魔法先生ネギま! 白面ノ皇帝(ハクメンノオウ)   作:ZERO(ゼロ)

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No.04:真夜中のDuelists

「さて、そろそろか」

 

そう呟くのは何故か夜の帳も訪れた時間、いつもなら既に教会の自分の部屋で寝ている筈のサイだ。

しきりに肩を回したり首を回しながら“その時”を待っていた。

 

かの少女から誘いがあったのが今日の夕方頃。

教会に来た美空が持って来た一通の手紙が全ての始まりである。

 

 

 

 

~side 回想:夕方~

 

「お~っす、サイ君。 今日はシスターは遅くなるらしいから、先に寝てて良いってさ」

「あっ? シャークティ遅くなるのかよ? おかしいな、そんな事朝一つも言わなかったけどよ……」

 

教会の入り口の掃除をしていたサイに美空はそう伝えた。

彼女の話によれば、今日はこの学園都市で年に二回あるメンテナンスの日であり、夜8時から深夜12時まで一斉に停電となるらしい。

その際にシャークティや他の先生達はいつも以上に見回りを強化するらしく、帰って来れないのだそうだ。

 

「へえ、シャークティも忙しいねぇ」

 

どうやらあまり興味が無いのか、サイはそんな風に返す。

まあ、何しろ停電の所為で楽しみに見ているお笑い番組が見れなくなってしまったのだから別に興味も持たないだろう。

更に今日は一切の明かりが無くなる為に危険な為かシャークティには『外には出ては駄目ですよ』と言われている。

態々暗い中を散歩しても何も見れないと感じていたサイにとっては寝る以外に出来る事が何もなかった。

 

「あ、そうそう……はい、サイ君」

 

そう言うと美空はカバンの中から一枚の便箋を出してサイに渡した。

それを受け取りながらサイは美空に尋ねる。

 

「……何だこれ?」

 

「ああ、それ今日の帰り際にウチのクラスのエヴァンジェリンさんって娘に渡されたんだ。

何だか大事な事が書いてあるらしいから、一人で読んで欲しいって……何サイ君、いつの間にエヴァンジェリンさんと仲良くなったの?」

 

サイは差出人の名前を聞いて手紙を取り出す。

中身を改め、ほんの少しだけ小さく笑うと美空に言葉を返した。

 

「フン、成る程な―――ありがとよ、美空。

ああそうだ美空、今日悪いけどココネをお前ん所の寮に泊まらせてやってくれ。

明かりが消えればココネも不安だろうし、俺は直ぐに寝ちまうだろうからよ……頼んだぜ」

 

「ん? うん良いよ。

じゃあ私はココネ迎えに行ってから蝋燭とかでも買いに行く事にするね。

そんじゃサイ君、また明日~♪」

 

そう言うと手を振りながら去って行く美空。

サイは彼女の後姿が見えなくなるまで手を振っていて、居なくなった所で再び手紙に目を戻す。

そこにはこう書かれていた―――

 

『光明司サイ、本日の夜にこのエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルが貴様に戦いを申し込む。

時間は午後8時10分、場所は麻帆良学園の大浴場まで来い……逃げるなよ』

 

それと共にもう一枚入っていたのは教会から麻帆良学園の大浴場までの簡易の地図。

どうやらあまり麻帆良学園の方を出歩けないのを理解していたのだろう、意外にマメな人物である。

 

「フン、上等だぜ、丁度今日は何処にも出られなくて退屈してた所だ……楽しくやろうや、喧嘩をな」

 

嬉しそうにそう呟くサイ。

この後、しっかりと食事を食べて準備運動をして時間を潰して“その時”が来るのを待っていた。

 

~side out~

 

 

 

 

「明かりも消えたか、そろそろ約束の時間だな」

 

辺りの光が停電によって消え、麻帆良を漆黒が包んだ丁度その時。

座禅をして精神統一をしていたサイはゆっくりと目を開け、静かに立ち上がった。

地図の内容はもう既に頭の中に叩き込んである為に暗闇で地図が見えなくとも問題は無い。

 

「麻帆良学園の大浴場に8時10分だったよな。

此処からなら5分もあれば行けるな―――よし、全速力で飛ばすぜ!!」

 

そう言うと大地を蹴って走り出すサイ。

表情は嬉しそうに、まるで今からピクニックにでも行くかのような顔をしていた。

見方によってそれは、獲物を前にした肉食獣のようでもあるが。

 

―――そして丁度同じ頃。

光の消えた学園都市の遥か上の突端に、満月の光に照らされた人影がいる。

まるで光の消えたこの暗闇の町のような漆黒のマントを靡かせ、静かに眼下の町並みを見つめていた。

 

月の光に照らされて時より怪しく光るものはこの人物の牙だろう。

雲に隠れていた月がその全てを現し、月明かりに照らされたその人物は―――長き金髪を靡かせ、不敵に笑っていたのだ。

 

