オートバイ兵が装備してる武器はイングラムM10やM11。
サイドカーに搭載されている機関銃はM1919A4重機関銃、他に乗っている兵士の装備はM1トンプソン、M61手榴弾。
狙撃兵はM1ガーランド狙撃仕様のC型。
軽歩兵中隊の装備はリーエンフィールドNo4、ステンMk3・Mk5、ブレン・ガンMk4、ヴィッカース重機関銃、PIAT、ウェブリーMk6、エンフィールドNo2、ミルズ手榴弾のWWⅡ英軍歩兵装備です。
サイドカーはIMZウラル社の軍用物です。
小室一行が居る警察署を包囲するように第2実世界大戦下のイギリス陸軍軽歩兵が、戦列歩兵のように前進してくる。
その戦列を避けるかのようにオートバイやサイドカーで編成された機動小隊が警察署目掛けて突っ込んできた。
直ちに迎撃する為、保管庫にあった使える物を持ち出す。
「迫撃砲があったぞ!でも、本体は使えない・・・」
片手で迫撃砲を見付けたシュルツであったが、本体は傷ついて使用不可だった。
そこへ、コータがやって来て、砲弾の入った箱を持ち上げる。
「何をする気だ・・・?」
「迫撃砲の砲弾はそのままでも使えます」
「成る程、ケツをぶった叩いて投げ付けるってことか!」
アッシュがコータが先に言うことを当てる。
「その通りです。早くハンビィーの所へ行かないと!」
「そうだな小僧。直ぐにハンビィーの銃座に着け!足を壊されては何ともならんぞ!」
シュタイナーは直ぐに保管庫に居る者達に指示を出し、何名かハンビィーに向かわせた。
警察署を包囲していた軽歩兵中隊本部は、旅団本部に居る腿に降伏を進めるのかを問う。
「警察署を包囲しました。中にいる者達に降伏を進めますか?」
無線兵が背負う長距離無線機の受話器を持ちながら、若い女性中隊長が問うが、腿は怒りながら返答した。
『降伏だと!?そんなの命令してないぞ。合流したバイク小隊と共に早くやっつけてしまえ!!以上!』
「こ、
もの凄い怒鳴り声で告げられた為、受話器から耳を離してしまう。
受話器を戻した後、攻撃態勢に入っていた部下達に攻撃命令を指示した。
セッセッと迎撃準備に取り掛かる小室一行に、ヴィッカース重機関銃の機銃掃射が入る。
「キャッ!」
正規の戦闘員でもない小室一行の者達は、地面に伏せて銃弾を避けた。
ルリが立ち上がって、SG553を構えながら、重機関銃を撃っている軽歩兵を撃ち始める。
バイク部隊が手に持ったイングラムM10やM11を撃ち続けているが、弾がばらけてる為、小室一行に誰一人として命中しない。
M1919A4重機関銃を搭載したサイドカーは撃ちながら警察署へ突っ込んで行くが、屋上でライフルを撃っているバウアー達に、乗員を次々と殺される。
投げ付けられた迫撃砲の砲弾で、次々と倒されていく。
「敵は爆弾を投げ込んでくる!」
咄嗟にサイドカーから降りたWWⅡ米陸軍装備の女性兵士が、M1トンプソンを撃ちながら、前進中の軽歩兵達に告げた。
次々と軽歩兵達が迫撃砲の砲弾で吹き飛ばされていく中、森林に潜んでいたM1ガーランドC型を構えた狙撃兵が、二階の窓から応戦しているルリに狙いを定めた。
その狙撃兵の護衛は、M1ガーランド、M1/M2カービンやM1トンプソンなどで武装した外見すら米軍装備の女性兵士達だ。
ハンビィーのM2重機関銃に着いたローバックの射撃が行われ、ゆっくりと前進していた軽歩兵達の身体を引き裂いていき、何名かの命を奪う。
「ほあ・・・!」
隣にいた戦乙女の頭が吹き飛んだのを見た彼女は、指揮官の指示が耳に入らず、そのまま棒立ちの状態になる。
「伏せて、伏せるのよ!」
ウェブリーMk6
ハインツのMG42の機銃掃射も入り、次々と軽歩兵中隊とバイク部隊の戦乙女が地面に倒れていく。
