やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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クレイジー・ダイヤモンドとゴールド・エクスペリエンス

side静・ジョースター

 

なに?このピリピリとした空気!

上空を見上げると、お兄ちゃんが乗ったゲッターと対峙している恐竜帝国のゲッターの腕に凄まじいエネルギー量のゲッター線が集まっている。

あの量のゲッター線はヤバイ!というか、敵のゲッターがあれを使うの!?

数多の超機大戦で最強クラスの必殺技として君臨してきたあの真ゲッターの………

 

バット将軍「ストナー…………サンシャイン!」

 

静「お兄ちゃん!避けてぇぇぇぇぇ!」

 

チュドオオオオオオオン!

 

静「おにい…………ちゃん………」

 

グググ…………

よくも…………よくも…………よくもよくもよくも!

 

静「モリオォォォォォン!」

 

アクトンが私の呼び掛けに応えて水晶(クリスタル)から黒水晶(モリオン)に変わる。

世界が黒に塗りつぶされる。

これだけのゲッター線が漏れているならば、矢が無くてもレクイエム化なんて簡単に出来る!

というか、さっきまでレクイエム化しないように必死に我慢してたまであるんだ!

 

静「こんな時こそ役に立ってもらうよ!レクイエム!」

 

私は敵のゲッターを睨み付ける。

 

静「恐竜帝国のゲッターが、この世に存在するなんて…」

 

ジョセフ「待つんじゃ。モリオンが成すべき事は敵のゲッターを倒すことじゃあない」

 

静「邪魔をしないで……パパ。私はお兄ちゃんとジョルノ兄さんの仇を取るんだ……」

 

ジョセフ「間抜けが。仇を取る以前に仗助を助けんか。優先順位を間違えるんじゃあない」

 

ハッ!そうだった!なに勝手に殺してるんだっつーの。

 

静「命拾いしたね?クソゲッター」

 

私は力の矛先をボロボロになったお兄ちゃんが乗る新ゲッターに向ける。

 

静「三國志の英雄!お兄ちゃんの為にその鎮魂の力を貸しなさい!新ゲッターが撃墜されたなんて、誰が決めたぁぁぁ!」

 

どう見ても完全に破壊された新ゲッター。だけど、その新ゲッターが明滅し、ボロボロだけどまだ動けるという状態で再生される。

超機大戦で言うところのHPが10だけ残った状態って感じだね。

新ゲッターは煙を吹き上げながら、地面に落ちる。

 

静「ぐぅ!ごめん……お兄ちゃん。ここまでが限界だよ………」

 

死をねじ曲げる……そんな強大な力を使った為か、早くもモリオンがクリスタルに戻る。

でも、恐らくは助からなかった新ゲッターを、瀕死ながらも助ける事が出来た………。

 

静「于吉と佐慈………絶対に許さない。もし生きていたら、私が蹴りを付ける………ぶっ殺す!」

 

お前にも味あわせてやる………ゲッター線の進化がもたらすレクイエムの恐ろしさを………その時までは、モリオンの力を温存しておこう。

 

静『そうだよ?私………お兄ちゃんを……お願いね?』

 

ゲッターの意思から、この世界の私の声を聞いた気がした。

 

静「生きている……?この世界の私も、ゲッター線と共に……?」

 

良いよ。あんたの代わりに、私が守るよ……。ゲッターに乗れなくてもね。

 

 

side東方仗助

 

仗助「く………何だったんだ………あれは……」

 

ジョルノ「首の皮1枚で助かったようですね………」

 

仗助「だが、ゲッターも俺達もボロボロだけどな……」

 

ゲッターはあちこちが壊れ、パイロットの俺達も生きているのが不思議なくらいにボロボロだ。

それだけストナーサンシャインの凄まじさがわかる。

 

ジョルノ「ごはっ!」

 

ジョルノが吐血する。

そうだな………俺はもう助からねぇかも知れねぇが、コイツらだけでも………

 

仗助「…………忍、れんげ………生きてるか?」

 

若忍「最悪……死んだ方がましなレベルよ……」

 

れんげ「うち、天国のねぇねぇがおいでおいでしているのが見えたんなー………」

 

仗助「へ………しぶとさだけは立派だな………今治してやるからな………クレイジー・ダイヤモンド……」

 

クレイジー・ダイヤモンドでジョルノと、ジャガー号の忍、ベアー号のれんげを治す。

へへへ………これで死ぬのは俺だけで済みそうだぜ。

 

ジョルノ「仗助さん!忍さん!仗助さんに変身して下さい!仗助さんのクレイジー・ダイヤモンドは自分を治すことは出来ないんです!」

 

若忍「仗助に?何故よ?」

 

