やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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ファイナルステージと残念イケメン

side比企谷八幡

 

小町「変な材木座さんがいた?」

 

八幡「ああ、ノストラダムスだかノストラジーだかよくわからん組織名を名乗ってたが、知ってる?」

 

静「や、知らない。っつーか、ハッチが砕けた時以外でも平行世界を移動するって結構やってたじゃん?」

 

仗助「まぁよ、ファイナルステージ挑戦ついでに見てみようぜ?まだいるかも知れねぇからよぉ」

 

弥七を説教中のいろはを除いた幼なじみーズがファイナルステージの塔に向けて歩く。

…………一度始まると長いからなぁ、エリナおばあちゃんモードの説教。

ファイナルステージの塔。

昔は途中までは梯子、途中からロープだったのだが、梯子を撤去してロープを長くする程度で済む故に今では全てがロープ上りになっている。

 

そこで奴は腕を組み、仁王立ちしていた。

うーん………やっぱり見覚えがない。

こんな豚骨と味噌と醤油を混ぜ込んだ上に油マシマシ、肉マシマシの奴、会ったら絶対に忘れないはずだ。

 

材木座?「待ちわびたぞDIO殿!」

 

や、お前、勝手にやって勝手に帰るとか言っていたよな?待ちわびたとか言ってること矛盾しとらん?

 

八幡「あの………だから俺はお前の事なんて……」

 

材木座?「そうそう。お主はそんな声だったな。我の八幡は声が出せぬから懐かしいぞ!」

 

え?その世界の俺って喋れないの?へぇ、そんな世界もあるのかー。やっぱそんな世界、知らんわ。

 

材木座?「あれから我も一色殿とはちょこっと……ちょこーっとだけ良い感じになってきてな………」

 

イラ♪

や、その世界の一色が誰とどうなろうが別に構わんが、それをドヤ顔で言われるとな?

 

材木座?「おおっと、血圧が上がっておるぞ?実に嫉妬しておるな?」

 

ロードローラー近くにあったかなぁ?

 

材木座?「おおっと!ロードローラーで踏み潰すそうとか考えておるな?一色殿のさとりの力を使わんでもそれくらいは分かるぞ!」

 

その世界の一色はさとりね…………まぁ、いろはも俺限定でさとりみたいなものたけどね?

何か勝手にペラペラと情報を喋ってくれるし、なんだかこのまま黙っていた方が楽しくなってきた。こいつのノロケが無ければ………だが。

 

材木座?「そうそう。戸塚殿も最近はますます色気が増してきたぞ!あれほどの良い女も中々おらん!」

 

戸塚が女ぁ!?

ちょっと見てみたい………いや、色々と確かめたい。

 

白良「うんうん♪あの娘は確かに最近、可愛くなってるわねぇ♪」

 

ピシッ!

ザ・ワールド!時よとまれ!

…………………………。

ダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラ。

悦に入った残念イケメン以外は突然背後から聞こえた声に恐る恐ると振り返る。

 

白良「ハァイ♪D・I・O♪」

 

八幡「し………白良………さ………ん………」

 

やっぱり出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

規格外オブ規格外!比企谷白良!

異常なまでの女性恐怖症の比企谷八幡の世界の母ちゃん!

全ての平行世界の比企谷八幡を見守るこの人がぁ!

無限の龍神すらハナクソほじりながら組伏せる規格外オブ規格外ぃぃぃぃ!

クルッ♪シュゴォォォォ!

 

「比企谷八幡 は むいしきに にげだした」

 

白良「逃・が・さ・な・い♪」

 

「しかし まわりこまれた」

 

逃げられない!わりかし一瞬の動作でやったはずなのに逃げられないぃぃぃぃぃ!

 

白良「まぁまぁ♪今回はお説教は無しにしてあげるから♪」

 

ほっ…………死の宣告は免れたか………。

 

八幡母「あらあら、あなたが白良さん?八幡がバカをやったときは助けて頂いたそうで、ありがとうございます」

 

にこやかに現れる母ちゃん。互いに初めましてーとか和やかに挨拶をする。

 

材木座?「ぬぬ?おおっ!これはこれは八幡の義母殿ではないか!何故か二人もおるが!ぬぬ?こちらの御仁は相当のものだな。雪ノ下さんとどちらが………」

 

バカヤロー!

