やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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さよならゲッターの世界!

side東方仗助

 

仗助「みんなぁ!無事かぁ!?」

 

円盤が墜落し、衝撃で渦が発生している。

俺は新ゲッターを含め、全てのゲッターをクレイジー・ダイヤモンドで直す。

アーシスの連中は………

 

仗助「この渦に巻き込まれたんじゃあ……助からねぇだろ……冥福を祈ってるぜ………」

 

もしかしたら承太郎さん達のようにゲッター線と1つになって………

 

八幡「勝手に殺すんじゃあない!」

 

静「生きてるっつーの!」

 

ジョセフ「早く助けんかぁ!」

 

小町「死ぬ!死ぬぅぅぅ!」

 

見てみると………。

グレート……信じられねぇ……。渦の水面を走っていやがる……。飛び越せない場合は水面の壁に張り付き、ヤモリのように昇っている。

これが波紋の力ってヤツかよ……。

 

八幡「良いから早くしてくれぇぇぇぇ!」

 

静「ヘルクライムピラーよりもキツいっつーの!」

 

いろは「ハチ君!落とさないで下さいよ?振りじゃあ無いですからね!?妻を振り落とすなんて無いですよね!?」

 

いろはが八幡にしがみつき、必死に叫んでいる。

 

八幡「分かってるからしっかり掴まっていてくれぇぇぇぇぇ!自分が渦に呑まれないようにするので精一杯なんだよォォォォ!」

 

いや、普通に凄いな………普通なら渦に巻き込まれて死んでるぜ……

 

貂蝉「いけないわ?早く助けないと!チェンジ!ポセイドン!」

 

弁慶「流石は山猿の親戚だぜ……。よく生きていたもんだぜ。なぁ?ジョルノ?」

 

ジョルノ「ですが急いで救出した方が良いでしょう。鮫が狙っているようです」

 

おう、ジョルノの奴は貂蝉さんに助けられていたみたいだ。俺が言うのもなんだけどよぉ、悪運の強い奴等だよな。

え?俺達は助けないのかって?

新ゲッターも今はエネルギーが枯渇してるからな。動けるようになるまでにはしばらく時間がかかるだろう。

今は辛うじて水面でプカプカ浮いているのがやっとだ。

他のゲッターも神ゲッターにエネルギーを送ってしまっているから、似たり寄ったりだ。

 

貂蝉「アタシがいて良かったわねぇ?ほら、フィンガーネット」

 

五人が網にかかった魚のように渦から救出される。

 

貂蝉「早く乗り込みなさい。急がないと鮫の餌よ?」

 

ジョセフ「もう少しましな助け方がなかったのかぁぁぁ!」

 

小町「イヤァァァァァ!来ないでぇ!ルビーレーザー!ルビーレーザー!」

 

 

キングクリムゾン!

浅間山・早乙女研究所

side比企谷八幡

 

八幡「死ぬかと思った……」

 

静「戦いそのものよりも脱出からが大変だった……」

 

ジョセフ「もう1メートル右に寄っていたらゲッターブレードの餌食になっておったわい………」

 

いろは「わたし……しばらく海は見たくないです……」

 

小町「会社が海に面してるからイヤでも見なくちゃならないけどね……」

 

ホント、ゲットマシンに乗り込んだ時からちらついていたんだよな?

絶対にどこかで命に関わる墜落をするって。

どう考えたってフラグじゃん?

まぁ、死ぬような思いはしたけど、これで依頼は完了だ。

 

八幡「貂蝉さん、約束は守って下さいよ?」

 

俺は徐倫をちらりと見て、そう言う。

 

貂蝉「あら?何の事だったかしら?」

 

ふざけてんの?

 

八幡「GDstの件ですよ!ストーンオーシャン事件の防止!徐倫が巻き込まれないように!すっとぼけないで下さいよ!」

 

徐倫「あたしがどうかしたの?」

 

あ、うーん………。どう説明するかなぁ……。

この幼い徐倫に未来で起こるかも知れないストーンオーシャン事件を説明するってかなり残酷だよなぁ。

でも、既に徐倫は種類は違えど戦いの世界に踏み込んでいるわけだし、GDst事件を伝えたところで大してショックを受けるとは思えないわけで…。

でも、承太郎の事情に巻き込まれる訳だから、父親との関係が微妙に揺れ動いている徐倫の承太郎への好感度がまた下がったら承太郎に悪いし……。うーむ……。

 

貂蝉「冗談よ冗談♪はーい、約束はまもった♪」

 

静「はぁ?ふざけてます?ふざけてますよね?こっちは真剣にお願いしてるっつーの!」

 

貂蝉「だ・か・ら!依頼は既に完了してるのよ。プッチの事も含めて……ね♪」

 

隼人「GDst?博士……確かそれは……」

 

早乙女「うむ……確かGDstは……」

 

早乙女博士がパソコンを操作し、指令室の巨大スクリーンへと映し出す。

 

八幡「ええっと……アメリカ合衆国フロリダ州グリーンドルフィン・ストリート重警備刑務所における囚人による懲罰独房大量暴行致死傷害事件?」

 

えっと………確か懲罰独房ってのはあれだよな?エルメェスとスポーツマックスの戦いで巻き添えを食らって死んだ女囚の殺人容疑を徐倫にかけられ、ぶちこまれたという凶悪囚が集められたあそこだよな?

