side比企谷八幡
傾国の美女、貂蝉の救出と保護かぁ………。ジョルノの奴、嫌な任務を俺に与えやがって。
いろは「どうせ平安美人ですよ。昔の人と今の人の美的感覚は違うんですから」
ぷく~………。
いろはが盛大に頬を膨らませてむくれている。
なにこの嫁。むくれていてもカワイイとか反則なんだけど。
もう貂蝉とかどうでも良いからお持ち帰りして良い?この間のネコハスも良かったよなー……。また膝の上でゴロゴロしてもらいたいし、顔中をキスマークにしてもらいたいし、ペロペロしてもらいたい。
うん、また今度、催眠術をやってみよう!そうしよう!
ジョセフ「八幡。声に出ておるぞ?現実逃避をしたいのはわかるが、貂蝉を探さねばならんことには変わりは無いから諦めるんじゃな」
いろは「…………」
見ると顔から蒸気が出るのでは無いかと言うほど顔を真っ赤にしたいろはがいた。反対に小町は冷めた目を俺に向けている。
小町「猫町なら小町がいつでもやってあげるよ?」
や、猫町は俺の頭で寛ぐだけじゃん?
八幡「いろはの言うとおり、平安美人だとは思うけどな」
もちろんこれは嘘。
ゲッター線と1つになっている女版の三國(演義)英雄の姿を見たわけだが、偉い美少女だった。
総武高校の連中に匹敵するレベルの美少女。それもタイプ別で。
いや、俺にはいろはがいるから惑わされないけど(嘘つけ!)、もしいろはがいなければ思わず告白して振られるまであるレベルの美女美少女の集団だった。
その上で傾国の美女、貂蝉だなんてどのレベルの美女なのか想像もつかん。
劉備『そこまで誉められると普通ならば照れるんだけど……』
張飛『その腐った目の男に言われると気持ち悪い!』
関羽『この身がゲッター線で無ければ斬っていたぞ!』
あれ?なんだろう。目から汗が吹き出る。
や、確かに仗助も忍さんもイケメンの類いだから仕方がない。女性受けが良いのは悔しいが認めよう。
でもさ、ここまで言われるのはちょっと酷くない?
目か?目が腐っているから悪いのか?それとも性根が腐っているから?
ま、いっか。いろはがいれば俺には何も要らん!
俺にとってはいろはこそが絶対無二の傾国の美女なんだ!
劉備『う、うん。下心が無いのが一番だと思う』
張飛『お決まりのお姫様を期待していたらショックを受けると思うから……』
関羽『一人の女を愛するのが一番だ……』
………何でゲッター線の女達はこっちから目を逸らしてるの?
まぁ、良いけど。
八幡「………という訳で、その貂蝉を探しているわけだが………」
スマホがダウンしています。
それはそうだろうな。ただでさえ異世界だから携帯が契約されている訳でもなし、しかも1999年のこの時代はスマホなんて物は存在していない。
それどころかガラケーだってやっと着メロが5和音出せるとかそういうのが画期的と言われていた時代。
着メロだってメロディ本を片手に自分で手打ちしていたレベル。
インターネットに接続?ゲームアプリ?パズ○ラ?モン○ト?
ふ……そんなものは存在しない!
今では信じられないと思うが、この時代はインターネットと接続できる物はパソコンオンリー!
しかも今でこそ当たり前のインターネットは、一部のマニアくらいしか使いこなせない代物だったんだよ!
ゲーム機?ゲームボーイがそろそろカラーが出る頃かなぁ?
プレイステーション?2が出るか出ないかの時代だったね?セガが現役だったし。
何が言いたいのかと言うと……。
八幡「Go○gleマップが使えねぇ!」
ということである。
文明の利器に助けられていたんだなぁ。
ハーミット・パープルの高性能さはインターネットの力があってこそだったんだなぁ………。
ごめんね?G○ogleマップ!自分、今まで調子に乗ってました!今まで物捜しがスムーズだったのは先生があってこそだったんですね!?
自分の念写の力の力を過信してましたぁ!だってずっとnowreading状態なんだもん!
必要になる地図が出てこないんだもん!
そりゃそうだ!この時代にはまだ先生が誕生してないんだから出てくるわけないわ!
八幡「やべぇ!ハーミット・パープルが使えねぇ!ジジイ、どうする!?」
小町「一度退化したから、調子が悪いんじゃあないの?」
八幡「そんな事はない。事実、昨日のいろはの入浴なら目を瞑っても念写できている」
念写っと♪
そこにはバッチリといろはの入浴画像が写っていた。
チョンチョン♪
ん?
ドドドドドドドドドドドドドドド
振り向くといろはが般若になっていた。
いろは「この非常時になにやってるんですか?もっとマシな試し方がありましたよね?」
ヒィィィィィィ!鬼ぃぃぃぃ!恐竜帝国だけじゃあなく、百鬼帝国(ゲッターGの敵)まで現れたのかぁ!?いろはは胡蝶鬼(百鬼帝国の女幹部)だったの!?
