それは前世の記憶   作:yatenyue

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第5話

 

 

 

 

「この助けてる人も赤紐つけてる人だけでいいから、

サリアに送って。」

 

「…カンタンだからいいけど」

 

(簡単なんかじゃないよっていうか高等技術だよby作者)

 

「あっそっちの人らは気をつけてね。

その球壊さないよう。」

 

見ると、

火傷したであろう傷を

水の球が包み込んでいる

 

重力に反し宙に浮いた

 

 

ケイトが得意とするのが風、地に関するものなのに対し

 

キーリが得意とするのは今までから分かるように

水や氷

しかも空気中に漂う水蒸気を利用する

 

またかなりの脚力を見せたが、

 

あれは自らの血流を操作し筋力をあげ脚力が上昇したもの。

 

ケイトは風で送る。

 

「で残りはどうすりゃいいわけ?」

「後でユリアに頼んでも大丈夫な程度だから」

「ふぅんじゃあ言っとくな“ユリア”」

 

 

“何ですの”

 

聞こえるはずのない声が返ってきた。

 

風により声を運ぶ。

 

彼女らは風言霊と呼んでいる。

 

まぁケイトの錬金術の応用超高等技術だ

“終わったらきてくれ。重体のやつは"運んだ"“

“‥人使いの荒いこと”

 

そう確かにユリアの声が届いた。

 

 

その頃

ユリアは何車両も離れた場所にいた。

周りには不自然な生え方をした植物がありしかも、

ありえないほど強く車両を浮き上がらさせている。

 

見えないが手甲には黒地に白で描かれた鈴蘭、

そしてちらりと見える翠の石のペンダント。

 

 

鈴蘭

 

それが彼女に授けられし花名。

同じく十二蓬華の一人で見ての通り植物を使う。

 

またサリアと同様に医療錬金術も優れており、

 

ただ彼女の場合は自らの生命力でなく

大地の気を利用するので緊急事態以外は

 

極力ユリアがすることになっている。

 

のため

高位医術師でもある。

だからこそ、

キーリは彼女を呼んだのだ。

 

 

 

 

 

この事件では

15人死亡(全て即死)

重傷者120人

軽傷者30人

 

という結果に終わり、そのうち半数以上の重傷者は早急な治療により命を取り留めた。

 

また、ケイトのその後の風による調査により

原因が究明され、発覚した。

原因は線路に積み立ててあった小石。

どうやら子供達の悪戯だったらしい。

 

犯人特定までに至った時

被害者の人や関係者、警吏のものが

その子供達が昔でいう下級身分であることもあり

理不尽な罰を受けそうになった。

 

その時

黄金の色が輝く。

「やめなさい、

悪気があったわけではないでしょう。」

割って入ったのは

ソプラノの声。

 

黄金の髪に少し色黒い肌(普通より浅黒い程度)

王族に近しいものの証の

翠がかった銀の瞳。

 

彼女が

アリシア・ライラック。

サリア達と親しい者であり、

この国の王族の王位継承者第一候補である

この国の第一王女だ。

 

 

 

 

 

「あら、アリシアやっとですの」

 

王女にタメ口。

 

普通なら不敬罪で、処罰ものだ。

 

だが5人はとても親しい仲なのだ…

 

「もう…いろいろあるんだって。

一応王女だしね」

 

そして民草に向き合う。

「今回のことは責任をもって

倒れた家屋などは修繕します。

どうか怒りをお抑え下さい。

第一王女アリシア・ライラックとして

また十二蓬華"向日葵"の名において」

 

権力や力で捩伏せるのは簡単だ。

 

彼女の得意とする錬金術は雷を使うもの。

超攻撃型錬金術だし、術の媒体の腕輪はきちんとしている。

 

しかも仮にも王女なので、権力を使えばすぐだ。

 

 

「それでも足りないなら

十二蓬華

"紅桜"サリア・アリテレス

"水仙"キーリ・アリテレス

"白薔薇"ケイト・ハーウェイ。

"鈴蘭"ユリア・エイレン。

の名も連ねるわ」

 

 

女ながら

また身分を関係なく

ひたすら生きる

彼女達(約1名違うが)

 

 

身分でいうなら

総じて高い。

アリシア以外も高位貴族で、

候爵家がサリア、キーリ、公爵家がユリア、伯爵家がケイト。

だが皆がその身分をむやみやたらに使用することなく、

 

だがいざ必要な時は

躊躇わず、自分の力を使う。

 

まっすぐな人間なのだ。

 

だからこそ権力に執着する家族に幻滅もしていた。

 

サリアとキーリは

3人を兄、姉のように

また朋のように思っていた

 

 

人は脆い

簡単に壊れてしまう。

そのことをなに1つわかっていなかった。

 

 

 

 

 


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