とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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明日はクリスマスですね。いい天気ですね(壊
DOD3 Bルート開始……敵が急に強くなってごり押しできなくなった気がするorz


114(不死鳥日記)

 !月Q日

 

 上代様の『女王』。元『神の子を見守る者』のレイナーレ様。

 彼女の事も一応調べているが、どうして魔王ルシファーの『女王』であるグレイフィア様が彼女を気に掛けるのか理解できない。

 本日、グレイフィア様がオカルト研究部の部室に来られ、リアスさんに発破をかけていた。グレモリー家は、イッセー様とリアスさんを。

 ルシファー様が気に掛けている上代様の眷属だからだろうか?

 以前、イッセー様が『赤龍帝の篭手』に覚醒された時に倒した相手。

 だが今は、グレモリー眷属の誰もが一目置く存在の堕天使なのだとか。

 まぁ、正直に書くと…私もグレイフィア様にマンツーマンで鍛えてほしい。

 羨ましい――。

 

 しかし、上代様は本当に普通に学園生活を送られている。

 というよりも、当たり前のように馴染んでいると思う。

 一目見て、あの人が『特別』だなどと気付ける人はどれだけいるだろうか?

 駒王学園に転入してきてずっと見てきたが、あの人は本当に普通だ…。

 それがまた、不気味に感じる。

 

 

 

 !月R日

 

 一体グレイフィア様は、レイナーレ様をどのように鍛えているのだろうか?

 リアスさんに尋ねたが教えていただけなかった。

 それよりも、偶にあの堕天使を鍛えていると聞いた時は驚いた。

 それがどれだけ羨ましい事か……身内であるイッセー様達にはあまり判らないようだったが。

 魔王ルシファー様の『女王』。最強の女性悪魔の座を争った方。

 ……ぜひ一度、御指導していただきたいものだ。

 その指導を受けている堕天使に、嫉妬してしまいそうだ。

 

 

 

 !月S日

 

 イッセー様とリアスさんは、先日から喧嘩したままだ。

 私が原因の一端でもあるので、どうにかして仲直りしていただきたいと思う。

 眷属の一人であるアーシアさんもお二人を心配していた。

 ……本当に、どうしてこうなったのか。

 イッセー様は、リアスさんを一番に考えているのに。

 まぁ、そのイッセー様が誰にでも優しいのも問題だ…というのには最近気づいたが。

 お昼を一緒にした上代様も、何処か呆れた御様子だった。

 

 それにしても、猫又娘はどうしたのだろうか?

 今日は朝から、やたらと機嫌が良い。私だけではなく、イッセー様達も気付いていた。

 何があったのだろうか?

 

 

 

 !月T日

 

 アーシアさんやゼノヴィアさんがイッセー様を後押ししていた。

 それでも踏ん切りがつかないのは、何かが過去にあったから――正確には、上代様の『女王』であるレイナーレ様との問題が原因らしい。

 何があったかは教えていただけなかったが。

 イッセー様なら大丈夫だと思う。

 どんな問題でも、乗り越える事が出来る強さを持っておられる方だ。

 

 猫又娘は、どうやらレイナーレ様が居ないので上代様に料理を振舞ったらしい。

 その事を褒められて喜んでいるのだろう。

 ……あの子も存外、判りやすい性格だな、と思った。

 

 

 

 !月U日

 

 今日でグレイフィア様とレイナーレ様の訓練は一旦の終わりらしい。リアスさんから教えていただいた。

 一旦、というのは近いうちにまた訓練を行うからだ、という事だ。

 羨ましい――本当に、定期的にグレイフィア様とあの堕天使は訓練を行っているのだ。

 どんな上級悪魔でも叶わない夢のような訓練環境だと思う。

 グレイフィア様、それに北欧の戦乙女。彼女も優良株だと聞いている。

 それに黒歌――元S級犯罪者。その実力は私などよりもはるかに高いはずだ。

 そんな人たちに鍛えられているレイナーレ様。それが上代様の『女王』。

 彼女の今の実力は判らないが、リアスさんやイッセー様が認めるほどだ。かなり強いのだろう……。

 そんな彼女とどんな問題があったのかそれとなく聞いてみたが、教えていただけなかった。

 よほど深い問題なのだろう。

 何か力になれれば、と思う。

 