「ククク、ア~ハッハッハッハッハ!! 戻った、遂に戻ったぞ!!」

 

そこに居る女性は何を隠そう、満月の夜に魔力を全て取り戻した真祖の吸血姫であるエヴァンジェリンだ。

今迄の姿の時とは違い、その体からは溢れんばかりの魔力が満たされている。

 

実はこの学園都市にはエヴァンジェリンに掛けられた呪いである『登校の呪い』と言うものと、彼女自身の魔力を抑え込んでいる『結界』が張られている。

特に『結界』の方は学園全体に張り巡らされており、それによって大量の電力を学園都市自体が消費していた。

 

エヴァンジェリンと茶々丸はこの事に気付き、全体停電の際に封印結界への電力供給が停止した時に予備システムをハッキングして意のままに操ろうとした。

そしてその結果、8時から12時の間と言う極めて短い時間のみ“闇の福音(ダーク・エヴァンジェリン)全盛期”の力を振るう事が出来るようになったと言う事だ。

 

「ククク……さて、始めようか光明司斉。

貴様を八つ裂きにし、その血を我が復活の贄としてくれる……ククク、アハハハハハハ!!!」

 

そんな笑いと共にエヴァンジェリンもまた姿を消した。

そう、幻想(みがわり)を完全に滅して心揺さぶられる事をこれ以上無くす為に。

 

 

 

 

~said 学園側~

 

一方、二人の壮大な喧嘩の始まる麻帆良の周囲には何人もの人物が居た。

実はこの日の昼間、世界樹の前でこの学園の最高責任者である学園長を中心に、学園の魔法先生と生徒が集結してある話し合いをしたのだ。

その内容とは学園の結界が弱まる停電中の対応についてである。

 

「学園長……今日集まった理由はもしや?」

 

「ウム、なにやらエヴァンジェリンがこの期に何かを企んでおる様でのぅ。

じゃがおかしい、エヴァンジェリンの狙いはネギ君であった筈なのに奴はコンタクトを取ろうとせんのじゃよ」

 

頭が七福神のように伸びた姿からどう見ても人間に見えないこの老人。

この好々爺こそが麻帆良の最高責任者であり、同時に関東の魔法教会の理事長も勤める近衛近右衛門(このえこのえもん)である。

そして最初に会話の口火を切ったのがこの学園に勤め、美空やエヴァンジェリンに茶々丸の居るクラスの元担任にして現副担任であるタカミチ・T・高畑だ。

実はこの二人はエヴァンジェリンとは付き合いが長く彼女が実は面倒見の良い人物だというのを知っている数少ない人物であり、エヴァを利用してある事をしようと画策していた。

しかし今回の事については正直、二人の思惑などを越えていたのである。

 

「……エヴァの目的は当然ネギ君の筈ですよね。

なのに彼女はネギ君を狙おうとしていないとは一体どう言う事なんでしょうか?」

 

特に今語ったタカミチは、かつてエヴァを師事していた人物だ。

そんな彼がエヴァンジェリンの思惑が理解出来ないと言う事は、他の連中など余計に無理だろう。

 

「ふん……あの“闇の福音”の事です、どこかで我々の油断を誘ってネギ君の事を狙う筈だ!!

最近の桜通りの件も奴の仕業でしょう……だから信用出来ないんだ!!」

 

この声を荒げている褐色の肌の眼鏡を掛けているのはガンドルフィーニ先生。

いかんせん悪い人物では無いのだが……視野が狭いと言うか何と言うか、少々一つの事に目を当てて居過ぎるきらいがある。

声を荒げて他の先生に宥められていた……。

 

「ガンドルフィーニ先生、落ち着いて下さい」

 

「落ち着けだって? これが落ち着けるものか!!

ネギ君はあのサウザンドマスターの息子なんですよ!? きっといつかは優秀な魔法使いになる!!

それをあの闇の福音は……しかも、こっちに来て右も左も解っていないと言うのに!!」

 

ガンドルフィーニの言葉に頷く先生や生徒達。

どうやら周りの者達の多くも彼の意見に賛成と言う事だろう。

だが、ガンドルフィーニの言葉はどこか、ネギと言う人物を『サウザンドマスターの息子』としか見ていないようにも聞えた。

 

「あの、それで学園長先生―――私達は一体何をすれば宜しいのでしょうか?」

 

シャークティが口を開き、そう学園長に尋ねる。

正直な話、彼女は内心で不安のようなものを感じ、出来れば早く帰って教会の居候の少年の安否を確かめたかった。

サイには一応停電の間は外には出ないようにと言付けて来たが好奇心旺盛の少年の事だ、外に出ないとも限らない。

それでもしエヴァンジェリンの攻撃にでも巻き込まれたらそれこそ一大事である。

 

