side比企谷八幡
カマクラ「フー!」
八幡「や、早く行けよ」
カマクラ「ウアーオ!」
もう俺、このスーパー天才ニャンコがどうやってサードステージをクリアするのかめっちゃ興味あるわ。
だから後を付けて行こうと思ったんだけどさ。スタートに立ったカマクラの後ろに俺が来た瞬間にこの威嚇のしようはなくね?
そんなに俺が後をつけるのやなの?
カマクラ「うー………」
ハァ……威嚇が止まらないから仕方がない……行くか。
まずは飛び付くと少し下がる吊り柱。
ここで落下する衝撃で落とされる場合がある。くっつく波紋で反則をすることも考えられるが、今回のガチYASHICHI上位陣(中級以上)はそういう反則無し(カマクラ除く)でやるタイムアタックをやっているみたいな空気があるんだよなー。
キングクリムゾン!
あっ!
ズルッ!ドスン!
通称『魔の壁』でミスったあ!
ジョセフ「ギャハハハハハハ!落ちた!落ちよった!」
ジジイうぜぇ!
サードステージはちょっとしたミスが命取りになるからなぁ………。
くっつく波紋ありだと絶対に落ちないが、無しだと簡単に落ちる。
ここで俺の順位はガタ落ち。ちなみにだが鋼田一さんは例のタコでここは得意中の得意。むしろ魔の壁が当たり前の生活だ。ここで落ちるようでは鉄塔の生活は出来ないだろう。
あー!悔しい!
キングクリムゾン!
はい、大幅に順位を落としてゴール。
ジョセフ「弛んどるぞい八幡や。本来ならサードステージでリタイアじゃ」
ぐぐ…………
小町「ここが崖だったら落ちてるからね?ゴミぃちゃんは油断しすぎなのです」
な、何も言えない………
静「もうハッチは……波紋のランクを1つ落とすべきなのかも知れない………」
うう、そこまで言われるなんて………
陽乃「純粋にタイムで勝ちたかったよ……八幡くん」
素直にごめんなさい。
カマクラ「ふん………」
結局、どうやってクリアしたのか見ることが出来なかった。
沙希「情けない……」
大志「さ、猿も木から落ちるですよ?お兄さん」
ぐふっ!もうウッペリさんをウッペリさんとは呼べない……むしろ俺がウッカリジョナサンでウッサンだぁ!
葉山「ハハハ………俺もクリア出来なかったから、仲間だね?ヒキタニ君」
ぐふっ!
雪乃「私もよ」
ぐはっ!
めぐり「あはははは………ごめんね?私はクリアできちゃった………」
仗助「俺もだぜ?」
承太郎「ヤレヤレだ………俺ですらクリア出来たと言うのに……」
仗助と承太郎にも負けた………だと?
いろは「わたしは辛うじてですね?」
ジョルノ「僕もここでリタイアです」
徐倫「あたしもよ。サードステージの壁は厚いわ」
サードステージは難易度が高い。
他にも三浦や海老名も脱落だ。海老名はそもそも露伴先生同様に魔の壁でリタイア宣言。
魔の壁は指を酷使する。腐の薄い本を書いている海老名からしてみたら、やりたくないのはわかりたくないけどわかる。
しかし、ここで俺が一回失敗してしまうとは思わなかったわー。
…………さて。
俺を罵っていた連中や慰めてくれた人間も去っていった。現れるとしたらそろそろだろう。
いろは「とーう!」
八幡「お疲れ。
いろは「あ、お疲れ様でーす♪次はファイナルステージですよね?せーんぱい♪」
おいおい一色さんや。今、俺はお前をいろはとは呼ばずに
だって………こいつの首筋にはアレが無いもん!
八幡「ファイナルステージに行く前にだ。お前、出すものを出してからにしろや」
いろは「な、なんですか!?口説いてるんですか!?何を出せと言うんですか!?体ですか?ちょっとそれは…」
八幡「こう言わなきゃわからん?
