とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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80話ぶりくらいかもしれない


128(魔王日記)

 A月M日

 

 明日は、イッセー君の中級悪魔への昇格試験の日だと思いだした。

 夕食の後に気付いた事を許してほしく思う。

 蔑にしている訳ではなかったが、最近は考える事が多かったのだ。

 そういう行事の把握はグレイフィアに任せきりなのも、悪いのかもしれない。

 セラフォルーに各勢力の内情を探らせたが、思うような成果も得られていない。

 冥府、須弥山……多くの勢力が、裏で『禍の団』と繋がっている。

 いや、冥界の旧魔王派もなのだから、他の勢力を悪く言う事も出来ないのだが。

 もう少し詳しく知りたいところだが…そう簡単に尻尾は出さないだろう。

 一番わかりやすいのは須弥山――帝釈天。

 彼は隠そうともしていないが。

 『禍の団』、徹、イッセー君……「おっぱいドラゴン」の新商品。

 考える事が多すぎる。まぁ、退屈なのよりは万倍マシだが。

 しかし、「おっぱいドラゴン」の人気に比べて「サタンレンジャー」の人気の伸びがあまり良くないのが気にかかる。

 低年齢層を狙っている「おっぱいドラゴン」と、中高生を的に狙った熱血系の「サタンレンジャー」では、やはりウケる要素が違ってくるのか…番組作りは難しい。

 

 とりあえず、明日は時間を作ってイッセー君の昇格試験を応援しに行く事にしている。

 偶には息抜きも大事だと、グレイフィアに無理矢理休みにされたのだ。

 本当に、良い妻を持ったと思う。

 ミリキャスにも気を使われてしまって、明日はグレイフィアと二人だけの休みだ。

 イッセー君には悪いが、昇格試験前に幾つか楽しませてもらおう。

 

 

 

 A月N日

 

 テロリストというのは、本当に忌々しいものだと思う。

 今日は久しぶりの休暇…しかも、未来の義弟の昇格試験、しかも徹が応援に行ってたらしい。

 グレイフィアとのデートで遅れていかなければ、楽しい時間を過ごせたというのに。

 まぁ、グレイフィアとのデートも素敵な時間ではあったのだが。

 それにしても――アザゼルは、面白い隠し事をしてくれたものだ。

 オーフィスと徹の会談か……オーフィスは以前、徹を一度殺している。

 殺しきれなかったが、彼――彼女は、徹に敵意を抱いていると思っていたが違ったようだ。

 私の目も曇ってしまったのかもしれない。

 だが、彼女が徹に敵意を抱いていないというのは良かったと思う。

 徹とオーフィスの戦争など、おそらく世界がいくつあっても足らないだろう。

 上手く間を取り持ってくれたアザゼルを、悪くは言えないな。

 他の上級悪魔、最上級悪魔の連中は小五月蠅くなるだろうが。

 

 それにしても英雄派――曹操。

 面白い事をしてくれたものだ。イッセー君をサマエルの呪いで倒し、徹とオーフィスを封印した。

 報告を受けた時は耳を疑ったが、人間はとにかく頭が回る。

 それが最大の武器だと知っている故に、不思議ではない。

 ドラゴン、神――魔王。

 それらの人知が及ばぬ存在を倒し、封じてきたのは人間だ。

 今回も、英雄たちが力を合わせ、命を散らしてドラゴンと神を封じた、ということだ。

 悪くは無いが――癪に障る。

 それに、徹も徹だ。

 彼なら曹操程度、策を弄されても、策ごと英雄たちを潰せるだけの力がある。

 だというのに封印された――足元を掬われたか、何か理由があったのか。

 アザゼルの報告では、曹操は随分と以前から罠を仕掛けていたらしいが。

 まぁ、今はいい事か。

 英雄派、旧魔王派、死神――冥府に封じられているはずの『龍喰者』サマエル。

 『禍の団』と冥府の王、ハーデス。

 どうするべきか……すぐに動けないのは、魔王――権力者の悪い所だ。

 

 

 

 A月O日

 

