ヘリの機内でロックな音楽が響き渡る中、全員、煙草を吸ったり、雑談を交わして時間を潰していた。
その時、ヨントがジョージのミリタリーブーツに唾を吐く、このヨントの態度に対し、ジョージは、彼を睨み付ける。
「この野郎、人のこと良く見て唾を吐け!」
ドスの効いた声でヨントに告げるが、当の本人はヘラヘラしながらジョージを見ていた。
そして韓国語(朝鮮語)で「黒人風情が」とジョージに態と聞こえるように漏らした。
「俺が韓国語を分かってないと思ったか、マヌケ。こっちはお前より良い大学を出てんだ。分かったらさっさっとそのライフルの
大字K2ライフルの安全装置を外そうとしていたヨントは気付かれたと分かり、安全装置を掛け直した。
その間にヘリは目的地へと到着する。
『目的地に到着、周囲に敵影無し』
パイロットからの報告を聞いたダッチ達は装備の確認を行い、それが終わったら持っているライフルの安全装置を外す。
機体に付けられたケーブルが地上へと降ろされるのを確認すると、まず初めにタカが捕まる。
『降下開始』
パイロットが告げ、タカ達は地上へと降下した。
初めに降下したタカが、FN FMCを周囲に向けて、パイロットの死角にいる敵を索敵する。
その後、ヘリから続々とチームメンバーが降下し、全員を降ろしたヘリは帰り道を沿って、四国の空港へと去っていった。
「50メートル感覚で前進」
リーダーのダッチが命じた通り、約50メートルに開けて前進するメンバー。
人気のない町を警戒しながら向かうタカ達であったが、ヘリの機内で問題を起こしたヨントは、勝手に何処かへ行ってしまった。
「おい、何処へ行くつもりだ!?戻れ!」
ジョージの制止を聞かず、ヨントの姿はドンドン小さくなっていく。
FN FALの強化モデルDSA SA58をヨントに向けたが、ダッチに止められた。
「弾を無駄に使うな、あいつはここで死んだ。そう思え」
この言葉にジョージは黙り込み、SA58を下に向けて目的地へ再び歩き始める。
一方、希は道路に落ちていた瓦礫に躓き、大きな音を立てて転んでしまう。
「誰も出てこない・・・?」
咄嗟に体制を立て直し、MP5kを構えて周囲を確認、敵が居ないと分かった後、安心するが、近くにいたマックに胸元を捕まれ、睨みながら激しく恫喝する。
「この小娘めぇ、お前が立てた音で隊のみんなを危険に晒すんだぞ!今度余計な音を出したら絞め殺してやるからな!分かったか?!」
マックは恫喝した後、元の位置へと戻っていった。
希はマックに恐怖し、既に失禁していた。
その頃、忘れていた狂気こと言葉はと言うと、凸凹コンビとの戦闘後、学園を脱出していたのであった。
だが、脱出から一日後に奴ら(ゾンビ)に不意を突かれ、左腕を噛まれてしまう。
もう言葉は奴らに成る寸前であり、その証拠に目や口から血を流している。
「私の人生はここまでのようです、ね・・・ブハァ!」
自分の最期を察し、血を吐いて倒れ込む。
そのまま道路に居る猫を見ながら奴らに成ろうとした瞬間、ワルキューレの兵士を見つけた。
力を振り絞って立ち上がり、その女兵士の元へ近付く。
その兵士の装備はさながら特殊部隊の様だ、バラクラバで顔を隠し、右手にはナイツ社のAR15のクローンSR16が握られている。
女性兵士はSR16を杖代わりに使ってる。
何故なら右足に動物用の罠トラバサミが刺さった後があり、出血しているからだ。
左手には何かのスーツケースが握られており、その女性兵士は急いでいるみたいだ。
相手もまともに動けないと判断した言葉は、持ち物の鉈で襲い掛かった。
「ッ!?」
言葉に目を付けられた女性兵士はロシア語で叫び、手に持つライフルを撃とうとしたが、バランスを崩し、地面に倒れ込む。
そこを言葉は逃さず、鉈で悲鳴を上げる女性兵士の身体を何度も何度も切り裂いた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ゴホ!」
血を吐いた後、女性兵士が持っていたスーツケースの中身を開けた。
「何かの薬みたいですね・・・」
中身には注射器と、何か良からぬ液体の入った容器があった。
直ぐに容器の中身を注射器に入れ、自分の左腕に刺し、注入しようとする。
「どうせ続かぬ我が命・・・それならこの液体を自分に入れてみましょう・・・」
そう言った後、液体を自分の体内へと注入した。
「やはり無意味でしたか・・・うっ!?」
言葉の体内で変化が起き、彼女は声を上げて苦しんだ。
変化は体内だけではない、身体の傷が全て癒え、同時に圧倒的な力を手に入れた。
「力が溢れる・・・これは何かの強化薬・・・?」
試しに近くにあった壁を力一杯殴った所、壁が見事に吹き飛んだ。
滅多刺しにした死体の腕を引き千切ったりもした。
「これは・・・凄い・・・」
新たな力を手に入れた言葉は笑みを浮かべて喜び、音を聞き付けやって来たゾンビを全滅させた。
「最高・・・!」
拳を握りながら、意気揚々とその場を去っていった。
その時、偶然にもゾンビを撃ちまくっていたヨントがRDIストライカー12を乱射していた場面に遭遇する。
「(韓国人・・・何故こんな所に・・・?)」
身を隠しながら様子を伺う。
「そこにいるな?」
言葉の視線を感じてヨントは、大字K2を構えて接近してきた。
「そこにいるのは分かってるぞ、チョッパリめ・・・!」
ヨントは笑みを浮かべながら言葉の隠れる場所へと向かってくる。
咄嗟に言葉は、建物に入り、天井に捕まった。
建物に入ったヨントは、疑問に思う。
「居ないぞ・・・何処にいる?」
ライフルの銃口を辺りに向けるヨントを見ながら、血塗れになった鉈を構える言葉。
そして、下の位置にヨントが着くと、彼の頭上目掛けて鉈を振り下ろした。
「バァ!ア・・・なんだこれは・・・!?」
何が起こったか分からないでいるヨント、両方の視線に鉈の刃先が見える。
後ろにいた言葉は、鉈を引き抜くと、ヨントの死体は頭から血飛沫を上げて床に倒れた。
超人的な能力を手に入れた言葉は、その場を去るのであった。
プレ○ター風に成ってしまった言葉。
果たして、タカ達は生き残ることが出来るのか!?後半へ進む!(政宗一成風に