その言葉に学園長は少し考えるような素振りを見せると―――

 

「フム……そうじゃの。

今の所エヴァンジェリンの目的はまだ解らぬ……しかし、念には念を入れて彼女とネギ君を見守り、もし戦闘になった際は一般に被害が出ぬように監視する。

やり過ぎた際には止めるが、それ以外は極力干渉せぬようにな」

 

学園長の決定に不満を漏らす者も当然の事のように居る。

しかし学園長は『ネギ君はこの学園に修行に来たのだから、この困難はネギ君自身が乗り越えねばならん』と言う力強い言葉にしぶしぶ従った。

 

だが、気付く筈もない。

エヴァンジェリンが戦おうとしているのはネギ君ではなく全く違う人物である事。

そして、もう既に英雄ナギが出鱈目な力で掛けた“登校の呪い”は解除されているという事を。

サイの学園長達へのお披露目は意外な形で実現しそうである。

 

~side out~

 

 

 

 

そして場面はサイへと戻る。

約束の時間に丁度着いたサイは真っ暗になっている事と湯気の所為で奥まで見えない大浴場に来ていた。

 

「お~い、遊びに来てやったぞガキ。

どうした……このままかくれんぼで終わりって事はねぇだろ、出て来いよ」

 

相も変わらず緊張感のないサイ。

大浴場には水の落ちる音とサイが水の上を歩く音しかしない。

だが、大浴場の真ん中らへんに歩みを進めた時にいきなり証明が点いた。

 

「ほう、逃げずに来た事は褒めてやる。

それに私の事をまた“ガキ”呼ばわりした事もな……どうせ貴様は死ぬんだ、精々悔いの残らんように無駄口を叩いておけ」

 

そこに居たのはエヴァンジェリン。

それに従者の茶々丸と名前を知らないその他四名、その他四名は全員目つきがどこか虚ろだ。

どう見ても多勢に無勢、そんな状況を見てサイが最初に放った一言は―――

 

「えっと、つうか誰だテメェ?

悪いが俺はテメェのようなそこらのガキも着ないような趣味の悪い服着てるような女に知り合いは居ねぇぞ」

 

その瞬間ずっこけるエヴァンジェリン。

姿をいつものがきんちょVerにすると思いっきり怒鳴った。

 

「私だ、私~~~~~~!!!」

 

「おお、何だテメェだったのかよ。

まあテメェの貧相な体じゃそう言うのに憧れるのも解るがな、仮装パーティだなら風呂場じゃなくて別の所でしろや。

そもそも最近のパーティは客に食いモンも出さねぇのか?」

 

ウィットにとんだジョークを言い放ちながら挑発するサイ。

だが相手もサイの思惑が理解出来ているのか不敵に笑いながら返す。

 

「ククク、ご馳走ならあるさ……貴様を八つ裂きにした後、貴様の血と言うご馳走がな」

 

「そりゃ御免被りたいね。

血を喜ぶのなんざテメェと蚊位だろ? 献血が必要なら他を当たれや。

それに献血ならついでにジュースと菓子位出せ、偉そうに踏ん反り返って悦に入ってんじゃねぇよバカガキ」

 

二人は不敵な笑みを浮かべたまま見つめあう。

そして直ぐに、どちらからかは解らないが―――

 

「ク、クククク……」

「フ、フフフフ……」

 

この二人は実に楽しげに―――

 

「ククク……アハハハハハ!!!!」

「フフフ……フハハハハハ!!!!」

 

声を上げて笑い始めたのだ。

サイの意図は別として、少なくともエヴァンジェリンは本気でキレているのは明白だ。

 

「フ、フフフフフ……フフフフフフフ!!

ダ、闇の福音(ダーク・エヴァンジェリン)、不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)、人形使い(ドールマスター)。

数多くある仇名を持つ、人にとって恐怖の象徴たる600年もの歳月を生きた最強の魔法使いであるこの私をこれ程までに虚仮にしたのは貴様が初めてだよ」

 

「ハッ、根暗な渾名ばっかだな。

つうか何が最強だ、此処に居るって事はお前誰かに負けたんだろうが……格好付けんなよ、見てて恥ずかしいから。

『世界で二位の魔法使い』か『自称・最強の魔法使い(笑)』に訂正しろ、このアホガキ」

 

更にお茶の間には見せられない中指を立てたポーズをして挑発するサイ。

その言葉を聞いた時、遂に何処からともなく“ブチッ!!”と言う何かが千切れるような音が響く。

説明するまでもあるまい、エヴァンジェリンの堪忍袋の緒が切れたのだ。

 

「こ、ここここ……このクソガキがぁぁぁぁぁ!!!

殺す、絶対に殺す、貴様は跡形も残らん程に叩き潰してやるわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

しかし自称・最強の魔法使いである少女から殺気を向けられている少年は完全にその殺気を受け流す。

更に続けてエヴァンジェリンに暴言を言い放つ所を見ると、恐怖と言うものを感じていないのだろうか?

