ヤークトパンターのエース、ヘルマン・ビックスとパンターエースのエルンスト・バルクマン、161両撃破のマルティン・シュロイフを参戦させようと考えてる自分・・・
源文SF作品の敵キャラが参戦します。
パトロールに発見されたことをルリ達は気付かず、ただ敵陣の奥へと進んでいた。
上空にはホーカータイフーン十二機にその後ろからアブロランカスター九機が編隊を組んで彼女達の頭上を通過する。
空を見上げたローバックは驚いて口を開く。
「英空軍のランカスターじゃねぇか!俺の時代では空中給油機やパトロールに偵察が主な使い道だった」
「そ、そうですの・・・?」
イーディは爆撃機など見たことがない為、ローバックの言ったことが理解できなかった。
そのまま何事もなく進むルリ達であったが、後ろから複数のセンチネル巡航戦車が迫ってきた。
「戦車だ!伏せろ!!」
後衛のゲイツが叫んだ後、全員が茂み向かい、そこへ伏せた。
「少し声が大きかったんじゃないですか?」
「静かにしておかないと貴様から絞め殺すぞ」
目の前を通り過ぎていくセンチネル巡航戦車の車列を見ながら賢治がゲイツの声が大きかったことを言えば、隣にいる大男は脅した。
センチネル巡航戦車の次に、チャーチル歩兵戦車とカンガルー装甲兵員輸送車の車列が現れた。
足の遅いチャーチルを前にして進んでいる為、余りにも通り過ぎるのが遅い。
「早く通り過ぎろ・・・!」
茂みに隠れたトビーが、早く通り過ぎるよう聞こえないワルキューレの車列に伝える。
最後尾のM16対空自走砲が通り過ぎるのを確認したセルベリアは、手を挙げて全員が出てくるように指示する。
「英国の亀戦車だ。足は遅いが、装甲がやたら堅い。最後尾は結構やばい対空自走砲だ。4問の12.7㎜重機関銃は、俺達の身体をミンチにする」
アリシアはどれだけM16対空自走砲の攻撃がどれだけ凄いのかをカールから聞いた後、少し身震いする。
M16対空自走砲は別名ミートチョッパーと呼ばれている。
第二次世界大戦では、特に出番がなかったが、朝鮮戦争は地上射撃で活躍した。
人海戦術で押し寄せてくる中国人民解放軍の赤い津波に地上射撃が行われ、敵兵が原型をと止めないほどであった。
これが
彼女が辺りを見渡せば、まだ回収されていない奴らの死骸が残っており、血の跡が多数残されている。
戦後、自衛隊にも供与され、本車を退役させても銃架だけは使い続けている。
偵察機も車列の気配が無いと思ったルリ達は歩みを再開した。
暫し警戒しながら進み続ける中、真ん中を歩いていたルリが暇すぎたのか、歌を口ずさむ。
「何の歌だ?」
同じく中央を歩く平八がルリに何の歌なのかを問う。
「大戦中に兵隊さんが歌ってた奴です」
「そうか・・・みんな、辺りに敵の気配が居ない。歌おう」
平八が辺りを見渡して言った後、全員がルリが口ずさんでいた歌を静かに歌い始めた。
少し騒がしくないかとイムカは思ったのだが、リエラが肩に触れた。
「一緒に歌お?」
「静かに歌えば問題ないが・・・」
笑顔で行ってきた為に、イムカも一緒に歌い始めた。
不思議と気分が盛り上がり、ルリ達の足踏みは軽くなっていた。
敵がこのまま出てこないとルリ達は思っていたが、上空からスーパーマリンスピットファイアが一機来襲し、街道を進んでいた彼女等に機銃掃射を仕掛けてくる。
エンジン音を聞いたルリ達は慌てて街道から離れた。
携帯式対空ミサイルスティンガーを持つエイリアスが直ぐに撃墜してやろうとしたが、アリシアに首根っこを掴まれ、脇道に引き摺り込まれる。
「
「スピットって!?」
「今撃ってきたあの戦闘機のことだ!!」
ローバックが叫び、アリシアがスピットファイアについて聞けば、平八が答えるように叫ぶ。
スピットファイアは暫し飛び回って、ルリ達を探していたが、見つからないと判断して何処かへ飛び去っていった。
「ようやく去ったか。撃ち落としてやりたかったぜ」
「止めておけ。余計に注目を集めちまう」
トビーがレーザーをスピットファイアに向けたが、ゴーグルの隊員が止めた。
