やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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事件は会議室で起きている!

side比企谷小町

 

キーンコーンカーンコーン

 

チャイムが鳴り、やっと小町達が自由に動けるようになった。

しばらくすれば雪乃さんとか生徒会の人達が来るかな?

生徒会の役員に志願するだけあって、あの人達は真面目だからね。

 

ガチャ!

 

ほら来た。部室の施錠が閉まる(・・・)音がする。

小町達が隠れていたから、開いていたとは知らずに鍵を開けようとして逆に閉めちゃったんだね?

それにしてもヤッパリ早いなぁ……雪乃さん。

 

ガタガタ………

 

んん?でもおかしいなぁ……。いつもなら仗助かジョセフおじいちゃんのどちらからがいるから、この部室は常に鍵なんか掛かってないよね?

今日は二人ともいないから、珍しく部室には小町達以外は誰もいない。仗助お兄ちゃんも今日は外回りの仕事で不在にしているし………。

だとしたら、最初に扉を開けようとして鍵が掛かっているのに気が付いて、職員室に鍵を取りに行くはずなのに。

それに律儀な雪乃さんだから、いつも最初にノックをしてから部室に入ってくるよね?

だとしたら、今日は部室に誰もいないと言うことを知っていた人が来たって事?

もしかしたら………。お兄ちゃんを攻撃してきた敵が来たって事かな………。

敵は総武高校の生徒である可能性があるもんね……。

 

小町「サンシャイン・ルビー……」

 

いろは「ナイチンゲール・エメラルド……」

 

扉の向こうからは何か緊張したような気配を感じる…。

この緊張具合……。やっぱり敵が………。

 

ガチャッ!

 

また鍵が動く音が聞こえた。今度は突入してくるかな?

スス………っと僅かに扉が開く。

 

小町「お姉ちゃん……」

 

いろは「わかっています……」

 

何か動きがあったら即攻撃が出来るように、それぞれが構える。狙うなら突入の瞬間だよね?

 

ガラッ!

来たッ!

 

小町「ルビーレーザー!」

 

いろは「エメラルド・ストライク!」

 

小町のルビーレーザーと、お姉ちゃんのエメラルド・ストライクを同時に発射。

これならば敵も………んん?手応えなし?

 

??「引っ掛かりやがったな!時間差だよ、間抜け!」

 

やっちゃった!

相手は戦いの素人だと決めつけて、先手必勝で攻撃を仕掛けたのに、それを読まれた!

 

シュルシュルシュルシュル

 

小町達の足に何かが巻き付かれる。

え?これって…………それにさっきの声は……。

 

??「取り敢えず尋問は蹴飛ばしてからやる!オラオラオラオラオラァ!」

 

小町「ストーーーーーーップ!小町とお姉ちゃんだから攻撃はストーーーーーーップ!」

 

小町達を蹴り飛ばそうとして身を踊り出した人物……徐倫お姉ちゃんを止めようと必死で叫ぶ小町。

ピタッ!

 

徐倫「へ?マーチとイーハ?」

 

顔面に蹴りが届く寸前で徐倫お姉ちゃんの蹴りが止まった。

あ、危なかったぁ………。止めてくれなくちゃまともにヒットしていたよ………。

スタンドごと縛り上げられていたからサンシャインでガードも出来なかったし、無理にストーン・フリーの糸を振りほどこうとしたならば、糸を切って徐倫お姉ちゃんにダメージを与えていたしね。

徐倫お姉ちゃんのキックは本当に痛い。普段からお兄ちゃん達に拳骨を落としたり、蹴り飛ばしているから小町にも普通にダメージが入る。

ダメージが入らなかったとしても、靴の跡を顔に付けられるのは嫌だし………。

 

徐倫「何してんだよ?危うく蹴り飛ばすところだったじゃあないの。と言うか、エメラルド・ストライクならともかく、ルビーレーザーはあぶねぇだろうが!見ろよこの壁の穴!どうするんだよ!今日は仗助兄さんがいねぇんだよ!校舎を破壊するんじゃあねぇ!」

 

ゴン!×2

痛いぃぃぃぃ!すぐに波紋で回復するけど。

 

いろは「エクセスをやらなくて正解でした……」

 

ゴン!

 

徐倫「殺意の高さが違うだけで、エメラルド・ストライクも充分に危険だってのわかってる?当たり所が悪ければ、人を再起不能にするくらいの威力は充分にあるだろ」(エメラルド・スプラッシュの下位互換技)

 

いろは「痛いです………わたしとマチちゃんは性悪コンビじゃあ無いんですから、ポンポン拳骨を落とさないで下さいよー」

 

小町「そうだよ!女の子の頭を小突くなんてポイント低いよ?徐倫お姉ちゃん!」

 

いろは「小突くなんてカワイイレベルじゃあないですよね?タンコブが普通に出来ますよ?この拳骨。下手したならば承太郎の拳骨よりも痛くないですか?」

 

小町「ゲーム的に表現するならば拳骨の熟練度が高いんだよ。スタンドのステータス的に言えば拳骨Aだよね?お姉ちゃん」

 

もしかしたらSクラスかも?

