とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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日付変わっちゃいまして申し訳ありませんorz

……しかし、ミルたん人気過ぎるww


番外編3-3

 12月20日

 

 クリスマスが近付いてきている。

 徹様の家に来て、初めてのクリスマスだ。今まではあまり気にしていない年間行事でしかなかったが、今年は少し楽しみだ。

 元堕天使がクリスマスを祝うと言うのも妙な話だが。徹様も、黒歌達も楽しみにしている。

 というよりも、元堕天使より悪魔である黒歌や小猫がクリスマスを祝うのが問題なのか。あまり気にしていなかったが。

 まぁ、徹様が楽しみにされているようなので、私達も楽しもうと思う。

 

 今日から冬休みという事で、徹様が家事を手伝って下さった。

 徹様の家に来て最初の頃を思い出してしまった。料理も、家事も、戦う事も……何も出来なかった私をこの家に置いてくださって、本当に感謝している。

 あの時この家に置いてもらえなかったら、私はどうなっていただろうか?

 グレモリー眷属の者に殺されていたか、『神の子を見張る者』に戻り下っ端として一生を終えていたか……。

 黒歌に逢えず、小猫やロスヴァイセ様と会えず、グレイフィア様やグリゼルダ様と会えず――アーシアとも仲直りできず。きっと独りで一生を終えていた事だろう。

 そう考えると、本当に今の生活は充実している。徹様と出逢えて、本当に良かったと思える。

 これからもずっと御仕えするのだから、そう思うのはまだまだ早いのだろうが。

 ――徹様と一緒に、クリスマス飾りで彩られた町を並んで歩いた。

 私は、それだけで十分だ。いつかもう少し先まで踏み込めたら、と思うが――今は、並んで歩くだけで良い。私には、十分すぎる。

 黒歌や小猫に少し悪い事をしただろうか? 最近は、あの二人を徹様の事でからかうと面白い。

 

 

 

 12月21日

 

 クリスマスに、七面鳥を用意する事になった。

 作った事は無いが、有名な料理だ、調べれば作り方は簡単に判るだろう。

 ……作れるかどうか、が問題だが。

 オーフィス様も楽しみにされていたので、用意できなかった、というのだけは避けたい。

 しかし、この家にも随分と人が増えたと思う。家族が……と、言って良いのかもしれない。

 最初は私。次に黒歌――小猫にロスヴァイセ様、オーフィス様。スコルとハティも、大事な家族だ。

 ――家族というモノに特別な思い入れは無かったが、今では悪くないと思う。

 帰るべき家、待っていてくれる人、心から休める場所。……自分の居場所。

 一年にも満たない時間で、私も随分と変わったと思う。

 これからもっと変わるだろうか? ……変わりたい、と思う。

 徹様と一緒に過ごせたら、変われると思う。

 黒歌も、小猫も、ロスヴァイセ様も――オーフィス様ですら、変わったのだから。

 ……徹様は、本当に凄い方だと思う。

 世界を変える力。人を変える力。私の主人は……最高の主人だ。

 恥ずかしくて、口には出せないが。きっと、黒歌達も同じ気持ちだと思う――。

 

 

 

 12月22日

 

 グリゼルダ様に、七面鳥――ローストチキンの作り方を教わった。

 これで、たぶん大丈夫だと……思う。思いたい

 しかし、グリゼルダ様にも随分とお世話になったと思う。徹様も何かあった時は相談しているようだし。

 人助けは天使として当たり前と言っておられたが。

 ――私には、グリゼルダ様のようには生きられないだろう、と思った。

 私では、私と、私の周りだけにした手を伸ばせない。手が届く範囲だけですら、守れるかどうかわからない。

 ……来年は、もっと強くなれたら、と思う。

 もっと、もっと――徹様に相応しい『女王』に。

 サンタクロースに何を願う? グリゼルダ様の問い掛けに、何と答えたのだったか……。

 ただ…私の願いは、私が欲しいものは、サンタクロースでは叶えられない。手に入れられない。

 私の願いは、私が叶えなければ意味が無いものだ。

 私が欲しいものは、私が手を伸ばさなければならないものだ。

 今年一年で、その事がよく判った。

 一番欲しいものはすぐ傍に――後は、掴んだ手を、離さないだけだ。

 