ルートを変更しようと考えたが、辺りから戦車の走行音が遠くの方から聞こえ、怒号まで聞こえてくる。
「敵が気付いた、こっちに来る!」
「それってやばいんじゃないですか?!」
STGが知らせ、それを聞いた賢治が大いに慌てる。
「落ち着け!しかし進む道は・・・」
慌てる賢治を落ち着かせたセルベリアは辺りを見渡し、脱出路を探る。
走行音が聞こえない方向に目を付けた。
「あそこに向かおう」
セルベリアが指を差した方向には敵影もなく、戦車も航空機のエンジン音も無く、敵兵の気配すら無い。
「あそこって、確かに敵兵の姿が見えないけど・・・」
「今は迷ってる暇はない。ここはセルベリアの言うとおり行くしかない」
向かう先に少し不安げなアリシアだが、イムカが周りの状況を見ながら敵影が無いと言うことで全員が向かうことにした。
「何もなければいいけど・・・」
リエラも不安だったが、ここに居ても殺されるだけなので、彼女も皆の後へついていくことにする。
それを監視している二人組が居た。
二人ともギリースーツを着ており、茂みに潜んでいる。
イジェマッシュSV-98を持った狙撃兵が一番後ろを歩くリエラに向けたが、もう一人に止められる。
「止めておけ。どうせ“あっち”に居る化け物共が始末してくれる」
「それもそうだな。本部に報告しておくか」
狙撃銃を下げた後、トランシーバーを取り出して自分の耳に当てた。
「こちらビギンズ2。羊の群れは狼の巣へ。オーバー」
『了解。ビギンズ2、任務は終了だ。帰投せよ』
「了解、現状の任務を終えて帰投する。ビギンズ2、アウト」
トランシーバーを仕舞ってから相方の肩を叩いた。
「帰れるぞ。さぁ、ビールでも飲んでリラックスだ」
「そうだな。どうなるんだろうな、あいつと小学生との交渉」
「知るか。この世界の総司令官がどっちになったかなんて」
マクシミリアンかハナの交渉がどうなるかを語りながら二人はこの場所から去っていった。
その頃、向かっている先が危険地帯だと気付かず、知らずに進んでいたルリ達は既に足を踏み入れていた。
「人気がしなくて気味が悪いですね・・・」
「変なこと言わないでくださいよ。何か出たらどうするんですか?」
辺りからする不気味な気配にバウアーが言った後、賢治が少しうろたえる。
熱源センサーを持っているSTG達が辺りに敵が潜んでいないかを確認し始める。
「以上は無さそうだ・・・敵兵一人も居ない」
バイザーを上げて全員に伝えた後、黒人の隊員が辺りからする異臭に苦言を漏らす。
「それにしても変な臭いがするぞ。健康に悪そうな臭いだ」
「ほんとだわ・・・これは何か腐った臭い・・・?」
ヤンも辺りからする異臭に嫌な顔をする。
「兎に角ここにいても埒があきませんわ。早く前に行った方が良いのでは?」
鼻を押さえながらイーディが告げると、セルベリアは周囲を見渡してから前に進んだ。
周りは以下にもゴーストタウンという雰囲気で、バウアーの言うとおり何かが出そうな感じだ。
そのまま前に進めば、何処か様子がおかしい多数の戦乙女が徘徊していた。
それを見たセルベリアはハンドサインで停止を命じ、こちらの存在に気付かない戦乙女達に警戒する。
「様子がおかしいな・・・まるで死人のようだ・・・」
もちろんセルベリアの言うとおり、この戦乙女は死人に近い状態だ。
しかし、まだ死んで居らず、正気を失っているだけである。
「どうします。やっちゃいますか?」
静かに隣まで来たバウアーの進めにセルベリアは却下する。
「駄目だ、強行しようにも敵の数が多い。何処かに迂回ルートは・・・?」
辺りを見渡して他に行く道が無いか調べている間に、上空から奇妙な物体がやって来た。
その真下にはカメラのようなレンズが埋め込まれていた。
それを見たトビーは撃ち落としてやろうとレーザーを向けたが、STGに止められた。
「止せ、今撃ったりしたら気付かれる」
「偵察機だったらどうするんだ?STG」
「人間があんなの使うわけ無い」
ゴーグルの隊員が言ったことに納得したトビーはレーザーを下ろした。
その時、遠くの方から何かの足音が聞こえてきた。
「何の音だ?」
「こいつは・・・!」
