それは前世の記憶   作:yatenyue

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それは、始まりの罪のおはなし

 私のオリジナル共通主人公がもつ最初の記憶


過去壱 全ての始まりの書 罪 そして代償 一度壊れた心 1

目立つことのない小さな世界があった。

 

その世界は一つの大陸でのみ構成され、

そこは一つの国により統治されていた。

 

 

 

その国の名はアルドネスト。

 

この世界では医術と錬金術が発達し、

またようやく女性の地位が向上されたが、男尊女卑の風潮が根強く残ったところだった。

 

医師にも錬金術師にも位があった。

 

医師は上から最高医術師、高位医術師、中位医術師、下位医術師に分けられ、

最高は国の紋章獅子が描かれた特製の白衣と朱いブローチが、

高位には緑、中位は黄、下位には普通の許可書だけが渡され

 

これがこの国での医師証明書だ。

 

同様に錬金術師の位は

一番上に十二蓬華(ホウカ)と呼ばれ、それぞれが花名を国から授かった十二人が

そして下に二葉、早苗、初蕾というかんじであり

区別するため十二蓬華は国の紋章がついた金時計と花名に合わせた色の五芒星と花がついた手甲と同色の石のついたペンダントを

 

二葉は、金時計と同じデザインの銀時計を、早苗からは証明書のみ

 

 

これらが国から授けられる。

 

 

軍治国家なら軍人になる義務を負うかもしれないが

この国は法治国家なので

関係ない。

 

 

勿論少し錬成するくらいなら国家資格を持たない人もいる。(後もぐりとか)

 

そんな国の首都:サマリアに彼女達はいた。

 

現在非常に感染力が強く、致死率が高い伝染病が辺境から迫っていた。

一人の小さな子を抱えた女性が倒れ込んだ。

 

 

「だ大丈夫?」

 

 

話し掛けたのは赤茶色の髮とピンクがかったオレンジ色の瞳の17、8に見える少女

 

「----こ・・の首都に

貧富関係なく、診てくれる最高医術師がいると聞いて東部のカトレアから…

早く連れていかないと息子が…」

 

そう言う彼女の腕にはまだ小さな赤子が抱かれていた。

 

「わかった」

 

そう言い自分の肩を貸し、とある少し町外れへといく。

そして入ったのは周りに比べ綺麗にされた建物。

 

中へと入ると沢山の患者さんが。

怪我を治されている人、まだの人、安静にしている人。

 

 

「お帰り、サリア」

 

こう声をかけたのは

茶色の髪に少女と同色のピンクがかったオレンジ色の瞳の同年齢に見える少女。

目鼻立ちは"サリア"っ呼ばれた少女に良く似ていて、

長い髪を上でまとめている

 

「ただいまキーリ。患者よ。

かなり一刻を争うわ。場所を空けて」

といいながら、

長い髪を上で束ね、白い帽子を被る。

 

そしてキーリから受け取るのは白衣。

 

胸のポケットには国の紋章が丁寧に織り込められ、

そこに無造作に留めてあるのは、朱いブローチ。

 

それは両手の指の数よりも少ない最高医術師

の証。

 

サリアと呼ばれた少女の名は正確にはサリア・アリテレスといい

弱冠14歳にして最高医術師の資格を取った天才で現在18歳。

 

そして最高医術師の例に洩れず、貴族階級出身なのだが、

平民や流民、はたまた奴隷と言われる階級のものでさえ分け隔てなく接し、救う。

大陸でも

"天衣無縫の優しき医術師"として名高いのだが

まだまだ女性の地位確立の途中の今

それが女性でしかも少女だということは広く知られていない。

だから

 

 

「あなたが…最高医術師様ですか?」

女性が言う。

 

またまだ治療を受けていないような体格のよい男が言う。

 

「そんな被民の女の子供なんて後にしろよっ」

「貴方はまだまだ大丈夫です。

応急処置も的確にキーリがしてるようですし。」

 

澄ましたように答える。

「てめぇいい加減にしろよそんな子供どうでもいいじゃねぇかっ!!

それより李民の俺の方が優先順位は上だっ」

 

それは被民と言う身分階級より上に位置するもの。

 

この身分は服装によって判断ができ、くすんだ茶色や柿色の服はその者達だけだ。

最近それは国により廃止されたばかりで、まだ根強い差別や身分制度が残っている。

 

その言葉に冷たい静かな怒りを宿す瞳を男に向け、言う。

 

「身分なんてどうでもいいものです。命に上下はありません。」

 

「この女の癖にぃー」

 

男の腕が振り上げられた。皆がか弱い少女が男により吹っ飛ばされると思った

 

しかし、少女が殴られる音はせず、

 

その手を受け止めていたのはキーリと呼ばれた少女だった。

 

 




中途半端ですがきりがいいのでここまでー
この頃
死神(ブリーチ)の美月達と比べ、
せいぜい6分の一くらいかな強さ
(いやどれくらい強いんやねん)

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