 

 

 !月V日

 

 明日は、イッセー様達とサイラオーグ様のレーティングゲームだ。

 前評判はグレモリー眷属が圧倒的に不利だが、イッセー様ならばきっとと……信じている。

 

 

 

 !月W日

 

 勝った。紙一重ではあったが、イッセー様達が前評判を覆してサイラオーグ様を下した。

 とても嬉しく思う。

 それに――イッセー様の新たな力。『赤龍帝の三叉成駒』は以前見せていただいた事があったが、更なる力でもって若手最強と噂されていたサイラオーグ様に勝たれた。

 『真紅の赫龍帝』。サイラオーグ様が咄嗟に名付けたが、とても合っていると思う。

 リアスさんの髪の色と同じ、紅色の『赤龍帝の鎧』。

 とても格好良かった。

 それに、リアスさんも気付いたと思う。あの紅色が、イッセーさんの気持ちだと。

 試合の後、魔王ルシファー様から直々にイッセー様に昇格の話が告げられた。

 中級悪魔への昇格。本当なら、イッセー様の今までの経歴を考えると一気に上級まで進めると思っていたが、どうやらそれは難しいようだ。

 イッセー様の成長に、昇格。それに、あれだけ試合の場で――大声で想い人の名前を叫んだのだ。

 レイナーレ様と何があったかは知らないが、これで逃げ場も無いだろう。

 アーシアさんは複雑そうだった。

 判らなくもない――私も、複雑だ。

 

 それにしても上代様は、学園では普通の生徒を演じているんだな、とつくづく思い知らされた。

 魔王ルシファー様とレヴィアタン様、アザゼル堕天使総督に須弥山の帝釈天様。

 ……それだけの大物に囲まれる人間など、きっと上代様以外に居ないだろう。

 イッセー様達は見慣れていると言っていたが、見慣れていない私からしたら目を疑う光景だった。

 私もそのうち慣れるのだろうか?

 慣れたら慣れたで、いろいろ問題のような気もする……。

 

 

 

 !月X日

 

 猫又娘が落ち込んでいた。

 どうやら、サイラオーグ様との眷属との戦いで自分が一番最初に脱落した事を気にしているようだ。

 ……グレモリー眷属の面子が異常なだけで、あの猫又娘が弱い訳ではない。

 気にするな――というのは軽い言葉だと思うが、気にし過ぎだと思う。

 あの子の実力は……まぁ、それなりに判っているつもりだ。

 イッセー様とリアスさんはお互いの事で一杯一杯だし、他の皆さまも色々と問題が浮き彫りになってその事ばかりを考えている。

 それを言うなら、猫又娘の悩みも、あの子が乗り越えなければならない問題なのだが。

 ――どうして私が、あんな礼儀知らずの娘を気にしなければならないのか……。

 

 

 

 !月Y日

 

 今日は、凄い物を見てしまった。

 放課後の廊下で、ソーナ様と上代様が話していた。

 それ自体は別に珍しくもなんともない、いつもの事なのだが…その話の内容が、凄かった。

 なんというか――あの二人は付き合ってるな、とも思ったし、付き合ってるのかな? と疑問も深まった。

 ソーナ様は上代様の事をどう思っているのだろう? それに、もし好きだったら、上代様とソーナ様では立場の違いというものもある。それはイッセー様とリアスさん以上に難しい問題なのではないだろうか? 上代様は人間だし。

 それにしても、公衆の面前で…まぁ、人は殆ど居なかったが――お互いの恋人の好みを言い合うのはどうだろう?

