やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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人型スタンドとしては最強のスペックを誇るサンシャイン・ルビーがコピーされた!
ケルベロスの切り札、変化する黒妖犬、カスペルウェイトの能力!
果たして小町は勝てるのか!?


サンシャイン・ルビー対偽サンシャイン・ルビー!

side比企谷小町

 

シュウウウウウウ………。

サンシャイン・ルビーの必殺技……ルビーレーザー。

その恐ろしさを知らないアーシスの人間はいない……。

 

ケルベロス「………中々難しいな……」

 

小町「………指先からだけでも確実に当てられるようになるまで、小町がどれだけ苦労したと思ってるのさ。せっかくもっと使いやすくするために便利な練習道具を平行世界から借りパ………死ぬまで借りてきたのにさ………ヒュドラに壊されちゃうし……」

 

比企谷隊長がいたら、確実に拳骨を落とされていただろうけどね。仗助お兄ちゃんも直してくれないし、修理を頼もうにも、取り返されちゃうだろうし……。

あ、別のボー◯ーの世界から死ぬまで借りればいっか♪

でも、小町達を受け入れてくれる◯ーダーの世界ってあったかなぁ……。

 

天の声「死ぬまで借りる事が前提か!」

 

ケルベロス「だが、そのバカげた能力であることには代わりはあるまい………」

 

そうなんだよね……。

照準が完璧じゃあなかったにしても、ルビーレーザーは発射されれば光速の速さで射ち出され、その強烈な高温で体が溶かされる………。

だからルビーレーザーの扱いを間違えると、悲惨な状況を生み出しちゃうんだよね………。

ルビーレーザーには弱点もある。

 

1・エイジャの赤石のクールタイムは1分間。

2・クールタイム中の赤石に変化は無いので、自分で把握をしてなければならない。

3・照準は感覚によるマニュアルなので、命中率が非常に低い

4・射程、攻撃力はイ◯オン・ガン並に最強だが、それが却って迂闊に使えない要因になっている。

早い話が強すぎるのが逆に弱点って奴だね。

もっとも、スタンド能力に強い弱いという概念で拘っている段階でスタンド使いとしては下の下なんだけど。

今のケルベロスのように………

とにかく、ルビーレーザーを使わせる訳にはいかないよね…………

接近戦でルビーレーザーを射たせないようにしないと!

 

S・R「ゴミゴミゴミゴミ!」

ケルベロス「ゴミゴミゴミゴミ!」

 

小町のサンシャインとケルベロスのサンシャインがゴミゴミラッシュをぶつけ合う。

スター・プラチナやクレイジー・ダイヤモンド、本来の射程を失う代わりに基本スペックを高めたザ・ジェムストーン以上にパワー、精密、スピードが高い小町のサンシャイン・ルビー。

そのサンシャイン・ルビーをコピーしたケルベロスのゴミゴミラッシュは当然、小町のサンシャインと……

 

ケルベロス「アオォォォォォォォン!」

 

小町「!」

 

ケルベロスの咆哮により、小町達のスタンドがまた強制的に引っ込められる。

 

ケルベロス「変身している間は元々の能力が使えなくなるとか言ったか?言ってねぇよなぁ?言っていたとしても、騙される方が悪い。違うか?」

 

その通りだけど………その通りだけどムカつく物はムカつくぅ!

勝手に勘違いした小町達が迂闊だったのは確かだけどさぁ!

あ………ヤバ………小町達、詰んだ?

