とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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今日こそレイナーレさん


102(メイド日記)

 +月A日

 

 今日も平和な一日だった。

 グリゼルダ様達がお茶を飲みに来られ、世間話に花を咲かせた。

 だが、相変わらず黒歌はどこか警戒していた。

 彼女のああいう所には本当には助けられているが、偶には肩の力を抜いてほしく思うのは贅沢なのだろうか?

 徹様だけでなく、黒歌にも頼ってしまっている現状が悔しい。

 甘いのだろうか? グリゼルダ様を、グレイフィア様を、ロスヴァイセ様を信じてしまうのは。

 ……甘いのだろう。徹様の立場は、酷く危うい。誰も彼もを疑わなくてはならない。

 それでも、信じたいと思ってしまう。

 誰も彼もを疑っていては、いつか疲れ切ってしまう。…そう思う。

 私が、黒歌に頼ってもらえるくらいの『女王』なら、きっと問題は無いのだろう。

 ――強くなりたい。

 徹様の為だけじゃなく、黒歌の為にも、小猫の為にも。

 

 

 

 +月B日

 

 ようやく、オーディン様から教えていただいた『槍』を自分の意志で使えるようになったと思う。

 コツが判ってきた。

 その分、あの『槍』が私には不相応なほどに強力なのだと言う事も判ってしまう。

 なにより、作り出す為の魔力が多量過ぎる。

 今の私では数本が限界だ。それ以上は倒れてしまうかもしれない。

 ――どうして私は、こうも弱いのか。

 溜息しか出ない。これでは、黒歌に頼ってもらうなど夢のまた夢だ。

 

 しかし、徹様の行動には本当に驚かされる。

 まさかスコルとハティのリードにグレイプニルを調達してこられるとは思わなかった。

 まぁ、あの子たちの元気の良さには困っていたので助かると言えば助かるのですが――強力過ぎる、とも思ってしまう。

 二匹が困っていたのは、きっと気のせいではないと思う。黒歌は喜んでいたが。

 どうしてあの子は、スコル達と仲良く出来ないのか……。

 徹様の取り合い、とも言えるのだろうか?

 もう少し仲良くしてくれないものか…。

 それに、ロスヴァイセ様もあまりあの二匹からは好かれていない。

 黒歌も警戒してる――話をしても、そんな事は無いとはぐらかされる。

 壁を感じるのは、気のせいではないと思う。

 ……こういう問題こそ、徹様の『女王』である私の仕事だと言うのに。

 

 

 

 +月C日

 

 今日は、魔王ルシファーに召喚され、グレモリー家へと招待された。

 グレイフィア様の話では、魔王ルシファーの気紛れらしい。

 リアス・グレモリーの次のレーティングゲームの相手、サイラオーグ・バアルも呼ばれていた。

 バアル家の次期当主。バアル家の特性である『滅びの力』を受け継がなかった、才能の無い上級悪魔。

 ――親近感を抱くのは間違っているのだろう。

 きっと、私が思っている以上に、彼は努力を重ねたはずだ。力を望んでいる私以上に。

 その結果の『力』を見せつけられた。

 兵藤君との殴り合いとも言える力比べ。

 強かった。私など、遠く及ばないほどに。兵藤君も、ロキとの戦いの時よりさらに強くなっていた。

 兵藤君の才能に嫉妬した。

 少しは強くなったと思っていた。

 でも、才能がある人は私の成長などあっさりと超えて強くなる。

 そんな事、最初から知っていたはずなのに…見せつけられると嫉妬してしまう。

 私は、本当に狭量だ。

 苛々してしまっていた――自分でも驚くほどに。

 強くなったと思っていたのに、まだまだ私は弱かった。その事を見せつけられた。

 ……もっと強くなりたい。

 

 サイラオーグ・バアル。グレモリー家で徹様へ殺気を向けた上級悪魔。

 強者に興味を示していた。

 ……彼も、徹様の敵となるのだろうか?

 複雑だ――私は、彼と戦いたくないのだろうか?