ウエストウッドとかケンゾーとかのスタンド使いと連戦になったって言う。

五年前には俺達もあそこでテレンスや綾瀬絢斗、サンタナとドンパチした因縁深いあそこ。この世界ではあそこで何かあったみたいだが………。

 

いろは「凶悪犯として収監された流竜馬により大量の囚人及び監修が暴行事件を発生させ、死亡。後の調べで死亡した囚人及び看守は恐竜帝国が流竜馬を暗殺する目的で送り込んだ刺客である事が判明した」

 

あー………流竜馬さんが冤罪で実刑を受けていた世界があったよな?

って流竜馬さんかよ!

 

小町「えっと……?そもそも流竜馬の逮捕された容疑はケンカによる傷害であり、逮捕後の流竜馬の身柄は裁判を通さず、その受刑期間も終身刑という何から何まで例を見ない異例の事であり、これに関与した者についても恐竜帝国が人に成りすまして行われたものであると判明した」

 

うわぁ……手の込んだ事を恐竜帝国はしたなぁ。

 

ジョセフ「最終的にGDst元刑務所はメカザウルスとゲッターロボ及びテキサスマック対メカザウルスの戦場となり崩壊。多数の犠牲者を出し、一連の事件は収束した」

 

なお、その原因となった事件にしても爬虫人類と流竜馬さんの戦闘であり、流竜馬さんは無罪放免となったようだ。

そして早乙女博士はその犠牲者リストを見せる。

そこにはケンゾーの名前や若きGDstの見習い神父だったプッチの名前があり………。

 

八幡「…………つまりはあれか?俺達は嵌められたワケか?」

 

貂蝉「あら人聞き悪いわねぇ。運命を操作できる都合の良い世界の一巡なんて、左慈達や恐竜帝国、アンドロメダ流国にとっては喉から手が出るほどのお宝に決まってるじゃない。真っ先に潰すべきことだとは思わないかしら?」

 

そうだけどさ………そりゃそうだけどさ!

だ、だとしたら………。

 

八幡「こ、このゲイでオカマで神気取りのムキムキマッチョ真空管ハゲェェェェ!じゃあ俺はドヤ顔でお前に対して………」

 

貂蝉「したり顔でカッコ付けていたアンタ。物凄く良かったわよ?あまりにも滑稽で吹き出しそうになるのをこらえるの、大変だったわ」

 

八幡「ギャアアアアアアアアアアアア!」

 

鏡を見なくてもわかる。顔がめっちゃ熱い。

俺は今、誰の目から見ても顔が真っ赤になっていることだろう。

 

八幡「恥ずかしい!穴があったら入りたい!いやむしろ俺を殺して!そうだ!ゲッターだ!ゲッター貸して!この黒歴史をレクイエムで消す!いや、むしろケネディ宇宙センターまで行ってオーバーヘブンだ!」

 

静「待て。黒歴史を消すためにレクイエムを使ったりオーバーヘブンをやろうとするんじゃあない。明らかにやりすぎだっつーの」

 

徐倫「ハッチ!メッ!」

 

( ‘д‘⊂彡☆))Д・) ペチッ!

 

なにこのカワイイビンタ。

そして徐倫からのツッコミが癒される。

 

徐倫「何だか知らないけどアーシスも頑張った!ハッチも頑張った!だから徐倫からのご褒美♪イイコイイコ」

 

おっふ……これは良い……。

これで今夜も安心して眠れる……。

 

ジョセフ「仗助も徐倫も良く頑張ったのう。パパやひいおじいちゃんからもご褒美じゃ。イイコイイコ」

 

仗助「うおっ!止めろジジイ!俺はテメェを親父と認めてねぇ!髪が乱れるだろ!」

 

徐倫「おじいちゃん………うん!あたし、頑張った!」

 

クイクイッ

 

いろは「?」

 

不意に袖を引かれ、下を見るいろは。

見ると宮内れんげがいろはを見上げていた。心なしか寂しそうに見える。

 

いろは「れんげちゃん?」

 

れんげ「れんちょんと呼んで欲しいのん……いろはす」

 

いろは「いろはすって……わたし、ねぎじゃあなかったんですか?れんちょん?」

 

れんげ「いろはす……なっつんに声が似てるのん…」

 

いろは「なっつん?」

 

忍「れんちょんの故郷の友達よ。確かにいろはちゃん、よく聞くと夏海ちゃんに声が似てるわね。いろはちゃん、何人目?」

 

あー……声がそっくりさん、何人もいるからなぁ。特にいろはの場合。

 

れんげ「今はうち、なっつんと離れて暮らしてるん…鬼やインベーダーを倒すまでは帰れないん……」

 

寂しいんだな……れんちょんは…。

ジジイに可愛がられてる徐倫を見て、自分も誰かに甘えたくなったんだろう。

声が似ているいろはに故郷の誰かを重ねて、誰かに頑張ったと言ってもらいたいのだろう。

いろははれんちょんの気持ちを察したのか、れんちょんを抱きしめ、その頭を撫でる。

 

