさんに徹君を取られて、嫉妬している。

 妹が兄に? それとも、女の子が男の子に?

 ……この家は、本当に居心地が良い。

 毎日が楽しくて、温かい。

 

 

 

 B月I日

 

 グリゼルダさんとはあまり話した事が無かったが、良い人だと思う。天使だけど。

 それにしても、今日は白音さんに恋の悩みを相談されるとは思っていなかった。

 といっても、本人は想いを自覚しているし、どうしたいのか、どうすればいいのかも判っている。

 相談されたのは、きっと自分の思いを誰かに伝えたかったから。

 伝える事で、確かなモノにしたかったのかもしれない。

 自分の中だけではなくて、私達にも知ってほしかったのだろう。

 黒歌さんにも教えてあげればいいのに。まぁ、からかわれるだろうけど。

 ……黒歌さんも、いいお姉さんをしてると思うけど、そういう所があるから白音さんから警戒されるのだと思う。

 それにしても…黒歌さんが、白音さんを可愛がる気持ちが判る。

 妹が居て、その子が男の子を好きになるというのは――素直に喜ばしい。

 それが、自分が悪くなく思っている相手でも、だ。応援したくなる。

 

 白音さんが家へ戻った後、グリゼルダさんから、私は好きなようにしていいと、言われた。

 オーディン様の事、北欧の事、家族の事。

 徹君が、きっと最善の方向へ導くから、と。

 アレはどういう意味なのだろうか?

 ――天界は、徹君の事を何か掴んだのだろうか?

 そもそも、おかしな話でもある。

 徹君の家の隣に越してきているのに、何のアプローチも無い。

 偶にこうやって私達と話したり、一緒に夕食を食べたりするが、天界側から何かしらの接触を図ってくる事は無い。

 ……敵ではない、と思う。

 不思議とそう思えるのだが…少し、天界が判らなくなりそうだ。

 

 それにしても、徹君がオーフィスさんが笑ったと言っていたが、本当だろうか?

 想像がつかない。

 私達にとってオーフィスさんは絶対者であり、理解できない存在だ。

 おそらく、黒歌さんやレイナーレさんもそのはずだ。

 そんなオーフィスさんが笑うと言われても、どんな笑顔を浮かべるのか想像すらできない。

 

 

 

 B月J日

 

 徹君がオーフィスさんを笑わせようとしていた。

 ……本当に笑うのだろうか?

 まぁ、見ている分には微笑ましい光景なのだが。

 兄が妹に遊び方を教えているみたいな?

 それを遠くから眺めて嫉妬している白音さんと、その白音さんを眺めてニヤニヤしている黒歌さんも面白かったが。

 なんか――判りやすい。うん。

 多分、私とレイナーレさんは同じような気持ちだったと思う。

 ――どれだけ強く、凄くなっても変わらないなぁ、と。

 

 

 

 B月K日

 

 白音さんが、徹君とデートをしていた。

 まぁ、デートだろう。部活の買い出しだとリアスさんは言っていたが。

 愛されてるな、と思う。

 それにしても……帰ってきた後話を聞いたが、デートの後だというのに少し落ち込んでいた。

 話を聞いたら笑ってしまったのは、悪く思う。

 でもしょうがないと思う。

 好き、と言えなかったそうだ。

 ……青春してるなぁ。

 

 

 

 B月L日

 

 ヴァーリさん達が、オーフィスさんの様子を見に来た。

 心配しているのが判る…『無限の体現者』とはいえ、やはり彼女も周囲から愛されているようだ。

 ……オーフィス。世界の敵であり、『禍の団』の首魁であり、絶対の存在だった最強の龍。

 今は、徹君と共に居る、一人の女の子なのかもしれない。

 徹君は、オーフィスさんが笑うと言っていた。

 ヴァーリさん達はオーフィスさんは変わっていくと言っていた。

 徹君が変えていくと、信頼していた。

 きっとその変化は、良い方向へと傾くと。

 ――私も、そう思う。そう、信じている。

 徹君なら、オーフィスさんも変えれると。救えると。信じている。

 

