とある神器持ちの日記   作:ウメ種

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視点色々。
初の試み…こういうのって、皆さんはどう思いますか?
前々から感想で意見を頂いていた、複数視点をまとめてみました

しかし、声優ネタは結構わかりやすかったですか?
つか、俺も知らない情報もちらほら出てて驚かさせていただきました。
レイナーレさんの声優さん、シャナに出てたのか…


番外編2‐2

(赤龍日記)

 

 ~月A日

 

 今日は朝から、部長が落ち着かなかった。

 なんでも、グレイフィアさんが来るから落ち着かないって言ってた。

 その時はよく判らなかったけど、なんでもこの前の焼き鳥野郎との一件のお蔭で、色々と部長もあるらしい。大変だな。

 俺に何か出来る事があれば、というと顔を赤くしてたけど。なんでだろね?

 今日はオフの日らしくて、オフの日はお義姉さんモードになるんだとか。そのお義姉さんモードのグレイフィアさんが苦手らしい。

 まぁ、その後いくつか話してたら、そのお義姉さんモードのグレイフィアさんが来た。……上代先輩達と一緒に。

 いや、ホントに意味が判らない。今でも判らない。

 どうして上代先輩とグレイフィアさんが一緒なのか判らない。

 部長に聞いたら「上代君だし」と言われた。それならちょっと理解できる気がする。

 最近、上代先輩なら何でもアリじゃねぇの? って気がする時があるし。

 だって異世界の神様だし。

 乳神の精霊様がスゲェ怯えてたもん。きっと、凄い神様なんだろうな。

 ちょっと違う事書いた。

 

 それにしても、メイド服姿のグレイフィアさんも素敵だけど、私服のグレイフィアさんも素敵だった。

 あんな美人の奥さんが居るなんて、やっぱり魔王様は凄いな。

 上代先輩も、メイドさんとか猫耳着物姿の女の人、それに小猫ちゃん、しかも最近は銀髪の美人さんまで一緒だし。

 アレがリアルハーレムなんだよなぁ。羨ましい。

 しかも、生徒会長の事も狙ってるみたいだし……凄いなぁ。憧れるなぁ。

 でも、ハーレムも大変そうだ。小猫ちゃんのお姉さんが嫉妬してた。

 その嫉妬を受け止めてる上代先輩は凄いと思った。俺ならもう、平謝りするしか思いつかないし。嫉妬をなだめる方法。だってのに、受け止めてるんだぜ? スゲェなぁ。

 俺もいつか、アザゼル先生や上代先輩みたいにハーレムを作りてぇ!

 それにしても、サーゼクス様とグレイフィアさんの恋愛が冥界で劇になってるのには驚いた。

 見てみたい。

 もしかしたら、俺なんかでも彼女を作る事が出来るかもしれないし。

 今度見に行こう。皆には内緒で。

 部長とかアーシアとか良くしてくれるけど、まだ彼女って訳じゃないんだよなぁ。

 俺もいつか、告白とかしてみたいし。そういう時の為に見たいと思う。

 

 その後、部長がグレイフィアさんに色々言われてた。俺にはよく判らなかったけど。

 ごめんなさいね、バカで。

 でも、部長と一緒になる為にも、勉強もしないといけない。

 そうやって部長がいろいろ言われてたら、サーゼクス様まで俺の家に来た。仕事というか、会議を抜け出してきたって言ってた。

 その後グレイフィア様に怒られてた。プライベートじゃ、あんな感じなんだ。幸せそうだなぁ。

 セラフォルー様やアジュカ様、ファルビウム様まで通信でだけど話しかけてくるし。

 今日は一体なんなの!? ってな感じだった。

 しかも上代先輩、ファルビウム様の事、普通にファルビーさんとか呼んでるし。フレンドリーすぎるでしょ!?

 俺達は挨拶をするくらいしかできなかったのに、上代先輩は普通に会話してるし。

 やっぱ、異世界とはいえ神は違うなぁ。

 

 でも、その後グレモリー家のなんか試練を受ける事になったんだけど、それって何なんだろう?

