学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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ぷ、プレ○ターだ・・・これ・・・


見えない恐怖

新しい能力に目覚め、超人的な身体能力を手に入れた桂言葉。

壁など足の脚力を使えば上がれ、天井に張り付くことだって出来る。

負傷しても、脳や心臓が完全に破壊されない限り、驚異的な自己再生能力で直ぐに治ってしまう。

 

「(自分でも怖くなってしまう程の能力です。でも、上手く活用すれば無敵かも)」

 

近くにいた複数の奴ら(ゾンビ)を八つ裂きにしながら頭の中で語る言葉。

ゾンビが全滅するのを確認した後、ワルキューレの兵士が発砲したと思われる銃声が耳に入り、様子を確認しに向かう。

 

「無駄に撃っちゃったら駄目でしょう!」

 

「だって、アーアー煩いんだもん!」

 

木の枝から短機関銃を撃ったとされる2人の軽歩兵が喧嘩する場面を伺いながら、鉈を構え、隙あらば暗殺の準備をする。

その時、M5A1スチュアート軽戦車が言葉の視線に入った。

 

「(あれは戦車?形が随分と自衛隊のと違いますが・・・あの女の人達は何者なんでしょうか?)」

 

車長らしき人物がキューポラから上半身を出して、会話している場面を見ながらワルキューレの正体を思考する言葉。

 

「(ディーゼルエンジンの臭いがしますし、エンジンに火炎瓶を投げ込めば破壊できますね)」

 

短機関銃を持った兵士達が車長との会話に気を取られている間に、自作した火炎瓶で軽戦車を破壊しようと試みる。

 

「あのヘリの事聞いてる?」

 

「知らないよ、もしヘリが来るってあったら無線から連絡がくるもの」

 

「そう、じゃあ、乗ってく?」

 

「うん、巡回も済んだことだし乗るわ」

 

「車内に入れないから、揺れるけど、車体で我慢してね」

 

言葉がスチュアートの後方へと回り込んでいる間に、2人の戦乙女が車体後部に乗ろうとしていた。

火炎瓶はエンジンに直接当てない限り、効果が薄いだろう。

直ぐに火炎瓶をスチュアートのエンジン部に向けて投げ込んだ。

プロ野球選手が投げるボールの如く、火炎瓶が剛速球の様にエンジン部へと飛ぶ。

そして火焔瓶がエンジンに命中、乗ろうとしていた軽歩兵2名の身体に燃え上がり、スチュアートも燃え出す。

 

「アアアァァァ!!熱いよ!熱いよ!!」

 

「水!誰か水ッ!」

 

「わぁぁぁ助けて!」

 

燃え移った炎が美しい戦乙女達の身体を焼き、燃え盛るスチュアートから慌てて抜け出す乗員達。

戦車を操る乗員達の身体も燃えており、火を消そうと必死になって、水を探している。

当然、かなりの大声と音が響くために周りのゾンビが引き寄せられ、燃える戦乙女達に襲い掛かる。

言葉はただそれを見ているだけであった。

数分間燃えた後スチュアートは爆発し、張本人である彼女はその場を去っていった。

一方、目的地へと前進中であるダッチのブラボーチームはM5軽戦車の爆破音を耳に入れた。

 

「爆破音!?誰だ?」

 

この作戦の指揮官であるジョージは、ダッチのチームメンバーを見る。

 

「アルファチームの連中じゃないのか?あいつ等はRPG-7を持っていた」

 

近い距離に居るビリーが、警戒するジョージに告げる。

 

「あいつ等めぇ・・・この作戦が終わったら減給だ」

 

何名かが笑った後、目的地の研究所へと到着した。

ダッチは懐から双眼鏡を取り出し、研究所を占拠している武装した複数の私服の生きた人間を見る。

 

「目が逝ってる奴が多数にジャパニーズマフィアが複数・・・装備はお粗末な物ばかり」

 

近くにいたジョージに告げたダッチは、双眼鏡を渡す。

 

「AK47か・・・?いや、中国製の56式自動歩槍だ。レバーが反対の奴まである。RPG-2、レア物のデグチャレフPTRD1941だぞ。後は民間用と猟銃・・・こいつは驚いたモシン・ナガンボルトアクションライフルまであるぞ」