 

「おいおい、600年も生きてるんだろ?

あんまり怒ると血圧上がっておっ死ぬぞ、もうババアなんだから体労われや」

 

さらに暴言を続けてゴリゴリとヤスリでエヴァンジェリンの神経を削り取るサイ。

コイツ実はかなり根性悪いのではないだろうか? 何処ぞの某悪魔狩りの主人公の如く、挑発の仕方が実に様になっている。

そんな物言いに遂にエヴァンジェリンは戦いの始まりの口火を切った。

 

「え~い、埒が明かん!! 茶々丸、やるぞ!! やれ、我が下僕達よ!!」

「はい、マスター……失礼します、サイさん」

「「「「は~い、エヴァ様~♪」」」」

 

そう言い終わるや否や周囲にいた虚ろな目つきの少女達に命令を飛ばすエヴァンジェリン。

茶々丸は小さくサイに対して頭を下げると攻撃を開始した……それに合わせ周囲の虚ろな少女達もまた、サイに向かって攻撃を仕掛ける。

少女達の戦い方、足取り、動きなどを垣間見てサイは彼女達が操られているだけだと言う事を即座に見抜く。

 

「チッ、関係ねぇ奴巻き込むなんざ面倒な事しやがって。

おいガキ、これは俺とテメェの喧嘩だろ―――つまらねぇ策を弄さねぇでテメェが掛かって来いよクソ野郎が」

 

放たれる茶々丸の蹴りをバク転しながら避けて言うサイ。

しかし彼も解っている、戦いと言うものに卑怯もクソも無いと言う事を。

実に悪人のような笑顔を見せながらエヴァンジェリンは言葉を返す、その姿は心底良く似合っていた。

 

「ククク、卑怯か? それは私にとっては最高の褒め言葉だ。

言っただろう? 私は悪い魔法使いだってな・・・ア~ハッハッハッハッハ!!」

 

実はこれ、巧妙なエヴァンジェリンの作戦だったのだ。

サイは口では色々言ったり、悪ぶったり、根性が悪かったり見えるが関係ない者(戦う意思の無い者)を巻き込む事はあまり好まない。

勿論自分の意思でしっかりとリスクやら何やらを理解した上で戦いを挑んでくるなら問題は無いのだが。

 

さらにもう一つ。

一般のエヴァンジェリン自身のクラスメイトを使えば、あの厄介な“七魂剣”なる武器は使えないと考えたのだ。

まさに裏の世界を時には大胆に、時には狡猾に生きてきただけの事はある。

 

だがエヴァンジェリンは大事な事を忘れている。

それはこの少年、光明司サイが己が調べられなかった“未知数”な部分がある人物であるという事。

そして相手を傷付けずに戦う方法も持っているという事を。

 

「はぁ―――やれやれだ、なっと!!」

 

次々と波状攻撃を仕掛けてくる少女達をいなすサイ。

しかし明らかに一般人としてはおかしい程の技術を持っており容易にはいかない。

―――流石は半吸血鬼化していると言える。

 

更に面倒な事に―――

 

「……逃がしません」

「ぐえっ!!」

 

実力を持つ茶々丸の少女達に紛れた波状攻撃。

 

「喰らえ!! 魔法の射手 連弾・氷の17矢(サギタ・マギカ・セリエス・グラキアーリス)!!」

「うお、何だありゃあ!?」

 

氷の欠片が矢のようになってサイを襲う。

そう、エヴァンジェリンの強力な魔法が攻撃に紛れて来るのだから始末に置けない。

 

まさに防戦一方。

更に始末の悪い事に今戦っている場所は麻帆良学園の大浴場、つまり大量の水がある場所なのだ。

このような場所で氷の魔法を放たれれば、普通の平地で放たれるよりも厄介な事になる……しかもこの大浴場は下手すればそこらのスパランドに匹敵する程風呂の面積が広い。

普通の風呂場なら風呂を破壊すれば問題ないがこれだけ広ければ破壊してもなんら意味が無い、寧ろ浴槽に溜められている水が辺りに溢れて更に面倒な事となる。

此処、つまり水気の大量にある大浴場で戦う事もまたエヴァンジェリンの作戦の一つだった。

 

「どうしたどうした、逃げてばかりか!?」

 

色々な波状攻撃を避け続けるサイ。

しかし周囲の水気の所為で完全な死角から飛んでくる氷の矢を避けてもその位置を想定して打撃が来る。

打撃を避けたとしても当たれば一撃でかなりの傷を負うであろう鋭い氷塊が飛んでくるとゆっくり思考を巡らせている時間も無いのだ。

せめて受ける傷を想定し、ダメージの低そうな相手の攻撃をわざと喰らって考える時間を稼ぐしかないのだが。

 

