とある神器持ちの日記   作:ウメ種

14 / 195
13(赤龍日記)

 

 △月S日

 

 部長から言われて、今日から日記を書くことになった。

 なんでも、モチベーションの維持に良いのだとか。

 よく判らないけど、部長に言われたので今日から書く。

 取り敢えず、何を書けばいいのか判らないので、近況をいくつか。

 今朝、ドラゴンの夢を見た。俺が一口で食われそうなくらい大きな赤いドラゴンだ。

 アレはなんだったんだろう? 俺を食うつもりは無いみたいだったけど。

 それと、最近は毎朝、部長と一緒にランニングをしている。

 アレが辛い。

 朝は早いし。キツイし。ご褒美の一つも無いし。

 ハーレム王への道が遠い。でも挫けずに頑張ろう。

 俺は部長の『兵士』なんだから、部長が胸を張って言える『兵士』になるのだ。

 そうそう、今日からアーシアと一緒に暮らす事になった。ホームステイってヤツだ。

 父さんと母さんも、最初はゴネていたが、最後には賛成してくれていた。

 ……花嫁修行が理由っていうのも、どうかと思う。

 

 

 

 

 △月D日

 

 ランニングの途中で、よく上代先輩の家に寄る事が多い。

 というか、ここ最近は毎日のように寄っている。

 いや、丁度折り返し地点が上代先輩の家なんだよな。

 部長が指定したランニングコースがそうなのだから、俺には何も言い様がない。

 まぁ、部長の事だから何か考えがあっての事だろう。

 それに上代先輩も『神器』を持ってるらしいし。見た事が無いけど。

 上代先輩も強いんだろうな。俺も早く、部長の役に立てる悪魔になりたいぜ。

 でも上代先輩って、レイナーレと一緒に暮らしてるんだよな。

 先輩と一緒に暮らして少しはマシになったみたいだけど、アイツはやっぱり少し苦手だ。

 でも、俺が渡したメイド服を着て牛乳を渡してくれるのは、正直眼福だけどな。

 あー、俺もメイドさんと一つ屋根の下で暮らしてぇ。

 どんだけ強くなれば、俺もメイドさんと一緒に暮らせるのかな?

 今度上代先輩に聞いてみよう。

 

 

 

 

 △月¥日

 

 松田達と馬鹿話をするのはいつもの事だけど、最近はそこにアーシアが加わるようになった。

 こんな野獣たちには勿体無いと思う。

 

 

 

 △月F日

 

 今日は部長の代わりに、アーシアと一緒にランニングをした。

 部長と違って悪魔になりたてのアーシアは体力が無い。

 上代先輩の家に着く頃には息も絶え絶えで、こっちが気の毒になるくらいだ。

 っていうか、ペースを全然考えてなかったんだよな……俺のバカ。

 でも先輩? どうして俺は何時もの牛乳で、アーシアには少し高めな野菜ジュースなんでしょうか?

 まぁ、飲んでもこの後の特訓で吐きそうだから、牛乳で良いっすけど。

 取り敢えず、授業中はここ最近は毎日寝ている。

 授業中に体力を回復させないと放課後に死ねるし。

 悪魔の訓練って、マジで辛い。でも頑張らないとな。

 リアス部長に恥をかかせる訳にはいかねぇし。

 

 

 

 △月G日

 

 上代先輩って、明らかに俺達と子猫ちゃんとアーシアへの対応が違うと思う。

 部長にそう相談したら、怒られた。朱乃さんの前では絶対に言わないようにと釘も刺される。なんでだ?

 子猫ちゃんに相談すると、朱乃さんに聞いた方が判ると思います、との事。

 どっちが正しいんだ?

 木場は苦笑してるし。

 取り敢えず、部長に従って聞かない事にした。

 

 

 

 △月H日

 

 聞かなきゃよかった。

 朱乃先輩の笑顔が怖かった。あと、視線がものすごく冷たかった。

 素敵な笑顔なのに怖いとはコレ如何に。

 でも、ちょっとゾクゾクした。

 あと、アーシアのチラシ配りを手伝った。

 なんか、『ローマの休日』ってのの話題になったけど、何だったっけ? 映画だったのは覚えてるけど。

 今度調べよう。

 それと、次の休みにはこの辺りのパン屋を案内しよう。

 アーシアって、パンが好きみたいだし。

 そんなこんなで帰ると、部室で部長がボーッとしてた。

 なんだったんだろう? やっぱり気になるし、明日にでも聞いてみようと思う。

 

 

 

 

 やべぇ、まだドキドキしてる。

 部長に、ほっぺにだけどキスされた。

 じゃねぇ――刺激的な告白をされてしまった。

 きっと、俺は一生今夜の事を忘れない。

 でも、あのグレイフィアさんって、本当に何者なんだろう? 俺の事を知ってるみたいだったし。

 それに、俺か上代先輩の事もなんか言ってたし。

 しっかし先輩って、あんな美人のメイドとも知り合いだったのか。

 今度、なんか美人にモテるコツみたいなのを聞いてみよう。

 

 

 

 △月J日

 

 あ゙―――――っ!!!!

 ムカつく、ムカつく、ムカつく。

 なんだあの焼き鳥野郎っ!!

 今度の『レーティングゲーム』で羽を毟り取ってやる。

 思い出すだけでイライラしてくる。

 部長の婚約者らしいけど、あんなのじゃ役不足だっての。ハーレムもアイツには勿体ねぇ!

 俺の『赤龍帝の篭手』でぶっ飛ばしてや―――

 

 

 

 (文字が汚くて読めない)

 

 

 

 あーー、日記ってのも結構ストレス発散になるな。

 しっかし、上代先輩って何者なんだろう?

 なんかグレイフィアさんと一緒に部室に来たし。

 今度の『レーティングゲーム』の審判をやるらしいし。部長のお兄さんの指名で。

 先輩って、『神器』を持ってるけど、ただの人間じゃなかったのか?

 それに、部長のお兄さんって、朱乃さんに聞いたら魔王様らしいし。

 それにも驚いたけど、先輩が魔王様と知り合いってのにも驚いた。

 部長なんて、多分今もグレイフィアさんに問い詰めてるんじゃないだろうか?

 やー……人間、見かけによらないもんだなぁ。

 そりゃ、レイナーレも丸くなるよな。

 

 

 

 △月K日

 

 今日から一週間、グレモリー家が所有する木造の別荘で日記を書くことになった。

 というか、朝方、リアス先輩に半ば拉致同然の勢いで修行のために連れ去られた。

 とりあえず、木場と剣術修行、朱乃さんと魔力修行、小猫ちゃんと組手、部長と登山。

 生きてるって素晴らしいという事は理解した。

 風呂は露天風呂だった。

 

 

 

 




別視点その一。
イッセー視点はすぐ終わると思う。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。