ビビビビビビビビビビビビ!
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
ジョセフ「何をやっとるんじゃこのアホは……。念写が使えんじゃと?なぁに。簡単じゃわい」
ジジイはダウンロードしていた地図を起動させ、そしてそこにハーミット・パープルを絡ませる。
なるほど。その手があったか。
ジョセフ「いつでも電波があるとは思わん事じゃな。例えスマホが使えたとしても、ここまで街が破壊されておったら電波など届かんわい」
確かに。
これまでは芥子畑を潰すときとかでも電波が常に在るところに行っていたわけだが、ここまで街が破壊されていたならば電波が入るとは思えない。
将来的には承太郎の仕事を引き継ぐ事を考えれば、そういう場所に行くことも考慮しなければならない。
ジジイはエジプトまでの旅を経験したことがあるが故の処置だろう。
当時のエジプトまでの旅でも電話1つで苦労したジジイの経験から地図のダウンロードが必要だと感じたからかも知れない。
戦いにおける年季の違いを思い知らされたな。
ジョセフ「……………」
八幡「どうだ?ジジイ」
ジョセフ「地図が2016年のマップだからかのう?反応が悪いわい」
八幡「………感心した俺が馬鹿だったよ」
俺の感心を返せ!
ジョセフ「待たんか。さしものワシだって1999年の駿河の地図なんてダウンロードせんわ!必要とも思わんじゃろ!」
………確かに。
ジョセフ「まぁ待て。他にも手はあるわい」
本当だろうな?
今度は戦闘によって瓦礫と化した交番跡に入り、ビニールで覆われた近辺の地図を広げる。
確かに地域に密着した交番ならば、この辺りの地図を持つのが当然だろう。
ジジイは指を傷付け、その地図の上に血を垂らす。
ジョセフ「ハーミット・パープル!」
バリバリバリバリ。
血の滴が2つに割れ、それぞれの位置に動く。
ジョセフ「インドでは灰を使ってやった手段じゃ。最初から地図がある分、こっちの方が楽じゃがな」
なるほどね。そういう手段があったか。ジジイはその地図を写メで撮影する。そう言えば写メもこの時代ではオーバーテクノロジーなんだよな。
翌年には市場に出るけど。
ジョセフ「ボサッとしとらんでお前もその場所の念写をせんか」
おおっと。ジジイに怒られてしまった。
俺はその場所を写メで撮る。うーむ……いかにもな雰囲気の廃ビルって感じだな……。
その地下にでもいるのか?
さぁて、行くか。囚われの絶世の美姫が待つお城へと。
キングクリムゾン!
………うわぁ。
ここも戦いの余波を受けており、あちこちにメかザウルスの残骸が転がっていた。
こりゃ復興に時間がかかりそうだ。
仗助がいれば直りそうだけど、あいつはそういうのにスタンドの力を使うかなぁ……。
八幡「考えても仕方がないか。さて、小町ぃ。殿は任せて良いか?」
背後から襲撃を受けるのが一番怖い。最大の戦力を殿に任せるのが一番だろう。
いろは「絶世の美女を助けに来た王子様を気取る気ですか?キモいんですけど……」
八幡「だから違うって言ってるだろ。何ならその役目はジジイに譲るとまである」
どうせ仗助や忍さん関係者だと思うから、仮に俺に下心があっても空振りに終わる。
相手がスタンド使いでもない限りは俺に対する女性の好感度なんて無いに等しい。なんならゼロとまで言える。
あ、また目から汗が………。
ジョセフ「ワシにか?まぁええんじゃが」
八幡「俺が行ったところで悲鳴をあげられて終わる。どうせ助けてもらうならシブイジジイの方が良いんじゃね?」
俺達は廃ビルへと突入する。
あれ?人がいる気配はするのに、抵抗らしいものが全くない。
敵の幹部らしい人物がわざわざ捕らえたと言うからには重要な人物だと思うのだが………。
ジョセフ「おかしいのう。爬虫人類からの抵抗が全くないのじゃが……」
静「私もそう思った………何かおかしくない?」
八幡「罠とかを警戒するところではあるが、そういう殺気も全く感じない………というか、悲痛な感情をひしひしと感じるんだが………」
いろは「貂蝉さんの気配なんですか?」
小町「うーん………女の人の気配なんて感じないけどなぁ………」
それでも慎重に進む俺達。
複数の人間の気配を感じる部屋のドアの前まで進むと、これまでに感じた事のない強烈な闘気を感じた。
ジョセフ「気を付けろ……バケモノ級がおるぞ……」
小町「嘘でしょ?小町が恐怖を感じるくらいの気配だよ!これ!」
八幡「場合によってはレクイエムが必要なレベルだな。この気配の持ち主は……」
静「ウルフス級ね……」
慎重にドアに手をかけようとするジジイ。だが、まずい!相手もこっちに気がついている!