「(クソ、拙ィな……何とか此処から脱出して戦いやすい所に出ねぇと)」

 

余りにも不利な状況に必死に脱出する場所を探すサイ。

だが相手はそんな時間も思考の猶予も与える程甘い人物ではない、寧ろ彼女にとって見ればその一瞬の隙とも言える時間があれば充分だった。

考える時間を与えない、それは即ち自らの考えた通りに事を運ばせる為の布石に過ぎない。

見ればサイは大浴場の浴槽の中に追い込まれていたのだ。

 

「チッ、ヤベェ!!」

 

エヴァンジェリンはサイの身体能力を考え、例え半吸血鬼化している者が四人と己の信頼する従者が居たとしてもある程度避けられるのは想定していた。

だからこそ波状攻撃を仕掛けていたのだが、その理由は反撃の機会を与えない為ではない……彼女の本当の目的はまるでプール並に広いこの大浴場の浴槽の真ん中にサイを追い込む事だったのだ。

そうすれば全身は水で濡れる事により氷の魔法はより一層の効果を成し、脱出出来たとしてもそれを利用して氷の棺に閉じ込める事が可能となる。

つまりは全ての攻撃、半吸血鬼化した連中、従者である茶々丸の動きすらエヴァンジェリンにとっては想定していた事だったと言う事だ。

 

「フン、愚か者が……これで決着(けり)だ!!

リク・ラク ラ・ラック ライラック……来たれ氷精、大気に満ちよ。

(ウェニアント・スピリトゥス・グラキアーレス エクステンダントゥル・アーエーリ)

白夜の国の凍土と氷河を―――『凍る大地』!!!」

(トゥンドラーム・グラキエーム・ロキー・ノクティス・アルバエ―――クリュスタリザティオー・テルストリス)

 

呪文を唱え終わると共に大浴場の周囲が凍り始め、大地を侵食するかの如く急激に温度を下げる。

サイは急いで脱出しようとするも凍るスピードが速すぎるが故に脱出出来ず、次第に湯船に浸かっていた腰から徐々に氷の彫刻と化していく。

動こうとしても既に動けない、身体に付いた水分が凍結する速度を助長させているのだ―――まさに絶体絶命の状況に彼は追い込まれてしまっていた。

 

「ちっ、クソがぁぁぁぁぁ!!

(拙い、このままじゃ冷凍マグロになっちまう!! クソ、俺は負けるのか? こんな所でまた負けちまうのか……!!)」

 

徐々に全身を氷が蝕んで行き、もう後は首から上しか残っていない。

身動きが出来ない状況で、サイは一瞬諦めそうになった―――だがその時、不意に彼はこの世界に現れてから今に至るまでに忘れてしまったある誓いを脳裏に思い出した。

それは多分、七魂剣と六道拳を召還出来る様になった時に既に思い出していたのだろう。

いや、もしくは無意識にその誓いを行動で現していたのかもしれない。

 

誰かに……思い出す事の出来ない誰かに誓った唯一つ決して逃げずに貫き通すと約束した言葉。

どんな時でも絶対に諦めないと―――もう決して負けないと―――

 

「(違う……俺は、俺は誓った!!

記憶が戻らねぇから誰だか解らねぇけど……もう絶対に負けねぇって!!

もう絶対に……手放さねぇってなあ!!!!!)」

 

全身を包むと共に巨大な氷柱へと姿を変え、氷の棺に閉じ込められるサイ。

完全なる氷柱へとその姿を変えた事によりサイの動きは完全に止まる……そもそも余す所なく凍り付いた時点で動く所かその命も風前の灯だろう。

だがその閉じ込められるほんの少し前に彼の身体から“紅い珠”が何処からともなく出現し、その身体に吸い込まれた事に誰も気付いていなかった。

 

 

 

 

「フン、やはりこの程度か。

私を本気で怒らせるとは愚かな小僧だ―――まあ良い、これでこの小僧の血を吸えば私は晴れて自由の身と言う事だ。

全く以って奴の子の血を狙わずとも解放される方法が他にあったとはな、運命とは解らんものだ。

クククク、これでやっと私はこんな下らん生活からおさらば出来るのだな」

 

氷に閉じ込められたサイを見ながら呟くエヴァンジェリン。

完全にその動きは止まっている……そもそも、氷付けにされて生きていられる者など存在しまい。

そんな氷の彫刻となってしまったサイを茶々丸は複雑そうな、どこか悲しげな目で見ていた。

 

「茶々丸、これから忙しくなるぞ。

まずはこの愚か者から血を干乾びる程吸わせてもらう―――まあ既に息の根は止まっているのだから関係ないか。

そうしたらこのような場所などとっととおさらばだ、良いな?」

 

「―――はい、マスター」

 

