side東方仗助
ブラックゲッターとゲッター斬がそれぞれの決戦に臨む中、俺達の新ゲッターと恐竜帝国のメカザウルスっぽいゲッター……ゲッターザウルスが対峙する。
仗助「恐竜帝国のゲッターとはよぉ……」
ブラックゲッターとは段違いのパワーを持つ完成型ゲッターを手に入れたことで楽勝モードだった恐竜帝国戦だったけどよぉ。
ゲッタードラゴンとゲッターザウルスの出現で戦いの流れがまた少し変わっちまったぜ……。
若忍「このゲッター……さっきの一当てでわかったけど、ゲッターのパワーと同じかそれ以上のパワーよ」
れんげ「このトカゲッター……強い」
これはあれだ。隼人さんが作っているコスモゲッターじゃあなきゃ、かなりやばそうだぜ……。
このゲッターだって初陣だってのによぉ……。
佐慈「久しぶりだなぁ?ゲッターチーム」
于吉「恨みを晴らしに参りましたよ?ゲッターチーム」
仗助「あ?誰だオメェら……竜馬さん達初代ゲッターチームにやられた奴らかよ」
相手は恐竜帝国だ。昔、竜馬さん達にぶっ飛ばされた爬虫人類の可能性は充分にあるよな?
于吉「いいえ。間違いなくあなた方、新ゲッターチームで間違いありません」
佐慈「特に東方仗助、藤崎忍……お前らがいなければ」
あ?俺?
仗助「何だぁ?オメェら、杜王町のスタンド使いか何かか?」
ジョルノ「いいえ。こんな声は初めて聞きます」
そういや、こいつがちゃっかり乗ってやがったな。すっかり熱中して忘れてたぜ。
仗助「はぁ?オメェ、杜王町のスタンド使いの事を知っているのかよ?」
ジョルノ「ええ。杜王町には最近旅行に行ったばかりですし、そこのスタンド使いとはその時に大体会っていますが、今の声には覚えがありません。既に死亡している方々の事は知りませんが」
仗助「つくづく不気味な野郎だぜ。オメェはよぉ」
ジョルノ「おや?僕の世界ではあなたと僕は兄弟分として上手くやっていますが?4代目と5代目のジョジョ同士で」
仗助「よその世界の俺と同じにするんじゃあねえぜ」
けっ!聞いた限りじゃあこの世界のテメェはまだ5代目ジョジョじゃあねぇって話じゃあねえかよ。
大体、承太郎さんがいねえ状態で、康一がオメェのところに行くとは思えねぇけどなぁ。
ジョルノ「僕の事はどうでも良い。問題はあのゲッターに乗っている誰かについてです」
そうだったな。このジョルノ・ジョバァーナはとりあえず味方だ。問題は敵のゲッターに乗っている野郎達だ。
若忍「あんた達は誰よ!あちしはあんた達の事を知らないわ!」
れんげ「トカゲに知り合いはいないん」
バット将軍「こいつらは我々の仲間ではない」
于吉「知らなくて当然です。我々が会うのは、1800年前の外史の事ですから」
佐慈「俺達は今から少し先の未来で、俺達の世界にタイムスリップしてきたお前らによって自分の世界を荒らされた世界を管理していた管理者……言わば神だ」
はぁ?何言ってんだコイツらは。
佐慈「お前らがいなければ……俺達の計画通りに事は進み、外史は正しく回っていた」
于吉「我々はこの時を待っていました。あなた方が我々の時代に飛んで来る以前に、そのゲッターとあなた方を殺せば、世界は清く正しく進む。そして驚異となるコスモゲッターを……神隼人と早乙女博士を殺せば、全てのイレギュラーは無くなる!」
佐慈「ついでに全てのゲッターロボと流竜馬と空条承太郎!全てのジョースターを倒せば良い!イレギュラーは全て殺す!」
コイツら……その為に恐竜帝国と手を組んだのかよ!もしかしたら鬼やインベーダーどももコイツらが!
