やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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復活の宿敵

side比企谷八幡

早乙女研究所

ゲットマシン格納庫

 

閣下直々のスクランブルがかかり、研究所の格納庫へと駆け付けた俺達。

その中の様子はカオスとしか言いようが無かった。

キー!キー!

どれだけの研究員が猿に退化させられてしまったのだうか?

白衣、又は戦闘服が散乱し、猿が不規則に動いている。

そこに知性的な行動などまったくない。

 

ジョセフ「迂闊に動くんじゃあない。身を隠しつつ、散開するのじゃ。奴のどういう攻撃が退化のきっかけになるかわかったものじゃあないからな」

 

俺達はジジイの命令に頷き姿勢を低くして物陰に隠れながら移動する。

中は大型の整備器具やら重機やらがあり、意外と身を隠すところは少なくない。

ありがたい。少なくともゲッター線を浴びる可能性があるゲットマシンの陰には隠れたくないところだ。

 

八幡(どこだ……どこに亥のウルフスが隠れている)

 

俺は所員のライフルを拾い、警戒する。

というか、自衛隊が使っている89式小銃だ。

俺達が住んでいる十数年後の時代でもまだ現役で使用されている自衛隊の小銃は、実はあまり俺は使ったことがない。

まぁ、当然と言えば当然だ。日本独自に開発され、自衛隊や海上保安庁の一部にしか採用されていない銃なのだから。

 

八幡「ここに何で自衛隊が?」

 

??「当然だろうよ。ここは人類の希望であるゲッター線を扱える唯一の場所だ。重要防護施設だから自衛隊が首尾に当たるのが筋だろうよ」

 

そう言うことね。いつの間にか近くにいた大柄なおっさんが俺の独り言に対して反応してくれた。

この男も漫画やアニメでは重要なキャラクターとして登場していたな。

車弁慶。

巴武蔵の死後にゲッターチームの補充要員として仲間入りした三号機要因だ。

その男が深い緑色の(確かOD色と言ったか?)戦闘服を着込んで銃を手にしている。

 

弁慶「おい坊っちゃん。子供のオモチャじゃ無いんだ。そんな物騒な道具は捨てておけ。子供が使って役に立つ物じゃない」

 

車さんは俺から小銃を取り上げようと腕を伸ばす。

 

八幡「89式は扱った事は無いですが、銃なら扱った事がありますよ。普通の子供じゃあ無いんで」

 

主にジジイとジョルノによって。

 

弁慶「ん?お前、その首筋の痣は仗助の痣と同じ…なるほど。お前も竜馬や仗助と同じように……」

 

八幡「あ、ゲッター線とは関係ないですよ?この痣は仗助の血縁が代々浮かび出てくる特徴なだけのものであって、ゲッター線云々とは関係ないです。仗助と同じスタンド使いではありますけど」

 

恐ろしいことを言わないで欲しい。

俺はゲッター線とは関わり合いになりたくない。具体的にどういうもので、俺達が気にしている物と同一の力があるかを確かめに来ただけだ。

直接関わるなんてまっぴらごめんとまであると言える。

また、正確には俺と仗助は血縁じゃあ無いが、色々とややこしいから血縁ってことで良いだろう。

 

弁慶「血縁……ねぇ。確かあの娘にも似たような痣があったような……偶然か?」

 

八幡「あの娘?」

 

ん?仗助の他にもこの研究所にはジョースターの人間がいるのか?

けど、それだったら血縁の惹かれ合いがあってもおかしくはないはずなんだが……。

 

弁慶「俺が引き取った子供だ。アイツにはゲッター線の宿命に関わらせたくは無かったんだがな……れんげと同じくらいの歳だって言うのに……」

 

どうやらその子は相当小さい子供のようだ。

作品の1つに車弁慶は早乙女博士の娘の一人、元気を引き取って「車渓」として育てていたものがあったな。

渓のポジションに収まった人間がいるってことか?

ん?れんげと同じくらいの年齢の女の子?

はて……知り合いに誰か該当する人間がいたような、いなかったような………。

 

猿「キキー!」

 

八幡「ザ・ジェムストーン!」

 

G・M「無駄ぁ!」

 

バキィ!

無意識にスタンドで猿を殴り飛ばす。

 

弁慶「仗助と同じスタンド使いってのは本当みてぇだな

?が、加減してくれよ?あの猿は俺達の仲間なんだ」

 

そうだった。俺達が狙うのはウルフスだ。

退化させられた猿じゃあない。

あー!ハーメルンといい、横牛といい、ウルフスのスタンドは人質をそのまま手下にして来る奴が多いからムカつくな。

 

八幡「………とは言っても、なんか猿はこっちを敵として見ている気がするんですけど?」

 

弁慶「みてぇだな」

 

毎度のパターンでウルフスがネズミから猿まで進化して退化させられた猿達のボスにでもなったってか?

笑えない構図だ。

だとしたらどの猿がウルフスだかわからん。

 

八幡「モード!ハーメルン!」

 

俺が号令を出す。

 

八幡「車さん!撤退してください!相手はスタンド使いです!スタンド使いじゃあない車さんじゃあ危険です!」

 

弁慶「出来ればそうしたいところだが、この研究所には娘がいるんでな。俺にだって守りたい物がある。あのゲッターのパイロットだ」

 

車さんが目を向けた先にはピンク色の戦闘機のような物があった。あれもゲットマシンなのか……。

 

八幡「粋な男なのはわかってますが、この場は俺達に任せて下さいよ。その子の為にも!忍さん、いけますか?」

 

忍「あちしが弁慶を守れば良いってことね?任せて頂戴よ。弁慶もあちしのダチだからね。へーんしん!とう!」

 

仮面ライダーのようなポーズをとって忍さんが変身する(その際、こっそりと右手で頬を触るところを俺は見逃さなかった)。変身した存在は………。

 

忍「あちしがもっとも尊敬するスタンド使いよ」

 

承太郎だった。

確かに承太郎本人はここにはいないから混乱する事はないが……。

 

忍「来なさい弁慶!あちしが護衛するから!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

な、何だ?いきなり地響きが………

 

 

side東方仗助

 

仗助「何だ!この地震はよぉ!」

 

あまりの揺れの大きさに俺は立っていられなくなる。

 

隼人「震源はどこだ!」

 

所員「す、駿河の南です!この地震は自然に発生した地震ではありません!」

 

自然に発生した地震じゃあねぇだと?