エイリアスが足音に気付けば、ゲイツが身に覚えのある足音だと分かった。
「どうしたゲイツ、この足音を知っているのか?」
辺りを警戒しながら平八が聞けば、ゲイツは頷いた。
「あぁそうだ。こいつは俺が前居た世界の兵器だ」
ゲイツが答えた次の瞬間、卵に手足の生えた形をした近未来の戦闘兵器が現れた。
「こいつは何だ・・・?」
「卵・・・?」
カールとスージーが疑問に思ってる間に戦闘兵器の右手に付いた四門の銃口が火を噴いた。
「伏せろ!」
ゲイツが言うまでもなく射程内にいた全員が伏せ、手に持つ小火器等で反撃したが、全くライフル弾を受け付けなかった。
「こいつにこの世界のライフルや重機関銃の弾は効かない!対戦車兵器で応戦するんだ!!」
その場にいる全員にゲイツは戦ったことがある襲ってきた戦闘兵器の対策を説明した。
直ちにAT4を持つヤンが早速取り出して、戦闘兵器に構えた。
「ぶっ壊れろぉ!卵野郎!!」
男口調になったヤンは発射スイッチを押し、発射されたHEDP弾は見事命中、戦闘兵器を機能停止にさせた。
ちなみにFFVAT4は爆風の代わりに塩水を噴出する改良型のAT4-CSである。
道路に倒れた手足の付いた戦闘兵器は倒れ、全員が声を出してしまった。
『やったぞー!』
もちろんルリ達の行く先を封じていた戦乙女達がこちらに向かってきた。
「お客さんだ!撃ちまくれ!!」
BJが叫べば全員が手に持つ銃を向かってくる戦乙女達に撃った。
銃器の代わりに角材やシャベルなどの鈍器で襲ってきた戦乙女達は次々と銃弾の前に倒れていくが、頭を撃たれていない者は起き上がって再び襲ってくる。
「この嬢ちゃん達はゾンビと同じ類か!?」
「知るか!頭を狙え!!」
黒人の隊員が言えば、トビーが答える。
ものの数分で片付いた後、周囲を警戒しながら前進する。
「この街はどうなってんだ?生存者も居ないし、ゾンビすら居ない。代わりにいるのはゾンビみたいな嬢ちゃん達とヘンテコな兵器だけだ!」
STGが警戒しながら言うと、ホーマーがえらく興奮していた。
「二足歩行で戦車並みの装甲を持つ兵器に追い詰められるなんて・・・なんだかドキドキする・・・!」
「別にお前の性癖を聞いてる訳じゃない」
興奮しながら言うホーマーに、BJが冷静なツッコミを入れる。
また足音が聞こえてきた為、一時止まって周囲にいないか確認する。
「居た。また例の卵だ」
セルベリアが見付けた後、あの兵器についてゲイツが説明する。
「あれはソビエトの二足歩行型の戦闘型だ。装甲は戦車並み。操っているのはロボトミー手術を受けた兵士で、躊躇いも一切無い。左腕のマニピュレイターは外出着を着た人間を一突きで殺せる」
「何を言っているのか全然分かりませんわ・・・」
リコルスはゲイツの言っている事がさっぱり理解できなかった。
パンツァーファウストを持ったバウアーが、安全装置を外し、こちらに気付かない戦闘型に向けて構える。
「(こちらに気付かないように・・・!)」
発射ボタンに親指をかけた後、後ろに誰か居ないか確認し、誰も居ないことが分かると、発射ボタンを押した。
飛ばされた弾頭は戦闘型の背中に命中し、撃破できた。
「撃破確認!調べてきます!」
倒れた戦闘型に向かうバウアーに、ゲイツが注意する。
「気を付けろ。乗ってる奴は凶暴だ!!」
Stg44を上部ハッチに向けて構え、STG達が開ける。
「どんな面をしてるんだ?」
ゴーグルの隊員がハッチを開ければ、そこから人工眼鏡を埋め込まれた人間が出て来た。
「なんだこいつは・・・?」
出て来た謎の人間にレーザーを構えたが、体温が感じられないと判断した後、レーザーやStg44を下ろした。
そんな彼等にゲイツが近付く。
「そいつはロボトミー手術を受けたソ連の
「人間をこういう風に改造するなんて・・・」
「私達も変わらないだろう」
ゴーグルの隊員が言った言葉にSTG達は納得する。
一同は死体を放置して前に進んだ。
次回はヴァルキュリア現るです。
それとゲイツ、ワルキューレを聞きながらコマンドー化。
さりげなくネタバレしちまったな・・・