 

 

 B月M日

 

 冥界の一件で気付いてはいたが、ヴァーリさんの成長速度は異常だ。

 まさか、時間にまで干渉できるようになるとは思っていなかった。

 『白銀の極覇龍』――彼が目指す『真なる白龍真皇』の第一歩。

 まだ未熟で未完だと言っていたが、それでも強力だ。

 こちらの時間を奪い、自身の時間を加速させる。

 使われたら、同じ時間軸に居る限り抵抗のしようがない。

 『無限の血』を得たレイナーレさんですら、為す術無く叩き伏せられていた。

 レイナーレさんが弱い訳ではない。彼女も強くなった。

 『無限の血』を得て、攻撃力だけならさらに磨きがかかっている。おそらく、私や黒歌さんでも、全力の一撃を貰えば沈められる可能性が高い。

 美猴さんですら褒めるほどに、レイナーレさんの成長は目を見張るものがある。

 それでも、ヴァーリさんの成長は群を抜いていた。

 強い――私の周りは、一気に強くなっていく。成長していく。

 それは才能であり、努力であり……きっと、必然だ。

 私も、立ち止まっていられない。もっと強くならないと――すぐに、レイナーレさんに勝てなくなる。

 それでは駄目だ。

 私も黒歌さんも、まだ負けられない。

 レイナーレさんが目標としてくれている。だからこそ、負けられない。

 今日は良い訓練になった。私に足らないモノが判った。

 

 訓練の後は、徹君と合流してスコル達の散歩に行っていた。

 本当に、徹君は誰からも好かれると思う。

 それにしても、だ。

 ヴァーリさんや美猴さんには彼女と呼べる人が居ないのだが、その辺りはどうなっているのだろうか?

 なまじ二人とも顔が良いし、ヴァーリさんは線が細い。

 ……徹君と仲が良すぎるのも、邪推してしまいそうだ。

 ルフェイさんの話では、そういう関係ではないし、二人とも女性が好きだという話だが。

 

 

 

 B月N日

 

 ……オーディン様が家に来た。

 徹君に主神として話をしに来たようだったが…結果は徹君から私の家族の事で釘を刺される結果になっていた。

 不思議なものだ…私が敬い、尊敬していたオーディン様が、神の器を持つ人間に言い包められていた。

 オーフィス、グレートレッド…そして、上代徹。

 冥界を救い、英雄を打倒した存在。

 そして――世界に敵対して勝てる存在。

 そんな徹君が、私の家族に手を出したら北欧へ向かう、と言ってくれた。

 徹君にとって、私はどんな存在なのだろう? 何の価値があるのだろう?

 ここまでしてくれて、守ってくれた彼に何が出来るだろう?

 ……私が彼に捧げる事が出来るモノなど、この身体しかない。

 徹君の為に戦い、守る。

 それだけが、私に出来る事なのだ――上代徹の眷属として。

 

 ――徹君から戴いた『御使い』のカード。数は『7』。

 黒歌さんや白音さんは『悪魔の駒』を戴いていた。

 レイナーレさんはその両方を――なら私は、彼女達とは違う形で彼の眷属の座に収まろう。

 

 

 

 B月O日

 

 今日は、オーフィスさんを連れて徹君達が釣りに出かけていた。

 釣果は殆どが美猴さんらしいが、徹君が釣ってきた魚もちゃんとあった。一匹だけだったが。

 レイナーレさんが気を利かせて、白音さんにその魚を渡していた。

 黒歌さんは悔しがっていたが、お姉さんなのでその辺りは我慢してもらった。

 というか、本気で悔しがるのはどうかと思う。そういう所は子供っぽくて、黒歌さんは憎めない。

 

 私は、オーフィスさんが釣ってきた魚を頂いた。とても美味しかった。

 美味しいというと、不思議そうな顔で見られた。

 ……少し、オーフィスさんは優しくなったと思う。

 なんとなくだが。そう思った。

 これが、ヴァーリさん達が言っていた変わった、という事だろうか?