ジョルノ「同じですね。神を名乗ることと言い、目的の為ならば他の種族をも手駒に使うことと言い、この人達はウルフスと同じです」
ウルフスってのはジョルノや静達の世界の敵だったよなぁ?涼しい顔をしているけどよぉ、こいつは相当頭にきているみてぇだなぁ。
佐慈「人の世界を荒らしておいてよく言う。俺はただ、未来から現れる東方仗助と藤崎忍、宮内れんげというイレギュラーによって作られる外史をぶっ壊したいだけだ!」
于吉「そして永遠に繰り返される箱庭の外史を、正しき道に戻すのが我々の目的です。邪魔な貂蝉は既に捕らえました。後はこの于吉と佐慈によってあなた方を倒します」
ピクリとジョルノの眉が動く。
ジョルノ「佐慈と于吉と貂蝉?ジョセフさん、どこかで聞いたことはありませんか?」
ジョセフ『佐慈?于吉?貂蝉?知らんのう?』
いろは『ジョルノ。ジョセフに聞く事自体、間違ってますよ?ジョセフは母国のイギリスの歴史だってまともに授業を受けずに逃げていたんですから』
ジョースターのじじい……使えねぇ……。
八幡『三國志と三國志演義に出てくる名前だな』
ジョセフ『おおっ!流石は八幡じゃ!下らん知識は網羅しておるのう?』
八幡『うるせぇよジジイ。まぁ、実際は三國志演義の方を正史だと思っている奴も少なくないみたいだがな』
三國志演義?聞いたことがねぇぞ?
八幡『三國志演義というのは三國志の歴史を大衆物語に直されたものだ。劉備玄徳の蜀の視点を中心に描かれた、史実を大衆受けしやすいように書かれた物語だな。似たような物に日本の太閤記というものがある。佐慈と于吉は仙人だの呪い師だの言われた演義に登場するキャラクターだな。特に于吉は三國志演義では孫策という孫権の兄を呪い殺したという逸話がある。佐慈は劉備推しの仙人だったが、曹操に捕まって斬首され、その霊が曹操に呪いの言葉を放って消えていったという話があるな。正史ではどういう人物かわからんし、本当にいたのかすらも疑われている人物だが』
仗助「おい、だったら何で佐慈とかいう奴は俺達を襲うんだ?劉備玄徳は俺のレクイエムとかいうヤツを止めた奴じゃあねぇか」
八幡『そんなの知らねぇよ。実際、お前らに関わっている三國志の英雄は女っていう段階で正史とも演義とも全然違うんだからさ』
確かに色々とおかしい。三國志なんて歴史は勉強があまり好きじゃあない俺だって少しは知っている奴だ。
八幡とかいう奴が言うように、劉備・関羽・張飛が女だっていう歴史は聞いたことがない。
八幡『まぁ、そいつらの言う外史ってのが三國志が基本世界の平行世界って考えれば良いんじゃね?俺達の場合はそういうの当たり前過ぎて感覚が麻痺してきたけど』
ジョルノ「そういう考え方か。八幡、ジョセフさん。どうやらこの人達は、貂蝉という人物を捕らえているようです。探してもらえますか?」
八幡『え~……傾国の美女に関わるとか嫌だ。由花子ショック怖い』
ここに来て山岸由花子の名前を聞くとは思わなかったぜ。由花子ショックって何だよ。
ジョルノ「ですが君達しかいないんですよ。君達の能力なら人探しは得意じゃあないですか。由花子ショックの代わりにキャロライナリーパーショックでも良いんですよ?」
八幡『誠心誠意、粉骨砕身の覚悟で探します!サー!』
何だ?キャロライナリーパーって?(この時代、キャロライナリーパーはまだ一般的ではない)
山岸由花子のアレに匹敵する物ってなんだよ。想像が付かねぇぜ。
佐慈「チッ!東方仗助以外のスタンド使いがいるのか」
ジョルノ「あなた方の誤算は僕達がたまたま、この世界に現れた事ですね。あなた方の言葉を借りるなら、僕達は別の外史からこの外史にやって来たイレギュラーです。もしかしたら、それもゲッター線の導きなのかも知れませんが」
コイツらが来たことがゲッター線の導きだって?