 部長に聞いても、当日になるまで教えるのは禁止って言われたし。

 朱乃さんや木場のヤツも知らないって言ってたし。

 不安だ……。

 

 

 

 ~月B日

 

 疲れたと言うか、なんというか……ヘコむ。ヘコんだ。

 初めて上代先輩と戦ったけど、何あの人。強すぎるんですけど。

 マジで勝てる気がしねぇ。ドライグに何度も相談したけど、今のままじゃ勝ち目どころか勝負にもならないって言われた。

 つか、二天龍の力を完全に使いこなせるようになっても勝てないって断言された。

 どんだけだよ……本当に人間なのか、あの人? マジで異世界の神なんだな、上代先輩。ドラゴンより強い人間なんて、居る訳ねぇもんな。

 俺も、今までの赤龍帝とは違う成長をしてるって言われて、可能性はまだあるらしいけど。

 っていうか、俺がどれだけ本気で動いても、俺の身体能力を素人以下――『赤龍帝の篭手』を得る前の状態まで戻されたら、勝つどころか戦う事もできねぇっての。

 2回のブーストで体力切れるし。ドラゴンショットなんて撃つ事も出来やしない。

 『赤龍帝の鎧』を維持できたのが奇跡だよ、あれじゃ。

 ドライグからも言われたけど、あの人と戦うのは駄目だ。勝つなら、戦わないで勝たないといけない。

 真正面からじゃ、誰だって俺の二の舞だ。――あの人は厄介すぎる。

 動きは素人だし、力も無い。でも、俺の…敵の能力を最低まで下げる事が出来る。

 アレは反則だ。チートにも程がある。

 しかも、レイナーレ達もレイナーレ達だ。

 上代先輩の援護がどれだけ凄いものか、身をもって教えられた。

 相手は傷も負わなければ体力も魔力も減らない。延々と戦える。

 こっちは傷も負えば体力も魔力も減る。

 今まで、どれだけ俺達が上代先輩に守られてたかよく判った。

 あんなことを何時もしてくれてたんなら、そりゃ戦いの後倒れるよ。

 

 でも、なんでサーゼクス様たちに混じってサタンレンジャーなんて特撮ものに参加してたんだろう?

 似合ってるといえば似合ってたけど。

 だって、特撮もので銀のヒーローって言えば、お助けキャラ。チートキャラ。先輩キャラの位置づけだ。

 後は金色とかも。

 あの人ならそんな感じだよなぁ。つーか、ノリ良すぎだろ、上代先輩。

 セリフとかいつもの上代先輩からは想像も出来ないような痛い発言のオンパレードだったし。

 俺でも流石に恥ずかしいような言い回しだった。しかもやたら似合ってた。俺的には、今日のあの人はラスボスとかそんな感じだ。レベル1の武道家と、ラスボスパーティ。勝てる訳がない。そんな感じだ。

 レイナーレとか、この前フェンリル達を怯ませたオーディン様直伝の槍を使いこなしてたし。

 あの光の槍って、マジで悪魔には毒――猛毒なんだよ。近寄っただけで気持ち悪くなるし、傷つけられたら力が抜けた。初めて戦った時とは別物だった。ドライグが感心するくらいだし、当然か。小猫ちゃんのお姉さんはこっちの動きを読んだみたいな行動をするし、ロスヴァイセさんは純粋に強い。俺の知らない魔術とか攻撃方法をたくさん持ってた。

 そこに盾になれる小猫ちゃんが加わるんだろ? あの人のチーム、マジで強すぎる。木場、ゼノヴィア、朱乃さんにギャスパー。揃っても勝てるかどうか……頼みのギャスパーの『神器』も、上代先輩の前だとどうなるか判んないし。

 しっかし、今日はよく判らない一日だった。

 セラフォルー様たちには勉強させられるし、サーゼクス様と上代先輩達とは戦わされるし。

 まぁ、サーゼクス様と上代先輩と戦えたのは良い経験だった。

 俺ってまだまだ弱いんだなぁ。それが判った。

 もっと強くならないと――部長やアーシアを守る為に。

 

 

 

 ~月C日

 

 テレビで、サタンレンジャーが放送されてた。

 乳龍帝とは別の特撮ヒーローみたいだ。五人戦隊。この前のサーゼクス様たちと一緒だ。中身は流石に、よく似た別人だったけど。

 でも、上代先輩の銀のヒーローは出てなかった。まだ出てないのか、この前即席で考えたものなのかな。

 ドライグは魔王戦隊の方が良いらしい。アイツ、乳龍帝が嫌いだもんな。

 格好良いのに。子供にも人気だし。

 いい加減諦めろよなぁ。

 