 

 

 12月23日

 

 徹様へのクリスマスプレゼントに、幸運のお守りというものを作った。

 確かに徹様は薄幸というか、ツいていないというか……そんな所があられるので、良いプレゼントだと思う。喜んでもらえるだろうか? 喜んでもらえると良いな。

 あと、材料は今日冥界や天界で採取してきた。でも地味に、四葉のクローバーが一番面倒だったと記しておく。

 本当にある物なんだ、四葉のクローバー。初めて見た。

 まぁ、今まで探した事が無かっただけだが。

 しかし、ああいう探し物も結構楽しいものだった。見つかった時は、本当に嬉しかった。

 ――また、今日のような探し物をしてみようと思う。四葉のクローバーなら、近所にもあるかもしれないし。

 今の時期では、人間界に在るかは判らないが。

 今日は徹様は居られなかったが、今度は皆で行けたら、と思う。

 きっとそれも、楽しい時間のはずだ。

 

 

 

 12月24日

 

 今日は良い日だった。クリスマスというものも、悪くない日だと思えた。

 まぁ、まったくの無神論者という訳ではないので、クリスマスを喜んでもいいはずだ。徹様は神の一種であられるのだし。神、と言って良いのかは判断に迷うが。

 徹様と一緒にクリスマスの街を歩いて、映画を見て、昼食を食べて、お話をして――家に帰ったら、黒歌達がクリスマスパーティの準備をしてくれていた。

 今朝、いきなり徹様にお誘いを受けたのは驚いたが、パーティの準備をする為なら、と納得できた。

 オーフィス様など、サンタの装いをしていた。アレは良いのだろうか? 可愛らしくはあったが。

 何処から衣装を調達したのかは、なんとなく予想できたが。徹様が聞いたら、案の定兵藤君からだった。……オーフィス様に何を渡しているのか。あと、どうしてあんな小さな服を用意していたのか。

 黒歌の薬で、一時期性欲を抑えていたが、どうやら元に戻っているらしい。肉体がドラゴンへと変わってしまった影響だろうか?

 それと、七面鳥を用意する時間が無くて申し訳なく思う。

 オーフィス様が目に見えて落ち込んでいた。

 

 徹様とクリスマスにデートをして、少し気分が昂ぶっている。もう暫く、眠れそうにない。

 思い出して――喜んでしまう。黒歌達に気付かれただろうか? 気付かれただろうな。特に、黒歌と小猫には。あの子たちは、聡いから。

 緊張した……我ながら、笑ってしまう。

 年下の男の子に、本気になっている。本気で、人を好きになっている。

 戯れに、誰かと男と女の関係になった事がある。兵藤君とも、付き合った事がある。彼の彼女になった事がある……我ながら、酷くフったものだ。

 そんな私が、本気で人を――徹様を好きになっている。

 特別になれなくていい。お傍に控えて、少しでも支えに……御力に成れたら、と。

 そう思って、今日まで頑張ってきた。

 一歩退いて、御迷惑にならないように接して、黒歌達を眺めながら――少しだけ、羨ましく思っていたのかもしれない。

 だから今日は――黒歌達には悪いとは思うが……素直に嬉しい。

 ――変だろうか? 変だろうな。

 『神の子を見張る者』に居た頃の私が、今の私を見たらなんと言うだろうか?

 でも……私は、今の私が好きだ。

 徹様の家に住み、この家の住人の為に戦い、徹様を好きな私が――私は好きだ。

 

 買っていただいたアクセサリ――身に付けるのが勿体無い。

 あまり高いのは買えなかったが、それで十分だ。十分すぎる。

 私にとっては――世界で一番の宝物だ。

 ……好きな男の子にプレゼントを貰って、それが世界で一番の宝物、か。

 まるで中学生の恋愛のようだ。

 ――そんな自分が、私は好きなのだ。

 

 

 

 12月25日

 