PIATを担いだ戦乙女は、リーエンフィールドNo4を背負った兵士に対戦車弾頭を装填して貰い、ハンビィーに向けて撃とうとするが、アリシアに弾頭を撃たれ、爆死する。
そんな時にルリに狙いを定めていた狙撃兵が、M1ガーランドの引き金を引いた。
飛ばされた弾丸は、真っ直ぐマガジンベストを貫いてルリの胸の肉を抉りながら真蔵を貫通、そのまま背中まで貫通すると、壁に弾丸が突き刺さった。
貫通した部分から血が溢れ出す中、隣で威嚇射撃をしていた麗と沙耶が、ルリの身体を掴んだ。
「ちょっと、あんただいじょう・・・」
沙耶が起こそうとするが、ルリには何の反応もない。
「そんな・・・嘘でしょう・・・?嘘だよね?ルリちゃん」
パニックになりながらも、麗はルリの身体を揺らすが、何の反応もない。
綺麗な青い瞳を見れば、生気が失われており、誰から見ても死んだも同然だ。
口元から血が溢れ、床に血が広がっている。
医者である鞠川と衛生兵の役割のリーネが、ルリの状態を確認したが、既に手遅れだった。
ルリが狙撃されたことを知ったローバックとシャーロット、コータは、直ぐに身を隠し、狙撃から逃れようと伏せる。
警察署からの反撃で、大きな損害を被った襲撃部隊の兵士達は、ステンMk3やMk5、ブレン・ガンを撃ちながら退散していく。
逃げていく兵士達に銃撃が加えられ、背中を撃たれた兵士は地面に倒れ、這いずりながらもこの場から逃げようとする。
Gew43狙撃仕様を持っていたBJは、狙撃兵分隊を排除に成功、そのまま重火器を背負った逃げる兵士に追い打ちを掛けた。
これ以上の射撃は弾の無駄と判断したシュタイナーは、射撃中止命令を出す。
「射撃中止!撃ち方止め!」
「撃ち方止め!敵は退いていく!」
シュタイナーに続いてセルベリアが叫んだ後、小室一行の全員が射撃を止めた。
次に被害確認を始める。
「各担当被害は?!」
「死者一名、あの可愛いお嬢ちゃんだよ・・・」
G3A4を持っていたブルクハイトがルリの死を知らせた。
全員が動かなくなったルリの側に集まる。
「可哀想に、喋れなくなった挙げ句にこれか・・・」
「うぅ・・・ご免ね・・・
哀れむように告げるコワルスキーの次に、泣きながらバウアーがルリの前で謝る。
「ルリちゃん死んじゃうの・・・?」
「もう手遅れなのよ・・・」
「麗・・・」
ありすが麗の服を引っ張りながら質問したが、麗は瞳に涙を浮かべながら答え、孝が思い出したかのように彼女を慰める。
彼等が悲しみに暮れる中、ケストナーとヨルギオスの部隊が警察署に接近しつつあった。
ケストナー達が着く前より先に、腿の傘下の部隊が攻撃を始めた為、かなり焦っていた。
「司令官、総司令部より伝達です!ルリ・カポディトリアスという少女を生きたまま捕獲せよと!」
「命令伝達が遅いぞ!総司令部はなにをやってたんだ!」
無線兵からの知らせに、ケストナーは総司令部に文句を言う。
「(もし先に攻撃した連中がルリとかいうギリシャ大統領みたいな姓名をした少女を殺していれば、俺が責任を取らされるんだぞ。全く!)」
前を向きながら、ケストナーは最悪の事態を予想していた。
もちろんその予想は当たっていたが、後に予期せぬ辞退に発展する。
到着した掃討部隊は、早速音に引き寄せられて集まってきた奴らを速やかに排除した後、120㎜迫撃砲を持った本物の兵士達がそれぞれの配置に着く。
M46パットン中戦車も、それぞれの歩兵と共に配置に向かう。
先程の軽歩兵中隊とバイク部隊、狙撃兵分隊と同じような包囲網を敷いた事に、ヨルギオスは疑問に思って、ケストナーに問う。
「どうして同じ包囲網を敷いているのですか?あれでは二の舞になりますよ」
その問いに、ケストナーは笑みを浮かべて返す。