 

 

(戦乙女日記)

 

 ~月D日

 

 徹君からの優しさが辛い。

 それと同時に……彼は凄いな、と思う。

 本当に凄い。黒歌さんから警戒されている、スコルとハティは私を敵として見ている。

 レイナーレさんと白音さんはどっちつかずで――彼は、私を応援してくれている。

 教師としての私を。

 私の悩みを聞こうとしてくれた。力になれないか、と言ってくれた。

 優しすぎる優しさは毒だ。

 ――優しさは人を救い、愛は力になる。

 だが、そんな想いが毒になるのだと、気付かされた。この家での生活は、確かに毒だ。

 彼は、私を犯す毒だ。

 北欧――オーディン様との関係。家族。立場。

 私は、何を選べばいいのだろうか? 判らなくなる。答えなど、決まっているのに。

 

 

 

 ~月E日

 

 先日、徹君が頑張っていた戦隊物がテレビで放送されていた。

 魔王戦隊サタンレンジャー。

 ありきたりな名前だが、その分判りやすい。

 内容もシンプルで、「おっぱいドラゴン」などよりも、よほど子供には向いている特撮だと思う。

 それと「魔法少女レヴィアたん」。

 こちらはセラフォルー・レヴィアタンが主役の番組の様だった。

 生き生きとしていた。楽しそうだった。

 ……魔王レヴィアタンと話した事は数回だけだが、あんなふうに笑える彼女が羨ましい。

 生き生きとしている彼女が羨ましい。

 ――何もかもを楽しんでいる彼女が羨ましい。

 そんな事は無いのだろう。きっと私の僻みなんだと思う。

 でも、トオル君はそんなレヴィアタンを見て楽しそうだった。テレビの内容ではなく、レヴィアタン本人を見ながら楽しんでいた。

 生き生きとする――それはきっと、今の私には無理だ。

 悩みと周りの関係で雁字搦めになっているのだと思う。……溜息しか出ない。

 毎日が楽しくない。辛い。

 

 

 

(会長日記)

 

 ~月F日

 

 上代君に、お姉様の趣味を見られた。

 いや、テレビ放送されているのだから、いつか気付かれる事になったのだろうが。……というよりも、今更だが。私も何度か愚痴を言ってしまったし。上代君に。

 ……お姉様の趣味にも困ったものだ。恥ずかしい。

 趣味を持つ事が悪いとは思わないが、仮にも魔王なのだから、もう少し威厳のような物を考えてほしい…。

 しかし、見られたのが上代君で良かった。

 お姉様の趣味を、出来ればあまり人に知られたくないのでお願いしたら、快く頷いてくれた。

 ――まぁ、冥界の電波を受信できなければ、誰も見る事は出来ないのだが。

 それでも、あまり周りには知られたくない。恥ずかしいし。

 それに、そのまま少しお姉様の事で上代君と話してしまった。

 多分、愚痴っぽくなってしまっていたと思う。彼にはいつも、申し訳ない事ばかりをしている気がする。

 お姉様も、最近また、仕事よりも趣味を優先しているようだし。

 気付いたら昼休みを全部使ってしまっていた。後になって思うと、ずっと自分の事ばかりを話していたような気がする。……今度、何かお礼をしよう。彼との会話は楽しい。こんな事で失いたくは無い。

 ……彼にはまた、借りが出来てしまった。

 しかし、皆は生徒会室の外で何をしていたのだろうか?

 上代君と一緒に生徒会室から外に出ると、私の眷属全員が集まっていた。

 何も聞こえなかった、と言われたが……どういう事だろうか?

 まぁ、お姉様の事で愚痴を言っていた事が聞こえていないのなら、喜ぶべき事なのだが。流石に、身内の事を友人に愚痴っていたなどとは知られたくない。

 一応お礼を言っておいた。それと、もしも聞こえていたら困るので、誰にも喋らないように、と釘を刺しておいた。

 これでもし聞こえていたとしても、おそらく第三者に今日の事は知れ渡らないだろう。

 ――それにしても、匙は今日は随分落ち着きがなかった。どうしたのだろうか?

