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『死ぬ→超常の存在とコンタクト→貴様は今、力に目覚めた!!!(ドギャァァァン)→嘘、これがホントの私……?』みたいな流れであの有名な神様転生を体験した。
神転の便利なところって自分に神様が約束してくれた超ヤバい才能が生えるからそれを伸ばしていけば天才を凌駕するナニカになれるはずである。
機械を纏って戦ったりする世界らしいので、ニュータイプ能力を生やしてもらった。
が、ちょっと失敗した。
神様的なサムシングを前に高揚しすぎて細かい話をしていないのだ。
なのでどの媒体のニュータイプなのか不明。
サイキッカー的な能力だったら持て余しそうだし、予知とかを望んでみたり。
感知能力が飛びぬけすぎると彗星がぶわぁーで頭がぼわぁーだからマジで失敗したと思う。
ああ、これから狂人になるかもしれない恐怖との戦いの日々が始まるお……。
今さらながら異次元のHDDを破壊する能力にしとけばよかった、なんて思ったり。
サーニャの男の夢にストライクで夜のウィッチーズなやつ、PCにたくさん残っているわけで。
他にもリリカルなのは(夜天の書)とか艦これの夜戦とかもフォルダ分けしてあるし。
家族よ、最後まで迷惑かけてすまない……。
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過去の歴史は転生とともに葬った。
ときどき思い出して枕に顔をうずめてジタバタするくらい、過去を忘れた。
アティ先生の夜の個別授業も葬ったから大丈夫。
ちょっと惜しい気がしてきた。
いやいや、大丈夫だから……。
だ、大丈夫だから(震え声)
そんなどうでもいいことは思考の深いところに埋めて、近況報告。
なんと俺は小学生になった。
そこで凄くやってみたいことがある。
モテることである。
別にロリコンではない。
将来性に期待してのことである。
だからモテたい。
強くてニューゲームなんだからめっちゃくちゃモテたい(ガチギレ)
小学生なら運動できればモテる、中学生なら勉強できればモテる、高校生なら両立したらモテる。
で、全体的に優しい紳士でかつ芯のある男らしささえ演じればモテる。
優しさは俺のニュータイプ的なサムシングで補い、あとは日々の努力だ。
無差別に女の子に好意を抱かせつつ過ごせば、最終的にいくらか実るだろうとゲスな思考を燻らせる。
勝ったな(確信)
そんな感じで人生のある程度の目標を決めた俺に、同じクラスになった一夏が声をかけてきた。
女の子に優しくしつつ、寄ってきた男の子連中にも紳士に対応してたら懐かれた結果である。
道場に通うから一緒にやろうぜ!みたいな感じだった。
まあ、いいか。
今のうちに鍛えることで小学校時代は安泰だろうし。
ちなみに道場は同じクラスの篠ノ之 箒、ほうきとか掃除用具かよーみたいな感じでいじめられかけていたのを防いだがどうでもいい話ですね!
道場(剣術道場だったのだが)に通うことで、予てより地道に伸ばしていた運動神経がすさまじい成長を見せた。
が、モテなかった。
代わり一夏がモテた。
というか逆に俺なんて一夏のサブ状態である。
問題が起きる→俺が奔走する→矢面になぜかたった一夏が注目→解決する→一夏モテる→一夏は俺が何かやったのを知っている→一夏が俺に懐く→俺が一夏の活躍を取ったように見える→女の子のヘイトが若干溜まる→振り出しへ
みたいな無限ループが構築された。
……なるほどね。
『誰も悪くない』
だれもわるくないから(血涙)
あとISとかいう女性しか使えない機械が発表された。
……なんとはなしにニュータイプの必要性が腐った気がする。
篠ノ之 箒なんてあれだから。
小学2年くらいのときに一夏にいじめから救ってもらってホの字だから。
ただ、残念なポイントは俺もいくらか頑張ったということを知らないくらいか。
代わりに一夏は知っている。
なので、
篠ノ之 箒さんアピール→一夏は俺にべったり→篠ノ之 箒さんがヘイトを溜める→一夏が俺にべったり→篠ノ之 箒さん、小学生なので我慢できずに爆発→一夏が俺はよくやっていると篠ノ之 箒を否定→篠ノ之 箒さんの好感度が下がる→一夏が俺にべったり→振り出しへ
みたいな構図になる。
俺のニュータイプ的なサムシングでわかってしまうからかなりモニョる。
しかも学校でも道場でも繰り返しているというね。
俺はもしかしてからかわれているんですかねぇ(呆れ)
というか一夏は離れろ!!!!!!