 ホワイトクリスマスなど初めてではないが、今年のクリスマスは特別だと思う。

 イブには徹様とデートをして、皆と――パーティをして。

 今まで生きてきて、初めての事だ。

 今日は、そのパーティの後片付けをして、家でのんびりしていた。

 朝とお昼はある物で済ませて、夕食は徹様とオーフィス様と一緒に買い出しに出て――雪が降って寒かったので、手を繋いでクリスマス飾りが残る商店街へ行って…。

 こういう日も悪くない。

 ――ずっと、こういう日が続いたら、と思う。

 平穏。平和。日常。

 『禍の団』、冥界、天界、『神の子を見張る者』、北欧、須弥山、オリュンポス――徹様を狙う者は多い。そして、味方してくれる方も。

 いつか本当に、幸せな平穏へ至れたなら――と思う。

 サンタクロースに願えば、幸せな日常をプレゼントしてもらえるだろうか?

 ……無理だろうな。

 それに、与えられた幸せに、どれほどの意味があるのか。

 欲しいなら、手に入れよう。この手で。

 その為に、私は――私達は強くなった。

 徹様を戦わせないで済むように、守れるように。

 あの時――曹操と対峙した時のように。

 

 今尚、私の手には感触が残っている。

 徹様大きなの手、オーフィス様の小さな手。私を支えてくれる人たち。支えてくれた人たち。

 私は――徹様と並ぶと、どのように見えるだろうか?

 徹様とオーフィス様と私――どのように見えただろうか?

 今日のような幸せな一日が、これからもずっと続く様に――。

 私の願いは、欲しいものは、平凡な毎日。それだけだ。

 来年も、その先も――叶うならずっと……そんな毎日を、徹様と、黒歌達と過ごしていきたい。

 

 

 

 

 

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 凸月A日

 

 見るも忍びない惨状だった。

 白龍皇――伝説の二天龍と称されたドラゴンが、号泣していた。

 三蔵法師へ、まるで懺悔でもするかのように自身の心情を伝えながら、号泣していた。

 以前会った事がある今代の赤龍帝――あの子供に、精神的に追い詰められているらしい。

 嘆かわしい事だ。

 たかが人間の戯言だろうに。話半分で無視を貫けばよいだけだ。

 まぁ、当事者ではない吾輩が言っても、どうしようもない事だろうが。

 結局、三蔵法師のカウンセリングとやらで少しは持ち直したが、やはり白龍皇の精神状態は落ち着かない。

 次は、我の子を養ってくれている神の元に向かうとの事だ。

 ルフェイ嬢が喜んでいた。先日、『禍の団』の英雄どもと事を構えた時に、彼の神から赤龍帝のサインを貰ったと吾輩に嬉しそうに話してくれていた。

 彼の神の繋がりもよく判らぬ。

 だからこそ――あの神は特別なのだろうが。

 

 

 

 凸月B日

 

 彼の神の元へ来ると、ルフェイ嬢や猿はともかく、アルビオンやヴァーリも雰囲気が明るくなる。

 強者を求めるヴァーリ達ならば、いずれ敵対するかもしれぬ相手なのだが――それでも、今は良い友人関係を築いていると言えよう。

 どうしてそのような関係なのかは、吾輩には判らないが。

 吾輩から見て、彼らの関係は友人――ないしは、もっと踏み込んだ親しい関係のように見える。

 悪くは無い関係だ。ルフェイ嬢も喜んでいる。

 叶うならば、最後まで良い友人関係を紡いでほしいものだ。

 ルフェイ嬢が悲しむ顔を見るのは忍びない。

 アルビオンがドライグの事を心配していた。

 ……戦う運命にある二天龍が互いを心配する、か。それも彼の神の人徳なのだろうか?

