とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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獅子日記(サイラオーグさん)が停電によって消滅したので、気分転換に11巻を投下
10巻エピローグも文字化けして使い物にならなくなって、傷心なのです
お許しください……


115(十一巻開始)

 A月A日

 

 兵藤とグレモリーが、正式にお付き合いする事になったらしい。どうでもいい。

 リア充は爆発するべきだ。爆ぜろ。粉微塵になれ。

 ……どうしてそんな事を俺に報告しに来るのか。嫌味か? チクショウ。

 休み時間の度に見せつけられた。

 支取と二人、溜息しか出なかった。

 まぁ、好き合ってるみたいだし、楽しいんだろうけどさ。

 アーシアさんも祝福してたし、良い事なのかな? 良い事なんだろうね。

 見せつけられる俺には堪ったものじゃないけど。俺も支取も、彼女彼氏は居ないんだけどなぁ。

 あと、塔城さんの調子がまた悪いみたいだ。

 グレモリー達の惚気に気分を害したのだろうか?

 冗談だけど。

 大丈夫らしいけど心配だ。

 

 

 

 A月B日

 

 ギャスパー君が朝練で走り込みをしていた。

 なんか懐かしい光景だなぁ、と思った。

 この前までは兵藤とかも走り込みしてたし。

 なんでも、『神器』をもっと使いこなすために体力をつけてるらしい。

 まぁ、身体細いもんね。体力なんて、吸血鬼なのに俺より低そうだもん。

 しかし、どうしてオカ研の連中は朝練の時は家に寄るんだろうか? なに、そういう決まりでもあるの?

 そんなギャスパー君に牛乳を差し出してるレイナーレさんは、本当に良く出来た人だと思う。

 あと、スコルとハティに吼えられてた。……頑張ってほしい。うん。

 

 

 

 A月C日

 

 兵藤に、孫の名前を相談された。

 どうしよう、アイツを殴ったらやっぱり停学とか喰らうのかな?

 昼休みに支取に相談したら、支取はグレモリーに孫の名前を相談されたらしい。

 ……バカップルって本当に居るんだなぁ。昼飯が微妙な味だった。兵藤の所為だ。

 支取が彼氏を作ろうかな、と言っていた。

 良いんじゃない? 匙君を勧めておいた。弟だと言われていた。

 ――彼はもう少し男らしくというか、支取に踏み込むというか、もう少し頑張ってほしい。

 このままじゃ、支取が卒業するまで進展無しなんじゃなかろうか?

 

 

 

 A月D日

 

 なんか、兵藤達が中級悪魔になるらしい。

 悪魔に中級とかあるんだ。今は下級なんだろうか?

 そんな事を聞かされても困る。訳が分からないし。

 とにかく、今度中級悪魔への昇格試験があるらしい。おめでとうと言っておいた。

 中間試験も近いって言うのに、悪魔は大変だな。

 

 

 

 A月E日

 

 グレイフィアさんが、面白い玩具をいっぱい持ってきてくれた。

 「すぽんじドラゴン」とか、けっこう便利だ。身体を洗うのに。

 最近の「おっぱいドラゴン」は玩具だけじゃなくて、日用品にまで手を伸ばし始めてるらしい。

 いったいどこまで儲けるつもりなんだろう、サーゼクスさん。

 そのうち、「おっぱいドラゴン」だけで一財産築けるんじゃなかろうか?

 もしかしたら、もう築いてるかもしれないけど。

 あと、最近のグレモリー達の事をグレイフィアさんに相談した。

 でも、若いんだからしょうがないと言われた。そういうものなのか。

 というか、グレイフィアさんとサーゼクスさんも昔は似たようなものだったらしい。信じられない。

 少なくとも、グレイフィアさんはその辺りは自制できると思っていた。

 笑われた。

 若い男と女というのは我慢が出来ない生き物らしい。

 まぁ、判らなくもないけど。俺も色々、我慢してるし。

 なんでか俺の家で恋愛の授業が始まっていた。教師はグレイフィアさん。

 今思うと、何でああなったのか判らない。楽しかった……かもしれないけど。

 途中からレイナーレさんが顔を真っ赤にしてた。

 グレイフィアさんに何を言われたのだろうか? 教えてくれなかった。

 こういうのって、教えてもらえないと逆に気になるというか……黒歌とロスヴァイセさんに怒られた。

 察せという事らしい。無理を言わないでほしいです。

 

 

 

 A月F日

 