また新手のスタンド使いか!?

 

隼人「映像に出せ!」

 

所員「は、はい!こ………これは……」

 

隼人「メカザウルス……だと?馬鹿な!恐竜帝国は武蔵がプロトゲッターのゲッター炉を暴走させた時に滅びたはずだ!」

 

巨大な円盤と共に出現した大量のメカザウルス…。何故このタイミングで……。

 

隼人「橘研究所に連絡をいれろ!早乙女研究所は出撃出来ない!」

 

若忍「待ちなさいよ!橘研究所のゲッターは……」

 

れんげ「本物のゲッターじゃないんよ?」

 

ああ。橘研究所にあるゲッターはネオゲッター。

けど、ネオゲッターの動力はプラズマエネルギーであってゲッター線で動いている訳じゃあねえ。

ネオゲッターは最新の技術を盛り込んであるために弱い機体じゃあねぇが、動力がプラズマエネルギーというだけあってプロトゲッターと同じレベルでしか強さがない。おまけに恐竜帝国の爬虫人類の弱点もゲッター線だ。

何故ゲッター線が弱点なのかはわからねぇけどよぉ、そのゲッター線が動力の俺達のゲッターこそが今は必要なんだよぉ!

 

隼人「そうだ。一刻も早くゲッターで出撃する必要がある!」

 

隼人さんは通信機を格納庫に切り替えて叫ぶ。

 

隼人「アーシス!まだ敵のスタンド使いを倒すことは出来ないのか!」

 

ジョセフ『無茶を言うんじゃあない!相手はウルフスじゃぞ!』

 

隼人「ゲッターロボが必要になった!恐竜帝国が現れたんだ!お前らの騒動が収まらないとうちのゲッター2体が出撃できん!」

 

れんげ「みちるんと元気も出撃するん?あの子も?」

 

隼人「ああ。お前らのサポートくらいは出来るだろうからな。場合によっては完成型のゲッターを出す必要がある」

 

よく見ると隼人さんの体が震えている。

あの流竜馬さんだって完成型のゲッターには……。隼人さんが戦えなくなったのも武蔵さんが亡くなった時に…。

完成型のゲッター………。シミューレーターでは扱えるようになったけどよぉ………俺に扱えるのかよ。プレッシャー……。

 

?「おまえらの支援は必要ねえぜ」

 

?「恐竜帝国は我々が片付ける。お前達はそこで黙って見ているが良い」

 

?「ゆっくり見物でもしててくれよ。早乙女研究所」

 

隼人「號、翔、凱……」

 

橘研究所のネオゲッターチームが通信に割り込み、言ってくる。

 

號「仗助よぉ。テメェの出番はねぇからな。俺が全部片付けてやるからよぉ」

 

一文字號。ネオイーグル、そしてネオゲッター1のパイロットの號は何かに付けて俺に突っかかってくる。

竜馬さんの再来と評判のアイツは、よく俺と比較される関係からよくケンカを売られる。

地下格闘場の花形選手だったアイツとのケンカはクレイジー・ダイヤモンドの力をもってしても苦労する。

アイツ、しつけぇんだよ。そういうところも竜馬さんの再来と言われてるところだけどよぉ。

 

仗助「おい號!すぐに行くからよぉ!無理するんじゃあねえぞ!」

 

確かにアイツは承太郎さんと同じくらいタフで強いけどよぉ、億泰みたいにちょっぴり頭が……。

 

仗助「隼人さん!俺も行くからよぉ!無理にでもゲッターを出撃させるぜ!行くぞ!忍、れんげ、みちる、元気!ゲッターチーム!出撃だ!」

 

俺達のゲッターとは別のゲッター………。あれは女の子にしか操縦できないゲッターだ。

 

みちる「待って仗助君!あの子がいないわ!」

 

なんだって!?

弁慶さんの娘のアイツがいねぇのかよ!

まさか……格納庫に……。

 

仗助「だったら合流してよぉ!出撃すれば良いんだよなぁ!敵のスタンド使いも俺がぶっとばしてよぉ!」

 

 

side比企谷八幡

 

恐竜帝国だって!?

このタイミングで現れたのかよ!

 

八幡「これもお前の策略か!?ウルフス!」

 

そんな訳が無いだろう。奴は俺達と一緒にこの世界に現れた。

恐竜帝国が復活する何かを企てる時間も無かったはずだ。だから恐竜帝国の復活とウルフスは関係ない。関係ないとわかっていても叫ばずにはいられない。

 

いろは「ハチ君!ナイチンゲールが……ナイチンゲールが出せない!」

 

小町「サンシャインもだよ!どうなってるの!?」

 

スタンドが出せない?ケルベロスのようにスタンドを引っ込めさせる能力でもあるのか?

いや、そうじゃあない……。もしかして……。

 

??「なにやってんのよ!おじちゃん達!」

 

八幡「!?」

 

足元で小さな幼女が89式を持って駆け寄って来た。

あれは……何でこいつがここにいる?

 

←To be continued




事態はどんどん悪い方向へと進んでいきます!

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