 アザゼルと連絡を取ったが、珍しく随分と落ち込んでいた。

 本当に珍しい事だ。

 徹とオーフィスを引き合わせた事を後悔しているのかも知らない。

 私はそれほど悪く思っていないが、恐らく他の方面から色々と言われているのだろう。

 まぁ、その程度の覚悟はしていたはずだから、落ち込んでいるのはフリで、なにか考え事をしているのだと私は疑っている。

 その辺りは、後で判るだろう。

 問題は『禍の団』だ。

 徹を封じた今、すぐにでも行動にでる筈だ。

 対策を考えなくてはならない。

 グレイフィアには、魔王達の招集、レーティングゲームの上位陣の召喚、今回の騒動の裏に隠れている連中の炙り出しを頼んでいる。

 明日にはいくつかの情報が得られるだろう。

 

 ……リーアは、酷く落ち込んでいる。

 イッセー君が生死不明…彼に与えた『悪魔の駒』だけが手元に戻ってきているそうだ。

 あの子は本当に、心から彼を愛していたのだろう。

 判っていたが、今回の件でその気持ちが本物だったと知らされた気分だ。

 すぐに会いに行きたいが、私も魔王としての仕事がある。

 『禍の団』、今回の騒動の黒幕を黙らせるまで、会いに行くのは難しいかもしれない。

 ああ――忌まわしい。

 

 

 

 A月P日

 

 北欧のオーディン、須弥山の帝釈天、オリュンポスの神々――他にも、世界各国の神話体系の重鎮たちが冥界に集まっている。

 徹とオーフィスの今後の事を検討するためだ。

 私は――冥界は、徹を救出する方向で話を合わせている。

 アジュカは興味をあまり示していなかったが、セラフォルー、ファルビウムは賛成してくれている。

 さて…世界はどう動くだろうか?

 徹を救うのか、封印するのか――見捨てるのか。

 

 グレイフィアから報告を受けたが、やはりハーデスは黒だった。

 近いうちに、今回の件の罰を受けてもらわなければならないだろう。

 

 

 

 A月Q日

 

 久しぶりに会ったアザゼルは、どこか疲れているようだった。

 オーフィスの件ならば、いつも通りあまり深く考えなくていいだろうに。

 徹とオーフィス。

 以前から知り合っていたという報告も受けている。

 そうなっては、下手に抵抗するよりも、会わせて目が届く範囲で変化を観察するべきだ。

 少なくとも、徹は話が通じるのだし。オーフィスも、徹に気を許しているのなら彼のいう事は聞いたのかもしれない。

 会わせず、反感を買って滅ぼされては目も当てられない。

 

 ……しかし、考えてはいたが――徹は何処からも警戒されているのか。

 特に、北欧とオリュンポスは徹の封印を推している。

 彼は強すぎるから、このまま封印すべきだ、と。

 正しい意見ではあるのだが、だからこそ私は彼を助けるべきだと思う。

 オーフィスはサマエルに力の大半を奪われたとアザゼルから聞いている。

 徹は話が通じるのだから、機嫌を損ねるよりも助け、手を取り合うべきではないか?

 冥界と『神の子を見張る者』は徹を救出する側。

 天界を始め、他の勢力は様子見――今日の会議は、平行線だった。

 しかし、オーディン殿が封印派だとは思わなかった。

 おそらく、徹が封印されて、どう反応するかを知りたいのだろう。

 

 会議というのは面倒極まりない。

 だが、それが魔王の仕事だと言われるとどうしようもない。

 近いうちに、私は冥府へと赴くだろう。時間は少ない。

 こうしている間にも英雄派は戦争の準備をしているはずだ。

 徹とオーフィスが居ない今――今しか、『禍の団』が戦争で勝利する可能性は無いのだから。

 

 

 

 B月!日

 

 会議は今日も平行線をたどった。

 なんと無駄な時間だろう――。

 私の配下も全員揃い、レーティングゲームの上位陣も首都リリスへと集いつつある。

 冥界の戦力は集まっているが、恐らくそれも曹操の策に盛り込まれているはずだ。

 さて、あの英雄はどう動くだろうか?