ジョルノ「忍さんの能力は変身した相手の能力もコピー出来るんです!仗助さんに変身すればあなたが仗助さんを治すことが出来る!僕の能力は正確には治療ではありませんし、時間もかかる!肉体のパーツを作るにはゲッターのパーツを使うしかない!でも、あなたがその方法を使えば助かるんです!未来のあなたはそれが出来ていた!あなたも出来るはずなんです!」

 

若忍「そう言うことね!考えた事もなかったわ!クレイジー・ダイヤモンド!」

 

グレート。

やるじゃあないかよ。ジョルノよぉ。

初めてクレイジー・ダイヤモンドで治される感覚を味わったぜ。

でもよぉ、命が助かっても、肝心のゲッターがこの状態じゃあよぉ。

 

ジョルノ「仗助さん。あなた、自分の能力を忘れているんですか?ふざけているのはあの山伏姿の普段着だけにしてください」

 

仗助「ああ?」

 

ジョルノ「何の為のクレイジー・ダイヤモンドなんですか?死んだものと、自分以外を直せるのがあなたのスタンドじゃあ無いですか。ゲッターはあなたの半身かも知れませんが、あなた自身ではありません」

 

そうだったぜ。俺はゲッターを自分自身の感覚で扱っていたから、ついつい直せないと思っていたぜ!

 

仗助「そうか。俺が無事ならば、死なねぇ限りはゲッターも忍もれんげも無敵なんだよなぁ!」

 

ジョルノ「何を悠長にしているんです?仗助さん。敵のゲッターが降りて来ますよ!」

 

仗助「慌てるなよ。それよりもオメェのスタンドの能力を教えろよ」

 

ジョルノ「僕のスタンド……ですか?」

 

仗助「ああ。オメェ、言ったよな?ゲッターの意志が、オメェが地上のアーシスと一緒にせずに、このイーグルに残した事には意味があるってよぉ」

 

確かにこいつは言った。ゲッターの意志がこいつをイーグルに残した事に意味があると。

さっきまで俺はこいつがアドバイザーのような感じでここにいると思っていたけどよぉ、それだったらこいつじゃあ無くてもアーシスの誰でも良かったはずだぜ。

それこそジジイとか(といっても、ジョースターのジジイが竜馬さん並に強いなんて初めて知ったけどよぉ)、いろはとか、小町とか、静とか、八幡とかよぉ。

 

ジョルノ「確かに僕は波紋の戦士のように強くはありませんが………僕の能力は…………」

 

そこで俺はジョルノの能力を聞いた。

何だよ………簡単だったじゃあねぇかよ。

こいつさえいれば、ここまで苦労することは無かったのかよ。

 

仗助「良いかジョルノ……もう俺の中ではひっしょーの作戦って奴が出来上がったんだよ。確かに意味があったよな?お前がイーグルにいる意味がよぉ」

 

ゲッターザウルスがボロボロの新ゲッターの前に降りて来て、ゲッターの首を掴んで持ち上げる。

 

バット将軍「ストナーサンシャインを受けてまだ生きているとはな。流石はゲッターだ。だが、肝心のゲッターがこんな有り様では、ストナーサンシャインで死んでいた方がまだ幸せだったのではないか?」

 

確かに今のゲッターは四肢がもげ、どうやっても動けない状態だ。機械系も完全に死んでいる。

どうあがいてもそっちの勝ち……だからこそこんなに近くまで来たんだろ?

敢えて直さなかったんだよ。ジョルノの能力を知ってからはなおの事なぁ。

この瞬間の為によぉ!

のこのことスタンドの射程に入ったことがよお、オメェの失敗だったんだよ!

 

仗助「俺達の勝ちだぜ!ゲッターザウルス!」

 

スタンドのラッシュがゲッターザウルスを殴る。

 

バット将軍「また見えない攻撃か。それが通用しないことは先程のやり取りでわかっていたはずだ。所詮は無駄な足掻きよ」

 

仗助「俺達のゲッターもよお。まだ終わってねぇぜ!」

 

バット将軍「四肢がもげ、ピクリとも動けなくなったそのゲッターに何が出来る?」

 

確かに何も出来ねぇな?

今の状態じゃあよぉ!

けどよぉ………テメェは知らねぇよな?クレイジー・ダイヤモンドの真の力をよぉ!

 

仗助「とっとと止めを刺しておけば良かったって後悔しやがるんだなぁ!クレイジー・ダイヤモンド!」

 

俺はゲッターをクレイジー・ダイヤモンドで直す。

見るも無惨に汚れきっていたゲッターが、ピカピカになる。それだけじゃあねぇぜ?

 

ドカドカドカドカ!