 

 

 

 B月P日

 

 オーディン様の件で、アザゼル先生には随分とお世話になった。

 そのお礼に、今度、時間が出来た時に飲みに誘おうと思う。

 それくらいしか、私がアザゼル先生に出来る事は無いし。

 白音さんもアザゼル先生の事は気にしているようで、いくつか質問された。

 というか、私とアザゼル先生は、どういう風にみられているのだろうか?

 私としては同僚――それに、彼は遥か目上の存在だ。

 仲が良いと言われたが、職場の同僚としてだ。

 アザゼル先生は良い人だし、優しいし、尊敬できる、気が利く大人の男性だ。

 でも、良い人――だ。

 私としては、そうとしか思えない。

 白音さんは少し邪推していたようだが、きっと私より良い人がアザゼル先生には居ると思う。

 少し悪い言い方かもしれないが、飲み仲間…そんな感じだ。

 今度黒歌さんやレイナーレさんを誘って、飲みに行くのも悪くないかもしれない。

 

 

 

 B月S日

 

 もしかしたら兵藤君達に魔法使い達から契約の話が持ち上がるかも、とアザゼル先生が言っていた。

 悪魔と魔法使い達の契約は少し特殊で、その事はおばあちゃんから聞いている。

 レイナーレさんや黒歌さん、白音さんも悪魔だし、近いうちに魔法使いと契約する事になるのだろうか?

 黒歌さんは判らないと言っていたが、あの態度だとあまり契約する気は無いのかもしれない。

 白音さんは、まだ実力不足だし。

 レイナーレさんは、おばあちゃんの事を詳しく聞いてきた。

 ちょっと嬉しい。

 私のおばあちゃんは、それはもう凄い魔法使いなのだ。

 その事を説明すると、興味を持ってくれた。いつか会いたいと、魔術を教えてほしいと言っていた。

 私も、この家の人達におばあちゃんを紹介したい。

 それに、レイナーレさんは私の弟子でもある。是非ともおばあちゃんに会わせてみたい。

 とても勤勉で、真っ直ぐに前を向いている、最高の弟子だ。自慢の弟子だ。

 そう、おばあちゃんに自慢したい。

 

 

 

 B月U日

 

 今日から、私は戦乙女ではなく転生天使となった。

 ――頑張って戦乙女となって、オーディン様の命で極東の地へと来て、天使へと転生した。

 色々と複雑な気分だ、

 でも、悪くない。

 それに……羽、褒めてもらえた。

 それが、凄く嬉しい。

 レイナーレさんが、偶に徹君に堕天使と天使の羽を繕ってもらっているのは知っている。

 ……今度、お願いしてみようと思う。

 だって、凄く気持ち良さそうなのだ。私だって、興味がある。

 

 昼間にも言ったけど、日記にも書いておく。

 ありがとうございます、徹君。

 オーディン様の事、日本に来て独りだった時、優しくしてくれた事、誰もが私を敵として見ていた時……徹君だけは、今と変わらず接してくれた事。

 それがどれだけ嬉しかったか、きっと徹君は気付いていない。

 どれだけ救われたか、徹君は気付かないだろう。

 ……でも、私は救われた。嬉しかった。

 徹君を裏切るのが辛かった。でも、徹君の傍は居心地が良かった。

 だから、もう裏切らない。絶対に、だ。

 この家は居心地が良い。

 徹君が居るこの家は、とても暖かい。

 レイナーレさんからも、黒歌さんからも、白音さんからも、スコルやハティからも、認めてもらえた気がする。

 やっと……私はこの家の一員になれた気がする。

 




17巻でお婆ちゃんが出るみたいだから、その辺りをあんまり書かなかったら、内容がちょっと…となってしまったような気がする。
あと、爺ちゃんへの罰ゲームはその辺りで決まる。


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