やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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小町のクリスマスプレゼントリスト

・お兄ちゃんからの朝チュー
・お兄ちゃんの使用済みパンツ
・お兄ちゃんの使用済みシャツ

……でも、小町はお兄ちゃんからの婚姻届が一番欲しいのです!
キャー!
今の小町的に超超ポイント高い!

そ・れ・と…………お兄ちゃんのシャツが無くなってるので帰りに買ってきてね♥️


比企谷小町のクリプレ要求は変態さが増しているのはまちがっている。

side比企谷八幡

 

八幡「………………アホか?」

 

始業の間際の教室、自席でそんな呟きを漏らしていた。

鞄に紛れ込んでいた一通の手紙には見慣れた字。妹の小町が俺宛に書いたものらしい。

クリスマスカラーに雪のようなキラキラのラメがあしらわれた可愛らしいレターセットの中から出てきたのは可愛くないどころか背中に寒気が走ることこの上ない希望プレゼントリスト。

それなりに手間暇かけて作ったであろう手の込んだ便箋と封筒を思わずグシャリと握りつぶしてしまったの俺は悪くないだろう。それくらい寒気が走ってしまった。

まぁ、本当に伝えたいのは帰りにシャツを買ってこいという最後の部分なんだろう。これはいわゆる小町ジョークだな。

ジョークだよね?お願いだからジョークであって下さい。お願いします。じゃないとこんな変態性の高いリストにならないよね?

なんか最近やたら下着の消耗が激しいような……。特にパンツの………。ははは………まさかなぁ。

そう言えばあいつ、前に俺のシャツを勝手に寝巻き代わりに使ってるとかなんとか言っていたような気がしたような………。(第3章川崎姉弟編参照)

ハハハハ………ま、まさかねぇ?

とりあえずリストにある最初の3つは当然無視するとして、帰りがけにちゃんと下着とついでにホームセンターにでもよって即席の鍵を買っておくことにしよう。そして今夜からは自分で洗濯して部屋干しにでもするか、もしくは恥を承知で一色家のベランダで干してもらうようにお願いしよう。いっそ一色家に住んでしまおうかな?

当然ながら無視をするのは最初の3つだけじゃあない。その後に書かれていた物もマルっと無視をする!

つうか、兄妹同士の結婚は日本の現法律では認められてはいないし、俺自身にその気は全くない!

いい加減に諦めろよ小町!陽乃さんなんてとっくにそっち方面のアプローチはしてこなくなったぞ!

してこなく………あれ?なんか杜王町に行った時に変な未来のビジョンを見てしまったような……。

二代目性悪コンビのことかな?(第5章杜王町編参照)

ああ、普通の安心できる幸せがほしい。

幸せってなんだっけなんだっけ♪ポン酢醤油があるからさ♪なんだ、もうあるじゃん。千葉に生まれて良かった!!千葉の醤油は世界い…………

 

材木座「世界一ィィィィィィ!」

 

八幡「………突然出てくるんじゃあない。材木座」

 

材木座「なに。八幡が我のアイデンティティーをパクろうとしておる気がしてな。我慢できずに来てしまったのよ!」

 

こんなこと、前にもあったような………あ、戸塚か。

スピードワゴンはクールに去るぜ……をやろうとした時に戸塚が割り込んで来たっけ?(第3章参照)

 

材木座「ふ………決まったところで材木座義輝はクールに……」

 

戸塚「戸塚彩加はクールに去るよ」

 

八幡&材木座「………………」

 

お前が去るのかよ!

確かに今、材木座がスピードワゴンのオマージュをやろうとしてたけどさ!別のクラスの材木座ならともかく、このクラスの戸塚がクールに去ってどうするんだよ!既にその段階でクールじゃあないだろ!

朝のホームルームまで時間が無いぞ?遅刻になるぞ?徐倫に拳骨されるぞ?(遅刻で拳骨を落とすのは性悪コンビに対してのみ)

あれ?ところで何を考えていたっけ?あ、幸せのことと醤油の事か。サンキュー、キッコーマン。それはそうとキッコーマンのキッコーって何だろうな。永遠の17歳?それともSMチックなイヤンな物?