 支取の眷属の人達が、アザゼル先生の『人工神器』のテスターになるらしい。

 そういえば、レイナーレさんもアザゼル先生から『人工神器』を貰ってた事を支取に話した。

 名前は忘れたけど、盾みたいなのを作るヤツだ。

 羨ましいもんだ。そう言うと驚かれた。

 でもさ、俺の『神器』なんて使い道が無いし。どうしようもないガラクタだし。

 支取に呆れられた。そりゃそうだ。

 だって壊れた時計だもんな、俺の『神器』。

 どーしたもんかね、アレは。最近は出てきやしない。

 

 それはそうと、塔城さんの調子がやっぱりよくないようだ。

 黒歌が大丈夫だと言ってたけど、本当に大丈夫なんだろうか?

 病院とか行った方が良いのかな?

 

 

 

 A月G日

 

 今日は、学校を休ませてもらった。一大事だったのだ。大変だったのだ。

 朝起きたら、というか寝てたら、塔城さんがベッドに潜り込んできた。

 ……黒歌の名前を呼んだら、物凄く睨まれた。

 だって、今までベッドに潜り込んできたの黒歌だけだったからしょうがない。

 何回かレイナーレさんもあったけど。まぁそれは今はいい。

 兎に角塔城さん。

 びっくりした。凄くびっくりした。

 どれくらいびっくりしたかと言うと、ベッドから転げ落ちて頭にたんこぶを作るくらいびっくりした。

 レイナーレさんに冷やしてもらった。お蔭で目が覚めたけど。

 なんでも塔城さん、発情期らしい。

 ……書いててなんだが、書いて大丈夫なのか、こんな事?

 最近様子がおかしかったのは、そういう理由らしい。教えてくれれば、とも思ったけど流石に妹が発情期だなんて教えれないよな、姉として。

 しばらくしたら落ち着くらしいので、塔城さんの誘惑に負けるなと言われた。

 ――信用されてるのかされてないのか、微妙な所だ。

 

 

 

 A月H日

 

 昨日休んだことで、支取に心配された。

 うん、偶にいきなり倒れて休んだりしてた俺が悪いんだけどさ。

 まぁ心配してもらえるのは嬉しいので礼を言っておいた。

 流石に理由は言えなかった。塔城さんの件は、レイナーレさんと黒歌に任せている。

 俺じゃどうしようもないし。

 女の子の問題だし。男には無理だよ、発情期の問題は……。

 しかし、その発情期の引き金が兵藤とグレモリーだとは――今度、本気で一言言うべきなのだろうか?

 アイツ等が人目も憚らずイチャイチャしてるから、塔城さんがそれに感化されたんだとか。

 羨ましいからって、身近にいる俺が相手ってのもアレだけど。

 塔城さんくらいの女の子なら、もっと良い男が居ると思うし。

 

 それと、黒歌から明日オーフィスちゃんに会ってほしいと言われた。

 今まで会ってたけど、あれじゃ駄目らしい。アザゼル先生にも話を通してるって言ってたし。

 ……なんか大事になってるなぁ。

 やっぱりあの子、どこか良い所のお嬢様なんだろうか?

 勝手に会ってた事を怒られたらどうしよう? ……厭な考えしか思い浮かばない。

 さっさと寝よう。

 

 

 

 A月I日

 

 今日は色々あった。疲れた。精神的に。

 朝、起きたら塔城さんと黒歌がベッドに潜り込んでた。

 塔城さんを見張っていたという言い訳だったが、朝ご飯は抜きにしてもらった。

 今回は塔城さんが病気…とはまた違うけど、塔城さんが大変だって言うのに便乗してるし。

 まったく。黒歌にも困ったもんだ。……嫌じゃないんだけど。俺だって男だし。

 まぁ、そう思ってたわけだ。昼前までは。

 ――アザゼル先生とグレモリー達が来た。あと、ルフェイちゃんも。大所帯だった。

 何事かと思ったら、オーフィスちゃんを連れてきてた。

 ああ、やっぱりあの子、良い所のお嬢様だったんだな。

 なんでも、俺と話がしたいらしい。今まで話してたのに? って聞いたら、それでも話したいらしい。

 別に、今まで通りでも……っていうと、やっぱり不味いんだろうな、お嬢様だし。

 グレモリー達に怒られた。もの凄く怒られた。

 ……やっぱり勝手に会ってたのが不味かったみたいだ。今更どうしようもないけど。

 

 しかし、オーフィスちゃん。ドライグさんの事を知ってた。

 ドライグさんが二天龍っていうのを辞めて、他の何になるのか、と質問してた。

 あそこで「おっぱいドラゴン」って答えてたらどうなっただろう? や、怖くて言えなかったけど。

 そんな事を言ったら、ドライグさんから呪われそうだし。

 というか、その後オーフィスちゃんにトドメを刺されてた。

 ……可哀相過ぎる。グレモリー達の中に、ドライグさんの味方はいないのだろうか?