「こちらは重武装で、それに迫撃砲もある。そして航空部隊を呼んでおいた、憎きイワン共の戦闘機
「ほぅほぅ、用意周到ですね。それでは自分も攻撃に加わります」
ヨルギオスが敬礼してから立ち去った後、ケストナーは長距離無線機を背負った兵士から受話器を取り、攻撃命令を下した。
「是非そうしてくれ。迫撃砲、砲撃開始だ!」
その指示に従って、迫撃砲に砲弾が入れられ、砲弾が警察署に向けて次々と発射される。
ルリの死で悲しみに暮れていた小室一行は、砲撃を受けて、次なる試練に立ち向かう。
「どうやら悲しんでいる暇はなさそうだな・・・」
迫撃砲の攻撃を受けている事を知ったシュタイナーは、天井を見ながら口を開く。
冴子がルリの額にキスをした後、立ち上がり日本刀の柄を握って、覚悟を決めた。
「そのようです。彼女の分まで戦わないと・・・!」
砲撃が止んだ後、双眼鏡を持っていたミーナが、サイドカーに乗って白旗を揚げてやって来た軍使の存在を全員に知らせた。
「みんな、降伏勧告の軍使が来たみたいだわ」
「あの迫撃砲は我々に降伏を進める為の物か・・・!」
拳を握りながら、バルクホルンは怒りを抑えながら言う。
そして軍使がやって来た後、シュタイナー、セルベリア、ミーナが軍使を出迎える。
白旗を持った迷彩柄の帽子を被った迷彩服の軍使が、彼等に告げる。
「諸君等は完全に包囲されている。立派に戦った諸君等に我々は
「了解した。返答はいつまでだ?」
セルベリアが軍使に質問した後、彼は直ぐに答えた。
「返答は10分までだ。10分を過ぎて何の反応もなかった場合、容赦なく攻撃を始める。例え投降の意志を見せていようと、容赦なく射殺することだろう」
「分かりました。それで、食事と寝床は必ず分け与えて貰えるのですね?」
次にミーナが質問し、軍使は直ぐに返す。
「もちろんだ。無条件降伏を受け入れれば、食事と寝床、衣服を提供しよう。そうだ、諸君等の仲間にルリという少女はいるか?」
軍使はルリのことを彼等に聞いた。
その問いに、シュタイナーが冷静に答える。
「残念ながらその少女は先程の攻撃で死んでいる。貴様等の狙撃兵によってな」
「そうか・・・では、この時計と白旗を渡す。今から10分後にアラームが鳴るようセットしてある。降伏の意志を見せる場合、駐車場で良く見える場所と屋上に白旗を掲げろ。それが上がっていない場合、こちらは容赦なく攻撃を加える」
白旗を渡した後、軍使は時計のボタンを押した。
「今から10分後、指定された位置に白旗が上がっていない場合、攻撃を始める。諸君等が小官を攻撃した場合、我が軍は直ちに攻撃を始めるだろう。では、諸君等が指定された位置に白旗を揚げていることに祈る」
軍使は時計を渡した後、サイドカーに乗って、ケストナー達の所へ帰って行った。
帰って行く軍使を見ながら、小室一行はこれからどうするか、対策を練る。
小室一行が対策を考えている頃、ケストナー達は毒ガス弾頭の手配をしていた。
「降伏に応じなかった場合、毒ガスを使用だ。全員にガスマスクの着用を急がせろ」
「しかし、毒ガスの使用は許可が必要では・・・?」
部下の一人が毒ガスの使用に異議を唱えるが、ケストナーは笑みを浮かべながら返した。
「安心しろ、吸っても身体が痺れる程度だ。規制に引っ掛かってない。それで、ルリという少女は?」
「軍使からの報告に寄れば、仲間の一人が死んだと言っております」
「ふん、そうか。では、奴らは生かしておく必要がないな。よし、白旗が上がっていても攻撃しろ」
「
双眼鏡で警察署を見ながら、ケストナーは部下達に告げた。
毒ガス砲弾の装填準備が行われる中、小室一行で新たな問題が生じた。
それはルリが蘇ったことである。
「う、うわぁ!こいつ、行き帰りやがったぞ・・・!?」
運ぼうとしたローバックは、驚きの声を上げる。
