やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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本編から一年後の八幡達の話です。
本編は本編でちゃんとやりますのでご安心下さい。
一年後の八幡達に何があったのかは……そのうち外伝(別のサイトでは既に投稿済み)でお伝えします。


一年後のその後。彗星事件後と忍の環境。

side比企谷八幡

比企谷八幡、総武高校3年10月5日

飛騨

 

八幡「タイムバラドックスは……起きたみたいだな」

 

静「ま、そうでなきゃ困るっつーの。元々私達の不手際で起きた事件だったけど。ウェストウッドめ……」

 

八幡「死ぬかと思ったけどな………」

 

危うく巨大隕石の衝撃に巻き込まれるところだった。

それも過去の世界で………。

 

八幡「後はあの二人次第だな」

 

静「記憶を失ってるみたいだけど、出会いでも演出するの?」

 

八幡「いや。余計なお世話だろ。あの二人が本物ならば、いずれは出会うはずだしな」

 

500人の命を奪った日本史上最大の隕石災害。

それは一人の英雄による想いが時を超え、過去を変えた。俺達は旅館から出ていく英雄を見送る。

彼は何も覚えていない。それを覚えているのは俺とジョジョだけ。

いろはも小町も覚えていない。

 

八幡「タイムバラドックス……か。そう言えばあの世界はどうなったんだろうな?」

 

静「あの世界?」

 

八幡「ゲッターの世界だよ。あの世界の出来事はタイムバラドックスが前提の世界だっからな」

 

ジョルノ「懐かしい話ですね」

 

旅館のロビーでジョジョと話をしていた所にジョルノが現れる。

 

八幡「まだイタリアに帰ってなかったの?承太郎は朝イチでアメリカに帰ったのに?」

 

ジョルノ「どうせ閣下の力でやって来た密入国です。閣下がいらっしゃらなければ、僕はイタリアに帰ることが出来ませんから」

 

ソファーに腰をかけ、缶コーヒーを飲むジョルノ。

ヨーロッパ支部が本格始動し、忙しい身でありながらもそれを感じさせないジョルノ。

 

ヴァレンタイン「ふむ……ならば良い機会だ。その後のあの世界を見に行ってみないかね?面白いことが起きている」

 

ジョセフ「面白いこと?」

 

いつの間にか閣下とジジイが起きて下りてきていた。

今回、この飛騨に来ている発端はジジイが持ち込んだ依頼だった。空条家に戻ったジジイ達に中々会いに行っていない俺達を東京に顔を出させる口実であったことも確かだが。

 

ヴァレンタイン「分岐しているのだよ。1800年前にタイムスリップした彼らが戻って来ている世界と、戻らずに彼らが消えた世界とでね」

 

これは驚いた………。

あの仗助達が過去の世界に飛んでいく事までは何となく予測が出来た。帰った後に観た『新ゲッターロボ』では流竜馬達ゲッターチームは平安時代にタイムスリップしていた。

仗助達は更に過去である三國志の世界に飛んで行ったのだろうとは予測していた。だが、そこで分岐が発生していたとは予測していなかった。

特異点の忍さんの影響なのか?

 

静「だったらイーハとマーチも呼ばないとね?同じ車で来ているわけだし、東京は通り道だから丁度良いじゃん?」

 

確かにワンボックスでここまで来ているしな。少し寄り道すれば忍さんの家に行ける。

 

材木座「ぬぬっ!八幡達は一緒に帰らぬのか?」

 

八幡「元々俺達は車で来ているからな」

 

仗助「お?そのメンツは………ははーん。あの時のか」

 

徐倫「あの時?ああ………」

 

陽乃「お姉さんと仗助兄さんをのけ者にしたあの事件のね?」

 

あの時は事情を知っている者だけで行動したからな。

特に仗助と徐倫には情報を徹底的にガードしたわけだし、承太郎は海老名に売ったし……。

 

雪乃「事故を起こさないように気を付けなさい。只でさえジョースター家は……」

 

三浦「雪ノ下。それ、フラグだから」

 

戸部「sunny lightに寄るならば、エリサさんにもよろしく伝えておいてくれっしょ!べー、俺も行きたかったわー」

 

あの事件に関わらなかった人間は岐阜まで降りてから新幹線で帰る事になる。

 

八幡「明日は学校を休むから、よろしく」

 

沙希「何でよ?」

 

静「忍さんのお店が終わってからドジャァンだから、多分帰るのは朝になると思う」

 

海老名「朝までしっぽりと……美味しい話を期待してるからね?」

 

ざけんな。危ないのが一人いるから洒落にならん。

 

いろは「じゃあ、また明後日総武高校で!」

 

小町「じゃあねー!」

 

さて、長旅になるからジジイとジョジョとでドライバーを交代しながら行くか。(中型無免だろ!)

