学園黙示録 ゲンブンオブザデット   作:ダス・ライヒ

19 / 120
探して・・・

橋に近い建造物の部屋で黒騎士ではないバウアーが目覚めた。

右手にはモーゼルC96が握られており、部屋の出入り口は相当頑丈そうなバリケード張り巡らせて外敵からの侵入を防いでいる。

目を覚ました彼女は、乾パンを口に含むと、出入り口のバリケードを退けて最低限の手荷物を持って部屋を出た。

そのまま建造物を出ると、棍棒を構えながら街の中を進む。

 

途中、複数のトラックの走行音が聞こえた。

直ぐにバウアーはそこに向かう。

 

「軍用トラックかな?」

 

目の前を通り過ぎていくトラックを見ながら口を開く、トラックの荷台には物資や兵士を載せている。

その乗っている兵士達はこの時代の完全武装と軽装備、何故かトラックの運転手も含めて皆女性であるが、バウアーから見てみれば軽装備の兵士達しか確認できない。

 

「女性だから軽装備かな・・・?」

 

そう口にした後、助けを求める市民が現れた。

 

「おーい、乗せてくれ!街は危なくてまともに歩けないんだ!」

 

3人の市民はトラックに止まるように言ったが、無視されてる。

 

「クソォ、何だよ!乗せろよ!」

 

1人は通り過ぎていくトラック群に唾を吐く、その時1台が止まり、運転席の窓から軽装備の女性兵士が顔を出す。

 

「あ、女神様。俺達を助けr」

 

自動拳銃ベレッタM950を男の1人に向けて撃った。

乾いた銃声が鳴り響き、気付いた他の2人は逃げだそうとしたが、荷台にいた女性兵士のM4クローン系LWRCM6A1の銃撃で射殺された。

現場に居合わせていたバウアーは即刻ここから離れる。

彼女の存在に気付いた女性兵士達は直ぐに銃撃を加えてくきた。

充分に離れた後、様子を窺おうとしたが、何人かが銃を持ちながら向かってきた。

銃声に釣られてゾンビが女性兵士達に向かってくるが、頭を撃たれて全滅する。

移動しようとした瞬間、隣にゾンビが居た。

 

「・・・どうも・・・」

 

直ぐ頭を棍棒でかち割り、その場を逃げ去った。

一方のルリも目を覚まし、ベランダから見える光景に視線を向ける。

 

「このまま、寝ちゃおうかな・・・」

 

目の前に映る光景から逃げようとしたが、諦めて身体を起こす。

全裸のままで軽く朝食を済ませた後、そのまま浴室に向かい、シャワーを浴びた。

それが終えたら、新しく用意したタオルで身体の水分を拭き終え、上に銃器やショルダーバックがあるベットの着替えを取る。

下着を着用してセーラー服を着ると、髪型をツインテールにしてから身体にガンベルトを装着し、自動拳銃P232をそこへ入れた。

SR-3ヴィーフリとUMP45のスリングを身体に巻き付けると、ショルダーバックに詰め込んだ後、それを背負い、部屋から出た。

バリケードを退けた後、UMPを構えてゾンビが居ないか確認、居ないと確信すると、マンションを出る。

出れば、銃声や悲鳴が聞こえており、空に黒煙が見える。

それを見た後、道路に足を動かす。

 

「まずは橋に向かわないと・・・東だっけ?」

 

コンパスを取り出して方角を確認、東に向かう。

 

「あっちの方向・・・かな?」

 

東橋に向かうヘリを見ながら、それについていく、周りにゾンビは居たが、彼女は無視した。

走りながらついていくが、追いつけるはずもなくヘリを見失なってしまう。

仕方なく東に行く道を探す。

探してる最中に付近から銃声が響いてきた。

直ぐにルリは、銃声がする方へ向かう。

 

「また戦乙女の使い・・・戦ってるのは・・・?」

 

口を動かしながら双眼鏡を取り出して、ワルキューレの兵士達が撃っている方を見る。

そこに居たのはゾンビではなく、何処かの特殊部隊の様だ、彼等も銃を使い、ワルキューレの兵士達に撃ち返している。

 

「これを使ってみよう」

 

ショルダーバックから梱包爆弾を取り出し、導火線に火を付けた後、ワルキューレの居る方向へと投げ込んだ。

応戦に夢中になっているのか、梱包爆弾の事には気付かず、その数秒後爆発、何人かが爆風で死亡した。

残りのワルキューレの兵士達はその場から逃げようとしていたが、特殊部隊に射殺される。

 

「許してね」

 

爆風で吹き飛んだ女性兵士の額にキスをした後、ルリはその場から去っていった。

その後は暫くは街をさ迷う。

 

「う~ん、何処から行けば・・・」

 

東橋への道を探す中、遠くの方に軍服の少女を見つけた。

 

「誰?」

 

双眼鏡をまた取り出し見てみると、それはドイツ国防軍陸軍の戦車兵の野戦服を着た少女だった。

左目には眼帯を巻き付け、士官帽を被っているが、アホ毛が飛び出してしまっている。

棍棒を構え、警戒しながらルリの方へと向かってくる。

 

「この娘、連れて行こうかな?」

 

早速ルリは少女の方へと向かっていった。

ルリの存在に気付いた少女は驚いて、ルリを警戒するが、ルリがドイツ語を喋ってみると、安心して棍棒を下げた。

 

「ドイツ人か・・・私はバウアーです。貴女は・・・?」

 

黒騎士ではないバウアーの方だ、名前を聞かれたルリは直ぐに答える。

 

「ルリです、貴女は異世界から来たの?」

 

「はい、確か避難民を連れて、アーミーの航空機にやられてからいつの間にかこの世界に来てました」

 

その後、ルリとバウアーはそれぞれの情報を交換した。

 

「行き先が無かったら私と来ないかな?あっちの方向で友達と待ち合わせしてるんだけど」

 

ルリは東の方を指す。

 

「うん、じゃあ、ルリちゃんについていく」

 

完全武装でセーラー服を着た美少女についていけば安心と判断したバウアーはルリの誘いに同意した。

 

その後、2人の少女は東橋に向かう。




次こそは・・・!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。