 それに、今は各神話体系の重鎮たちも居る。

 それでも動くだろうか? 動くだろうな。

 曹操――英雄は、戦場を求めているはずだ。

 ぬるま湯の様な世界を憎み、戦場を求め、戦争を起こすのだから。

 英雄とは戦いの無い世界には生まれない――それでも『英雄』として生まれてしまった存在。

 ……ある意味で、平和の犠牲者であるのかもしれない――哀れなものだな。

 

 

 

 B月”日

 

 頭が痛くなりそうだ。

 無意味な会議ほど無駄に体力と精神力を消費するモノは無い。

 グレイフィアとミリキャスからの労いの言葉に癒された。

 それに、今日は『禍の団』も動きを見せてくれた。やっとだ。

 動いたのは旧魔王派という話だったので、おそらく英雄派はこちらの戦力が疲弊してから動き出すのだろう。

 先日の一件で、英雄派の構成員の殆どは徹と白龍皇達のチームに倒されたとの報告も受けている。

 少数精鋭。それが今の英雄派を現すに最もふさわしい言葉だろう。

 

 12体の魔獣には『豪獣鬼』。

 一際大きな魔獣――魔神には『超獣鬼』という呼称をつけてみた。我ながらいいネーミングセンスだと思う。

 グレイフィアからは怒られたが。

 良い名前だと思うのだが……。

 不謹慎だと怒られたが、まぁ、その辺りはあまり考えていない。

 こういう時は信じるものだ。

 『エンペラー』ベリアルが破れ、敗走した。

 彼が負けるとなると、恐らく他のゲーム上位陣でも『豪獣鬼』の相手は難しいだろう。

 魔王に名を連ねるセラフォルーでも危ないかもしれない。

 だからそういう時は信じるものだ。英雄――ヒーローを。

 そういうものだ。徹は。

 今までそうだった、きっとこれからもそうだろう。

 『豪獣鬼』達が冥界の主要都市へと到着するには、まだまだ時間がある。

 恐らく『魔獣創造』の使い手が精神に異常をきたしたか、限界を超えたかしたのだろう。

 アザゼルからの報告によると、アレ等は徹が曹操に封印される直前に召喚した存在に似ているらしい。

 外見も――内容も。

 劣化品だそうだ。判らなくもない。

 あの程度なら、私やアジュカなら打倒できる。消滅させることが出来る。

 そう難しく考える必要も無いだろう。

 それに、魔王というのは余裕を持って、玉座の上でふんぞり返っているものだ。

 

 ……そう言ったらグレイフィアから思いっきり怒られたが。

 偶に本気で怖い。私の妻は……。

 

 まぁ、あまり楽観視をしていられる状況ではないのは私も理解している。

 そんな軽口でも叩かなければ、今すぐにでも私が動いて問題を解決したいくらいだ。

 だがそれでは駄目なのだ。

 私は頭――私が簡単に動いては、冥界の戦力を他の勢力に舐められる。

 それだけは、駄目なのだ。

 今は、私の大切な民を信じよう。

 

 

 

 B月#日

 

 冥界の『神器』使いの配下達が反旗を翻しているという報告が一気に増えた。

 『悪魔の駒』で無理矢理に悪魔へと転生された者達だろう。

 信頼を以て転生した者は、そんな事をしていない。

 しかし、厄介だ。

 『神器使い』が敵に回る事もそうだが、他の勢力に冥界の現状を事細かに知られるのも面倒だ。

 一応情報規制はしているが、どれだけの意味があるか……。

 それに、怪我人の治療も追いつかない。

 『聖母の微笑』の所有者が限られているのもあるし、『フェニックスの涙』も全然足りない。

 こういう時、徹が居ると助かるのだが。

 彼なら一瞬で怪我人全員を癒せる。

 ……無い物強請りだが。

 それに、無意味な会議も苛々させられる。

 

 

 

 B月$日

 