八幡「ジェムストーン・ザ・ワールド!時よ止まれ!」
先制を許すわけにはいかない。
俺は時を止め、ジジイとジョジョを抱えてドアから離れる。
八幡「そして時は動き出す………」
ドオオオオオン!
ジョセフ「助かったわい……八幡」
モクモクモクモク………ドアが吹き飛ばされ、埃が立ち込める。
そこに立っていたのは………
アーシス一同「…………」
は?
何、こいつ。爬虫人類じゃあ無いようだが、その出で立ちが……何というか………見てはいけない何かだった。
まず、筋肉隆々の体格だった。
毛髪が無いのにも関わらず、お下げだけはあり、何故か三つ編みにされていた。
いかつい顔には化粧が施され、カオスが更に加速されている。
何より格好がヤバい。
何がヤバいってピンク色のブーメランパンツだ。
ハゲでお下げで筋肉隆々の親父が化粧をしていてピンク色のブーメランパンツをはいているんだ。
わかるか?このおぞましさが?
奇抜な格好をするのがデフォルトの俺達からしてもドン引きせざるを得ないこの親父……。
視覚で既にこっちは再起不能になりそうなのに、この親父の闘気ときたら波紋の戦士が束になっても敵わないと思わせるほどの物を持っている。
ジョセフ「貴様……敵を油断させる為の変装か?やるなろもう少し上手くやるんじゃな。ワシが若い頃にやったテキーラ娘の方がまだマシじゃわい!」
八幡「どっちもどっちだ……せめて伊集院さんの男装くらいまでのレベルになってからそれを言え。まだ俺が女装した方がマシなまである!」
小町「ごじいちゃんとゴミぃちゃん……」
おぞましいものを見ている時に追い討ちをかけるんじゃあない!
あと小町!さりげなくゴミぃちゃん言うな!
心の汗がまた目から出るじゃあないか!
キモ親父「あらぁ?中々の闘気を持つ人達が現れたわねぇ。正史の影に埋もれていた伝説の波紋の戦士という奴かしら?まさか波紋の戦士をこの目で見るなんて思わなかったわぁん?」
ジョセフ「この男……まさか波紋の事まで知っておるとはな……何者じゃ?ワシらは貂蝉という者を救出に来たのじゃが……」
キモ親父「あらぁ?何よ何よ。敵だと思っていたら、味方だったのね?久し振りに手応えのある闘いを楽しめると思っていたのに、残念だわ」
ああ……この親父は味方だったと言うことね?
俺はキモ親父から警戒を解かず、ジジイに中に入るように促す。
………が、聞こえてきたのは………
ジョセフ「な、な、何じゃこれはぁぁぁぁ!」
ジジイの悲鳴だった。
どうした?わりと騒がしいジジイだが、こうも緊迫した状況でこんな大声をあげるなんて……
静「どうしたの!?パパ!」
ジョセフ「どうしたもこうしたもないわ!うぇぇ!ショッキングな物を見てしまったわい!」
静「…………うっぷ!」
後から入ったジョジョが顔を青くして出てきた。
八幡「どうした?美姫の無惨な姿でもあったのか?」
静「それは無かったけど……爬虫人類の無惨な姿があった……具体的には海老名が好きそうな状況が……」
は?
八幡「悪い。もう一度言ってくれる?誰が好きそうな状況があったって?」
静「海老名だよ、海老名!」
ゾワワワワワワ!
何がこの部屋で行われていたか、理解したくないけど理解してしまった。
八幡「貂蝉さんは?」
キモ親父「いるわよ?それもピンピンして」
八幡「どこにいる?あんたが味方だという保証はどこにある?」
キモ親父「あらぁ?あなた、助けに来た相手の姿を知らずに来たのかしら?目の前にいるじゃない」
八幡「は?」
今度こそ耳を疑った。
ええっと………俺達が助けに来たのは三國志でも有名な傾国の美女である貂蝉さん……だよな?
悪莱天韋をオカマにしたような人物を助けに来た訳じゃあなかった筈だよな?
貂蝉「だ・か・ら、アタシが貂蝉よ。あらぁ?あんた達全員に仗助と同じ星形の痣があるじゃないの。あんた達、仗助の関係者ね?懐かしいわぁ♪」
…………………………
嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
俺達は絶世の美女ではなく、ジジイすらも舌を巻く絶世の変態、貂蝉と出会った。
見た目の事では滅多に動じない俺達ジョースターを驚かせるなんて………貂蝉さん、恐るべし……。
つうか、今更だけど何で1800年前の人物が生きてるの?
←To be continued
はい、今回はここまでです。
恋姫無双の貂蝉がどういう人物か、恐れを知らない方はググって下さい。
女装ジョセフとどちらがマシかは個人の趣味ですね。
導かれし小道に飛んでいかないことを祈ります。
心臓が弱い方はお控えください。
それでは次回もよろしくお願いいたします。