 

 

 

 +月D日

 

 アーシアが遊びに来た。

 なんでも、今度修学旅行で京都まで行くらしく、お土産は何が良いか、と聞きに来てくれた。

 優しい子だな、と思う。

 私には勿体無いくらい良い子だ。

 私の事など気にせず、修学旅行を楽しんできてほしく思う。

 お土産も、自分の好きな物を買ってくればいい。

 そういうと、徹様と黒歌からからかわれた。

 ……しょうがないではないか。

 アーシアのような事を言ってくれた人など、そう多くない。

 私などに優しくしてくれる者など、多くない。

 徹様や黒歌……この家に来て知り合った人達だけだ。

 優しくされる事に慣れていないのは、私が一番よく知っている。

 どうしようもない。

 優しくされたらどう返せばいいのか、知らない。

 私は、戦う事でしか返せない。徹様に仕える事でしか返せない。

 ……不器用だと笑われた。きっと、そうなのだろう。

 

 

 

 +月E日

 

 スコルとハティの散歩に行くと、リアス・グレモリーと会った。驚かれた。

 それもそうだろう。フェンリルを散歩させるなど、世界のどこを探しても、徹様の家くらいのものだ。それと、ヴァーリ様くらいか。彼もフェンリルを従えている。

 一緒に帰っていた兵藤君も若干驚いていた。

 アーシアは慣れていたが。……偶に思うが、彼女は本当に大物だと思う。

 街中でフェンリルに会って驚かないのは、凄い事だ。

 スコルとハティは、リアス・グレモリーと兵藤君に唸っていた。

 ロキ様と事を構えた際に戦ったのだから、あまり気を許せないのだろう。

 落ち着くように言うと、すぐに止めたが。

 アーシアに撫でられると喜んでいた。アーシアの優しい気配は、あの子たちもよく判っているようだ。

 

 兵藤君達に、サイラオーグ・バアルの事を聞いた。

 今度のレーティングゲーム――勝つとは言っていたが、顔色は優れなかった。

 恐らく、勝率はあまり高くないのだろう。

 赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣使い……強力な配下を揃えてはいるが、それでも先日見たサイラオーグ・バアルの力強さの前には、霞んで見える。

 少なくとも、私はサイラオーグ・バアルが勝つ方に賭ける。

 ――彼の強さは本物だ。

 いや、彼に負けてほしくない、と思っているのだろう。

 才能が無い身で、努力だけを糧に進んだ上級悪魔。

 彼にしたら迷惑だろうが、私は彼に自分を重ねているのだろう。

 努力を形にし、成功した彼に。

 羨ましいのではない。ただ、私も彼のように生きたいと思う。

 だから、サイラオーグ・バアルに勝ってほしい。

 

 家に帰ると、黒歌がまたロスヴァイセ様に怒られていた。

 徹様に抱きついていたらしい。

 いつもの事だと、慣れている私が間違っているのだろうか?

 黒歌が楽しいなら、それでいいと思うのだが。

 徹様も喜んでおられるし。

 

 

 

 +月F日

 

 美猴様が遊びに来られた。今日は何方かの護衛で来られたらしい。

 その事は教えてもらえなかった。

 『禍の団』の一員ではあるが、美猴様を警戒できないのは危機感が無いからだろうか?

 どうにも、美猴様――ヴァーリ様達の事を悪く思えない。

 徹様が親しくされているからかもしれない。それに、黒歌も信頼している。

 信用に足る人たちだと思う。

 スコルとハティも警戒していない。

 ……出来るなら。彼らとは敵対したくないと思う。

 テロリストにそう思うのは、甘い考えなのだろうか? そう言われても、私は敵対したくない。

 徹様の友人である彼らとは――。

 

 ロスヴァイセ様が、兵藤君達と一緒に修学旅行へと行くようだ。

 どうやら、アザゼル様からそう言われたようだ…何かあるのだろうか?