 

ゴン!×2

 

ほら。先週承太郎にやられた拳骨よりも徐倫お姉ちゃんの拳骨の方が痛いよ?

 

徐倫「文句があるならテメーらの兄と姉貴分に言え!せっかく性悪コンビが欠席だから、胃に優しい日だと思っていたのに、予想外の出来事だった……本気のドンパチを覚悟していただけに、余計に胃に来るわ…。ヤレヤレって感じよね」

 

あー、今日はお兄ちゃんもジョジョお姉ちゃんも会社に行っていたり、敵を探しに外に出てるからね。

徐倫お姉ちゃんにとっては珍しく気が休まる日だったかも知れないね?

 

徐倫「それにあんたらだって性悪コンビと同じく、別にダメージになってねぇだろ?波紋やエメラルド・ヒーリングで即座にダメージを消せるくせして」

 

幼馴染みーズは仗助お兄ちゃんを除いては自己回復力は万全だよね?あ、仗助お兄ちゃんも波紋を習得してたや。

 

いろは「ってゆーか、徐倫が何で部室の鍵を開けに来たんですか?」

 

そうそう。いつもなら精々、顧問として1回顔を出すくらいでこんなに早くは来ないよね?

 

徐倫「今日はおじいちゃんも仗助兄さんも留守だって聞いていたし、雪乃達生徒会役員も来ないからよ。鍵が閉まっていると部員達も困るだろうから、開けに来たんだよ」

 

小町「だったら部活を休みにしても良かったんじゃあないの?だって顧問も部長も副部長もお姉ちゃんも生徒会もいないんだしさ。状況が状況だから小町だって普通には来ないのがわかってたよね?」

 

徐倫「実際はいたけどな………学校をサボって何やってんのよ。イーハも来てるんなら授業くらいは出なさいよ。理由がある遅刻とか方法があったでしょ?」

 

まぁ、小町ならともかく、お姉ちゃんならそうできていたよね?

 

いろは「ハチ君が攻撃を受けていた事が気になっていて、夕べはあまり眠れなかったんですよー。だから少しお昼寝をしちゃいました。予想以上に疲れていたみたいでお昼寝どころか熟睡しちゃいましたけど………」

 

徐倫「あぁ……確かにそれは心配にもなるわね。あたしも実は少し寝不足だったし」

 

そうなんだよね。実際、小町達はどんな攻撃を受けたのかわからなかったから、お兄ちゃんの事が心配だったし、家で攻撃を受けないとも限らないからいつも以上に気を張っていて眠れなかったんだよねー。

波紋の戦士の小町は一晩くらい眠らないのは大した事じゃあないけど、そうじゃあないお姉ちゃんにとっては本当に辛かったと思う。

 

徐倫「で?あんたらはここで何をしてたの?」

 

小町「わかってるんでしょ?現場検証だよ、現場検証」

 

ただ学校をサボっていたわけじゃあ無いに決まってるじゃんか。だからジョセフおじいちゃんも不在なんだし。

 

徐倫「で?何かわかったの?」

 

1つだけわかったことはあるんだけどさ………。一応は聞いてみようかな?

 

小町「徐倫お姉ちゃん。昨日、お兄ちゃんが攻撃を受けていたときにさ、誰かあの辺りにいなかった?」

 

例の場所を指差してお姉ちゃんに聞いてみる。

もしかしたら何か知っているかも?

 

徐倫「あの場所?うーん……そう言われてもなぁ。四六時中見張っている訳じゃあないし、どこに誰がいたなんて普通ならわかるわけが無いだろ?」

 

まぁ、そうなんだよね………。

普通はよほど印象に残りでもしない限りは誰が何処にいたかなんて事は一々覚えちゃいないよね……。

 

徐倫「ああ。でも………」

 

ん?

 

徐倫「昨日、ハッチが攻撃を受けた時間帯ってさ、確か折本とかの学校の………えーと」

 

いろは「海浜総合高校………ですか?」

 

徐倫「そうそう。海浜総合高校。あそこの生徒会顧問やら生徒会やらが例のイベントの打診に来ていたな?」

 

それを先に言ってよ!重要な情報じゃんか!