ジョルノ「ええ。何故ゲッターの基本世界である世界ではなく、17年前のこの世界たったのか……何から何までゲッター線に仕組まれていた……そんな気がしてならないのです」
確かにな。何で未来の忍とかが時代を越えて現れた?
佐慈「ふん。ならばそのゲッターの意思とやらも含めてぶっ壊せば良い。せっかく苦労して捕らえた貂蝉を救出されてちゃ困るんでな。あの地上にいる奴らをまずは片付けさせてもらう」
仗助「させるかよ!別の平行世界の人間とはいえ、あれは俺の親父や妹達だぜ?ぶっ壊されるのはよぉ、テメェらの方だぜ!行くぜ!忍!れんげ!」
バット将軍「勝てると思うな!このゲッターザウルスに!オーパーツと我が恐竜帝国の技術に!」
仗助「ダブルトマホーク!」
バット将軍「ダブルトマホーク!」
2体のゲッターのダブルトマホークがぶつかり合う。
仗助「ぐぐぐ………新ゲッターが………パワー負けしているだと!?」
ただのゲッターじゃあねぇってのはわかっていたけどよぉ!ここまでのパワーがあるなんて思わなかったぜ!
こいつはヤベェ!パワーの差はわずかだけどよぉ!その僅かが致命的に不利だぜ!
バット将軍「猿ごときが良くここまでゲッターの力を引き出せた物だと誉めてやる!だが、我が恐竜帝国の技術力が上だったようだな!東方仗助!これが流竜馬だったら違ったんだろうがなぁ!」
佐慈「自分達の技術だけじゃないだろうに……」
于吉「別の外史の未来から発見されたオーパーツ。あのゲッタードラゴンと同じく、未来の恐竜帝国が作り上げた借り物の力でよくぞそこまで誇れるものです」
未来の恐竜帝国が作ったゲッターだと?
それがこのゲッターザウルスだって言うのかよ!
C・D「ドララララララァ!」
たまらずクレイジー・ダイヤモンドで弾き飛ばす俺だが、全く効いてねぇ!
若忍「代わりなさい仗助!あちしがやるわ!」
仗助「おう!任せたぜ!忍!」
于吉「ふ………チェンジ!オルトミムス!スイッチ・オン!」
オープンゲットしてゲッター2に変形する。
しかし、相手もオープンゲットしてゲッター2に該当する形態に変形する。
シャープな顔立ちでありながら、やはり恐竜っぽいゲッター2。オルトミムスは陸上のダチョウのような恐竜だったと思ったが………
于吉「開発したゲッターが真ゲッターではないことを悔やみながら、なぶられなさい!」
若忍「真ゲッターって何よ!ゲッタービジョン!ドリルハリケーン!」
于吉「愚かな………真マッハスペシャル!」
分身を作り出しながら、互いのゲッタードリルがぶつかり合う。しかし………
若忍「嘘よ!この速度で正確に動けるなんて!」
于吉「当たり前ですよ。高速戦闘が得意なのは、自分だけだと思わない事ですね。私はあなたのゲッターマーメイドを見ているのですよ?それに比べたら……受けなさい。ミラージュドリル!」
ゲッター線で作られた幻影のドリルが分身しながら飛んで来る!
于吉「そのゲッターはコスモゲッターのように特定の必殺技を持たないのが弱点です!」
若忍「あああああ!」
ミラージュドリルという幻影のドリルによってダメージを受けるゲッター2!忍でも敵わねぇのかよ!