 

 

 

 +月G日

 

 ヴァーリ様とルフェイ様が遊びに来られた。

 ルフェイ様は先日来られてから、随分と徹様と仲良くされている気がする。

 お気に入りの特撮の事で、話が盛り上がるからのようだ。

 まぁ、内容はアレだが……。

 もし、兵藤君を紹介したらどんな反応をするだろうか? 楽しみだが、止めておこう。

 これ以上兵藤君の周りに女性が増えては、アーシアも困るだろうし。

 徹様は、自身が出演された戦隊物を勧められていた。私もそちらが良いと思う。

 少なくとも、兵藤君が出る特撮の方は、女性が見るものではない。

 

 それと、ヴァーリ様が気になる事を言っておられた。

 京都の方で、『禍の団』の一派が動いているらしい。

 今度アーシア達が修学旅行に行くだけに、心配だ。ロスヴァイセ様に相談した。

 あの方は随分と腕が立つ。余裕があれば、アーシアを守ってほしい。

 しかし、同じ『禍の団』に所属しているはずなのに、どうしてそんな情報をヴァーリ様は教えて下さったのだろうか?

 徹様の事を心配して――というのは、私の早計なのだろう。

 だが、そうであってほしいと思う。

 ……徹様の周囲が、優しい人達で居てくれたら――そう思う。

 

 

 

 

 +月H日

 

 今日から、ロスヴァイセ様が修学旅行に行かれている。

 京都は初めてらしいので、楽しんできてほしい。

 ……『禍の団』も一枚岩ではない様なので、無事に帰ってきてくれれば、と思う。

 黒歌は、目に見えて気を緩めていた。ロスヴァイセ様が居ないから。

 ――彼女が警戒する理由もわかる。

 オーディン様、そして北欧の戦乙女であるロスヴァイセ様。

 彼女がどういう意味でこの家に居るのかも、理解しているつもりだ。

 だが、徹様はその上で彼女をこの家に置いた。受け入れた。

 なら後は、彼女を信じるだけだ。甘い考えだと思う。

 黒歌からしたら、どうしようもないほどに――甘いんだと思う。

 でも、彼女の信頼を得るにはこちらから信頼するしかない。

 彼女から手を伸ばしてもらう為には、こちらから手を伸ばさなければならない。

 徹様は、そうだった。

 私を信頼して下さった。私に手を伸ばしてくれた。

 ……黒歌も、そうだったのだと、信じたい。

 

 

 知ってる、黒歌? 私も、最初は貴女を疑ってたのよ?

 

 

 

 +月I日

 

 疲れた……体中が痛い。

 グレイフィア様が私を鍛えて下さるという事で、グレモリー家へと連れてこられた。

 徹様の傍を離れる事は心苦しいが、鍛えてもらうことに異論はない。

 ――私は、強くなりたい。

 もう、足手纏いにならないように。徹様の『女王』に相応しくなれるように。

 少しだけ強くなれた実感がある。まだまだ私は弱いが、それでも戦えるようになった自信がある。

 今日、リアス・グレモリーと勝負をした。

 グレイフィア様、ヴェネラナ様からの提案だ。徹様の『女王』である私の実力を見る、との事で。

 おそらく、その提案にはもう一つ理由があったのだろう。今になって思うと、手際というか、準備が良かった。

 グレイフィア様と共にグレモリー家を訪れ、その場にリアス・グレモリーとその母君であるヴェネラナ・グレモリー様が居た。

 多分、私の実力ではなく、リアス・グレモリーの成長具合を確かめたかったのだろう。

 餌にされた、とは思わない。

 私も得るものがあった。言い方は悪いが、私も利用させてもらった。

 ――リアス・グレモリー。

 ヴェネラナ様より『滅びの力』を受け継いだグレモリーの悪魔。

 サイラオーグ・バアルとは違う、バアル家の才能を持った者。

 強かった。以前一度相対したが――あの時と変わらず強かった。

 あの時と変わらず、だ。

 彼女も努力しているのだろう。強くなるために。勝つために。

 だがそれでも…今日は、あの時のような絶望感を感じなかった。

 私は強くなってる。私の努力は、確かに血肉になっている。一歩にも満たない僅かな距離だが、私はリアス・グレモリーに近づけていた。

 ……この調子で、もっと努力しよう。

 いつか、まだ遠い未来だろうが――徹様に相応しい『女王』と名乗れるように。

 

 

 

 +月J日

 

 グレモリー領にある都市の一部で暴動が起きた。

 『禍の団』――英雄派と旧魔王派と呼ばれる一派の一部が先導したらしい。

 リアス・グレモリー、グレイフィア様、ヴェネラナ様が出られ、私も無理を言って同行させてもらった。

 ほとんどは中級悪魔で、上級悪魔は少数だった。

 都市の一部は破壊され、テロリストという者がどういうものか、思い出した。

 ヴァーリ様達と過ごした時間が忘れさせていた。

 徹様と過ごした時間が、忘れさせてくれた。

 黒歌も、以前はああやってテロ活動をしていたのだろうか?