 

 

キングクリムゾン!

夕方・東京ひびきの市sunny light

 

車を近くの有料駐車場に停め、忍さんの店へと向かう。

カランカラン……

 

忍「いら………あら、珍しい顔ぶれじゃない。特にジョルノ。ポルナレフさんのお葬式いらいかしら?」

 

例の眼鏡をかけた忍さんが俺達を迎える。中にジジイがいることで渋面を作るものの、営業中の為か露骨な態度には出さなかった。

ジョルノと忍さんはポルナレフさんのお葬式以来か…。

ココ・ジャンボは今年の春に逝った。同時にポルナレフさんも…。

出されたお冷やはジジイだけ相変わらず水道水だったが。

うわぁ………あのスタンド使い、またいるよ……。忍さんが眼鏡を付けているのもわかる。

もっとも、大倉都子は件の男(ときメモ4の主人公)と楽しそうに話しており、凄く幸せそうだ。何でも今年の年度始め辺りからはほぼ付き合っているも同然の関係になったのだとか。どうせ忍さんが何かしたのだろう。

もっとも、天然たらしは相変わらずらしく、時々他の女の子とここに来ては『うさぎさん』が現れるのだとか。

そして奥には……。

 

八幡&静「っ!」

 

みやみ………っ!

大分雰囲気が変わっているが、間違いない。

今回(外伝)の事件におけるもう一人の英雄……。今日、ここで出会うとはな……。

 

忍「あら?流石はスタンド使いね?彼女も二年前からの常連だけど、スタンド使いみたいなの」

 

知っている。何故なら彼女の能力で『二年前の彼女』が『彼』に入った状態でジジイと出会った事が今回の事件の発端だったから。

そして、二年前からの常連と忍さんが言っているが、それは改編された二年前の話だ。今回、彼が動かなければ彼女は今、ここにいない。

二年前に死んでいる。過去の改編が起こるとこれだから。

 

忍「彼女、『うさぎさん』が見えているのよ…」

 

八幡「知っていますよ。それに関連する場所に週末行ってましたので……」

 

忍「あらそうなの?じゃあ、彼女が二年前の隕石が落ちた『奇跡の町』出身と言うのも?」

 

静「あれ、ストーンオーシャンに関わりあるんで。ウエストウッドがあの彗星を呼んだわけですから……」

 

忍「へぇ………って!それじゃ、あちしも関わってるじゃないの!」

 

忍さんは別動隊の隊長だったから、ウエストウッドの事はもちろん知っている。

 

静「ええ……と言っても、ウエストウッドが矯正施設から出た後の話なので、忍さんは関係ないですけど。あの災害は私達SPW財団の不祥事です……」

 

忍「………聞かなかったことにするわ。奇跡的に犠牲者はいなかったんだから」

 

正確には犠牲者が出ないように過去に飛んだと言った方が正しい。しかもレクイエムの手のひらに踊らされてだ。過去改編が起きなければ死者、行方不明者500人の大惨事です。

危うく俺とジョジョが知られざる犠牲者になるところだったがな!

 

忍「それで?それと今日ここに来たのは何か関係あるのかしら?あの町の災害がストーンオーシャンが関わっていたことを教える為?」

 

ジョセフ「久し振りに閣下とジョルノが日本に集まったからのう。ゲッターの世界のその後を見てみようと言うわけじゃが、一緒にどうじゃ?お前さんも深くあの世界には関わったじゃあないか」

 

ジジイがそう言うと、忍さんは顎に手を当てて考え込む。あの世界の自分のその後に興味があるのだろう。

 

忍「まったく……それなら日を改めてスケジュール調整をするのが常識でしょうに………あんた達、それでもSPW財団の重鎮やその卵かしら?ジョルノちゃんの予定が中々付かないからだとは思うけど」

 

本来ならジョルノもここにはいない。

 

ジョルノ「僕も何故、閣下の力を使ってまで慌てて日本に来たのかはわからないですがね。レクイエムが何かをしたと考える事にしました」

 

ヴァレンタイン「そう言えば私もだ。八幡君と静君。君達は事情を知っていそうだな。後で報告を……いや、撤回しよう」

 

ストーンオーシャンの後始末だからな。だからジョルノも承太郎も来てくれたんだが、過去が変わり、全員の記憶が改編された今となっては覚えていない。

それにしても閣下?