 

サンシャイン・ルビーのラッシュを生身で対処するなんて無理。

っつうか溶かされる。

だってサンシャイン・ルビーの全力ゴミゴミラッシュから繰り出される波紋って、究極生命体になったカーズの半分くらいの威力だもん。

あーあ………またかぁ……。

いつもジョセフおじいちゃんに言われてるもんね………リサリサも小町も勝負運が悪すぎるから、気を付けろって……。

 

side空条徐倫

 

徐倫「稲毛海岸?」

 

承太郎『そうだ。小町とケルベロスは稲毛海岸で戦闘をするらしい』

 

運転席でも電話が出来るドライブ通話モードであたしは父さんからの電話を受けていた。

父さんからの話によれば、今回の黒幕は全部ケルベロスだったとイーハから報告が上がっているらしい。

と言うより、実際は昨日からドンパチが始まっていたなんて気が付かなかったわ……。

マーチやイーハに『平和ボケ』とか言われても仕方なかったわよね。

 

徐倫「あちゃあ………平和ボケとか言われてイラッと来てたけど、実際平和ボケだったわ」

 

歴代ジョジョの中で、あたしだけが動いていなかっただなんて………。

 

承太郎『お前を巻き込みたくなかった俺としては、複雑な気分だがな』

 

どの口が言うんだか………今更じゃない?父さん。

イラッとしたあたしが取った行動は、マクラーレンでマーチ達を追ったことだけど、問題の海浜幕張コミュニティセンターに到着することは叶わなかったのよね。

何か事件が起きたみたいで、交通網が混乱していて…。

逆流してきた市民でとても車が通行できる状態じゃあ無かった。

そこで受けた父さんからの連絡………稲毛海岸に向かってマーチの支援をしろ。

うん。言っちゃなんだけど、マーチって正直、勝負運が悪すぎるわよね。

基本的なスペックとか、能力は凶悪極まりないし、雑魚敵とかそういうのには無類の強さを発揮するんだけど、カーズとかミドラーさんとか綾瀬絢斗とか、そういうのを相手にするときは詰めが甘くなる。

時々機転が利かなくなるって言うか………。

 

徐倫「ヤレヤレだわ……本当はマーチをぶっ飛ばしたかったけど、助けに行ってやるか………オラオラオラオラオラオラァ!」

 

ギュオオオオオン!あたしは急いで稲毛海岸に向かうことにした。

ウー!ウー!ウー!

 

白バイ隊員『そこのスポーツカー!停まりなさい!』

 

さっきからうるさい白バイもまかなくちゃならないし。

ナンバーとか控えられているだろうから、逃げ切る事は出来ないだろうけど。

先月は駐車禁止違反でキップ切られてるし、あたしの免許は大丈夫かなぁ……。

国際ライセンスだし、失効すると取り直すのはキツいんだよねぇ………。

 

キングクリムゾン!

 

そして今。

マーチのサンシャインに変身して対峙するケルベロスとマーチ達。

うん。サンシャイン・ルビーはマズイ。

スタンドはどれも厄介で優劣なんて物は存在しない。

全ては機転と相性。

けど、サンシャイン・ルビーの場合は少なくとも正面切って……という状況のスタンドの中では特にヤバい。

うん。今からマクラーレンを降りて走っていったところで間に合いそうにないわ………。

だったら…………。

 

徐倫「オラオラオラオラァ!」

 

あたしはマクラーレンを海岸に突っ込ませ、物資を搬入させる通路から侵入させようと試みる。

シーズン外だから、チェーンで入れないようになっていたけど、一々外してなんていられない。

ゴメンね……あたし(・・・)のマクラーレン……。

 

天の声「もはや完全に自分の車扱いだな!」

 

マクラーレンを突っ込ませ、チェーンをぶちきって砂浜に突入した。

 

side比企谷小町

 

橋本「な、何だ!?」

 

徐倫「オラオラオラオラァ!ぶっ潰れろぉぉぉ!」

 

あれは………ジョセフのマクラーレン……?

徐倫お姉ちゃんの通勤用として貸して以来、戻って来ないって嘆いている。

スッゴク傷だらけになってるけど………。

それがケルベロスの本体に突っ込んでくる。

 

橋本「くっ!」

ケルベロス「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミぃ!」

 

あ―――――――――――っ!