茶々丸には感情と言うものの起伏は少ない、更に自らの主である人物の為に作り出されたのだ。

不満があろうとも、人工回路にノイズのようなものが走るとしても、命令には従わなければならない。

 

茶々丸が重い足を引き、氷付けのサイの方に向かおうとしたまさにその時―――

信じられない光景がエヴァンジェリンと茶々丸の目に飛び込んで来た。

 

「な……何だこれは!?」

 

「計測中―――信じられません、完全に停止した筈のサイさんの生命活動が再び再開しました。

更に未知のエネルギー増大、これは前回サイさんと戦った時と同じです」

 

その信じられない光景とは―――氷に包まれていたサイから、炎のようなオーラが立ち上り始めたのだ。

炎のようなオーラはサイを凍らしている氷を徐々に徐々に溶かし始めている。

 

「ば……馬鹿な、そんな馬鹿な事があるか!?

あの小僧の生命の灯火は完全に消えていたのだぞ!? それに完全状態の私の氷がこんなに簡単に溶ける筈が!?」

 

「はっ、嘗められたモンだな」

 

誰かの言葉、少なくとも男の声だと言う事は誰が聞いても解る。

声のした方向をエヴァンジェリンは恐る恐る見る、するとそこには―――先程まで消えていた目に光が灯り、不敵に笑っている少年が居た。

 

「こんな氷じゃ俺は止まらねぇ、止まる訳にゃいかねぇんだ。

だが一応礼は言っとくぜガキ、一度死に掛けたお陰で俺は大事な事を思い出した……そして俺が何かなのも少しだけはな」

 

氷は殆ど溶け去った―――その異様なまでに巨大なオーラとまるで己が身を焦がす光。

闇夜を照らす程に明るい光がエヴァンジェリンを一層慌てさせる……このような強い光、今まで感じた事など一度もなかった。

 

「(ち、違う……違う!! 何故だ、何故この小僧とナギが重なる!? 違う、違う違う違う違う違う!!)

くっ……ええい、やれ下僕共!! あの小僧をさっさと止めろ!!!」

 

「「「「はい、エヴァ様♪」」」」

 

本人は否定するだろうが、その光に懐かしく、神々しくも暖かい何かを感じたエヴァンジェリン。

しかしその感情を振り払うかのように半吸血鬼化した少女達をけしかける。

少女達は命令のままにサイを―――

 

「退いてろ、三下共が!! テメェ等のような操られてるだけの連中なんざ眼中にねぇんだよ!!」

「「「「なっ……きゃあああああああっ!?」」」」

 

一言―――ただの一言の音圧でサイに向かって行っていた少女達は吹き飛ばされる。

しかし体勢を立て直すと、もう一度襲いかかろうとするが。

 

「退いてろ、と言った筈だテメェ等……三度目はねぇ、そこでとっとと眠ってろ!!」

 

怒声が響いた瞬間、まるで操り人形の糸が切れるように倒れて気を失う少女達。

 

「な、ななな……何だと!? 馬鹿な、私の下僕化した者達を解除して気絶させただと!?

そ、そんな馬鹿な、有り得ん!! 貴様……貴様は一体、何なんだ!?」

 

そこでふとエヴァンジェリンは思い出す。

何故、力が完全で無かったとは言え常に魔法障壁を展開してある筈の己に、魔力を感じないサイが蹴りを入れられたのか。

そしてその答えに気付いた時―――何故己の身にサウザンドマスターの無茶苦茶な力によって掛けられた登校の呪いを解けたのか、更に何故こんなにも簡単に下僕達の呪縛を解けたのかを理解した。

 

いや違う、理解させられてしまったのだ。

 

「ま……まさか、まさか貴様は魔力や力を感じないのではなく……そう“認識”させているという事か!?」

 

そう―――『半分』はエヴァンジェリンの言う通りである。

サイは所謂、道場や学校などで教わって勉強したタイプではなく、実戦の中で腕を磨いて来たエヴァンジェリン達よりのタイプの生粋の武人。

つまりは実戦向きであり、相手の強さによってより力を発揮しだす類の人物なのである……しかもその落差が凄まじく激しい。

その為、己が窮地に追い込まれれば追い込まれる程に実力を発揮するのだ。

 

そしてもう『半分』の理由は、サイの失われた記憶に関係している。

彼の生い立ち、彼自身の存在、生まれ持った能力が600年もの歳月を生きて来ている筈のエヴァンジェリンの探査能力をおかしくさせているのだ。

 

己が眼差しに映る事、そして理解した事に呆然となるエヴァンジェリン。

その間にサイは大浴場を飛び出すと、一瞬の隙を突いて窓ガラスをぶち破って外へと脱出した。

 

 

「何っ!? 何処へ行く心算だ!? ちいっ、追うぞ茶々丸!!」

「はい、マスター……しかし残り時間にご注意下さい、停電復旧まで残り35分26秒です」

「ちいいっ、もうそんな時間か!! 解っている、追いかけて直ぐに奴との決着をつけてやろう!!」

 