俺達は閣下らしかぬ中途半端さに疑問を持つ。この時は気が付かなかった。閣下が今期の任期を最後に行方をくらます事になるなんて………。今を思えば既に雲隠れを考えていたかも知れない。

 

忍「そうね………深夜まで待って頂戴。夜の部が終わるまでは店を閉めるわけにはいかないから。あの世界の今後はあちしも興味深いし、こんな機会は二度とないと思うわ。ただし!家の方で待ってて頂戴!客じゃない人が長時間居座られたら迷惑よ!」

 

八幡「客でも良いですよ?」

 

ゴン!

 

忍「夜の部は未成年お断りよ!」

 

静「いえいえ、お構い無く」

 

ゴン!

 

忍「あちしが構うのよ!夜の部はバーだって言ってるでしょうが!未成年にお酒を飲ませるバーがどこにあるって言うの?!」

 

ジョセフ「そうじゃぞ?未成年は帰りなさい」

 

ゴン!

 

忍「あんたはそもそも出禁でしょうが!」

 

ジョセフ「老い先短い老人にはもうちっと優しくしても良いんじゃあないか?」

 

忍「ふん!殺しても死ななそうなジジイが何を言っているのよ」

 

ジョセフ「酷いのう……」

 

殺しても死ななそうなジジイが、まさか4年後には…。

 

忍「とにかく、家で蛍達の相手でもしてて頂戴!間違っても余計な事をするんじゃ無いわよ?特に性悪コンビとジジイ!」

 

いやぁ、何もしませんよ?

この人、怒らせると本当に怖いもの。

 

八幡「……じゃあ昔の忍さんのバイト先にでも…沙織さんがいるかもだし」

 

忍「………あそこは土日は休みよ」

 

静「え?でも………」

 

忍「『そっち』の特別営業は土曜よ。日曜の今日は本当の定休日。それに『そっち』の方は一般客は入れないわよ?大体、土曜の『ねこや』に行って何を頼むつもりよ」

 

八幡「え?ビーフシチューを食いつくすつもりですけど?」

 

ゴン!

 

忍「自殺したいのなら周りを巻き込まないようになさい?あの女王にはその手の冗談が通じないわよ?大体、八幡ちゃんは去年の千葉村の一件でお世話になったはずよね?恩を仇で返すつもり?」

 

静「だったらチキンカレー?」

 

ゴン!

 

忍「結果は同じよ!」

 

八幡&静「テリヤキチキン!トンカツ!プリンアラモード!パウンドケーキ!コーヒーフロート!パフェ!コロッケ!オムライス!ナポリタン!豆腐ステーキ!お好み焼き!」

 

ゴン!×2

 

忍「全部あそこの古くからの常連の好物じゃない!それも重鎮の!あんた達『ねこや』を荒らすつもり?あちしや親友の一家まで出禁になるでしょ!と言うか、何で知ってるのよ!」

 

八幡「茜さんと康穗から聞きました」

 

穂刈茜。旧姓一文字茜。『ねこや』の従業員。

康穗は高校進学から社会勉強の一環としてバイトをしている。

藤崎家とは家族ぐるみの付き合いで、息子さんは忍さんの娘、藤崎蛍とは兄弟のような関係の幼なじみらしい。

 

忍「茜ちゃんに康穗ちゃん!性悪コンビに余計な事を教えないで頂戴!とにかくあんたらはあたしの家で大人しくしていること!良いわね!コーヒーくらいは出すから、それを飲んだらさっさと行く!ハルちゃん、適当なフルーツカットを出しておいて」

 

