学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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遂に本編です。


学園からの脱出
死者の学園


20XX年 春期 何処かの県 床主 藤美高等学園

 

屋根の上に小柄なナチス・ドイツ時代のドイツ国防軍陸軍の兵士が倒れ込んでいた。

身長は150㎝か149㎝程、M41野戦服とM40野戦ズボンを着込み、それに象徴する略帽を被っている。

必要最低限の歩兵装備を身に着け、終戦まで正式採用だった小銃kar98kを右手に握りながら寝息を立てている。

周りから悲鳴や断末魔、人とは思えない呻り声が聞こえ、小柄なドイツ兵は目覚める。

 

「う・・・う~ん・・・・・・・」

 

声からして女性、しかも幼い少女のようだ。

目覚めた瞬間、何所か知らない場所に居たために直ぐに辺りを見渡した。

 

「何所・・・ここ・・・」

 

近くに落ちていたドイツ兵のシンボル的なシュタールヘルム(M40ヘルメット)を手に取って被った。

童顔に白い肌、綺麗な水色の瞳に長い綺麗なブロンドの髪、整った顔立ちからしてかなりの美少女だが、身体的には残念な方だ。

 

「ここは屋根の上、入れるとこを探さないと・・・」

 

少女は口ずさみながらkar98kを持って探し始める。

何所からともなく悲鳴やガラスの割れる音が聞こえてきたが、少女は全く動揺しない、むしろ慣れているようだ。

 

「向こうに窓が・・・」

 

窓を見つけると、自分の身体を見て持ち物を確認する。

武器はkar98kにワルサーPPk、kar98k専用銃剣、折りたたみスコップ、M24柄付手榴弾2個。

持ち物は7.92㎜弾5発クリップ10個、PPk用弾倉4個、携帯食、水筒、コンパス、お菓子袋。

持ち物確認を終えた少女は銃座で窓ガラスを割り、建物内に入った。

窓から入った途端、男子生徒が彼女に襲いかかった。

 

「キャ!」

 

襲ってくる男子生徒の顔を見れば白目を剥き、口から人でも食べたのか周りに血が付いており、一目で正気じゃないと分かる。

必死に振り払おうとするが相手の力が強すぎて中々離れない、強烈な蹴りを入れたら離れたが、また噛み付こうとしてくる。

kar98kの銃座で頭を殴りつけると、男子生徒はその場に倒れて動かなくなった。

 

「死んだ・・・?」

 

少女は動かなくなった男子生徒の身体を銃座で叩いてみたが、何の反応もない。

首筋に指を当てて脈があるか調べてみたが、脈は無い、そして腕の方を見ると、人に噛まれた跡があった。

 

「ゾンビだよね・・・?」

 

少女は一言口にすると次に進んだ。

また男子生徒のような物と遭遇すると判断し、専用の銃剣をkar98kに着剣し、前に足を進めた。

あちらこちらから悲鳴や呻り声、物が壊れる音が外より大きく聞こえてくるが、それでも前に進む。

コンパスを見ながら進み、案内図を見つけた。

 

「ここは5階、階段はこっちに・・・」

 

階段がある方向へ視線を向け、kar98kを肩に掛けて折りたたみスコップを取り出しそこに向かう。

途中に学園の生徒とされる死体が幾つもあったが、なるべく近付かないようにする。

階段に着くと、さっきの男子生徒と同じような女子生徒がこちらに視線を向けて近付いてきた。

ノロノロと近付いてくるために少女はスコップを頭に振りかざし、撲殺した。

糸が切れた人形の様に女子生徒は階段の踊り場に落ちて動かなくなった。

 

後ろを振り返り、窓の内側から外を見た、すっかりと夕暮れが空を覆っていた。

少女は階段で一気に1階まで下ろうとしたが、階段を塞ぐようにゾンビが多数居たために、迂回するしか手がなかった。

持ってる手榴弾で突破するという考えは彼女の脳内にあったが、貴重な手榴弾を消費するのは勿体ないと判断したのだろう。

 

道形を進んでいくと、5体程のゾンビを確認した。

肩に掛けてあるkar98kを取り出し近くに居るゾンビに照準を合わせる。

他に居ないかと後ろを振り返ってみたが、居ない。

後方の安全を確認すると安全装置(セーフティー)を外すと、近い距離に居る1体目の頭に向けて撃った。

銃声が響き、1体目は頭部を撃たれ人形の様に倒れた。

ボルトを引いて空薬莢を排出し、次弾を薬室に送り、次に2体目の頭に向けて撃つ、そして3体目にも頭に合わせて撃つ。

残り2体は少女の元に近寄って来るが、距離があるために十分に狙いを付けられる。

残り2体を始末すると少女はポーチから7.92㎜弾が5発詰まったクリップをkar98kに装填、ボルトを押して、初弾を薬室に送る。

さっきの銃声なのかまたゾンビが少女に集まってくる。

数はさっきより多かったが、動揺することなくゾンビの頭に向けて小銃を撃つ。

弾が無くなれば銃座でゾンビの頭を殴り、棍棒代わりにする。

数分後にはゾンビ達は全滅し、彼女は再び歩みを始めた。

 

こうして彼女とこれから出会う仲間達によるサバイバル生活が始まった。

 

 




やっとの事で本編突入。
さらに書き直しもせんといかんから厳しい。

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