 

徐倫「海浜総合の奴が敵だって事?」

 

小町「可能性は充分にあるじゃんか!」

 

その時間帯に校舎内にいたという理由だけで、疑うには充分な根拠だよ!しかもその内容は………

あれ?ちょっと待って?確か今日は……。

 

小町「お姉ちゃん!今日、海浜総合高校と総武高校が会合をやる場所ってどこだか聞いてる!?」

 

いろは「コミュニティセンターです!急ぎましょう!」

 

流石はお姉ちゃん。すぐに小町の意図がわかったみたいだね。

 

徐倫「マーチ………まさか………」

 

小町「取り越し苦労だったならば、それはそれで構わないよ。海浜総合高校が無関係だったという結果さえわかればそれで良いんだよ。それだったらそれで他の可能性をかんがえるだけだから……でも、もし黒だったら…」

 

いろは「雪乃先輩が危ないです!マチちゃん、行きますよ!徐倫は他の情報収集をお願いします!」

 

小町とお姉ちゃんは校舎を出て、急いでコミュニティセンターへと向かった。

 

 

sideジョセフ・ジョースター

狙撃ポイントと思われるビルの前。

 

ジョセフ「待っておったぞ、露伴くん」

 

露伴「待たせてしまいましたね。ジョースターさん。編集との打ち合わせがあったものですから」

 

ジョセフ「いやいや。突然の呼び出しに応じてもらってこちらこそ感謝するよ。それで、上手くできるかね?」

 

露伴「僕を誰だと思ってるんですか?当然じゃあ無いですか」

 

ほぼ夕方という時間で露伴くんはやって来た。

東京からの日帰りで疲れているであろうにありがたい事じゃ。

ワシらは早速ビルの管理室へ赴き、部屋に入る。

 

管理人「すみません。ここは一般の方は……」

 

露伴「先手必勝。ヘブンズ・ドアー!」

 

露伴君はヘブンズ・ドアーで管理担当をしている二人の警備員を本にする。

 

露伴「ジョースターさん。それで何を彼らにさせれば良いのですか?」

 

ジョセフ「土曜日の夜◯時頃、このビルの屋上や出入口、それと西側の部屋の防犯カメラの映像じゃ。それの記録映像をUSBに入れて持ってこさせるんじゃ」

 

それのどれかに八幡を攻撃した者の映像が残っておるはずじゃ。

どういう者の特徴さえ押さえれば、後はこんな犯罪まがいの調査をせずとも済む。

 

露伴「簡単です」

 

シャカシャカと素早く露伴君は顔のページに書き込み、ページを閉じる。今起きた出来事を忘れると書き込むのは既に癖になっておるようじゃな。

本を閉じられた管理人の片方はふらふらと奥へ行き、しばらくして戻ってきた。

 

管理人「はいどうぞ。ご苦労様です」

 

管理人は何の疑問も持たずにUSBを渡してくる。相変わらず便利な能力じゃのう。

そして目的の物を手に入れたワシらは管理人に少しばかりの金を渡し、適当な場所で腰を落ち着け、持ってきていたノートパソコンで中身を確認する。

 

露伴「ジョースターさん。どうしてこんな回りくどいやり方を?」

 

ジョセフ「警察でもないワシらが防犯カメラの確認をするには、それなりの根回しが必要じゃからな。人にもよるが、日本の管理人はそういう賄賂とかじゃあ簡単に動かんし、時間も金もかかる。今はその時間が惜しいんじゃよ」

 

康一くんのエコーズact2で部屋の温度を上昇させて人を追い払うというのもありじゃったが、確実性に欠けるしのう。ワシらじゃ目的のデータを探すのに時間がかかるし、ここは露伴くんに動いてもらうのが一番効率的じゃ。

 

ジョセフ「むおっ!こ、こやつは……」

 

ジョルノ「元雪ノ下家の従業員……立場……つまり」

 

オロチの奴じゃ!一緒にいるのは………

 

ジョセフ「この制服は海浜総合高校の!」

 

海浜総合高校といえば、昨日総武高校や財団に打診があった!

こいつは臭いぞ!怪しく、そしてゲロ以下の臭いがプンプンする!

 

ジョセフ「ジョルノ!雪乃は今日、海浜総合高校とイベントの打ち合わせをすると言っておったな?」

 

ジョルノ「え、ええ。今日はコミュニティセンターの会議室を借りて具体的な打ち合わせをすると言っていました」

 

ジョセフ「急ぐんじゃ!雪乃と結衣が危ないぞ!」

 

無事でいてくれよ!雪乃!結衣!

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。
海浜総合高校が極めて黒になりました。
果たして雪乃とガハマさんは無事でいられるのか?
いろはと小町、ジョセフとジョルノは間に合うのか!

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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