慌てて追いかけるエヴァンジェリンと茶々丸。

サイはそのまままるで羽でも生えているかのように身軽に木々や建物の屋根を飛び越えながら麻帆良学園都市の端にある大橋に着くと動きを止めた。

 

「此処は―――はん、そう言う事か。

此処は学園都市の端にある場所だ、本来ならば私は呪いによって外に出れん。

だがその呪いも貴様が解除してしまった筈だ、つまり貴様は私の魔力を封印する結界への電力の供給が始まるまで逃げ回る心算と言う事だな。

ククク……意外にせこい作戦だな、私も甘く見られたものだ」

 

『そうだ、己が力を感じれない筈など無い』

エヴァンジェリンはそう考えていた……でなければ一々、このような遮蔽物も何も無いような所へ来る必要もあるまい。

しかしサイの口から出たのは、意外な言葉だった。

 

「逃げる? 何で逃げる必要があるんだ?

違ぇよ―――今からやる事をあの建物の中でやったら、気絶してる連中やこの学園の連中に迷惑が懸かるから出ただけだ。

それに此処なら周りに邪魔になるモンねぇし、とことん喧嘩を楽しめるだろ?」

 

「なっ!?」

 

反論しようとするエヴァンジェリン。

だがそれよりも早く、サイの言葉が響き渡る―――

 

「目がある奴は良く見ろ、耳がある奴は良くかっ穿って聞け!!

我が名はサイ、光明司斉!! 白面九尾が一族の血族にて、終局因使ZF(ゼクスファクター)の力を併せ持つ者なり!!

我が記憶完全では無かれど、かつてこの身に刻みし『誓い』と『誇り』は今再びこの胸へと還った!!

その信念のままに、真祖の吸血姫たるエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルとの決闘を!!」

 

それは何処までも誇り高い姿。

 

その声は何処までも凛とした奥底まで響く声。

 

その姿はまるで誇りを貫き通し生きた偉大なる王のようにも見える。

 

その姿はまさに昔語りで吟遊詩人に語られる英雄のようだ。

 

一瞬、その姿にエヴァンジェリンは魅入られる。

 

「……はっ!? くっ……は、はったりを抜かすな!! おのれ、何処まで私を虚仮にすれば気が済む!?

(違う……違う!! あれは、あれはナギではない……なのに何故、何故こんなにもナギと重なるんだ……!?)」

 

急いで魔法を放とうとするエヴァンジェリン。

しかし、それよりも先にサイが七魂剣・スサノオを出すと呟き始めた。

 

「唵 阿謨伽 尾盧左曩

(オン・アボキャ・ベイロシャノウ)

摩訶母捺囉 麼抳 鉢納麼

(マカボダラ・マニ・ハンドマ)

入嚩攞 鉢囉韈哆野 吽

(ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン)

悪魔退散 所願成就 悉地円満随念擁護 怨敵降伏 一切成就乃加持

(アクマタイサン ショガンジョウジュ シッチエンマンズイネンヨウゴ オンテキコウフク イッサイジョウジュノカジ)

天照坐皇大御神・破邪顕正乃道理―――故其理 森羅万象相成

(アマテラシマススメオオミカミ・ハジャケンショウノドウリ―――ユエソノコトワリ シンラバンショウトアイナラン)

地・水・火・風・空 五行 偏在 金剛界尊 今遍曙光 帰依奉

(バサラダトバン・ナウマク・サマンダ・ボダナン・アビラ・ウン・ケン・ソワカ)

天地玄妙神辺変通力治 曙光曼荼羅・八百万―――」

(テンチゲンミョウシンペンヘンツウリキジ ショコウマンダラ・ヤオロズ)

 

紡がれるは光明真言と金剛界真言の一節であろうか?

目の前に構えられた七魂剣が淡く輝き始め、真言を唱え終わるとサイの身体から明らかに視認出来る密度のオーラが噴出す。

その強さは先程感じたように調べる事が出来ない―――完全に未知数だ。

 

そして、サイは天に向かって叫んだ。

 

 

『魂獣解放(スピリッツ・バースト)ォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!』

 

 

その瞬間、日輪の光と見紛う程の光が、闇に包まれた学園都市をまるで昼間のように照らした―――

 

 

 

 

~side 学園側②~

 

「なっ……何だ、あの光は!?」

 

まるで夜が一瞬にして昼になってしまったかのような光を見て誰かが度肝を抜かれたかのように叫ぶ。

長きに渡り、麻帆良学園の学園長にして関東魔法教会の理事長を勤めてきた学園長も、魔法世界と呼ばれる世界で“英雄”と祭り上げられるタカミチもこの光景には度肝を抜かれた。