 親しいと言えば親しいし、親しすぎるとも言えると言うか…。取り敢えず、距離が近すぎると思った。見てるこっちがドキドキした。

 それに、あまり親しくは無いがいつも難しい顔ばかりの生徒会長が笑っている所を初めて見た気がする。

 イッセー様に話したら、いつもの事だと言っていた。……いつもの事なんだ。

 楽しそうに話していた――私も、あの二人のようにイッセー様と話したい。

 

 

 

 !月Z日

 

 リアスさんがイッセー様を避けている。

 ……往生際が悪いと思う。それはグレモリー眷属――イッセー様を除く全員の意見だと思う。

 この期に及んで、イッセー様から逃げるなんて……。

 

 

 

 !月!日

 

 いまだに、上代様がドライグ様をカウンセリングしている所を見ると、落ち着かない。

 いくら魔王様と親しい人間とはいえ、依存し過ぎだと思う。伝説の二天龍だと言うのに。

 ドラゴンに懐かれた人間……本でも出したら売れるだろうか?

 しかし、イッセー様のパイリンガル――話には聞いていたが、ドライグ様の精神はあまり耐えられないようだ。

 上代様が一生懸命慰めていた。

 先日は魔王や神と肩を並べていたのに、と思う。

 ……どれがあの方の本当の姿なのか。

 

 

 

 !月$日

 

 明日は学園祭だ。転入してきて早々のイベントなので、楽しみだ。

 オカルト研究部の出し物の手伝いをする事になっているが、出来ればイッセー様と他のクラスや部活の出し物を見て回れたら、と思う。

 本当に楽しみだ。

 お兄様に連絡を入れると、羨ましがられた。

 来たがっていたが、流石に急なので無理だろう。

 今度何かしらのイベントの時は、お誘いしようと思う。

 

 それと、お兄様も上代様の事を気にされていた。

 私はおろか、お兄様にも上代様の情報は秘匿されている。御父様とお母様も、そう詳しくは御知りではないはずだ。

 家族の中で、一番私が上代様の事を知っているとはいえ……どう説明したものか迷った。

 普段は普通の人だけど、この前のリアスさんのレーティングゲームの際には、魔王様や神、堕天使総督と肩を並べていた?

 ……伝えていい情報なのだろうか? 怖かったので伝えていない。

 変に上代様の情報を漏らしたら消される……と頭に過った。気のせいだと思いたい。

 

 

 

 

 !月%日

 

 イッセー様とリアス様が納まるべき形に収まった。

 これで良いのだと思う。そう思う事にする。今は、それでいい。

 

 今日は楽しかった。イッセー様と出し物を見て回る事は出来なかったが、御友人の方々と一緒に見て回った。

 途中で上代様を見掛けた時は挨拶を、と思ったが、とても声を掛けれなかった。

 眷属の方々と仲良くされていた。

 ロスヴァイセ様は――教員なので、少し自重してほしいとも思ったが。

 メイドに着物姿の美女に教員……文にすると凄い組み合わせだ。

 それに女性ばかり。

 上代様は、イッセー様以上に女好きなのだろうと思う。あの猫又娘も眷属なのだし。

 

 結局、イッセー様とレイナーレ様の問題も告白の後に解決していた。

 レイナーレ様が謝る形で。

 後で聞いた話だが、以前イッセー様とレイナーレ様は少しの間だけ付き合っていたのだとか。

 その時に酷い振られ方をしたのだと。

 それがトラウマになって、リアスさんの思いにこたえるのが怖かった……と。

 人を好きになるのは難しい。

 ……私も気を付けよう。

 

 




あんまり主人公が絡まないから、書きにくい事この上なかったorz

昨日は色々とご意見を頂きありがとうございます。
いくつか参考にさせていただき、明日はちょっとした小話を投下しようと思います。
10巻が中途半端ではありますが、ご容赦くださいませorz

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