他の者達も、余りの出来事に驚きを隠せない。
「うぅ・・・よく寝た~ここは確か警察署あたりかな?」
起き上がったルリは背伸びをした後、周囲を見渡してSG553を持ち上げる。
「ルリ・・・君は確か死んでた筈・・・?」
孝は戸惑いながらルリに聞いた。
「そうだよ、でも蘇ったの。さーて、私達はどうするのかな?セルベリアさん」
「一人称が私に・・・?」
ルリの一人称が私に戻ったことに、鞠川とありすは驚きを隠せない。
生き返って間もない少女に問われたセルベリアは、少し戸惑いながらも答えた。
「徹底抗戦しかあるまいだろう・・・我々にはリヒター達と合流する約束がある」
「セルベリアさんの言うとおりです。ここで降伏して楽になっても、後で後悔することになる」
セルベリアに続いて冴子が言った後、アッシュとコワルスキー、シャーロットとフランチェスカが「そうだ、そうだ」と言い始める。
「どうやら切り抜けるしかあるまいな。それで、勝算はあるのか?」
シュタイナーが腕組みをしながら質問した後、早く降伏して楽になりたいシュルツが便乗するよう何回か頷く。
そこへ、ヴァールを抱えたイムカが現れる。
「勝算はある。私とヴァールなら戦車付きの歩兵一個中隊なら戦える」
「しかしよ、嬢ちゃん。そんなの仮の話だろう?連中は航空機も使ってくるんだぜ」
余り乗る気がしないBJが、イムカに異議を唱える。
「ヴァルキュリア人が居れば問題はない。だが、今は居ないようだが・・・」
イムカは、ヴァルキュリア人であるアリシアやセルベリア、リエラ、エイリアスを見ながら告げる。
「降伏するしかないのか・・・」
コータが弱音を吐いた後、ルリは明るい表情をしながら、手を挙げた。
「私、それ程と同等の力を発揮できるよ?」
「嬢ちゃんよ、嘘はほどほどに・・・」
ローバックがルリの言っていることを止めようとした瞬間、バウアーが口を開く。
「大丈夫です。ルリちゃんはその力で私達を助けてくれました。必ず勝てますよ!」
高城邸から脱出してきたメンバーが、疑いの目を向けるモール組に本当のことであるとアピールする。
「そこの眼帯の嬢ちゃんが言いたいことが分かった。兎に角やれるんだな?」
疑いの眼差しでブルクハイト言った後、バウアーは頷きながら喜んだ。
そして一同は反撃の準備をし始める。
「イムカ、気を付けてね。絶対に生きて帰るのよ!」
「必ず生きて帰る。心配する必要はない」
リエラに真剣に告げられたイムカは、笑みを浮かべながら答えた。
次に冴子がルリの頭に巻かれた布を括りながら、心配そうに問い掛ける。
「私は君がまた死にそうで怖い・・・だが、大事な人を見送るのも女の務めだ・・・!」
泣きながら言うが、ルリに頭を撫でられて、表情を見る。
「大丈夫だよ、冴子ちゃん。私は生きて帰るから」
その天使のような表情に、冴子は「問題なし」と判断して、ルリに、保管庫にあったM92FやCZ75を渡した。
「ルリちゃんとイムカちゃんも頑張ってね」
「ヴァルキュリアの力があれば、あんな奴らイチコロなのに・・・頼んだぞ!」
吠えるジークを抱き抱えているありすと悔しがっているエイリアスは、反撃に向かうルリとイムカに声を掛けた。
二人は右手を挙げて、勝利のVサインをした後、装備の点検をし始める。
いつの間にか指定時刻を過ぎていた為、ケストナー達の攻撃が再開された。
「時間切れだ、相手は徹底抗戦のつもりだ。毒ガス弾を撃ち始めろ!」
「
指示を受けた迫撃砲部隊は、毒ガス砲弾を砲身に詰め、警察署に向けて発射した。
「毒ガス弾を発射するぞ!」
次々と発射されていく毒ガス弾、空中で爆発し、毒ガスの煙が警察署内を包み込む。
「こ、これは・・・!?」
「毒ガス弾じゃないか・・・!条約違反だぞ、クソッたれめっ・・・!」