あの光は何十年かに一度光り輝く麻帆良の中心にある世界樹の発光をも裕に超えているのだから。

 

「皆、落ち着けぃ!! 場所は麻帆良の端にある大橋の所から放たれておる、各自は己の判断でその場所に向かうのじゃ!!」

 

頷く魔法先生や生徒達。

しかしあれ程のものを見て簡単に落ち着ける筈も無い。

事実、命を出した学園長さえ何が何だか解らないのだから―――

 

「タカミチ君、君も向かってくれるかの? わしも他の皆を落ち着けたら直ぐに向かうでのぅ、頼んだぞい」

「は、はい……学園長」

 

そう言うとタカミチもその場所へと向かった。

更にもう一人、学園側の者達も知らなかった目撃者が居る。

 

「えっ……な、何あれ!? 今日は確かアスナさんの話じゃあ停電だった筈じゃあ―――

(大きな魔力を感じる、ボクの他にも魔法を使える人が居るのかな? 解らないけど、父さんを見つける為の手がかりになるかもしれない)」

 

件(くだん)の子供先生こと、ネギ・スプリングフィールドは最初に此処に来た時に布を巻いてあった長物……魔法の杖を出すとそれに乗って光の放たれる方向へと向かった。

 

子供先生がこの学園に来たのは魔法修行の為だが他に目的がある、それは幼き日に自分を助けて去っていった英雄である父親を探す事だ。

ネギにとっては父親を見つける事が所謂“全て”であり、父親を見つける為に只管努力を重ね、多くの魔法を覚えて魔法学校を主席で卒業するという天才にまでなった。

 

しかし基本や書物の知識、風評などを重視する為か魔法使いと言うものに幻想を抱いている。

まあ年齢を考えればそれは仕方の無い事だが、調べもせずに行動し、早とちりが多いというのはある意味では致命的だ。

そして極限までの甘さは、最悪な結果しか生まないと言う事に気付いていない。

 

故に知らない―――

強大な魔力を感じるのはあの眩い光の柱ではなく、己の行方不明になった父親の事を知っており、しかも最初は血を狙われていた少女が放っている物だと。

 

……遂に、英雄を目指す者と記憶を失った者の邂逅は迫る。

 

その出会いは一体、何を生むのか?

今はその答えを知る者など、誰も居なかった―――

 

~side out~




再投稿四話目完了です。
遂に覚醒したサイの切り札―――その名は『魂獣解放』。
この能力は本来、七天の覇者の前の物語たる『神羅万象ZF』にて登場した魂獣の究極技法。

本来、魂獣は魂獣界から外に出てしまった際に肉体自体にリミッターのようなものが掛かります。
これは抑制状態(セーブモード)と呼ばれ、所謂力を封印して人間界(現世)で生活する際の一般的な姿である。
尚、サイも現在はネギ達と同年代か少し上程度の姿となっており、要は力が完全に制限された状態で戦っているというのが現状)

で、今回出た魂獣解放と言うのは解放状態(バーストモード)と呼ばれる真の姿に自らを戻す技法。
身体を巨大化、もしくは成長させて封印されている力全てを解放した覚醒形態であり、サイにとっては記憶を失う前の力を取り戻せる唯一の方法。
本来は神具に宿る魂獣を契約者である因使(ファクター)が解放する事によって使えるモノなのだが、サイの場合は魂獣でありながら因使である為に単独で使用可能。

強力な力を有する分、欠点も存在する。
魂獣解放は簡単に言えば魂獣自体が内包している法力(この世界の魔力・気力)を全解放する事によって圧倒的な戦闘力を得る事が可能。
故に一度魂獣解放を使うと、その対象が保有する全法力を一度に消費してしまう為に多用が出来ず、また法力が回復するまでは一切使用出来ない。
(特に記憶が曖昧であるサイにとってはその部分が顕著であり精々長くて10分程度しか使用不可能、更に限界を超えるとブッ倒れて暫く寝込む)

以上の事から魂獣解放はサイにとって切り札とも言える。
圧倒的な戦闘能力を得る変わりに燃費が悪く、限界を超えると現時点では直ぐに寝込んでしまう……そう言う理由故にこの作品は『半最強モノ』なのです。
ちなみに諸般の事情により現在はサイのもう一つの技法は使用不可能であるが為、実質は七魂剣と六道拳のみで戦う事しか出来ない。
(一応、徐々にではあるが他の技術も思い出して行く事にはなるが)


【ついでの補足】
『光明真言』―――密教の真言(正式名称は『不空大灌頂光真言』)
尚、裏設定によるとZFの主人公であるカイ、その父親であるガイの苗字である【光明司】は『光明(真言)を司る』と言う意味から付けられたそうです。
要は仏教用語から付けられた苗字(尚、火群は『火の群=炎』で、昔の隠密などが名乗る事が多かった苗字)。

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