 

天の声『あながち間違いではない。キッコーマンのキッコーは亀の甲の亀甲から』

 

妹のお願いは叶えてやりたいのはマウンテンマウンテンモンキーなのだが、あいにくとそのつもりはない。というか、いくら千葉の兄だったとしてもこればかりは叶えてやるつもりはさらさらない。

早く誰か小町の心を射止めてくれ!エンポリオ!今からでも遅くないから!雪ノ下から小町に変えてもウェルカムだぞ!俺は小町の幸せを願うから!

プリティでキュアッキュアなうちのラブリー?でハニー?なプリンセスのフォーチューンを願ってハピネスをチャージしちゃうよ?戦闘能力だけならリアルなプリティでキュアッキュアなのは保証するから。

金も持ってるし、生活能力は高いし(野外も含めて)、どこに出しても恥ずかしくない妹なんだけどなぁ。

とりあえず幸せがどうの云々は脇に置いておき、俺はしわくちゃにした手紙を伸ばして制服のポケットにしまう。間違って見つかってしまおうものなら後でゴミゴミラッシュを食らうしな。なにこのドキドキ。俺、小町のこと好きすぎじゃあないの?

 

天の声『ゴミゴミラッシュに対する恐怖心によるドキドキを勘違いするな!』

 

大丈夫、妹だからセーフだし、いろはを想うとドキドキではなく安心感を覚えるからセーフ。

妹からもらった手紙を見て頬緩めてるとか結構ヤバイので俺は背筋を伸ばし、襟元を正す。あれだな、やっぱりこう俺のクールなイメージを守らないと。

 

天の声『クールじゃなくてただ単に他人に対して冷たいだけである』

 

ちなみに、自分ではクールなつもりでも周囲からはただの根暗だと思われてる場合が多々あるから注意が必要(俺調べ)。

 

天の声『自意識過剰である。ニトログリセリン的な扱いを受けている自覚がないだけである。最近では奉仕部ブードキャンプによってクールとはほど遠い鬼扱いを受けている』

 

………さっきから神隼人さんの声が響いているような気がするが気のせいか?

 

天の声『それは旧神隼人(CVキートン山田)であって、お前が会った神隼人は中の人が違う(内田直哉)』

 

そうだったっけ?

そう言えばジョルノは神隼人さんの声は思い出したくないディアボロ親衛隊の一人に声が似ているとか言っていたっけ。(チョコラータ)

俺的にはチェリー大戦Vの司令に声が似てると思うんだけどな?(サニー◯イド)

チェリー大戦と言えば6作目が出るとか出ないとか、メインヒロインの声がいろは似で、ヒロインの一人には雪ノ下の声とそっくりさんがいるとかいないとか。

 

天の声『おい、いい加減にやめろ。あと沢城さんも忘れるんじゃあない!姉貴分の声だろ!』

 

そんな下らない事を考えて暇を潰していると、朝のホームルームまでもう間もなくという頃合いになった。クラスメイト達が慌ただしく教室へと駆け込んでくる。

その中で、チャイムなと気にもしていないような、やけにゆっくりと気だるげな様子で歩いてくる女子の姿があった。青みがかった黒髪が足取りに合わせて揺れる。

川なんとか………、いや、山なんとか?それとも豊なんとかだっけ?まぁ、何山豊さんでも山岡さんでも栗田さんでも良いや。山なんとかさんは教室の様子などまるで無関心というふうに自分の席へと向かう。その途中、冷たく取り澄ましたような瞳が俺とぶつかった。

目が合ってしばし無言、そして睨み合い。

メンチを切りあってても仕方がないし、一応は師匠だったわけだし、挨拶はしておくか。まぁ、今の名前はよく覚えて無いんだけど。ウッペリさんって呼んでるし。

 

八幡「あー、えーと……まぁ、なんだ」

 

名前を思い出そうとして無理矢理頭から絞り出そうと何の意味のない吐息と言葉を吐き出す。

ウッペリさんは鋭い目を更に鋭くさせて舌打ちと共に小さな声を出した。

 

沙希「おはよ……比企谷」

 

八幡「お?おお………おはよ、山岡」

 

ゴン!

 

沙希「一文字も合ってないよ。あたしは究極のメニューを作ってないから」

 

違ったか………

 

静「おはよ、海原」

 

ゴン!