俺は女にモテたいんだよ!!!!!!!!
--2
悟り、つまりに小五ロリってやつになった篠ノ之 箒が転校した。
姉がどうとかで家族がどうたらってやつらしい。
関わりが薄いのでわからない。
嫌われているんだからしょうがないじゃないですか!!!;ω;
しかもISとかいう機械のせいで世の中の傾向が女尊男卑に加速したし、その結果俺がクラスの女子からモテなくなったりしたし。
そういうわけで篠ノ之 箒とか放棄ですよ。
ちなみに箒を放棄は一夏にはウケたから。
ついでにモテなくなったといったが正確には人気のある一夏が俺にべったり過ぎてなんというか、その……好かれてないです、はい。
悲しい。
バレンタインのチョコなんて一夏のお姉さんである千冬さんからしかもらったことない。
千冬さんは俺がもらっていないのを察してくれるのか当日は然も忘れていたかのように振る舞ってすごし、男らしくテキトーな市販のチョコを翌日に渡して慰めてくれるから惚れそうになる。
こういうのがあるから一夏を可愛がってしまうわけで。
あとマイナス面でいうとウサギ耳みたいな飾りを頭部に取り付けている女性は俺と顔を合わせた瞬間に、ノイズがどうとか叫んでゲロ吐いた。
ニュータイプ的な精神感応がお気に召さなかったらしい。
で、篠ノ之 箒に嫌われた。
なんだこの家族怖い。
で、恐怖の篠ノ之スパイラルは終わりを告げ、代わりに凰鈴音という少女が転校してきた。
廊下側の角の席に座っていた俺の隣(女子が避けて空いている。一夏の特等席)に凰鈴音が着席。
とりあえず初めてのクラスに不安を抱いている凰鈴音の緊張を和らげつつ、授業を何気なく過ごす。
悲しいことに、女子と話したのはかなり久しぶりだった気がする。
千冬さんとか母さんくらいだが、カウントするのは小学生ダンスィーとして悲しい事実だ。
そのままの流れで凰鈴音に学校案内をすることになった。
女子が先生に抗議を入れる素振りを見せたが、一夏がフリーになる事実に気付いたようで、何事もなく学校見学へ。
授業で隣に座っていたから凄い小柄な娘だとだいたいわかっていたが、一緒に歩いているとかなり実感できた。
茶色のツインテールが元気に歩みを進めるステップとともに揺れていた。
よく利用する教室や施設、頻繁には使わないが重要な場所などを教えていく。
凰鈴音はいい学校なのね!とご機嫌だった。
教室に戻ると一夏が俺に助けを求めた。
モテモテっすねと扉を閉めた。
俺が入ると学級裁判につながるからね。
俺が悪い→一夏が否定する→解決!→一夏モテる→俺に逃げる→俺が悪い→俺が悪い→解決!みたいな。
なんだこれ。
なんだこれ!!