 

吹き飛ばされていた手足やトマホークがゲッターザウルスを殴り飛ばし、ゲッターにくっつく。

 

仗助「自分自身の体を使った俺のオールレンジ攻撃だぜ!どうっスかぁ?俺のクレイジー・ダイヤモンドはよぉ!正真正銘の無敵のゲッターだぜ!」

 

パワーだぁなんだに拘っていてよぉ!戦いっつーのは機転が大事だって事をよぉ!忘れていたぜ!

 

于吉「バカな………新ゲッターにそんな能力はないはずです………」

 

佐慈「そのゲッターにはゲッター線の意思を顕現する力はない!真ゲッターでも乗り移ったのか!」

 

仗助「第2ラウンドだ!」

BGM「DRAGOON」

 

仗助「ゲッタートマホーク!」

 

新品同様に直ったせいか、ゲッターの調子は良いぜ!

 

バット将軍「小癪な!そのゲッターのパワーが通用しないと何度やればわかる!」

 

確かにこのゲッターとゲッターザウルスとではパワー敗けをする。

ゲッターザウルスはトマホークでゲッターの攻撃を受け止め、押し返し、そしてゲッタービームを直撃させる。

また壊れるゲッター。けどな……

 

ジョルノ「そんな事をしても無駄なんだ。無駄無駄」

 

そう。どんなに……そして何度ボロボロにされてもよぉ、ゲッターにはこの東方仗助が乗ってるんだよぉ!

 

バット将軍「何故だ!何故何度倒しても復活する!」

 

仗助「流竜馬さん相手の方が良かったかもなぁ?竜馬さんにはクレイジー・ダイヤモンドはねぇんだからよぉ」

 

流竜馬さんじゃあ出来ねぇ、俺だけのゲッターの戦いかただぜ。

俺は自分自身は治せねぇが、ゲッターならばいくらでも直せるからよぉ。

 

仗助「それだけじゃあねぇぜ?クレイジー・ダイヤモンドの力はよぉ!今、テメェが立っている場所はどこだ?」

 

忍、れんげ。おめえらの苦戦も無駄じゃあ無かったぜ。

ここは………

 

若忍「ここは………ゲッター2とゲッター3が戦った場所?」

 

れんげ「うちがミサイルを射った場所なんなー」

 

そう。あのとき、ゲッターザウルスのミサイルを叩き落としたのは…………

形兆との戦いの時にもやったよなぁ。この攻撃はよぉ!

 

仗助「クレイジー・ダイヤモンド!」

 

地面からミサイルが復活し、ゲッターザウルスを直撃する。

ストロングスピリットミサイルを叩き落としたのはクレイジー・ダイヤモンドだ。だから直して使うことが出来る。

 

仗助「グレート!こっちに飛んできたらどうしようかと思ったぜ」

 

若忍「当てずっぽうだったの!?危ないわねぇ!」

 

仗助「こっちに飛んできたら、また直せば良いだけだったからなぁ!」

 

れんげ「だんだんリョウちんの適当さが伝染してるんよ!」

 

仗助「もう勝ちは確定してるんだ!少しはやり返さねぇとなぁ!」

 

バット将軍「勝ちは確定しているだと?バカめ!ならば今度は最大出力でストナーサンシャインを射てば良いだけよ!塵からも復活するわけではあるまい!」

 

仗助「やってみろよ!出来るものならばなぁ!」

 

流石にストナーサンシャインを最大出力でやられれば、新ゲッターでも塵すら残さねぇだろう。

けどな、今のゲッターザウルスにゲッター線を最大出力で撃つことは出来るかな?

 

于吉「警告アラーム!?」

 

佐慈「バカな!ダメージは微々たる物のハズ!」

 

バット将軍「なに!ゲッターザウルスの装甲が……溶けている!」

 

佐慈「何をした!東方仗助!」

 

俺は何もしていねぇぜ?何かしたのは……

 

ジョルノ「お前達が不用意に近付いたあの時、スタンドのラッシュを叩き込んだのは僕のゴールド・エクスペリエンスだ」

 

ゲッターザウルスがストナーサンシャインを使った直後、不用意に近付いた時に叩き込んだスタンドのラッシュ。あれはクレイジー・ダイヤモンドじゃあない。ジョルノのゴールド・エクスペリエンスだ。

 

ジョルノ「ここまでの大きな物に能力を使ったのは初めてだったからね。効果が出るまで時間がかかってしまった。僕のスタンド、ゴールド・エクスペリエンスは無機物から生命を作ることが出来る能力だ。その能力で、ゲッターザウルスに生命を与えた」

 

そう、ジョルノのゴールド・エクスペリエンスによってゲッターザウルスは徐々にロボットから生命へと変わっていっている。

 

