学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

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再び更新、短いけど我慢して~


番外編(黒騎士編)
山本、黒騎士と遭遇


時は小室一行が学園を脱出した後に戻る。

黒騎士中隊の古参が付近にあったビルを調べに向かった先に、山本という好青年が居た。

 

「訳が分かんねぇーよ、現実にゾンビが出てくるなんて・・・」

 

山本の服装は、某伍長が被っていたキャップと作業着を身につけている。

混乱しながらも、尖端が血塗れな工具を構えながら前に進む。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、出てくんなよ・・・出てくんなよ・・・!」

 

そう念じながらひたすら前を進んでいる。

道を念じながら進む中、服に返り血を浴びた年輩の男に遭遇した。

 

「うわぁ!?って、ゾンビじゃないな、あのおっさん。大丈夫ですか?!」

 

不用意に大声で話し掛けてしまう山本、その迂闊な彼の行動に、年輩の男はキレる。

 

「このクソ餓鬼がっ!お前が大声出す所為で気付かれたじゃねぇーか!」

 

何体かのゾンビが、山本と年輩の男に襲いかかってきた。

2人はそれぞれ手に持つ鈍器で、効率よくゾンビの頭を叩いて行く。

数十分程が経つと、ゾンビは全滅、激しい運動をした為に息が切れている。

 

「済みません、ハァ、大声出しちゃって」

 

「その通りだ・・・お前の所為だ・・・」

 

彼は男の言動が理解できないでいた。

暫くすると、男の息が整い、山本を殺意剥き出しの表情で見る。

 

「あの・・・どうしましたか・・・?」

 

「お前が大声出さなきゃ俺は噛まれずに済んだのに・・・お前が大声出した所為で・・・!」

 

怒りを露わにする男の右腕を見てみると、ゾンビに噛まれた跡があった。

おそらく、先のゾンビとの戦闘中に噛まれたのだろう。

山本は自分の不用意な行動に後悔した、必死に謝罪したが、男さらに怒りを増す。

 

「ご、御免なさい!ホントに御免なさいっ!!」

 

「許さねぇ・・・一度噛まれたら終わりなんだぞ・・・?その意味分かってるよな・・・?」

 

男は今にも右腕に持つ釘バットを振りかざそうとしている。

もちろん山本は分かっていたが、まさか噛まれるとは思わなかったらしく、男から逃げようと、後退る。

 

「ホントに噛まれると思わなかったんですよ・・・今、俺を殺しても一体何の得が・・・?」

 

「ごちゃごちゃ煩い奴だ、俺が奴らに成る前に殺してや、ブフゥ!」

 

男は血を吐いてその場に倒れ込んだ。

その隙に山本は立ち上がり、男から逃げる。

 

「逃がさねぇーぞ・・・!待てっ・・・!」

 

体勢を立て直して山本を追う。

そして追われる山本は、階段に辿り着いたが、誰かがトチ狂ったのか、非常扉で塞がれていた。

 

「嘘だろ・・・」

 

絶望する山本、そんな彼に容赦なく男は歩み寄る。

 

「感謝しろよ・・・人間の内に殺してやるんだから・・・」

 

山本は死を覚悟した。

 

「(俺はここで殺されるんだ・・・そう言えば俺の人生・・・ショボかったな・・・)」

 

そう絶望する山本、だが、運命は彼を死なせない。

右側から銃声が聞こえ、男が苦しんでその場に倒れて、そのまま動かなかった。

混乱する山本に、2人のドイツ国防陸軍の戦車兵が彼の元へと向かって来る。

その2人はこのビルを調べに来たクルツとバウアーだった。




三度目の更新!

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