ガシッ!俺…………と相棒は残念イケメンの首根っこをひっつかみ、敷地の隅へと運び出す。

 

八幡「おまっ!その雪ノ下さんってのが姉が妹か母親かわからんが、死んで欲しいのか!」

 

静「殺されるっつーの!良いか?竜玉の世界に例えるならば、私達で精々初登場の茶飲みだ!」

 

材木座?「それでも充分ではないか?」

 

八幡「バッカ!最後まで聞け!良いか?あの規格外オブ規格外はな、ブロッコリーか破壊神かってレベルだ!本気でやられたら俺だってデコピンで沈む!」

 

静「私達性悪コンビだってあの人には手を出さない!二人まとめて消し飛ぶ!わかるか?わかるよな!私達ですら規格外オブ規格外とまで言う意味が!」

 

材木座?「う、うむ………き、気迫だけは伝わった…」

 

はぁ…………はぁ…………。

恐ろしい事をサラッと言う奴だ………。

俺達は元の場所に残念イケメンを戻し、直立不動で白良さんに敬礼する。

 

八幡「マム!教育!終わりました!マム!」

 

静「マム!これに免じてこの残念イケメンは許してあげて下さい!マム!」

 

白良「良いのよ良いのよ。ファニーちゃんの失敗だもの。それに、そっちの陽乃ちゃんも大したものよね♪」

 

はぁ……はぁ……。どうにかその世界のラグナロクは防がれたか……。

ところで……。

 

八幡「白良さん、こいつの事を知っているようでしたが?」

 

白良「ええ。一方的にだけどね?ファニー君が間違えて送って来たみたいよ?」

 

あ、やっぱり?会ったことあるならすぐにわかる。勘弁してくださいよ、その世界の閣下。

 

材木座?「なんと!お主は我の知るDIO殿とは別のDIO殿であるか!それは失敬失敬!」

 

八幡「まぁ、勝手に色々と喋ってくれて面白かったから良いけどね?いろは関連以外」

 

白良「ダメよ?ちゃんと確かめないと♪」

 

材木座?「うむっ!では我はファイナルステージをやってくる故、御免!」

 

ぱしっ!シュルシュルシュルシュル!

はやっ!あの残念イケメンはやっ!

 

八幡「で、弥七を連れてきたのは白良さんですか?」

 

この人は自力で平行世界の……いや、次元の壁を突破する人だ。次元の狭間でも生きてられるとか何?

 

白良「無理無理。私のやり方じゃ弥七ちゃん、持たないもの」

 

ですよねー?

 

白良「私の旦那が作った機械で来たのよ」

 

八幡「そうじゃあ無いかと思ったけど、あんたの一家は総じてバケモノしかいないのか!」

 

ガシッ!ギリギリギリギリ………プラーン……

 

ギャアアアアアア!アイアンクローやめてぇ!割れる!頭蓋骨が割れる!粉砕されるぅぅぅぅ!そのまま持ち上げないでぇ!首が……首がぁぁぁ!

 

白良「うちの八幡や小町、旦那をバケモノとか死にたい?やっぱりお仕置きしようかしら?DIO?」

 

八幡「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!」

 

プライド?なにそれ美味しいの?

 

白良「まったく………まぁ、見つかった事だし、ファニーちゃんに連絡してくるわ。チャオ♪アーシス♪」

 

バリィィィィン!

また次元の壁に穴を開けて消えてったよ………。

ホントに規格外オブ規格外だな……。

あ、残念イケメンがファイナルステージをクリアした。

 

材木座?「ではこの世界のアーシスよ!さらばだ!」

 

おーい。このファイナルステージが最後じゃあないぞー。

 

ヴァレンタインα「諸君。迷惑をかけた。機会があれば我が世界にも遊びに来ると良い。では、さらばだ!ドジャアアアアン♪」

 

……………スペシャルステージにご招待したかったが、帰っていってしまったのは仕方ないか。

さて、気を取り直して………ファイナルステージ!スタート!

と、言ってもファイナルステージはここまで勝ち上がって来た猛者達なら塔の上まで登るのは難しい事ではない。問題は設定時間だ。

YASHICHIのファイナルステージは踏破される毎に塔の高さが変わったり、登るギミックが変わったりして難易度が変わってきた。

だが、このファイナルステージの塔を毎度毎度変える訳にもいかない。そこで変えたのが制限時間の変更だ。

上りきる時間を自分で設定する。

さて………どのくらいにするか。

30秒だな。

 

ガシッ!スルスルスルスルっと!

クリアー!

これくらいクリア出来ねばヘルクライムピラーなど夢のまた夢!

あんなのに比べたらファイナルステージなど余裕だ余裕!