ニュータイプは人類の革新を導けるんじゃなかったのかよ。
最近ホモじゃないかと疑っている一夏がモテるように誘導しているだけというね。
無駄遣い極まりない。
授業開始でも一夏戦争が起きてたので介入した。
ヘイト管理は得意なんですよ、ニュータイプだからね。
でも、学校じゃ評価されない項目ですからね……。
凰鈴音がひきつった笑みを浮かべていた。
その時見せた彼女の八重歯はとても可愛かったです(遠い目)
--3
鈴が学校に馴染むのにそう時間はかからなかった。
俺が鈴の相手をしている時間は少しだけ一夏がフリーなることに女子が気付いたりしたが特に大きな問題は起きなかった。
学校生活だと過ごす時間が鈴と一夏で7:3、放課後は逆転する程度であった。
あれ、俺って友達いないんじゃね……?
おかしい、昔はみんな俺に話しかけていたのに今となっては一夏と鈴、担任や教頭などの先生くらいだ。
どうしてこうなったか真剣に考えようとしたが、鈴が可愛いのでもういいんじゃないかと悟った。
それくらい鈴の可愛さがヤバい。
調子に乗ったクラスの男子が黒板に相合傘を書いたが、すぐに消した。
字が汚いし、間違っていたからだ。
凰鈴音ってちゃんと書けないのなら悪戯すべきじゃないと真顔で叱りながら超綺麗に書き直しておいた。
鈴と先生に怒られた(理不尽)
鈴がクラスの男子に「ちんちく鈴」とか「手羽先」って呼ばれていた。
お前もそう思うだろって同意を求められたので否定した。
鈴が可愛いし、鈴音も可愛いからわざわざそんなので呼ばなくてもいいという正論によって論破。
顔を真っ赤にした鈴が拳を振るってきたので受け止めて指をゆっくりと解き、絡めてみた。
で、テンパっているところを攻める様に小柄な鈴の肩を抱く。
体温が上がりすぎているのかちょっと熱かった。
翌日、女子からあだ名が変態、男子からのあだ名がエロになってしまった。
なぜだし。
一夏は変わらずに俺にべったりだったので、プラマイゼロだった。
むしろ恥ずかしがりつつもたどたどしく話しかけてくる鈴が可愛かったからプラス100万くらいかな。
--4
中学に進学したら一夏、鈴、俺のパーティに五反田 弾が合流した。
が、特にこれといって何かあるわけでも無し。
学校で授業を受けて休み時間にダベって、放課後ゲームやるか一夏とバイトっぽいことやるか、弾の妹である蘭が一夏に好意を持ったり、鈴の料理を食べる、くらいのサイクルだ。
あとは弾が一夏を羨ましそうに眺めていた。
ツンデレとか暴力系、潜在的ヤンデレなども混ざっているのだがホントに羨ましいのだろうか。
さらにどうでもいい話だが中学に上がってから女子からの扱いがマイルドになった。
話しかけてくる女子の中には打算と好意が入り混じった子なども見られる。
成績とか運動とかは結構整えたからな、俺。
まあ、現状は鈴に極振りしてるからどうでもいいんですけどね!