 グリゼルダさんの薬を塗ってあげると落ち着いていた……薬漬けのドラゴンってどうよ?

 それにしても、俺は一つ勘違いをしてた。

 『禍の団』ってテロリストの親玉がオーフィスさんだと勘違いしてたけど、オーフィスちゃんがテロリストの親玉らしい。

 いわゆるお飾りの親玉って奴だ。

 最近の『禍の団』はそうそうって人が動かしてるらしい。

 なるほど、と思った。

 ヴァーリ君達は多分、オーフィスちゃん側って事なんだろう。ルフェイちゃんがそう言ってたし。

 それで、そうそうさん。英雄派って呼ばれてる人たちが過激派。グレモリー達が事を構えてるのは、この過激派の方なんだろう。

 オーフィスちゃんは俺達とは戦わないって言ってくれた。話し合いで済ませる方が良いんだってさ。良い子じゃないか。

 でも、過激派の人達は判らないんだそうだ。最近は、オーフィスちゃんの事を敵視してるって言ってたし。

 それで、しばらく俺の家でオーフィスちゃんとルフェイちゃんを預かってほしいと言われた。

 まぁ、家にはレイナーレさんや黒歌、ロスヴァイセさんが居るし。

 それに隣にはグリゼルダさん達も。大丈夫だと……思いたい。

 流石に、あんな小さな子を放り出す、なんて真似もしたくない。

 

 それにしても…今日は色々あった。

 オーフィスちゃんが来た後、その事をグリゼルダさんに言いに行ったら驚かれるし。

 オーフィスちゃんはオーフィスちゃんで、世間知らずというかなんというか。

 お風呂に一緒に入ろうとしていた。ちゃんと断ったけど。

 流石に初対面も同然の女の子とお風呂はマズイ。

 なんでも、黒歌が教えたらしい。……まったく。

 今日はルフェイちゃんと一緒に入ってもらった。その間に黒歌に注意しておいた。

 オーフィスちゃんに何を教えてるのか――。黒歌は違うと言っていたけど。

 ああ、今日は疲れた……。

 「おっぱいドラゴン」のサインをルフェイちゃんに渡した後の、ドライグさんの声が耳から離れない。

 裏切ってないんです。この前渡すって言ってたの、ルフェイちゃんなんです。

 ……誤解を解くのって難しい…。

 

 

 

 A月J日

 

 朝起きると、オーフィスちゃんがベッドに潜り込んでいた。

 犯人は判っていたけど、一応言い訳を聞いておいた。朝食は抜いたけど。

 部屋の外には塔城さんが待ってた。なんでも、オーフィスちゃんが居たので潜り込めなかったらしい。

 ……潜り込んでこなくて良かったと思う。

 オーフィスちゃんはともかく、塔城さんだとどんな間違いが起きるか……。

 しっかしオーフィスちゃん、今までどんな生活をしてきたんだろう?

 お菓子を食べた事が無いらしく、「おっぱいドラゴン」のお菓子を上げたら美味しそうに食べてた。

 なんだか餌付けしてる気分になった。失礼かもしれないけど。

 塔城さんの体調も落ち着いてきてるようだ。

 黒歌の話では、あと数日で完全に落ち着くらしい。まぁ、変に刺激しなかったら、らしいが。

 しばらくは兵藤達に近づかないように言っておいた。それが一番だと思う。

 そのあと、黒歌から俺も近付かないように言われた。

 ……まぁ、俺も男だもんね。近付かない方が良いよね。そう解釈しとく。

 

 

 

 A月K日

 

 朝、冥界の新聞が家に届いていた。

 ……ついに家も、冥界デビューかー……とか現実逃避をしてしまった。うん。俺は悪くない。

 そもそも、冥界デビューは夏休み。家にはすでに冥界の電波が引いてある。

 そんな問題でもないかもしれないが。

 ちなみに、一面には大きく『おっぱいドラゴンとスイッチ姫、身分違いの恋』と書かれていた。

 あいつらも、一躍時の人か……。

 二人からサインを貰ってたら、そのうち高く売れるだろうか? そんな事を考えてしまう俺が居る。

 

 オーフィスちゃんがその話題に喰いついたのには驚いたけど。

 まだまだ小さいけど、そういう事を気にする年頃なんだろうか?