 

「機関銃は?」

 

「機関銃はRPD軽機関銃、中国製だ。対空用としてKPV重機関銃まである。みんなお粗末なコピーか、メイドインチャイナだ。その内壊れる」

 

笑顔で答えたジョージは、ダッチに双眼鏡を返す。

次はアルファチームの合図を待つだけだが、その合図が一向に来ない。

 

「どうだ、来たか?」

 

「いえ、リックの奴が無線でアルファチームに呼び掛けていますが、何の返事もありません!」

 

ポンチョと呼ばれる副官格のコントラクターが、様子を見に来たダッチに報告する。

直ぐにジョージの所へ戻りる。

 

「どうだ、アルファチームは?」

 

「いや、全く来ない。本当に2チームでやるのか?」

 

「あいつ等、今度こそ減給だ。予定の時刻までまだある。暫し待とう」

 

そうジョージが告げて数分後、アルファチームは一向に来ない。

暇で自販機から飲み物を買っていたタカ達は寝転び、ずっと待っている。

 

「来ないわね・・・」

 

「あぁ・・・」

 

煙草を吸いながらミキの問いに答えるタカ、希は両手にレモンジュースを持って、口に運んでいた。

他のブラボーチームの面々もだらける。

一向に来ないアルファチームに苛ついたのか、ダッチは攻撃を開始しようとする。

 

「もう待てん、俺達だけでも攻撃だ」

 

「待て、この戦力では歯が立たんぞ!返り討ちにされるだけだ!」

 

「相手は銃を禄に撃ったこともないジャンキー共と教養のないアホ共だ・・・勝算はある」

 

ダッチの案にジョージは溜息を付いた後、具体的なことを聞く。

 

「で、どうするんだ?俺達は映画の中のヒーローじゃないんだぞ」

 

「分かっている。俺以外の奴が奇襲に最適なポイントに着き、あの放置されたタンクローリーを門に突っ込ませる。研究所の敷地内にドラム缶が多数、それに弾薬箱もそれなりにある」

 

放置されたタンクローリーを指差しながら言うダッチに、ジョージは呆れた顔をして口を開く。

 

「はぁ・・・後は強行突破か?」

 

「その通り。爆発で浮き足立っている間に、皆殺しだ」

 

指を鳴らしながら笑顔で答える。

ジョージはそれに納得、ダッチはビリーを呼び出し、彼に伝令させる。

 

「お前等、戦闘の用意だ」

 

「ようやく来たか!」

 

「チェーンガンをバックから出しなよ」

 

伝令に来たビリーに、タカはFMCのコッキングレバーを引いて初弾を薬室に装填し、意気込む。

ミキもタカと同じ動作を行い、希も戦闘準備をする。

マックはブレインにバックの中身を取るように伝えた。

ブラボーチームの面々が戦闘準備を完了した後、ダッチはタンクローリーに向かう。

運転席のドアを開けてみると、運転手の成れの果てが彼に襲い掛かる。

 

「この野郎!」

 

ゾンビがダッチの首筋を噛む前に、角に頭を叩きつけられ、沈黙した。

その後、エンジンを掛ける。

 

「燃料が残ってると良いが・・・」

 

ダッチは心配しながら研究所までタンクローリーを走らせる。

研究所が見えると、アクセルを踏み、スピードを上げて門に突っ込もうとする。

 

「うぉ!?誰だ!止まれぃ!」

 

馬鹿な男が56式自動歩槍をタンクローリーに向けて警告しているが、当然ながらダッチは無視、そのまま轢き殺す。

 

「突っ込んでくるぞ!」

 

「構わねぇ!撃ちまくれ!」

 

中国製のアサルトライフルや軽機関銃の銃弾がタンクローリーに命中するが、幸運なことに燃料貯蔵に当たらなかった。

門を突き破り、正面にロケット砲や重機関銃の弾薬箱が積まれた山が見える。

もちろん弾薬箱の山に突っ込む。

充分距離に達した後、ダッチはタンクローリーから脱出、そのまま迎撃に来たヤクザや薬物中毒者をAK107で次々と射殺していく。

その後、弾薬箱の山に突っ込んだタンクローリーは大爆発、これを合図にタカ達が奇襲攻撃を開始した。

 

