学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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このストレイツォ、容赦せん!

実際にダイアーさんもストレイツォも出ません。

出てくるのはそのキャラのパロディだけです。


掛かったな、アホが!

パイパー達が迂回している頃。

その近くで高校生位の少年少女の生存者達が、ゾンビに怯えながら足を進めている。

しかし率先して前に出る少年は恐怖を感じておらず、手に持ったゴルフバットを周囲に向けて警戒しながら前に進んでいた。

 

「ねぇ、このまま后に任せても良いんじゃない?」

 

何処かの高等学校の制服を着た少女が、以下にもハーレム物に出てきそうな主人公の風貌をした少年に、話し掛ける。

少女の名前は早峰鏡子、スタイルは抜群、そしてアニメのヒロインな容姿で、彼等の通う学校のマドンナ的な存在だ。

その彼女に話し掛けられているハーレム物のアニメの主人公な風貌の少年は太東利木、同じ学校に通う少年で、ラッキースケベである。

 

「うん、それでも伊妻に任せるのは良くないと思うけど・・・」

 

鏡子の問いにそう返す利木、ちなみに率先して前に出て、振り回すかのようにしている少年の名は伊妻后、彼等と同じ学校に通う男子高生だが、痛い中二である。

その証拠に訳の分からない事を喋りながら鏡子と利木の前を歩いている。

 

「いつでも出てこい、アンデット共め。このゴルフバット型ハンマーで全て叩き殺してくれるわ」

 

「映画みたいな事が起きて、頭でもおかしく成っちゃったのかな・・・?」

 

「多分そうなるね・・・」

 

利木が后の状態を心配する鏡子の言葉に応える。

ちなみに伊妻と后は幼馴染みだ。

そんな頭を抱える二人にトドメを差すように数体のゾンビが彼等に向かってきた。

もちろん彼等はゾンビの習性を知らない、頭が弱点としか知らない。

 

「来たなアンデット共!このハンマーをくらいな!」

 

大声で叫んで、近くに居たゾンビの頭に振りかざした后、もちろんこの声の大きさで近くに居たゾンビが集まってくる。

 

ypr(ウラ)ー!」

 

第二次世界大戦時でソ連赤軍歩兵がドイツ軍の防衛陣地に突撃する際に叫んだ言葉を叫びながらゾンビを倒していく后、ソ連赤軍歩兵の野戦服を着ていれば、辺境地から徴兵された兵士に見えるが、学生服であるためにギャップを感じる。

一方の鏡子と利木も、それぞれ持っている角材や鉄パイプをゾンビの頭に振り下ろす。

 

「イヤー!って、数多すぎ!」

 

勢いよく角材で殴った後、かなりの数のゾンビに文句を言う鏡子。

奮闘していた利木も少し息を切らす。

后はいうと、奇声を発しながらゾンビを薙ぎ倒していた。

 

「イェーー!クソッ、このアンデット共を操っている奴は何処にいる!?」

 

ゾンビ発生事件を引き起こした人物は特定できない。

事件が解決するのはおそらく終盤辺りだろう、そして鏡子の角材が折れた所で三人は危機に陥る。

 

「ゴメン、角材折れちゃった!」

 

「えぇ!ここで終わり!?」

 

「クソッ、ゴルフバット型ハンマーが!だがこの后、ただでは死なん!」

 

漫画やアニメで主役級のキャラが死にそうな台詞を吐いた后、もちろん爆薬の類は持ってはいない。

ここまでと思った三人であったが、大柄の男二人が何処からともなく現れる。

 

「トウッ!」

 

蹴りでゾンビの頭を粉々に潰す、ジョジョの奇妙な冒険で瞬殺された男みたいな髪型をした男、一瞬で殺されそうだが、この世界に瞬間冷凍法を使う生物界の頂点は居ないので大丈夫であろう。

 

「ハァー!」

 

そして長髪の男、死んだら男同士の恋愛が大好きな女性に「スト様が死んだ!」と叫ばれそうな容姿をした男が手刀でゾンビの頭を切り落とす。

 

「こいつ等は今まで戦ってきたアンデット系じゃないな。しかしそれよりも貧弱だッ!」

 

口を動かしながら、ゾンビの頭を蹴りで潰す男、それに共感するように長髪の男がゾンビを薙ぎ倒しながら応える。

 

「その通りだスプリット、どうやら数だけで襲うしか頭に無いらしい」

 

「それもそうだなストアー。フン!」

 

二人は息を切らすこともなくその場にいたゾンビを全滅させた。

そんな圧倒的な二人を見ていた三人は、言葉を失い、ただ突っ立ているだけである。

スプリットという男は三人の方を見た。

 