 

小町「それ1つで家が一軒建つと言われているマクラーレンがボコボコベコベコにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!勿体なぁい!」

 

ゴンッ!

 

徐倫「ピンチのあんたの為にやったんだろ!車の前にあたしの心配をしろよ!つうか礼の1つも言えよ!」

 

あ、ジョセフおじいちゃんじゃあなくて、徐倫お姉ちゃんだったんだね。

間際に脱出してたんだ。

 

徐倫「どうしてくれんのよ!お気に入りのマクラーレンだったのに!あたしのマクラーレン」

 

えー………それって小町のせいかなぁ。

その前に徐倫お姉ちゃんがジョセフおじいちゃんに謝る必要が………

もしかしてもう自分の車扱いになっちゃってる?

確か名義はジョセフおじいちゃんのままだった筈なんだけどなぁ………。

あーあ………小町しーらない。最大のピンチは脱したけど、相変わらずピンチであることには変わらないし。

 

小町「ゴミゴミゴミゴミぃ!」

 

小町は生身でサンシャイン・ルビーを殴る。

 

ケルベロス「くっ!」

 

ガードはされたけど、腕に負担がかかって………。

かかって………。

んんっ!?

 

小町(サンシャインが生身の小町本体の攻撃で?)

 

サンシャインは小町のスタンドだ………その基本スペックなら誰よりも一番、小町が理解している。

サンシャインが小町のゴミゴミラッシュ程度でダメージを受けるなんて事が………。

 

小町「うーん?」

 

一体何が………。

小町は周りを良く観察する。

もしかしたらサンシャインが弱体化する何かが……。小町でも把握していないサンシャインの弱点があるかも知れない。

自分のスタンドの弱点を把握しているつもりでも、実は見落としがある場合が多い事は聞いたことがある。それが勝敗を分けることも………。

 

小町(でも、そんなのってあるかなぁ………)

 

スタンド使いは自分のスタンドの能力と弱点を把握するのは当たり前。

特にアーシスは自分達の経験から、そう言うのを特に重視している。

敵の本体も把握していない弱点を突いて勝利してきたアーシスだからこそ、逆に自分のスタンドの弱点を掌握することを自分の能力を把握する以上に重点をおいている。

 

小町(自分のスタンドの新しい弱点を探すなんて、何だかへこむなぁ………)

 

とはいえ、そうしなければこの戦いは勝てそうにないよね。

さっきまで互角だった小町のサンシャインとケルベロスのサンシャイン。なのに、今は少しだけ弱まっている。

何かがあるはずなんだよ………何かが……。

うーん………。でも、見つかるかなぁ……冬だからもう夜になりかかってるし………。

 

小町(ん?)

 

そもそも……サンシャインって………。

小町はそれ(・・)を見る。

 

ケルベロス「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミ!」

 

小町「…………くっ!ゴミゴミゴミゴミ!」

 

敢えてケルベロスのゴミゴミラッシュを受けてみる。

痛い………けど、確信する。さっきよりも弱くなっている………。

確かに今の段階では小町本体よりは強いし、あの吠え声が有る限りは迂闊に手を出せない。

救いなのはミリオン・ファングによる狂犬病の能力を使って来ないことだよね……。

 

ケルベロス「フハハハハハ!どうだ!自分のスタンドを自分で受けてみる恐怖は!良い能力を手に入れたぞ…サンシャイン・ルビー!これは良いスタンドだ!」

 

大ボケをかましてくれるよね……まだケルベロスそのままの方が良かったのにさ………。

 

小町「沙希さん………大志君…………徐倫お姉ちゃん」

 

小町はちらりとそれ(・・)に向けて目を向けて、そして目配せする。

 

沙希「そうか……あんたのスタンドは……」

 

小町「そう言うこと……モード……ザ・ワールド!」

 