 

沙希「至高のメニューも作ってない」

 

八幡&静「栗田さん?」

 

ゴン!

 

沙希「究極のメニューに戻ってる。あんた、まさかまたあたしの名前を忘れたわけじゃあ……」

 

ま、まさかぁ。

 

八幡「そんな訳が無いじゃあないですか?ツェペリさん」

 

ゴン!

 

沙希「それは前世の名前でしょ」

 

静「ウィルさん?」

 

ゴン!

 

沙希「ファミリーネームからファーストネームに変えただけで前世の名前だから」

 

八幡「アントニオ?」

 

ゴン!

 

沙希「洗礼名(ミドルネーム)で呼んでも同じ」

 

静「もう面倒だからウッペリさんで良い?」

 

ゴン!

 

沙希「結局はそこに落ち着かせようとするんじゃあない!このスカタンコンビ!」

 

八幡「どうでも良いけどそろそろ空条先生が来るぞ?早く席に着いたらどうだ?川尻」

 

沙希「波紋疾走(オーバードライブ)

 

バリバリバリバリ!

あ、とうとうキレたのか波紋を流された。

 

沙希「あたしは川尻じゃあない。川尻早人さんに謝れ。全く……師匠を全然敬ってないだろ。またしばらく金縛りになってなよ。このバカ」

 

静「おはよ、耕作」

 

沙希「あんたもだ。いつからあたしは川尻早人さんの父親になった。故人に失礼だろ」

 

バリバリバリバリ!

やーい、相棒も金縛りだぁ♪

 

沙希「全く……このコンビは朝から疲れる……」

 

背中から怒気を発しながらズンズンと自分の席へと行ってしまう。

寝不足なのかやる気ないのか席に着くなり、がばっと机に突っ伏してしまったウッペリさんを眺める。

朝から妹の手紙で頬を緩ませ、師匠には失礼な事をやる弟子には操る波紋で金縛りは当然の事なのだろうか?いや、あいつも弟である川崎大志やけーちゃんからのメールに頬を浮かべていた気がする。あ、そうだ、川崎だ。

 

天の声『失礼にも程があるだろ!』

 

戸塚「ただいま!ノリで遅刻しちゃうところだったよ。あれ?どうしたの?八幡、静ちゃん」

 

八幡&静「……………」

 

例によって金縛りを受けています。

俺達が瞬きすらしないことで大体を察した戸塚。

 

戸塚「はぁ………また川崎さんを怒らせたの?ダメだよ八幡と静ちゃん。師匠を大事にしないと。ホール・シンクス!」

 

戸塚はホール・シンクスを出現させ、オプションである人型から鉄球を吐き出させ、それを俺達の腰目掛けてラケットで回転のエネルギーを叩き込む。

ギュリギュリギュリギュリ!

おおっ!回転の不思議パワーがウッペリさんの波紋パワーを打ち消して動ける!

また昼休みにいろはが来るまでは微動だに出来なくなるかと思ったけど、これで助かる!

でもさ………

 

八幡「戸塚………助けてもらっておいてあれだけど」

 

静「スタンド使いじゃあ無ければ突然教室内で素振りを始めた痛い人みたいになってるよ?」

 

戸塚「………あ………」

 

見えていたとしたらそれはそれで問題だけど。

 

←To be born




はい、今回はここまでです。

原作との相違点。

小町のクリスマスプレゼントリストは図書カード、ギフトカード、白物家電、お兄ちゃんの幸せ、洗剤が切れてるから買ってこい→変態リスト

小町の手紙に対する八幡のツッコミ

千葉の醤油は日本一ィィィィィィ!→世界一ぃぃぃぃぃぃ!(どっちにしてもシュトロハイム化している。渡先生も大概ジョジョ好きである)

材木座登場。ついでにここ最近めっきり出番のない戸塚も登場

小町の手紙を折り畳んで胸ポケに入れた→シワを伸ばして胸ポケに入れた(握りつぶしたから)

声優ネタてんこ盛り(ちびまる◯ちゃん、ゲッター、第5部、サク◯大戦V、新サ◯ラ大戦)。

川崎のなんとかさんに美味しんぼ主人公コンビを追加

川崎とお互いに固まる→何故か睨み合い

「おはよ」→「おはよ……比企谷」

川崎の徐倫化

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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