「やることが派手だね」

 

待機していたブレインが言った後、ヤクザのおっさんが叫ぶ。

 

「て、敵襲や~!」

 

その叫びと共に研究所本棟から続々とメイドインチャイナ製品の自動小銃や軽機関銃、散弾銃を持った一団が出てくる。

ミキと希と共にタカは、道行く先に居る中毒者やヤクザを次々と射殺していく。

 

「エネミーダウン!」

 

「タカ、後ろ!」

 

「この野郎死ねぇ!」

 

タカが3人を同時に始末した後、ミキが小刀を持ったヤクザが後ろから斬りかかっていることを知らせた。

そのヤクザはジョージのSA58で射殺された。

 

「死角をカバーしろ!アホ共がそこら中から沸いてくるぞ!」

 

ジョージが言った後に、宿舎から次々と中毒者やヤクザが出てくる。

 

「二手に分かれろ!油断するな!!」

 

次々と沸いて来るも、タカ達に敵うはずもなく、続々と死体が増える。

 

「アフガニスタンを思い出す・・・」

 

ポンチョがRSAFアーウェン37を撃ちながら昔のことを思い出す。

 

「死ネェーイ!」

 

在日朝鮮人と思われる男がジェイダーの後ろから着剣済みなモシンナガンM1944で突っ込んできたが、彼女が素早く振り返り、右手に持つブラジル軍正式採用のインベルMDを撃たれて射殺されてしまう。

 

「私の後ろから攻めて良いのは、ベットと私の合意を受けた時よ」

 

美しい笑顔で答えるジェイダー。

見張り台に居たヤクザも、上ってきたビリーに投げ落とされ、絶命する。

 

「俺とジョージは本棟内を鎮圧する。お前達は外で暴れていろ!」

 

了解(コピー)!」

 

ダッチに命令されたポンチョとリックはそのまま、敷地内鎮圧に当たる。

タカ達も屋上から出てきた中毒者やヤクザを撃ち殺していく。

 

「アァ~ア~!」

 

「(室内戦しかやったこと無いから怖い!)」

 

この時、希は戦闘の恐怖からか、失禁していた。

そんな彼女に後ろから中毒者が56式を乱射しながら突っ込んで来る。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ死ねぇーーーー!!!」

 

「へ、はぁっ!来ないで!」

 

恐慌状態のままでMP5kA4を中毒者に向けて乱射する希、だが、痛覚を感じないらしく、56式を希に向け、引き金を引こうとする。

直ぐに56式を持つ右手を撃った。

9㎜パラベラム弾が命中した56式を握る指が全て落ち、自動小銃が下に落ちる。

 

「俺の指が・・・このガキィィィィィ!!」

 

残った左手で希に襲い掛かる。

狙いを定めてMP5kの引き金を引いたが、弾倉の中身が無く、何度引いても引き金を引く音しかしない。

さらにお襁褓を濡らした希は、AMTオートマグナム44をガンホルスターから抜き、安全装置を外し、向かってくる中毒者に向けて、引き金を引いた。

大口径の弾丸を喰らい、中毒者の左腕が吹き飛び、第2射目で右脚が吹き飛んだが、中毒者は這いずりながらも向かってくる。

泣きじゃくりながらも、頭部に狙いを付けて引き金を引き、中毒者の頭を吹き飛ばした。

 

「大丈夫、希!」

 

ミキがヤクザを射殺しながら恐慌状態の希に近付いた。

 

「もう大丈夫よ、希。あいつは死んだから・・・」

 

弾切れになったオートマグナム44の引き金を引き続ける希を抱きしめた。

抱きしめられた希は、拳銃を下ろし、何が起こったのか分からないでいる。

その後、タカが来て、彼女達はタカと一緒にダッチとジョージが向かった本棟へと向かう。




まだ戦闘シーンは続きます。
タカ達とダッチ等がコマンドー状態です。

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