 セラフォルーと引き継ぎを行い、明日からは冥府へと行く事になった。

 事前に他の魔王とは話をしていたが、私が冥府へと赴いてハーデスを牽制する事にする。

 それに、どうやら白龍皇のチームが冥府で行動を起こしたという情報も入ってきている。

 天界、『神の子を見張る者』――極東の三大勢力で事に当る事になっている。

 『神の子を見張る者』からはアザゼル。

 天界からはデュリオ・ジェズアルド――ミカエルのジョーカーが。

 

 おそらく、明日明後日には『豪獣鬼』『超獣鬼』も冥界の主要都市を射程圏内に収めるだろう。

 その時の不確定要素は廃させてもらうとしよう。

 リーア達は今、アジュカのもとでイッセー君の生死を確かめているらしい。

 アジュカの元へも『禍の団』が向かったらしいが、ただのテロリスト程度にアジュカが討てるとは思わない。

 そう心配する必要も無いだろう。

 私は私の仕事をするだけだ。

 ハーデスの牽制――出来れば、消してやりたいが。そうもいかないだろう。

 この状況で神仏、魔王、死神――そのどれか一人でも滅ぼされては、今後の世界に影響が出てしまう。

 おそらく、それが『禍の団』の狙いだろうが。

 混乱――面倒極まりない目標だ。

 

 

 

 B月%日

 

 明日には、ハーデスの元へ辿り着けるだろう。

 徹はまだ戻ってきていない。オーフィスも。

 アザゼルも、徹とオーフィスは自力で戻って来れると予想している。

 曹操は徹たちを封印したと言ったらしいが、そもそも封印できるなら恐らくどこか他の勢力が真っ先に封印しているはずだ。

 世界の理を変えるような――死を無かった事に出来るような存在だ。

 『神滅具・絶霧』程度の封印で封じれるような人間ではないだろう、徹は。

 『神滅具』は確かに強力ではあるが、それだけだ。

 最強の『神滅具』がオーフィスを殺せないように、『絶霧』では徹を封じることは不可能だと考えている。

 ならなぜ徹が『次元の狭間』から帰って来ないのか?

 私としては、帰って来れない理由があるのだと考えている。

 イッセー君か…他の要因があるのかもしれない。

 

 ともかく、徹の事は心配していない。

 問題は、時間が無い事だけだ。

 ハーデスを牽制して、少しでも時間を稼げればいいが……。

 冥界の戦力で今回のテロを防げるのが一番だが、『エンペラー』ベリアルすら敗走する敵だ。

 難しいだろう。

 まぁ、アジュカが居るのでどうとでもしてくれるだろうが。

 面倒を押し付けた形になるので、今度何か埋め合わせをしようと思う。

 

 

 

 B月A日

 

 徹の友好関係には、少し考えさせられるな。

 テロリストと友好を…何時の間に築いたのだろうか?

 美猴をはじめとした白龍皇のチームが死神たちに大立ち回りをして、そのほとんどを打倒していた。

 徹とオーフィスを傷付けられたから……その怒りをぶつけていた。真っ直ぐに。

 責める事は無いが――徹には少しは自身の重要性を考えてほしいものだ。

 下手をしたら、徹がテロリストとして世界から敵意を向けられるのかもしれないのだから。

 ……オーフィスやグレートレッド同様、世界と喧嘩をしても勝ちそうなのが怖いが。

 

 しかし、ハーデスは王の器ではあったのだろうが、愚かでもあった。

 私にも勝てないだろうに、徹へ手を出した。

 徹に手を出せば誰が動くか判るだろうに……。

 私が冥府へと赴かなかったら、恐らくセラフォルーが名乗り出ていただろう。

 彼女はアレで、かなりの激情家だ。

 敵には容赦しない。

 デュリオ・ジェズアルドの『煌天雷獄』で氷漬けにされた冥府を思い出すと、笑ってしまう。

 彼女なら、冥府だけでなく冥府に溢れる魂ごと氷漬けにした事だろう。

 女の怒りは恐ろしいのだ。私は身をもってその事を理解している。

 セラフォルーに、徹の眷属、もちろん私も動く。

 ほかにも、白龍皇のチームに…天界や北欧でも動きがあるかもしれない。

 はたして、そんな勢力に対抗できるだけの力があるのか。自信があったのか。

 愚かとしか言いようがない。

 