 

小町「ハァイ♪小町も余裕余裕♪スペシャルステージ突入だね♪」

 

ジョセフ「ヘルクライムピラーに比べたら屁でもないわ!わっはっはっはっ!」

 

静「ちょちょいっと♪」

 

陽乃「ホント、ヘルクライムピラーに比べたらね?」

 

まぁ、この辺は既にヘルクライムピラーをクリアしている猛者だしなぁ。

 

沙希「ち……サードステージで追い抜いたと思ったのに、追い抜き返された」

 

大志「まぁ、姉ちゃん。単純な力では負けるから……」

 

ああ、川崎姉弟も前世ではヘルクライムピラーをクリアしてるから、ファイナルステージは楽勝か。

 

カマクラ「ふん………」

 

おや?カマクラもクリアか。

そろそろカマクラ、ヘルクライムピラーに挑戦させても良いかもしれないな。

 

めぐり「ぎぎぎ………ふぅ………クリア……」

 

めぐり先輩も辛うじてクリア。技術は中々だけど、ヘルクライムピラーにはちょっと早いかも?

 

仗助「ぜぇ……ぜぇ……あ、危なかったぜ……」

 

息も絶え絶えで仗助がファイナルステージクリア。

ヘルクライムピラーまでもう少しっと………。

 

弥七「ふぅ、クリアです♪」

 

静「やるじゃん弥七。ヘルクライムピラー、多分いけるよ?」

 

弥七「ヘルクライムピラー?」

 

小町「高さ24m最大円周7m20cmの巨大な大理石の円柱を己の肉体と波紋のみで頂上まで登らなくてはならないんです。しかもつるつるに磨き上げられた柱の頂上からは油がとめどなく流れ出していて、滑ります」

 

静「しかもオーバーハングしてるから、余計に質が悪い!」

 

ジョセフ「途中で高圧カッターのように吹き出る油の膜を攻略しなくてはならんからのう」

 

弥七「そんなのどうやって登るんですか!」

 

沙希「多くの修行者がヘルクライムピラーの犠牲になったね。これをクリアして、やっと本格的な修行に入れるようになる」

 

これ、何気に初級の登竜門。

ヘルクライムピラーをクリアしてからが本格的な修行。

ファイナルステージくらいで息を切らせている程度では初級の壁は越えられない。

今はほら?時代の流れっていうの?安全性については色々と騒がれる時代だから高圧カッターなんて廃止にされて、精々押し出されて落とされる程度になったし?クリア出来るかどうかをしっかりと見極めのテストをされるし?クリア出来なければちゃんと救出されるようになっているけどね?

それまではクリア出来なければそのままアボンだったから。

 

いろは「ぎぎぎ…………ふぅ。登りきれはしましたけど、タイムオーバーです。わたしはここで脱落(リタイア)します。スペシャルステージは出来そうにありません」

 

弥七「スペシャルステージ?ファイナルステージの後もあるんですか?」

 

そう。

本場赤坂のYASHICHIにもない、杜王YASHICHIパークだけにある、特別なステージ。

ファイナルステージを余裕でクリアできる猛者で無ければ出来ない裏メニューの特別なステージ。

 

八幡「あそこだ。あそこが真のファイナルステージ」

 

そこは………

 

弥七「鉄塔?あの鉄塔が真のファイナルステージですか?」

 

ただの鉄塔じゃあない。

 

仗助「鋼田一のスタンド、スーパーフライの鉄塔が真のファイナルステージだ」

 

←To be continued

 

ファイナルステージ結果

 

1比企谷小町

2残念イケメン(勘違いして帰還)

3ジョセフ・ジョースター

4弥七

5静・ジョースター

6雪ノ下陽乃

7川崎沙希

8比企谷八幡(浮上)

9川崎大志

10比企谷カマクラ

11東方仗助

12城廻めぐり

13空条承太郎

14一色いろは(タイムオーバー)

 

スペシャルステージ参加権なし(実質脱落扱い)

 

東方仗助

城廻めぐり

空条承太郎

一色いろは

残念イケメン

 

ホントに残念イケメン、やってから帰ってほしかった!

スーパーフライに挑んで欲しかった!贅沢を言えば千葉まで連れ帰って日本支部の地下にある1/5ヘルクライムピラーもやってほしかった!

 

 

side比企谷八幡α

 

あの残念イケメン、元気かなぁ。

あの世界ではカメオと音石さん、それにウエストウッドを撃破してたっけ。

懐かしいなぁ………。




はい、予想されていた方もいらっしゃるでしょう。

スペシャルステージにして真のファイナルステージはスーパーフライです。

それでは次回もよろしくお願いいたします!

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