学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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響き渡る銃声

任務を達成し、帰還のために回収地点へと足を運ぶタカ達ことブラボーチーム。

しかし、無線手のリックが言葉の手に掛かって殺されてしまう。

彼等が知らぬ間にアルファチームは、ワルキューレの機甲部隊と遭遇し、口封じのために皆殺しにされる。

一方の言葉は、タカ達を“獲物”としてまるで何処かの宇宙から来たハンターの様に付け狙うのであった。

 

「腕試しにあの方々と戦いましょうか・・・む・・・!?」

 

言葉はタカ達を狙う別の敵を発見した。

建造物からスコープの光が見えた彼女は、直ぐにその場へと向かった。

多少の音は鳴り、タカ達は警戒態勢に入ったが、再び歩みを始める。

タカ達を狙っているのは、二脚を立てた狙撃銃ステアー・スカウトを構えるワルキューレの狙撃兵と双眼鏡を覗く軽歩兵の二人組だ。

距離はやや遠いが、言葉に取っては邪魔されるのが嫌なのであろう。

突然、現れた長い黒髪の少女に狙撃兵達は、自動拳銃Cz75とPP-19ビゾンで迎え撃つも、人とは思えぬ蹴りで、二人とも首を飛ばされる。

凄まじい血飛沫が上がる中、言葉は双眼鏡を覗き、タカ達の位置を確認、直ぐに監視を続行する。

タカ達が森へと入っていくのを確認した言葉は、直ぐに一人ずつ殺す準備を行う。

 

「まるで誰かに見られてる気分だ・・・」

 

後衛を担当するビリーが、言葉の視線を感じつつある。

希に至っては既に失禁済みで「早くお襁褓を替えたい」と表情で表している。

その時、彼等の進行上にワルキューレの小隊規模の歩兵を確認した。

もちろん障害を取り除く為に、直ぐに向かった。

人数は三十人程度、中歩兵が六人、軽歩兵が二十四人、今の言葉なら瞬きする間に皆殺しに出来る数だ。

まずは後ろに居る中歩兵の首根っこを掴み、周りに気付かれないように始末する。

 

「あれ、ディナラさんが居ない?」

 

ブルパップライフルを背中に掛け、頭にフリッツヘルメットを被った軽歩兵が、後ろにいた中歩兵を捜し回る。

だが、言葉に口を塞がれ、林まで連れ去られた後、殺されてしまう。

これ以上は時間が掛かると判断した彼女は一気に殲滅戦と、後ろから襲い掛かる。

 

「て、敵襲・・・」

 

知らせようとした軽歩兵の頭を殴り飛ばし、隣で驚いて動けない軽歩兵を指で刺し殺す。

気付いた戦乙女達が自動小銃や短機関銃の安全装置を外して構えて発砲したが、死体を盾にして、銃弾をかいくぐり、鉈で次々と殺めていく。

木や緑の葉に血が付着し、地面が死体から流れ出た血を吸って赤く染まる。

タカ達が来る前に、手短な死体の皮を剥ぎ取り、立ち去る。

銃声を聞いたタカ達が、辺りを見渡し、言葉に殺され、無惨な姿に変えられた戦乙女達を見た。

 

「まるでハンターだ、しかも皮を剥ぎ取られてる」

 

無惨な姿となった死体を見ながらビリーは隊長のダッチに伝える。

 

「こんなことする奴はトンデモねぇ頭のネジが飛んだ奴だ」

 

「俺達は不死身のコンビだ。こんな奴には負けねぇよ」

 

死体をマジマジと見ながらマックとブレインは意気込む。

 

「次はあの人にしましょうか・・・」

 

木の枝の上から言葉は、ブレインに狙いを付けた。

タカ達が移動した後、わざとブレインの近くで物音を鳴らし、誘い出した。

 

「おい、何処へ行くんだ!?戻れ!」

 

「俺が追います!」

 

ジョージが注意するが、ブレインが無視してそこへ向かい、マックが後を追う。

 

「来やがれ・・・!面見せろ・・・!」

 

インベルMDを構えながらブレインは周りに睨みを効かせる。

言葉は戦乙女から奪ったとされる対物ライフルアキュラシーインターナショナルAW50ををブレインの胸に狙いを定めて、引き金を引いた。

 

「グワァ!!」

 

森に響き渡る銃声が鳴った後、ブレインの胸に穴が空き、インベルMDの引き金を引きながら地面に倒れ込んだ。

弾倉の中身が切れた後、言葉はブレインの死体を回収しようとしたが、追ってきたマックに邪魔をされる。

 

「いたぞぉ、いたぞおおおおお!!!」

 

居場所を全員に知らせる為に叫んだ後、手に持っていたM240機関銃を言葉に向けて撃ち始めた。

 

「化け物めーい!ズァァァァァァァ!!」

 

銃口から発射される7.62mmNATO弾を回避しながら、言葉は林へと消えた。

M240の弾倉の弾丸が底をつくと、チェーンガンを撃ち始める。

 

「ちくしょおおおおおおおお!!うあああああああ!!!」

 

銃声を聞いたタカ達も到着し、周囲に乱射し始める。

ポンチョが放ったRSAF アーウェン37のグレネードを最後に全員が引き金から指を離した。

 

「あれはなんだったんだ・・・?マック」

 

「見ました、見たんです。黒い髪の日本人の小娘だった・・・!」

 

ダッチが再装填を終えて、マックに聞いた後、彼は汗だくになりながら答える。

それを耳にしていたポンチョが疲れ切ったマックに聞く。

 

「ホントか、マック?!」

 

「確かな手応えを感じた。機関銃とチェーンガンをフルバック!」

 

言葉の血が付いた雑草を指差しながら状況を報告したマック、その後地面に倒れたブレインの死体からドックタッグを取った。

 

「埋めてやりたいが時間がねぇ・・・許してくれ・・・」

 

目に涙を浮かべながら、見開いた死んだブレインの目を指で閉じた。

 

「これ程騒いでもゾンビの一体も見かけないぞ」

 

ジョージの言うとおり、森に入ってから“奴ら”の一体も彼等は目にしてはいない。

その理由は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦が核ミサイルの迎撃に失敗しており、範囲から逃げようとするEMP対策もしていないワルキューレの機甲部隊やヘリ部隊、航空部隊が東へと撤退している最中であるからだ。

自動車や装甲車、戦車が鳴らすエンジン音で、“奴ら”が戦乙女達の後を追うように音が鳴る方へと向かっていく。

 

「まるで何かから逃げているかのようだ・・・」

 

ビリーが言った後に、タカとミキ、希が鳥の群れの様に西へと向かうヘリや航空機などが飛ぶ、空を見上げた。




プレデターネタ炸裂回が冬休み最後の更新・・・さて、明日から学校だ・・・

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