そう。対処はザ・ワールド。

お兄ちゃんのザ・ジェムストーンじゃあない。ザ・ワールドだよ。

最初は小町が前に出る。今の段階じゃあサンシャイン・ルビーのスペックには勝てないからね……。

大志君の狂犬病の進行も心配だよ。早くお姉ちゃんに見せないといけない。

と言っても、今お姉ちゃんに来られても困るけど。

アーシスの攻略にお姉ちゃんは邪魔な存在だからね。

ケルベロスの狂犬病とハーメルンのペスト、マンティコアの毒を完封出来るし、そうじゃあ無くても回復の弾丸はアーシスの敵には厄介だから。

 

小町「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミぃ!」

 

今の段階でケルベロスにサンシャインの弱体化を悟られる訳にはいかない。

カスペルウェイトの能力を解除させるわけにはいかない。

 

ケルベロス「ハッ!どうせ消されるとわかっているからか?スタンドを使って来ないなんてなぁ!ゴミゴミゴミゴミぃ!」

 

バキバキバキバキ!

 

小町「ぐぅ!」

 

まだだ!まだやられる訳にはいかないよ!

 

徐倫「ストーン・フリー!」

S・F「オラオラオラオラァ!」

 

ちょっ!徐倫お姉ちゃん!

スタンド無しじゃあ徐倫お姉ちゃんは最弱じゃんか!

 

徐倫「確かにあたしはあんたらよりも弱い。けどなぁ、だからって対抗できるマーチだけ戦わせるだけなんて真似が出来るわけねぇだろ!あたしはこれでもマーチの姉貴分なんだからよぉ!オラオラオラオラオラオラァ!」

 

アオォォォォォォォン!

徐倫お姉ちゃんのストーン・フリーが咆哮でかきけされる。

 

ケルベロス「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミぃ!」

 

徐倫「ぐふぅ!」

 

殴り飛ばされる徐倫お姉ちゃん。

徐倫お姉ちゃん本体にサンシャインのラッシュは……。

 

徐倫「ペッ!」

 

体中打撲を作り、血反吐を吐き捨てながらも、徐倫お姉ちゃんは立ち上がる。

 

小町「徐倫お姉ちゃん!もう止めて!サンシャイン相手じゃあお姉ちゃん自身はともかく、ストーン・フリーだって!」

 

それでもよろよろと立ち上がる徐倫お姉ちゃん。

 

徐倫「ウルフスを倒す為なら何だってやるぞ……泥水だって啜ってやるし、誰よりも強くなってやる……食らう覚悟で最初からやってれば、耐えられるんだよォ!オラオラオラオラァ!」

 

今度はストーン・フリーを糸状にバラバラにしてケルベロスに絡ませる。

 

徐倫「ザ・ジェムストーンからヒントを得たやり方だよ!分解した状態でのオラオララッシュを……」

 

たまにやるお兄ちゃんのハーミット・アメジストの先だけを拳に変えるやり方……。理論的にはストーン・フリーも出来るとは考えていたけど………でも………。

 

ケルベロス「無駄な事を………アオォォォォォォォン!」

 

ストーン・フリーの縛り付けが解除されて……

 

ケルベロス「お前みたいな不屈の精神こそ、一番厄介な奴なんだ。最後には何をしてくるか分からないからな。今、楽にしてやる。食らえ!ルビーレーザー!」

 

シュバァァァァン!

徐倫お姉ちゃんを何本ものルビーレーザーが貫く。

 

ケルベロス「死ね。空条徐倫……」

 

沙希&大志「空条先生ぇぇぇぇぇ!」

小町「徐倫お姉ちゃん……ジョリィィィィィィン!」

 

もう完全に陽が落ちて、夜になった稲毛海岸に小町達の悲鳴が響いた。

そんなの無いよ……勝ち筋は見えていたのに……徐倫お姉ちゃんが突っ走って………。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。
小町が見つけたサンシャイン・ルビーの弱点は?
小町は何を見つけたのでしょうか?

次回はケルベロス戦の決着!

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