 そういえば、彼女が以前『禍の団』に所属していたのは知っているが、どんな活動をしていたか聞いていない。

 ……いつか話してくれれば、と思う。

 私から聞く勇気が無いのか、それとも黒歌自身から話してほしいのか。

 そして、いつか私の過去も、話したい。

 『神の子を見張る者』の事、私の過去も――。

 

 暴動の後始末があると言う事で、結局私がグレモリー家でしたことは、リアス・グレモリーの相手だけだった。

 おそらく、今日はグレイフィア様からまた仕事の手順や心構え、戦い方を教えてもらえたのかもしれないが――少し残念だ。

 帰り際、ヴェネラナ様からお褒めの言葉を戴いた。

 社交辞令かもしれない。それでも――とても嬉しかった。認めてもらえた気がしたのだ。

 でも……帰ると黒歌から怒られた。

 無茶をして、と。徹様からも心配されてしまった。

 判っている。私が弱い事は、私が一番よく理解している。

 それでも――私は、私が戦えると証明したかった。

 足手纏いかもしれない。でも、無力ではない。戦える。自分の身くらいは守れる。

 ……そう証明したかった。

 それは悪い事じゃない、と黒歌は言ってくれた。でも、無茶をしないでほしいと言われた。

 ――私がしたことは、間違いだったのだろうか?

 判らない。

 何が正しくて、何が間違いなのか――ただ、黒歌に認めてもらえなかったのが、酷く悲しい。

 いくらヴェネラナ様に褒めてもらったとしても、これでは意味が無い。

 私が認めてほしいのは……。

 

 

 

 +月K日

 

 今日は一日が、随分早く感じた。

 私が何をしたのか、上手く思い出せない。

 ……今までと同じ毎日を繰り返していたような気がする。

 ただ、黒歌がロスヴァイセ様にお帰り、と言っていたのだけは覚えている。

 彼女も変わろうとしている。

 私も、変わりたいと思っている。

 ――難しい。本当に。

 徹様と出逢って、まだ一年も経っていないというのに……簡単に変われると思っていた自分を笑ってやりたい。

 もっと――強くなろう。

 小猫にも、黒歌にも――いつか、グレイフィア様にも勝てるくらい、強くなろう。

 その時、もう一度言おう。

 私は足手まといではない、と。無力ではない。戦える――みんなを守れる、と。

 

 

 

 +月L日

 

 黒歌に、無茶をしたことを謝った。

 心配してくれた彼女に頭を下げるのは、驚くほど素直に出来た。

 黒歌も謝ってきた。言い過ぎた、と。

 そんな事は無い。私を心配してくれたのだから

 彼女の優しさは、いつも私を助けてくれる。

 ――黒歌が、テロリストから足を洗って良かったと思う。

 彼女には幸せになってほしい。

 今よりもっと、ずっと幸せになって、ずっと笑っていてほしい。

 ……強くなりたい理由が、もう一つで来た。

 黒歌を守りたい。

 徹様と一緒に幸せになってほしい。その傍らで、私は二人を守りたい。

 そういう未来を想う事は、弱い私でも許されるはずだ。

 小猫とロスヴァイセ様も一緒に――みんなで強くなりたい。

 

 ありがとう、黒歌。

 いつも私を心配してくれて。助けてくれて。

 ――いつか、貴女に恩返しをしたい。

 言っても、貴女は笑うだけだろうから口にしないけど。

 

 今日は一日、黒歌が家事をしてくれた。私のメイド服を一着借りて。

 似合っていた。きっと、私なんかよりもずっと。

 その姿で徹様を誘惑しよう、と言っていた。

 良いと思う。黒歌は綺麗だから、何でもよく似合う。

 そう言うと照れていた。

 黒歌は、よく徹様を誘惑する割には、照れ屋で初心な所がある。

 ……そういう所は、本当に可愛いと思う。

 

 

 

 +月M日

 

 グリゼルダ様からも心配されてしまった。

 天界の方でも、冥界と京都の件は把握しておられるようだ。

 黒歌が警戒していた。事件を把握していてなお、天界が動かなかったからだろう。

 ……グリゼルダ様も、その事は気にされているようだ。

 徹様の周りに、平穏は遠い。

 黒歌も難しい顔で考え込んでいた。

 私に、何か出来る事は無いだろうか?