昔のように全方位に優しさを振る舞うのは辞めたんだ、みたいな。
そんな感じでぬるぬる過ごしてたら、ISのモンドセレクション金賞みたいな大会があるとかでドイツに織斑姉弟は旅立っていった。
千冬さんを激励したのでいい感じにバチコンかましてくれるに違いない。
鈴とデートしてたら一夏が誘拐されたから助けて、みたいな電話がきた。
どうやって電話しているというんですかね、君は。
しょうがないなーいちかくんはー、と呟いてから逃走経路を指示。
何秒後に何処に銃弾が撃ち込まれる、みたいなことも細かく伝えておく。
無事脱出できたらしく、千冬さんは金賞っぽい。
今回の誘拐事件も考慮して千冬さんは表舞台から引退、これからドイツで教官を務めると電話で伝えられた。
一夏は金賞を喜んでいた。
よかったね。
でも頼むからこっちの事情も考えてほしいわけよ。
鈴が拗ねた的な意味で。
--5
翌年、鈴の親が離婚した。
察していたが、俺にはどうすることもできなかった。
鈴は中国に帰国するようだ。
引き止める言葉も伝えたが不可能に近い状況だったので、ずっと待っている旨を伝えた。
次に会ったら鈴の料理を毎日食べる約束をして別れを迎えた。
鈴が帰国した翌日、女子が集まってきた。
お、おう……。
頼むから一夏のほうに行けよと思いつつやり過ごす。
俺も中国に行こうかな……。
--6
中学3年になった。
今のトレンドは受験である。
鈴がいないならどこでもいいわー、と一夏が受ける高校に決定。
弾もその流れに乗った。
一夏は何を勘違いしたのか感無量といった面持だった。
勉強して、軽く遊んで、鈴と電話して、勉強見て、というループを繰り返し受験日となった。
一夏が来ないまま受験が終わった。
あいつ大丈夫かよ、と電話をかけるとISに乗ることになったとか。
ごめん、マジで意味がわからない。
俺らは藍越(あいえつ)学園の受験予定だったが、IS(あいえす)学園の試験会場に行ってしまったというのが一夏の話だ。
どんなミラクルだよ、それ。
一夏から本気でなぜ間違ったかわからないという気持ちが伝わってくるが、入学するならISの知識は必要だろう。
最初からISに乗りたかったんだろ? わかってるから何も言うなよ。みたいな空気でISの資料を開いて無理やり勉強を進めていく。
物を言わすと甘えてくるからお前が望んだことだろうという感じで進めてみよう。
最低限の知識くらいは付させておきたいが……無理だろうか。
政府に保護されている一夏に会いに来るの大変だしなぁ。
なんとか数日で一夏のISへの理解も深められた。
ついでに俺も結構詳しくなった、意味ないけど。
一夏に手作りした参考書とか用語集を持たせて送りだしたので、最悪の事態はないだろう。
ISを爆散させて死ぬとか、ISのブレーキとアクセルを間違えてコンビニに突っ込むとか、ISで宇宙を目指してイカロスよろしく墜落したりとか。
誘拐やリンチされたら知らないけど。
--7
一夏が女子しかいないIS学園の苦労をメールで垂れ流すのを横目に高校デビュー。
たぶん、IS適正がある男は不能、もしくはホモの気があるんじゃないかと愚考しているのだがどうなのだろうか。
これを弾に相談すべきか悩んでいると、留学してきた鈴にタックルをかまされ、弁当を渡された。
愛情表現がちょっと強い気がする。
まあ、うれしいんですけどね!
俺と鈴のいちゃつきに顔を顰めている弾を横目に一夏に自分の幸せをつらつらとメールに綴って送信。
ついでにモテようと思うと寄ってこないというアドバイスとともに、モテようとする男語録を添付し、真似したらみんな寄ってこなくなる(確信)とも付け加える。
後日、もっと大変なことになったと一夏からメールが届いた。
やっぱり悪化したらしい。
モテモテなのに何が嫌なのやら。
弾なんて血涙を流すに違いないし。
わかりきってることだし、わからなくとも自分の状況を考えればわかることでもあるのに、全く……。
まあ、許してくれるよな。
ちょっとした俺の意趣返しってやつだから。
楽しかったぜ、お前との友達ごっこ!! なんてね☆
あっくん
オリ主。
なんか勘がすごい良くて、予知が若干できて、精神感応もできる程度のニュータイプ的サムシング。
一夏誘拐時には脳内で会話して避難誘導した。
また、頻繁に送られてくる一夏からのメールにアドバイスする程度の能力を持つ。
3回に1回が地雷を踏むような悪意ある返信してみたり。
凰鈴音
すごい可愛い。
鈴と束でISは無敵だと思います(粉みかん)
一夏
誘拐時に銃弾避けまで披露して少し名前が売れていたところに、IS搭乗で人気が大爆発した。
オリ主のアドバイス通り喋ったら、男性にも狙われる事態になった。
IS学園に彼の安息は無い。