 はぐらかしたけど。

 それと黒歌に、これ以上オーフィスちゃんに変な事を教えないように言っておいた。

 教えないって恥ずかしがってたけど。

 恥ずかしがるくらいなら教えなければいいのに……。

 しかし、オーフィスちゃんって良い所のお嬢様なのに、庶民の家に住んで大丈夫なんだろうか?

 ストレスとか溜まってる? って聞いても大丈夫って言ってるけど。

 あと、英雄派の人達が来たけどすぐに帰っていった。様子見って奴だろうか? 映画とかだと。

 大丈夫なんだろうか……。

 

 

 

 A月L日

 

 アザゼル先生に英雄派の人達の事を相談したけど、オーフィスちゃんが居れば大丈夫と言われた。

 あと、レイナーレさんや黒歌も居るし、とも。

 ロスヴァイセさんやルフェイちゃんも居るし――俺って、本当に足手纏い。

 兵藤達に心配された。

 顔色が悪いと言われた。別に疲れるような事は何もしてないんだけど…。

 中間試験も近いし、勉強のしすぎかね?

 そういうと呆れられた。というか、呆れる前にお前らも勉強しろと言いたい。

 レイナーレさんやロスヴァイセさん達からも心配された。

 今日は少し、早く寝ようと思う。

 

 

 

 A月M日

 

 なんだろう、体の疲れが抜けない。

 何か特別してるわけじゃないんだけど……。

 オーフィスちゃんと話してたら、気付いたら寝てたし。疲れてるんだろうな。

 今日も早く寝よう。

 

 

 

 A月N日

 

 今日は悪魔の昇級試験があった。

 暇だったので、オーフィスちゃん達を連れて一緒に行った。

 ……暇だからって冥界に行けるのも凄いよな。今更だけど。

 今度からはあんまり行かないようにしよう。

 なんかあったら怖いし。

 あと、そうそうさんって曹操だったのね。三国志の。

 三国志の曹操がイエス・キリストを殺した槍を持ってるってどうなんだろう? 歴史的に大丈夫なんだろうか。

 アザゼル先生が教えてくれた。

 ちなみに、この後試験終了のお祝いに兵藤達とご飯を食べに行く予定だ。楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 ?月?日

 

 ここはどこだろう?

 兵藤達とご飯を食べに行こうとして、曹操って人が来て。

 そこから先を覚えていない。

 というか、誰も居ないんだけど。見渡す限りの荒野……嫌な予感しかしない。

 それと、なんでこんな時に日記帳を持ってきてるのか、俺は。

 せめてナイフとか飲み水とか持ってこいと怒りたい。持ってきたの俺だけど。

 

 

 

 ?月?-2日

 

 日付が判らない。今日は何月何日なのだろう?

 レイナーレさん達、心配してないかな? 大丈夫かな?

 取り敢えず、飲めるかどうか判らないけど、水場を発見した。

 火を起こせないので、そのまま飲んだ。

 死んだらどうしよう。

 ……悪い事しか、思い浮かばない。誰かと話したい。

 

 

 

 ?月?-3日

 

 ドライグさんとオーフィスちゃんに会った。良かったと思う。

 誰かと話せる事が、こんなに嬉しい事だとは思わなかった

 兵藤はなんか、大きすぎるドラゴンさんと同化してるらしいけど。

 大丈夫なんだろうか?

 ちなみに、グレートレッドさんというらしい。

 もう少ししたら兵藤の身体が再生されるらしいので、その後帰るそうだ。

 ……俺も随分、神経が図太くなったと思う。

 ドライグさんの説明はよく判らないし、大きなドラゴンは怖いけど、取りあえず生きてて良かったと思ってる。それだけで十分だ。

 兵藤がどうなるか判らないけど、元に戻ったら帰ろう。うん。

 巨大なドラゴンと声だけのドライグさんと兵藤。

 オーフィスちゃんが居てくれてよかった。本当に。

 あの子が居なかったら、多分俺はどうにかなってたかもしれない。

 

 

 




12巻まで食い込んでますが、これでしばらく主人公退場です。
多分、他の人視点を結構書かないといけないかも。

サイラオーグさんも書かないとなぁ。書き直さないとなぁ……。
停電が一番こたえる……なぜいつもみたいに小まめに名前を付けて保存をしなかったのか…。

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