いろは「れんちょん。頑張りましたね。エライエライ」

 

れんげ「ありがと……いろはす……うう……」

 

何だかんだと言っても、まだ小学校低学年の子供だ。

 

隼人「やれやれ………たまには休暇を与えて故郷に帰してあげんとな」

 

忍「地獄を見せすぎなのよ。あんたや早乙女博士は。たまには休暇をあげなさいよね?あんたも、たまには光や詩織ちゃんに顔を出してあげなさいよ。きっと心配しているわよ?」

 

若忍「そうね。口調、上手く変えられるかしら?久々過ぎて錆び付いてそうよ」

 

忍「ああ、あちしもあの頃は光にはまだ自分がオカマだって事を隠していたかしら?大丈夫よ。どんなあんたでも、光なら受け入れてくれるわよ」

 

若忍「あんた……まさか……光ちゃんと……」

 

忍「あちしの過去に囚われる必要は無いわよ。現にあちしの世界にはゲッターなんて無いもの。あんたが誰を選ぶかは、あんたの自由よ」

 

1800年前の英雄の中には、多分忍さんの事を想っていた存在もいただろう。どんな未来を選ぶかは、仗助や忍さんの自由だ。

何度も言うが、たらればの数だけ平行世界は存在するのだから……。特に特異点である忍さんは、その可能性がいくつもある。

見れば早乙女博士もさりげなく元気の頭を撫でていた。

 

弁慶「けっ!徐倫は俺の娘なのによ!ほうれ小僧……俺からもナデナデ進呈だ。遠慮するな……オラオラオラオラ」

 

弁慶さんは娘を実の曾祖父に取られてヤキモチを妬いている。あの……だからって俺に当たらないでくれる?

スター・プラチナバリにオラオラナデナデするんじゃあない!禿げる!

 

八幡「おー親父も頑張ったなぁ!武蔵坊弁慶にはあんたがなれ!無駄無駄無駄無駄無駄」

 

互いに煙が出るほどナデナデし合う俺と弁慶さん。本当に禿げそうだ。

 

貂蝉「これで一件落着かしら?やっとわたしもゆっくり眠れるわよ。そう出来るかどうかは新ゲッターチーム次第だけど」

 

貂蝉さんは軽くため息をつく。

 

仗助「オカマのおっさんもありがとな。最初ゲッタードラゴンで現れた時はまたバット将軍が現れたかと思ってよぉ」(共にCV穴子さん声)

 

貂蝉「ストナァァァァァァ!サァァァァァンシャイィィィィィィィィン!」

 

確かににている。

 

仗助「うおっ!止めろよ!あれは軽くトラウマになってんだからよぉ!」

 

貂蝉「冗談よ冗談♪このわたしがあなたと会えるかどうかはあなた達次第よ♪もしこの時代でまた会えたら、1800年前に預かった物を返すわ」

 

仗助「あ?返すもの?」

 

貂蝉「そ・れ・は……秘密♪今はまだ必要ないわ。今はね?それじゃ、再見!」

 

貂蝉さんはそのまま消えていく。

彼が乗ってきたゲッタードラゴンもまた、消えていった。再び真ゲッタードラゴンと1つになったのだろう。

 

仗助「濃いおっさんだったな………」

 

れんげ「だるまが喋ってたのん……不思議なのん……」

 

だるまじゃあ無いから。

さて………。

 

ヴァレンタイン「さて、我々も帰るとしようか」

 

ジョセフ「やれやれ……少し調べ物をしていくだけのつもりがとんだ大冒険じゃったわい」

 

八幡「あの真空管ハゲ、いつかシバく……」

 

俺じゃあ敵わないけどな。

 

れんげ「いろはす………」

 

いろは「名残惜しいですけど、さよならですよ?れんちょん?」

 

れんげ「ぐす…………また、会える?」

 

いろは「…………いつかは」

 

会える保証は無い。だが、会えたら良いな?

 

れんげ「待ってるん………うち、ずっと待ってるん!」

 

れんげはグシグシと泣く。

 

仗助「もう、帰るのかよ………」

 

ジョセフ「おお、そうじゃ。仗助、お前さんは徐倫を連れてホリィに会いに行ってくれんか?承太郎や徐倫の安否をホリィは心配しとるはずじゃ」

 

仗助「ホリィ?」

 

静「承太郎おじさんのママで、私達のお姉ちゃんだよ。承太郎おじさんやパパ、徐倫お姉ちゃんがいなくなって寂しい思いをしてると思うからさ」

 

ホリィさんか………。

 

ジョルノ「…………」

 

ジョルノは隼人さんに何やら耳打ちをしている。多分、この世界のジョルノの事だろう。なんせ隼人さんは悪い表情をしているからだ。新しいゲッターのパイロット候補にするつもりか?

 

ヴァレンタイン「それでは………ドジャァァァン!」

 

さらば!ゲッターの世界!

 

←To be continued




今回はここまでです。
次回は少し未来の話となりまして、その後のこの世界のエピローグを2パターンお伝えしたいと思います。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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