「どうやら生存者みたいだな」

 

「ああ、誰も噛まれてはいないらしいが」

 

ストアーは后、鏡子、利木を観察しながら口を開く。

そして懐から紙切れを取り出してそれを三人に見せる。

 

「直ぐに安全な場所に案内したいが、済まない。この写真に写った少女を探している。この少女は何処にいる?」

 

流暢な日本語で三人に写真の人物を聞き出すストアー、その写真に写った人物は水色の瞳に鮮やかなブロンドの髪を持つスタイルが残念な絶世の美少女ルリだ。

鏡子と利木はその余りの美しさと可愛さに見取れているが、后は美少女な神様と叫んでいる。

 

「まぁ、見かけたか、何処へ向かったかを教えてくれれば良い」

 

補足するようにスプリットが付け足す。

鏡子と利木は、見た覚えが無いためにスプリットとストアーに謝罪する。

 

「済みませんがこんな可愛い娘(こ)は僕達は見てません。ごめんなさい」

 

「見ていないのか・・・案内は出来ないが場所は教えることは出来る」

 

スプリットは地図を出して、赤いペンで印をした場所に指を差す。

 

「ここが避難所だ」

 

「ここってたしか・・・」

 

「ショッピングモールだよね・・・」

 

利木が言った後に答えを言う鏡子。

その言葉にストアーは眉をしわ寄せ、口を開く。

 

「なんだ知っているのか。それならこちらが楽で良い。守っているのは婦人警官が二人だが、何ヶ月かは持つだろう。言い忘れたが、奴らは目が見えないが音には敏感だ。大きな音を出すな。それじゃ、私達はこれで」

 

スプリットとストアーはその場を後にしようとしたが、スプリットが何かを思い出したかのように三人の元へ戻ってきた。

 

「おっと、言わなければならないことを忘れていた。周辺に武装している人間を見たら警戒しろ、そいつ等はお前達の国で言う自衛隊ではない、無法な女兵士共だ。女だからと言って迂闊に近付くな、捕らえられて奴隷にされるか殺されるぞ」

 

心残りが無くなったスプリットは、待っていたストアーの所へ戻り、彼と一緒に何処かへ去っていった。

この圧倒的な二人に后はハイに成っていた。

 

「うぉ~!弟子入りしてぇ~!」

 

「おい!大声出すなよ、またゾンビが集まって来ちゃうじゃないか」

 

利木に叱られた后は、頭を下げ、謝罪する。

 

「あぁ・・・格好良かったなストアーさん。じゃぁ、ショッピングモールに行きましょうか?」

 

鏡子の問いに二人は答え、モールへ向かった。

その頃パイパー達は、后達と同じくショッピングモールへ向かっていた。

 

「まだまだ距離があるな・・・」

 

パイパーは地図を見ながら不満を漏らす。

ヴォルナーがゾンビの首をへし折った後にセルベリアに問う。

 

「そちらは静かに出来たか?」

 

「もちろんだ。女だからと言って舐めてもらっては困る」

 

その彼女の言葉にハルスは小声で笑う。

 

「ハハハ、ただの歌手か女優だと思ったが・・・傭兵としては中々の様だ」

 

「是非うちの歩兵部隊長に任命したいくらいだ」

 

褒めるようにハルスとマイヤーが言う。

その後、エイリアスはあくびをして目をこすり、今にも眠りそうな表情をする。

 

「ふわぁ~あ、ね、眠い・・・」

 

「え~と、何処か寝られる場所は・・・?」

 

アリシアは周囲を見渡し、休息が取れる場所を探し始めた。

 

「あぁ・・・困ったな・・・」

 

スコルツェニーは頭を抱えて悩み始める。

 

「もう少しだ、エイリアスちゃん。あのピカピカな建物まで我慢してくれ」

 

「うん・・・エイリアス・・・頑張る・・・」

 

パイパーの励ましで何とかエイリアスは体勢を立て直して立ち上がる。

その後、一行はショッピングモールまで足を進めた。

 

「っ?誰?」

 

先頭に立っていたリエラはPPs43を蠢く三つの人影に向けた。

もちろんその人影は后、鏡子、利木。

見つかった三人は、変わった服装の女性、リエラに手を挙げながら近付いてくる。

 

「どうしたリエラ?」

 

「現地人と思われる人を見つけましたけど・・・」

 

こうしてパイパー達に新しい仲間が加わった。




続きはどうしようか・・・

あの二名は後々本編に出ますよ~

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