 甘いお菓子とお茶を用意すると、喜んでくれた。

 ……私に出来るのは、これくらいしかない。今は。

 

 

 

 +月N日

 

 小猫は強い。接近戦だけなら、おそらく黒歌と同等か、それ以上かもしれない。

 グレイフィア様と黒歌は接近戦も出来て、離れても戦える万能型というヤツだ。

 ロスヴァイセ様は遠距離寄りの万能型、といった所か。

 私の周りには、戦い方の参考になる人ばかりだ。

 今日は、小猫から珍しく勝負を挑まれた。

 私は彼女にまだ勝ったことが無いので、その理由は判らないが。

 それに結局、今日も勝てなかった。

 彼女も私と同じように努力している。努力の量なら負けていないと思うが、それでも差は埋まっていない。

 溜息しか出ない現状だが、この恵まれた環境で腐っている暇も無い。

 

 それと、ロスヴァイセ様に京都での事のあらましを聞いた。

 英雄派――曹操という『神滅具』使いの英雄が関わっているらしい。

 黒歌から聞いた話だと、随分と好戦的なのだとか。

 ……争いは避けられないのだろうか?

 少なくとも、その曹操という英雄はテロ活動を止めないだろう、という話だ。

 何か目的があると言っていた。その目的までは知らないそうだが。

 夕食の後、徹様がロスヴァイセ様に京都の事でソーナ様がお礼を言っていたと伝えていた。

 ロスヴァイセ様自身は、酔っていてあまり力になれなかったと言っていたが。

 ……色々と大変な立場なのだろう、彼女も。

 でも、徹様はそんなロスヴァイセ様を喜んでいた。

 怪我をしなくて良かった、と。

 見栄や栄誉より、ロスヴァイセ様が怪我をしない方がよっぽど良い、と。

 まだ、少し笑っていると思う。

 徹様の優しさが嬉しい。

 私や黒歌、小猫へ向けてくれる優しさを、ロスヴァイセ様にも向けて下さっている事が嬉しい。

 ――ロスヴァイセ様が、何の為にこの家に来たのかは知っているつもりだ。

 それで、苦しんでいる事も、少しだけだが気付けていると思う……。

 でも、徹様の優しさを受け止めてほしい。裏切らないでほしい。

 ……そう思う事は、残酷なのだろうか?

 

 

 

 +月O日

 

 黒歌が徹様のベッドに潜り込んでいた。

 それはいつもの事で、そこから小猫とロスヴァイセ様に怒られるのもいつもの事。

 でも、今日は少しだけロスヴァイセ様の御説教は短くて、黒歌は楽しそうだったような気がする。

 小猫が笑いながら朝食を食べていた。

 あの子も、姉やその周囲には敏感だ。

 黒歌とロスヴァイセ様の距離が、少しだけ縮まったような気がする。

 

 

 




あとはイッセーで京都側の事を軽く書いたら、それで終わりかな?
書くことがほとんど原作と変わらないだろうから、複数視点で書くような事でもないしなぁ。
主人公側を複数視点で書くのもアレだしね。
これ以上視点増やしてもグダグダだろうし。

エピローグでロスヴァイセさんとオーフィスかな?
小猫ちゃんは10巻に書こうと思ってます。
でも、11巻でも見せ場があるから、思い切ってそっちで書くかもしれません。
まぁ、最終的にはこっちの気分次第なんですが(ぇ
ぶっちゃけると、小猫ちゃん書きたい。

誰も彼も書きたいけど、視点が重なるとだれるし時間がかかる……。
いっそのこと、10巻だとレイナーレさんか黒歌のどっちかの日記無しにするか……。
100話超えてもこの駄目っぷりでスミマセンorz

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