 私が尋ねると余計に落ち着かないし…困った。

 

 

 

 ~月G日

 

 お姉様が、先ほどお願いを言いに来た。

 なんでも、急な仕事が入ったため、明日の用事をキャンセルする事になったらしい。

 最初は何の事か判らなかったが、何でも明日、友達と映画を見に行く約束をしていたようだ。

 チケットも勿体無いので、その友人に渡してほしいとの事だ。私が。

 ……まぁ、お姉様の突然のお願いは今に始まった事ではない。慣れたものだ。チケットを諦めるなり、今日渡せばいいとも思ったが、口にしないでおいた。

 明日は暇だったので、ついでにそのまま買い物にでも行こうと思う。

 しかし、お姉様の友人とは誰だろうか?

 あまり有名な方だと困るのだが……。

 

 

 

 ~月H日

 

 お姉様はきっと、今日の上代君とのデートを楽しみにしていたのだろうな、と思う。

 お姉様が待ち合わせにしていた場所に行くと、上代君が待っていたのだ。

 選んだ映画も、男の子が楽しめて、お姉様も楽しめるものだった。

 きっと、一緒に楽しもうと考えていたのかもしれない。我が姉ながら、いじらしいと思う。

 上代君もチケットが勿体無いと考えたようで、妹の身ではあるが、姉の代わりを務めさせてもらった。

 あそこで断っては、本当の意味で姉に恥を掻かせることになるだけだ。

 まぁ、映画を見て、食事をして、ウィンドウショッピングをして――きっと、お姉様が楽しむはずだった事を楽しんだ。

 これがお姉様ならデートなのだろうが、いかんせん、私はお姉様の代わりでしかない。

 ただ純粋に楽しませてもらった。

 上代君は話すのが上手で、ずっと楽しかった。男の子の友達とこうやって休日に会った事は無いので新鮮だった。

 映画には上代君も出ていた。パンフレットに名前が書いてあった。

 戦隊物の新ヒーロー。助っ人のような立場の人だった。それに、配下が三人いる、四人戦隊…になるのか? よく判らない。詳しくないのだ。

 まぁ、スクリーンの中の上代君は楽しんでいたようだったが。

 よくもまぁ、あんな恥ずかしいセリフを矢継ぎ早に言えたものだと思う。感心する。

 上代君は否定していたけど。

 本人は恥ずかしくて堪らないようだった。そんな事は無いのに。戦隊物はよく判らないけど、格好良かったと思う。

 そんな上代君が可笑しくて笑ってしまったのは失敗だったと思う。

 きっと、お姉様だったらそんな上代君を上手に褒めたり、慰めたりしたのだろう。

 

 上代君は楽しかったと言ってくれたが、本当だろうか?

 私はあまり喋る方ではない。お姉様とは真逆の性格だと判っている。

 やはり、私ではお姉様の代わりは難しいと判った。

 お姉様から今日の事を聞かれた。楽しかった、と伝えた。

 本心だ。

 詳しく聞かれたので、覚えている限りの事を事細かに伝えておいた。

 きっと、お姉様は次のデートを楽しみにされているだろう。

 私の話を、凄く楽しそうに聞いていたし。

 

 

 

(無限日記)

 

 

 ~月I日

 

 カミシロトオルに会った。美猴に頼んだら、会わせてくれた。

 カミシロトオルのように、お礼に撫でると笑ってくれた。

 これで良いのだろうか? 判らない。だが、退屈ではない。静寂ではないが退屈でもない。

 美猴の笑い声は、心地良い。

 カミシロトオルが、今日もあいすを食べさせてくれた。

 乳龍帝の映画を見た事を伝えると、変な顔をされた。面白い顔だった。

 乳龍帝と戦っていた銀色の戦士がカミシロトオルを模していたので、アレが良い。面白い。

 次は乳龍帝。

 伝えると、また変な顔をされた。

 カミシロトオルは、あまり喋らない。美猴とは違う。

 静寂ではない。だが、静寂と同じように好ましい。

 よく判らない。

 また来ていいかと聞くと、来ていいようだ。

 また会いに行こう。

 

 

 

(メイド日記)

 

 ~月J日

 