ジョルノ「ゲッターザウルスはお前達と同じになる。ゲッター線が弱点の爬虫人類にね。これでゲッターザウルスは正真正銘、恐竜帝国の一員だ。もっとも、すぐに死ぬけどね」

 

そうだな。何故なら………

 

ジョルノ「皮肉だな。お前達の切り札だったゲッターザウルスの強力なゲッター炉。それが自らを滅ぼすなんてな。もっとも、可哀想だとは思わない。ゲッター線が弱点ならば、欲をかくべきじゃあ無かったんだ。諸刃の刃と分かっているならば、ゲッターザウルスを封印するべきだったんだ」

 

仗助「それでもゲッターザウルスやゲッタードラゴンを引きずり出してきたってことはよぉ、覚悟があったって事だよなぁ!?そのゲッター線で滅びる覚悟がよぉ!」

 

徐々に生命体へと変わるゲッターザウルス。そのゲッターザウルスから出されるストナーサンシャインの溜め。爬虫人類となろうとしているゲッターザウルスにとって、これはまさに自殺行為。

いや、ゲッター炉という毒そのものが心臓であるゲッターザウルスの命は、既に生まれたと同時に死が確定していた。

 

于吉「撤退ですね。佐慈」

 

佐慈「くそっ!忌々しいぜ。あばよ、バット将軍。まぁ、そう言うことだ」

 

バット将軍「待て!逃げるな!」

 

チッ!佐慈と于吉はオーパーツ円盤に逃げて行きやがった!が、切り札のゲッターザウルスはここで終わりだ。

 

バット将軍「せめて………せめて共に死ねぇ!ゲッターロボぉ!ストナー!サン!シャイィィィィィン!」

 

中途半端なストナーサンシャイン。

だが、狙いは眼下の新ゲッター。俺達が避ければストナーサンシャインは地表に辺り、この近辺を吹き飛ばす。

やるっきゃねぇか!

 

仗助「ゲッタービィィィィィィム!」

 

くぅ!やはりゲッタービームじゃあいくら小型でもストナーサンシャインの力を抑え込めねぇ!

ここまで………か。

 

若忍「諦めるなんてらしくないわ!」

 

れんげ「ゲッターの力を信じるんなー」

 

仗助「………そうだな。ゲッターの力を信じるんだ!」

 

3つの心が1つになった。すると、ゲッターはそれに応えるようにゲッター線で包まれる……。これは……。

赤いゲッタービームが、緑色に変化する。このパワーならば………

 

仗助&若忍&れんげ「ファイナル・ゲッタァァァァァビィィィィィィム!」

 

ファイナルゲッタービームがストナーサンシャインを押し返し、上空へと消える。

 

仗助「終わりだぜ!ゲッターザウルス!」

 

このゲッターの力なら……。

 

仗助「トマホォォォォォォォゥゥゥゥゥゥク!」

 

ゲッタートマホークを取り出すと、トマホークにゲッター線が集まる。グレート!このゲッタートマホークならば!

 

仗助「グレートに真っ二つにしてやらぁ!ドラララララララララララララララララァ!ファイナルゲッタァァァァァァ!トマホォォォォォォォゥゥゥゥゥゥク!」

 

宣言通り、ファイナルゲッタートマホークがゲッターザウルスを真っ二つに切り裂く。

苦戦させやがって………このダボがぁよぉ!

 

バット将軍「バカなぁぁぁぁ!無敵のゲッターザウルスが、ゲッター線で自滅などとぉォォォォォ!」

 

チュドオオオオオオオン!

 

仗助「忍!れんげ!」

 

若忍「天魔!」

 

れんげ「伏滅!」

 

グレート!決まったぜ!

 

仗助「決める時は決める男、東方仗助と呼んでくれよ!ジョルノよぉ!」

 

ジョルノ「承太郎さんがいたらこう言うでしょうね。ヤレヤレだ………と」

 

今度こそ残るはあのオーパーツだ!

待ってろよ!佐慈、于吉、そして帝王ゴール!

 

←To be continued




はい、ゲッターザウルス戦が終了です。
ここで技の紹介。

ファイナルゲッタービーム
名称は真ゲッターと真ドラゴンの合体技から拝借をしたものだが、新ゲッターにもある不思議パワーを纏ったゲッタービーム。
通常は赤いゲッタービームだが、真の力を引き出したこのゲッタービームは青緑色。

ファイナルゲッタートマホーク
同じく名称は真ゲッター&真ドラゴンの合体技から。
惑星をも切り裂く巨大な真ドラゴン版のファイナルゲッタートマホークの縮小版。
新ゲッターにもある不思議パワー版のゲッタートマホーク。

それでは次回もまた、よろしくお願いいたします。

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