水月春奈。私立きらめき高校定時制に通うパティシエール志望の1年生だ。

修行の一環としてこのカフェのバイトをしている。

なお、最近は昼の部の生徒と交換日記をしているようで、生活にハリが出てきたとの事。

また、葉山達が杜王町で出会ったエリサさんもここの常連になったらしく、しかも忍さんの親戚の皐月都議会議員と知り合いなのだとか。

正確には皐月優さんの後任生徒会長(名前は興味ないから忘れた)の友人(更に後任生徒会長の親友はジジイが常連として通っている語堂喫茶店の娘。世の中狭い)らしい。

そして全て『うさぎさん』の幼なじみ関係者であり、忍さんの店の常連。おかげで眼鏡が外せないのだとか。

 

ジョセフ「仕方ないのう。小料理屋『郡山』にでも…」

 

忍「わざとでしょ!あんた達わざとでしょ!『郡山』は優ちゃんの親友の店なのよ!?」

 

今日の忍さんのツッコミはキレがある。

 

←To be continued




一年後の事件
『外伝』のエピソード。
ストーンオーシャンの敵、『ヴィヴィーノ・ウエストウッド』が1枚噛んでいる。
『天◯の子』と絡ませる予定はない。

『Sunny Light』
忍の店。ときメモ4における『市内デート』後の追加デートで訪れる喫茶店として本城が(勝手に)設定した。ときメモ4の登場キャラクター全員が常連として通っている。ジョセフは相変わらず出入り禁止。

『ねこや』
忍が高校時代にバイトをしていた洋食屋。『異世界食堂』の舞台である。
藤崎沙織はその世界関連に旅立った模様。

『ビーフシチュー』
ねこやにとっても欠かせない特別な常連客の好物。
何気に『第2章』のクリスタル・クルセイダーズでは沙織を送ってくれたり、『4-3』で静達『ファンタジースターダストクルセイダーズ』お世話になっている。
性悪コンビの恩知らず&怖いもの知らずはとどまるところを知らない。

一文字茜と穂刈純一郎
ときメモ2の攻略キャラとライバルキャラ。
忍とは高校時代からの親友。
康穗のお陰か、珍しく性悪コンビに嫌悪感を抱いていない。

藤崎蛍
忍と光の長女。
その後の世界ではヒロインの一人。

皐月優
忍の親戚の一人。ときメモ4のメインヒロインであり、詩織と同じく最高難易度ヒロイン。
同じく親戚の詩織とその夫の高見公人に憧れている。詩織と仲が良い忍とも仲が良い?
光が良い印象を持っていないことと、ストーンオーシャン外伝にて沙織が重症を負った事から二重の意味で性悪コンビを嫌っている。八幡と同い年。

星川真希
一応ときメモ4のメインヒロイン。
親しみ易いメインヒロインとして2の光並に攻略難易度は低く、狙っていないのに伝説の樹に立っている場合が多々ある。

大倉都子
杜王町編に登場したときメモ4の隠す気が全くない隠しキャラで、主人公の幼なじみ。真のメインヒロインとの声も少なくない。
一年後の世界では『病みやこ』状態から脱し、主人公の嫁状態に突入。もっとも、主人公が他のヒロインとも仲良くしているので『スタンド・バイ・ミー』は未だに発動しており、忍が眼鏡を手放せない理由になっている。
八幡達も由花子ショックが理由でヤンデレスタンド使いからは一歩引いており、主人公と都子の事は基本的にスルーしている(都子としても主人公以外には興味が無いため、主人公に関わらないアーシスは全く視界に入っていない。ジョセフの事も忘れている)。

エリサ・ドリトル・鳴瀬
杜王町編にて登場し、葉山グループと知りあった、杜王町(仙台)出身の4のヒロインの一人。一年後ではSunny Lightで葉山達と再会している。
一応は性悪コンビとも知り合い。

水月春奈
きらめき高校定時制に通うパティシエール志望の一年生。4の隠しキャラ。
Sunny Lightの立場になったカフェで昼間は見習いパティシエールとして働いている。
4では彼女のエンディングを見ないと一切顔を見ることができない。当然ながら、性悪コンビとは顔見知り(店員と客程度)。

郡山知姫
優同様、1年先輩の4のヒロイン。
母親は小料理屋を営んでいる。

語堂つぐみ
4のヒロインの一人で星川真希の親友。
Sunny Lightを出禁になったジョセフが常連として通っている喫茶店の娘。
4の追加デートに入る喫茶店の1つであり、主人公のバイト先の1つ。
実はここにも『スタンド・バイ・ミー』は出現するので東京に戻ったジョセフは最近落ち着いてコーヒーを飲めないので、夕方と土日は避けているのだとか。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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