身体が痺れて動かなくなった者達は、床に倒れながら、必死に動こうとしていた。
「うぅ・・・身体が痺れて動けない・・・!」
「口は動くようだな・・・!」
痺れながらも口だけは動かせるので、口を出来るだけ動かす。
「まさか毒ガスまで使ってくるとは・・・!」
生前毒ガスを使われたことがあるセルベリアは、あの時のことを思い出していた。
あの時は、部下のお陰で助かったが、その部下は今、この世界には居ない。
小室一行が苦しむ中、ケストナーはやって来たソ連の戦闘機Yak3十六機に攻撃に向かわせる。
「
「ヤヴォール。戦闘機部隊、警察署に鎮圧射撃せよ」
受話器を取りながら指示する副官、Yak3戦闘機部隊は、警察署に目掛けて進む。
もちろん搭乗員は全て男だ、一番先頭の機体に乗る男が調子づいて、引き金を握る。
『どうせろくな抵抗も無いんだ、命一杯ぶち込んでやるぜ!』
そのまま警察署に向けて機銃掃射を行おうと引き金を引いた瞬間、イムカが撃ったヴァールの銃弾が機体に命中する。
『なんだあれは!?』
『敵は強力な対空火器を所持してます!』
『こんなの話しに聞いてないぞ!?』
無線機から聞こえてくるパイロット達の焦り声に、ケストナーはイライラし始める。
「どうなっとるのだ・・・?奴らは完膚無きまでに叩き潰された筈だぞ・・・?」
その時、信じられない無線が入った。
『少女だ!少女が俺の機体に取り付いて、ワァァァァァ!!』
なんらかの能力を使って高く飛び上がったルリは、Yak3のキャノピーに両手に握られた拳銃を撃ちまくり、パイロットを殺した。
『なんて奴らだ!生身で戦闘機とやりあってるぞ!!』
生身で戦闘機を撃墜していくルリに、驚きの声を上げるパイロット達。
ガスマスクをしているヨルギオスと兵士達は、唖然している。
「何かの冗談ですか・・・これは・・・!?」
対空射撃をし始めている者達もいるが、あっさりとイムカに片付けられていった。
「ウワァッ!」
「デカイ武器を持った女が襲ってくるぞ!ゴハッ!」
G3A3/A4やHK13E、MPi-AK74Nを持ったガスマスクの兵士達が次々とイムカに倒される。
ヨルギオス傘下のAKMSなどを装備した兵士達も容赦なく、殺されていき、煙が充満する中で次々と道路に倒れていく。
「うわぁ~!」
「た、助けてくれ~!」
武器を捨てて逃げていく者達も居るが、イムカが持つヴァールの剣に切り裂かれた。
赤外線スコープで戦況を確認していたケストナーは、イムカの恐るべき強さに恐怖する。
「な、なんて奴だ!たった一人で一個小隊を全滅させたぞ!パットンを奴に向けろ!あれは化け物だと思え!」
その指示で、M46パットン中戦車が向かって行き、105㎜ライフル砲をイムカに操縦を合わせる。
『凄い奴だ、たった一人で歩兵一個中隊を戦ってやがる!』
『榴弾で粉々に吹き飛ばせ!』
装填手が榴弾を装填した後、砲手が照準をイムカに定める。
『照準完了!』
『
砲口から榴弾が放たれたが、あっさりと避けられてしまう。
『やったか・・・?』
戦車長がイムカの姿を確認しようとしたが、正面装甲に衝撃を感じて、警戒し始める。
『どういう事だ?奴は榴弾でミンチになったはずだぞ!?』
それが戦車長の最後の言葉だった。
第一世代戦車の弱点が変わらず後部と悟ったイムカは、素早くM46中戦車の後方に回り込み、対戦車弾頭を放つ。
エンジン部を攻撃されたM46中戦車は大破、爆発を起こした後、毒ガスの煙が周囲から消えた。
同時にルリが何名かの兵士を片付けた後に、イムカの隣に立つ。
「な、何という女だ・・・!毒ガスの中を動けるなんて・・・!」
ケストナーとヨルギオスは、二人の圧倒的な強さに驚きを隠せなかった。
次回はカール参戦です。