ラッツにボタスキー、チコも参戦します。
街の中へ・・・
街へと進む、サイドカー。
上空には航空自衛隊所属のF-4EJが偵察飛行を行っている。
麗とルリはF-4EJに手を振ったが、何の返事もなく、ただ床主上空を飛び回っているだけだった。
「さっきの飛行機、なんで無視していったの?」
「学校のヘリと同じさ、自衛隊が動いていても僕らを助ける余裕は無い。もしかしたらこれからもずっと・・・」
「じゃあ、これからどうするのよ?」
その質問に孝は沈黙する。
何の返事もないのか、麗が少し苛ついて言う。
「孝っていつもそうよね。大事な時にいつも盛り下がることばかり口にして・・・幼稚園の頃からずっとそう・・・」
この言葉に苛ついたのか、孝が急ブレーキを掛けた。
「ちょっと、なに止まって」
「それと今の騒ぎになんの関係があんだよ!?」
「無いけど、あるのよ!」
突然の非日常的な出来事で不安や苛立ちが溜まっているのか、口論をし始めた。
サイドカーの荷台で寝ていたルリは起きて、2人の喧嘩を見ている。
「痴話喧嘩ですか?」
「「違う!!」」
そのルリの問いに2人は顔を真っ赤にして、ルリに怒鳴った。
結果は2人とも恥ずかしくなって口論は止めた、次に喉に渇きを覚えたルリは孝に告げる。
「喉乾いた」
「水筒があったはずだろう。それを飲めば・・・」
「でも、無いよ?」
水筒を取り出して飲み口を下に向けて振り、中身が無いことを見せた。
仕方なく孝はルリにポケットに入っている釣り銭を渡す。
ルリは礼を言って近くにあった自販機に向かい、ジュースを買って帰ってきた。
帰ってきたのを確認にすると、孝はサイドカーに跨り、エンジンを掛ける。
燃料メーターに目をやると、もう燃料が尽き掛けていた。
「そう幾らでも走れないな、スタンド探さないと・・・」
「信号2つ先にあったと思うけど」
麗が指を指した方向に孝は向かう。
通りでは、猫が2匹、血溜まりに屯していたが、サイドカーのエンジン音に驚いて逃げていく。
「猫は襲われないんだな・・・」
逃げていく猫を見て孝が呟いた。
「誰もいない・・・」
麗が見渡しながら言う、それに孝が答える。
「逃げたか・・死んだか・・・」
「死んだら奴らになるじゃない!」
そう叫んだ麗、孝はまた答えた。
「生きてる連中を追いかけて行ったのさ」
孝が答えた後、麗は何かを見つけた。
「孝、右側の交差点!」
右を見ると白と黒、赤いランプを上に載せた警察車輌「パトカー」が止まっていた。
「無免許、ノーヘル、盗んだバイク。補導されるのは確実だな!」
「散々、奴らを相手にしていて今頃パトカーが怖いの?こっちにはこの子、あ、銃器不法所持で捕まるかも」
麗が見てみるとトラックに突っ込まれ、車体後部が無くなったパトカーであった。
「マジかよ・・・」
麗は降りてパトカーの方へ向かう。
「麗!何をするつもりだ。パトからガソリンが漏れていつ爆発するか・・・」
「役に立つ物が手にはいるかも!孝、ボケッとしてないであんたも手伝いなさい!」
パトカーに乗っている警官の死体を漁る2人、ルリはただ荷台で寝てるだけである。
見つけた物は警棒に手錠、日本のお巡りさんの拳銃、S&W社の回転式拳銃M37を手に入れた。
2人は拳銃の使い方を話し合う。
「使い方わかる?」
麗の質問に孝は手に握られた拳銃を見ながら答える。
「テレビで見たのと、ルリが使ってる銃は見たとおり・・・確か撃つときに以外、引き金に指を掛けちゃいけないだよな」
「意外と分かってるんだね、後で練習するだけだよ」
ルリが突然起きて、グロック26を右手に持ちながら言う。
そして麗からM37を受け取り、持ち上げた。
「どうしたの?」
「なんかズッシリしてるなって」
「これも持ってみる?」
いきなりルリが荷台から降りて、グロック26を孝に渡す。
「こっちはこの拳銃より重い・・・!」
孝はグロック26の重さに驚く。
「この拳銃殆どプラスチックで出来てんのに、こっちの拳銃より重い」
「弾丸が沢山入ってるから、慣れればこんな風に扱えるよ」
ルリは孝からグロックを取り返すと、軽快にグロック26を回す。
その技に驚く、孝と麗であったが、ルリが失敗してグロック26を落とすと、苦笑いをした。
その後、M37の残弾を確認する。
「5発しか撃てないのか・・・」
「手を出して」
麗が孝の手の平に5発程弾を置きこう言った。
「もう一人の巡査の銃を握るところが壊れてたけど。弾だけは無事だったから」
「凄いな、お前・・・」
「お父さんが持ってるのを見せてもらったことあるし、それに今更血が付いて驚くと思う?」
「確かにな」
そう言った後、麗が金属バットとモップを出した後、これらをどうするか質問する。
「これ捨てる?」
「いや、銃を撃てるのはルリちゃんだけで、捨てるわけにはいかないだろ?予備もあった方が良いし、銃は練習しないと当たらない」
孝が答えると、3人は再びサイドカーに乗り込み、ガソリンスタンドに向かった。
ヘリのローター音が聞こえたが、また無視されるだろうと思い3人は見向きもしない。
そしてその近くの場所にパッキーの存在に気付くことも無かった。
「声を掛けるべきだったかな・・・?」
パッキーはガソリンスタンドの方へ行った孝達を見て言う。
「仕方ない、乗り物を探すか・・・」
小さくなるサイドカーを見た後、その場を去る。
一方、動物世界から転移したのは“元人間”のパーキンスだけでない、同じキャット・シット・ワンの面々も転移していた。
「ボタにチコ!俺達は何でトーキョーに居るんだ?」
白人のホワイトことラッツがMP5SD3を構えながら言う。
「知らないよ、変な光に包まれたらこの有様だ。それより見ろよ、俺達ズボン履いてるぜ?」
黒人のボタスキーが下半身を指で示しながら言う。
「ボタスキー、それキャッチ22」
ベトナムのノラ族のチコがボタスキーを注意した。
彼等はCIAの言えない任務に参加中にパッキーと同じような光に包まれてこの世界に転移する。
装備はラッツがMP5SD3にSPAS12、S&W社の自動拳銃M59、ボタスキーはM16A1の30発弾倉にSW M29、チコはボタと同じM16A1、コルトM1911だ。
「兎に角、辺りを探査しよう。人っ子1人も居ないのが気が掛かりだが・・・」
動物世界の転移者達は予想外の再会をすることは思わずに前に進み始めた。
次はパイパーと大佐(巨乳の方ね)達に出会うことを書こうかな?