れんげ「うちがやるん!チェンジ!ゲッター3!」
佐慈「チェンジ!アーケロン!」
ゲッター3に変形する俺達に対抗するように、ゲッターザウルスも重戦車仕様のゲッターに変形する。
アーケロン……亀型の水中恐竜だったはずだ……。
れんげ「ミサイルストーム!」
佐慈「ストロングスピリットミサイル!」
れんげ「なっ!」
ゲッター3の大量のミサイル……それと同等のミサイルを射って来たかと思えば、それが割れて小型ミサイルとなって飛んで来る!
ちくしょう!数を射てば良いってもんじゃあねぇだろ!
仗助「クレイジー・ダイヤモンド!」
C・D「ドララララララララララ!」
数が段違いの大量のミサイル。あんなものを食らったらただじゃあ済まねぇ!
俺はクレイジー・ダイヤモンドのラッシュでミサイルを撃ち落とす。
佐慈「だったらこれならどうだ?ゲッタートリプルサイクロン!」
若忍「ネオゲッターのゲッタートルネードが三本ですって!?」
れんげ「大雪山おろしを食らうようなもんなんなー!オープンゲット!」
ネオゲッターのゲッタートルネードはかなりの威力だ。それを三本も食らったら新ゲッターだってただじゃあ済まねぇ!
それに、あれはクレイジー・ダイヤモンドじゃあどうしようもねぇだろ!
れんげがオープンゲットをしたのは間違いじゃあねぇ。
けど、それがまずかった………。
仗助「チェンジ!ゲッター1!」
バット将軍「チェンジ!プテラノドン!」
元のゲッター1タイプに戻った俺達……。
仗助「くそっ!ゲッタービーム!」
バット将軍「ゲッタービーム!」
だがよぉ、相手も当然ゲッターだから、ゲッタービームはあるよな………ゲッター最大の武器ですら相殺されちまったぜ………。
バット将軍「ここまでのようだな?ゲッターチーム。やはりゲッタービームが最強の武器か。こちらは更に上があるというのにな」
仗助「なん………だと?」
于吉「未来ではこのゲッターザウルスと同じ性能を持つゲッターアークというゲッターが存在していました。ゲッターアークは人間が作った真ゲッターというゲッターを強化・発展させた機体です」
佐慈「そのゲッターはパワーだけなら真ゲッターと同じ性能だが、真ゲッターには最大の必殺技がある」
若忍「まさか……シャインスパーク!」
佐慈「シャインスパーク?違うな………今からそれを見せてやろう。バット将軍!」
ゲッターザウルスがプラズマサンダーを射つネオゲッターのように、両手にゲッターエネルギーを溜める。
バット将軍「今度こそ我々恐竜帝国の勝利だ。猿どもよ……別の世界の真ゲッター……その最大の武器を食らうがいい!」
ゲッターザウルスは溜まったエネルギーを高く持ち上げ………
バット将軍「ストナー……………サンシャイン!」
それを投げつけて来やがった!
やべぇ!あまりのエネルギーに逃げられねぇ!
仗助「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
俺達はストナーサンシャインをまともに食らってしまった………。
←To be continued
ゲッターロボアークにおいて、ゲッターザウルスは登場こそすれど、具体的な戦闘描写がなく、ゲッター2、ゲッター3に該当する形態も登場しません。
よって武装や各形態の名称も全てがオリジナルです。
当然ながらストナーサンシャインを使ったりもしません。
真ゲッターとアークを比較した場合、実際は同等の力ですが、アークの場合はゲッター線を完全に制御出来た真ゲッターという位置付けですので、総合的にアークの方が上だとアークにおける神隼人は語っています。
そのアークと同等の力を持つゲッターザウルスも、真ゲッター以上と考えて良いのではないでしょうか?
一方で新ゲッターですが、基本スペックこそ真ゲッター並みではありますが、やはりシャインスパークやストナーサンシャインのような必殺技を持たないのが欠点であったりします。
さぁ!そこからどう巻き返す!?
新ゲッターチーム!