 それにしても、知ってはいたが――『無限の龍神』が彼の神の元に居る光景は、改めて見ると異常だな。

 異世界の神に『無限』の体現者。三種三対六翼の槍使い、猫魈に戦乙女、それに吾輩の子供たち。

 白龍皇や赤龍帝の元にも力は集まっているが――彼の神の元もまた異常だ。

 有事になれば、赤龍帝は判らないが……白龍皇――ヴァーリは確実に彼の神に力を貸すだろう。

 ――そんな集団に、一体誰が勝てると言うのか。

 

 

 

 凸月C日

 

 吾輩の子供たちは、随分と彼の神に懐いているようだ。

 心を許している――とも言える。何とも複雑な気分だ。

 子供が親元を離れる…しかも、会うたびに吾輩の子供は人間を器にした神に心酔していっている。

 神殺しの牙を持つ吾輩たちが、神に心を許すという事がどういう事か――まぁ、それも今更か。

 どうでも良い事でもある。

 子供たちが神の為に神殺しの牙を使うというのも、何かしらの意味があるのかもしれない。

 吾輩もまた、いずれ白龍皇の為にこの牙を振るうだろう。

 

 しかしあの猫はどうしたものか。

 猿と彼の神が話しておる時に割り込んできた。しかも、彼の神に欲情していた。

 ……もう少し場を弁えれば良いものを。

 

 

 

 凸月D日

 

 『無限の龍神』も随分変わったものだ。

 人懐っこくなった? そんな感じだな。

 以前会った時は彼の神や吾輩たち以外には心を許していなかったと言うのに、この家に住んでいる者には随分と心を許していた。

 それにしてもあの猫――龍神に要らん知恵を授けるものだ。

 どういう訳か、あの猫の日記を見てから、龍神は良く吾輩たちを撫でるようになった。

 特にヴァーリと猿は気に入っているようだ。

 今はそれに彼の神も加わっているようだが。良い事なのか、悪い事なのか――。

 だが、悪い気はしないな。気持ちが良いのもあるし、心が落ち着く。

 最初は警戒したが、慣れてしまえばそう気にする事でもない。

 

 この家に居るものを一通り撫で終わると、次はドライグを撫でに行った。

 相変わらず自由な事だ、龍神は。

 スコル達と一緒に行くと驚かれた。

 まぁ、判らなくもない。

 ヴァーリや猿、吾輩は敵対しているのだし。

 彼の神や龍神は規格外の存在といって良い。

 ――肝が据わっておらぬ輩たちよ。

 

 

 

 凸月E日

 

 風呂は良い。

 旅先で毛繕いを欠かした事は無いが、それでもやはり体を洗う、という行動は良いものだ。

 しかし、ルフェイ嬢もそうだが、どうにも吾輩は抱き心地が良いらしい。彼の神に抱き締められた。

 悪い気はしないが、暑苦しかった。

 そのあと、ルフェイ嬢にも抱き締められた。こちらは慣れたものだ。いつもの事でもある。

 スコルとハティには嫉妬されたが。親に嫉妬するな。それに、吾輩は雄だ。

 それにしても、彼の神の元に仕える槍使い。三種三対六翼のメイド。名前はレイナーレ。

 あの者が用意してくれた食事は素晴らしい。

 ルフェイ嬢もかなりの腕前だが、あの者の料理はとても美味だった。

 あのような料理を毎日食べているとは…吾輩こそ、子供たちに嫉妬してしまいそうだ。

 まぁ、吾輩はルフェイ嬢の料理をいつも食しているので、そのような事はしないが。

 偶にルフェイ嬢と別れて行動する時があるので、その時は是非この家に寄りたいものだ。

 ルフェイ嬢と別れて行動をすると、カップ麺やら、味気ない食事なのだ。アレは美味しくない。

 

 

 

 凸月F日

 

 彼の神が、吾輩の子供たちと遊んでくれていた。

 何とも寂しい気分になる――だが、子供たちが楽しそうならそれでいい。

 龍神に撫でられた。慰めているつもりなのだろうか? ……本当に変わったものだ。

 良い変化だと思う。龍神の変化を良く思わない輩も多いだろうが――それでも、吾輩は龍神の変化を祝福しよう。

 しかしあの猫はどうしたものか。

 吾輩の子供たちに嫉妬しておった。

 彼の神もよくよく周囲から好意を向けられるものだ。

 それで目立った争いが起きておらぬのだから、相当な人徳があるのだろうな。

 先日見た赤龍帝の周囲では、喧騒が絶えなかったと言うのに。

 ヴァーリはヴァーリで、こちらは逆に女に興味が無いので心配ではあるのだが。

 それは吾輩にはどうしようもない。

 いずれ白龍皇にも相応しい伴侶が現れるであろうし、その者との仲を祝福しようと思う。

 