 ――しかし、久し振りに『滅びの力』を解放したが……あまり良い気分ではない。

 そして同時に、私がどうして徹をこうまで気に入っているのか理解できてしまった。

 私の『滅びの力』は、一度発動したら特殊な結界やフィールドを張らなければ全てを消滅させてしまう。

 制御できない力は、破壊しか生まない。

 だからこそ、私は徹を気に入り――必要としているのだろう。

 徹は真逆だ。

 破壊し、滅ぼす事しかできない私の力とは真逆。

 あらゆるものを生かし、再生させる力。

 だからこそ――私はこうまで、彼の銀色の命の輝きに魅せられているのだろう。

 憧れている……のかもしれない。

 私の力は闇だ。漆黒だ。

 ――だから、輝く彼が眩しく、羨ましいのだろう。

 

 

 

 B月B日

 

 うーむ……あまり面白い状況ではない。

 魔獣たちの冥界進行をTVクルーがライブ映像で取っていたのは知っていたが、オーフィス、グレートレッド、徹が映っているのがマズい。

 特に、徹が映っている辺りが。

 あまり、徹の情報を公にしたくない。

 徹の能力は強力過ぎる。私も悪魔としては突然変異と言われる強さを持っているが、オーフィスやグレートレッドは別格だ。

 そして徹も、その二匹のドラゴン同様、別格…別次元と言える。

 徹の存在は、もう隠す事は不可能だろう。今までも上級悪魔の連中は探っていたようだが、その辺りは私の配下の方で処理していたのだ。

 グレイフィアやアザゼルにも相談したが、一度流れた映像を消す事は無理だと言われた。

 なら、極力徹の能力を隠さなければならない。

 彼が悪用されないように。彼の美しい銀色が曇らないように。

 

 それにしても、アザゼルから聞いていたが、本当にオーフィスは徹へ興味を持っていた。

 敵意を抱いておらず、それどころか懐く…心を開いていたように思える。

 グレートレッドは『次元の狭間』へ戻ったが、オーフィスの話ではグレートレッドもトオルの事を悪く思っていないらしい。

 というか、アレは雌なのだろうか? 

 女誑しではなく、ドラゴン誑しだな、というとアザゼルが笑っていた。

 冥府へ行く前よりも、随分と良い顔をしていた。

 聞いた所、今回の失敗の件を重く受け止め、堕天使総督の座から退くらしい。

 ……凄く晴れ晴れとした笑顔だったのが印象的だ。

 まぁ、アザゼルがそう決めたのなら、私に止める理由は無い。

 それに、これからは趣味の『人工神器』の開発に集中するらしい。

 良い事だ。

 

 

 

 B月C日

 

 最近、グレイフィアの機嫌が良い。

 聞いたところによると、鍛えていた元堕天使が、ようやっと半人前になったらしい。

 ……私にはよく判らないが、半人前とは喜ぶ事なのだろうか?

 今までは、半人前以下だったらしいので、まぁ、半人前に成ったら喜ぶべきなのかもしれない。

 偶に、妻の喜ぶポイントが判らなくなる……。

 おそらく、元堕天使というのは徹の『女王』の事だろう。

 その辺りは教えてもらえなかったが、グレイフィアが彼女を気に掛けている事は知っている。

 あまりどんな女だったか覚えていないが、グレイフィアが気に掛けるのなら、いつかの機会に、正式に会いたいものだ。

 それに、徹の『女王』ならば、その為人も知っておきたい。

 『女王』は『王』を計る目安だ。

 徹に相応しくないならば、私の方からも手を出す必要があるだろう。

 まぁ、グレイフィアが教育しているなら問題ないだろうが…。 

 

 

 




徹君大好き魔王様。
すっごい久しぶりに書いたような気がしないでもない。

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