 今日は一日、徹様から暇を戴いた。

 今まで休みを貰っていなかったが、別にその事に不満は無かった。

 『神の子を見張る者』でも下っ端は休みなし、というのは当たり前だった。

 それに、疲れたら少し休む事も出来たのだし。

 しかし――家の掃除は私の仕事だと思っていただけに、休みをもらっても気になってしまった。

 芯からメイドの仕事が板についている、とグリゼルダ様から言われた。

 ……少し嬉しかった。

 家に居ると仕事を手伝うから、とグリゼルダ様から買い物に連れ出された。

 一日休みだったので、買い物の前に外で食事をしたり、徹様が出られていると言う映画を見に行った。

 先日、ソーナ様と一緒に見たと話されていた映画だ。黒歌が悔しがっていたのを覚えている。

 ソーナ様とのデート…徹様は否定されていたが。黒歌は羨ましがっていた。……判らなくもない。

 内容としては、子供向けの内容、としか言いようがない。

 そもそも、特撮の映画など今回初めて見たのだ。どんなふうに楽しむのか、というのもよく判らなかった。

 しかし、徹様――あの時は兵藤君の相手で周りをよく見ていなかったが、随分と楽しまれていたようだ。

 兵藤君の速度を遅くして、攻撃を避けていた。

 徹様も体捌きは上手とは言えないが、それでも赤龍帝相手に正面から勝負でき、圧倒できる人はそう多くないと思う。

 それに、台詞回しも楽しまれていて……本当に、楽しんでおられたようだ。

 兵藤君には悪いが、徹様の良い相手になったと思う。

 それにしても――徹様は、結構悪役というか、難しいセリフ選びというか、そういうのが好きなのだろうか?

 ……徹様には悪いが、あまり似合わないな、と思った。

 徹様は、普段ののんびりしている姿が一番似合うと思う。

 

 その後、今日一日休みをくれた皆へのお礼に、マグカップを全員分買って帰った。グリゼルダ様にも、プレゼントをした。今日のお礼だ。

 今日の記念に、何か形に残るモノが欲しかったのでグリゼルダ様に相談したら、使わずに飾る物より、使う物の方が有難味があると教えて下さった。

 確かにそうなのかもしれない。

 帰ると、皆から喜ばれた。買って良かったと思う。

 スコルとハティにはエサ入れを買ってあげた。

 あの子たちも喜んでくれていたようだ。

 今日は良い日だった。

 今度は、徹様と二人で――と思うのは、少しばかり欲張りだろうか?

 

 

 

(黒猫日記)

 

 ~月K日

 

 トオルから、レイナーレの仕事の手伝いをするように、と言われた。

 や、偶には手伝ってたのに……まぁ、偶にだけど。

 という訳で、今日はレイナーレの家事の手伝いを一日した。

 ついでに、前から興味があったので、レイナーレからメイド服を借りてきてみたにゃん。

 ほら、トオルってこういう服が好きみたいだし。

 私はいつもの着物姿がいいけど、トオルの趣味に合わせたいとかも思うわけだにゃー。

 トオルはメイドさんが好きみたいだし。ご主人様、なんて言ったらどんな反応をするだろうね? ……まぁ、恥ずかしくて言えなかったけど。

 やー……いつも着物姿だったから、ね? メイド服とか、私でも恥ずかしい訳だ。

 ――レイナーレの前だと普通だったのに、不思議だにゃー。トオルの前だと、ちょっとドキドキした。ちょっとだけ。ほら、黒歌さんは年上だし? 余裕を見せとかないとね。

 それにしても、どうして男の子ってメイド服とかすきなんだろうね?

 これって、最初は赤龍帝の趣味だったらしいし。

 肌が隠れてるのが良いとか、ご主人様とメイドの立場が良いとか、いろいろ聞くけど。

 女には判らない理由だにゃー……と思ってた。うん。

 トオルのメイドならいいかなぁ。

 ほら、ご主人様の『命令』には、メイドは絶対従わないといけないらしいし。

 どんな『命令』にも、服従しないと――いけないんだにゃー。

 そういうの、結構いいかもとか……まだ白音には早い話だったみたいだにゃん。

 視線が冷たかった。

 でも、きっといつか白音も判ると思うにゃー。

 

 




こういうのって、皆さんはどう思われるでしょうか?
自分は書いてて、こういうのもアリなのかなぁ、と思いましたけど。
まぁ、まだまだ試行錯誤していきたいですね。

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