 

 

 凸月G日

 

 今日はドライグ――そして、今代の赤龍帝と赤龍帝の女の一人が彼の神を訪ねてきた。

 ドライグもまた、今代の赤龍帝に精神的に追い詰められているようで、アルビオンと話し合っていた。

 ……あまり深く考えず、受け流せばよいものを。

 まぁ、吾輩は当事者ではないので、二天龍の気持ちを十全理解する事は叶わぬが。

 彼の神、そしてヴァーリが相談に乗っていた。

 猿と猫は笑っていた。あやつらは、そのうち地獄に落ちるであろうな。そう願う。

 しかし、猫の妹は姉と違って常識があるな。

 どうして姉妹でああも性格が違うのか……やはり育った環境だろうか?

 姉の黒猫は『禍の団』に所属していたらしい。

 妹の白猫は一時期は赤龍帝の傍に――今は彼の神の元に。

 やはり彼の神の元はそれなりに安全なようだ。子供たちも、彼の神の元なら問題無く育ってくれる事だろう。

 赤龍帝や何を考えているか理解できない北欧の主神の元よりは、安心できる。

 

 

 

 凸月H日

 

 赤龍帝の主、グレモリーの者とその『女王』が訪ねてきた。

 彼の神に、金を持ってきていた。

 なんでも、昨日彼の神がアルビオンたちの話を聞いていた際、慰謝料を払えと冗談で言ったらしい。

 冗談を真に受けて、今日は訪ねてきたのだとか。

 ……まぁ、判らなくもないが。だが、冗談を冗談として受け止める事も大事だと思う。

 本人たちにしてみれば、遥か格上の相手からの言葉なので信じてしまったのだろうが。

 赤龍帝は大丈夫だろうか? 精神的に追い詰められてなければいいが。

 そのあと、グレモリーの者と猿が喧嘩をしていた。

 人様の家で喧嘩をするのはどうかと思う。マナーがなっていないな、猿は。グレモリーの者も、曲がりなりにも貴族の一員だろうに。

 猿の順位は我の中で最低だが――これでは、グレモリーの者の程度も知れるものだ。

 『女王』も止める事無く静観しておるし。

 これでは、主の格も知れると言うものだ。

 レイナーレを見習ってほしいものだな。

 

 

 

 凸月I日

 

 彼の神たちは、龍神を連れて近所の屋台を制覇してきた。

 吾輩も行きたかった……。

 今日は、北欧の戦乙女を見ていた。

 以前会った時はどっちつかずの立場であったが、今は彼の神のもとで励んでいるようだ。

 それに教員として人に教える立場でもあり、レイナーレに魔術を教えていた。

 レイナーレは戦乙女からは北欧の魔術、猫からは仙術と妖術を習っているようだ。勤勉で好感が持てる。

 スコルとハティが言うには、隣に住む天使からも教えを乞い、冥界の魔王の『女王』と堕天使の総督からは戦い方を習っているのだとか。

 彼の神に相応しい、勤勉な『女王』と言えよう。

 彼女を支える者達も、心優しき者たちなのだろう。

 彼の神のもとには素晴らしい者達が揃っているようだ。

 あの猫はどうかと思う……教師としては優秀なようだが。

 

 

 

 凸月J日

 

 アルビオンも随分落ち着いたので、彼の神の元を一時離れることになる。

 また流浪の旅――と言えば聞こえがいいが、ヴァーリの気分次第の旅が始まる。

 しばらくぶりに、心身ともに休息がとれた。ルフェイ嬢も満足しているようだ。

 次に逢う時は、スコルとハティもまた成長しているだろう。彼の神の家へ行く時が待ち遠しい。

 レイナーレの料理もだ。

 良い休暇だった。

 

 

 

 




狼が書いてて楽しかった。予想以上に。
また書きたいですね。

レイナーレさんは、考え方が主人の一歩後ろに控える人みたいな考え方です。
そんな風に書けてるといいなぁ。
ちなみに、曹操さんの結末は12巻で。
別に、まだ死亡フラグ立って……タッテナイヨ?

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