弥七「ギクゥ!」
八幡「やっぱりお前だったか!」
どうもおかしいと思ったんだよ。
クリアしているいろはが……しかも今までの自己新記録を叩き出しているいろはが結果に満足しないでやり直しをするわけがない。しかも、やり直しの結果が俺やジョジョよりも良いなんてあり得ん!
八幡「気になって気になって一回脱落したじゃあないか!このニセいろは!」
俺のミスで落下したのはわかってはいた。これはただの八つ当たりだ。八つ当たりなのだが、気になっていたことは事実だ。
弥七「DIO先輩、落ちたんですかぁ?わたしでも落ちなかったのにぃ?」
うわっ!弥七め!明らかに見下しきった目を向けて来やがった!よろしい………
八幡「五千円、払え」
弥七「はい?」
八幡「だから五千円だ。お前、いろはのふりして勝手にアトラクションに参加してるだろ。ここはSPW財団の施設じゃあない。YASHICHIの番組と杜王町が提携して運営している会社だ」
これがSPW財団の施設なら便宜を図ることもできたが、あくまでもここは他所の会社の施設である。
うちは鋼田一さんの関係もあって出資こそすれ、経営には一切タッチしていない。
故に、弥七が施設を無断で使用している事を庇うことは出来ない。
弥七「良いじゃないですか!奢って下さいよー!せんぱーい!」
八幡「都合の良いときだけあざとく迫るんじゃあない!あっちでは悪霊扱いしてくれた事を忘れて無いからな!?」
弥七「無料にしてくれたら?ちょこっとサービスしちゃいますよー?」
八幡「アホが!いろはは中身がエリナだから価値がある!この比企谷八幡にとって、お前などただあざといだけの弥七だ!ここまでというかどうやってこの世界にやって来た!あの規格外か!?どこだ!どこにいる!」
あの規格外はヤバイ!ただでさえザ・ジュエルの影響でちょっとだけ弱ってるんだ!アレが来たら俺は死ねる!
弥七「フッフッフッ………実はそう…と言ったら信じますかー?」
こ、この野郎………!
脅しか?それは脅しなんだな?
弥七「おやおやー?DIO先輩、よっぽどあの人に来てほしくないみたいですねー?何か後ろめたい事があるんじゃ無いですかー?例えば………不完全なレクイエムを使ったとかー?」
ギクギクギクゥゥゥゥ!
使った………使いました。承太郎共々………。
弥七「ふっふっふっ………どーしますかー?せ・ん・ぱ・い♪わたしの参加料を出してくれたらー、あの人には黙っていてあげますよー?」
あ、足元を見やがった!やべぇ、完全にペースを握られた!
N・E「なるほど。やはりあなたでしたか。どうもおかしいと思っていたんですよね?」
あ、ナイチンゲールが弥七を背後から羽交い締めにしていた。
弥七「え?え?急にわたしの体が………何をしたんですか!?DIO先輩!」
八幡「や、何も俺はしてないぞ?つーか、背後を見ろ」
弥七「背後?何もありませんけど?」
あ、もしかしてこいつ………。
八幡「お前、スタンド使いじゃあ無くなってるだろ。お前を羽交い締めにしてるの、いろはのナイチンゲールだぞ?」
弥七「えっ!?」
図星のようだな。
そうだった。あの世界の連中は俺の影響でスタンドが使えたんだった。
俺達があの世界からいなくなった事で、弥七達はスタンド使いじゃあ無くなったんだな?
八幡「まぁ、払っておいてやるよ。お前はこれから地獄を見る。それが哀れすぎて……何も言えない……」
弥七「ど、ど、どういう事ですか!とても不安なんですけど!」
八幡「エリナお母さん、またはエリナおばあちゃんモードのいろはは………怖いと言うことだ……」
もう、エリナモードのいろはは怖い。あのジジイや承太郎、ジョルノですら逆らえん!
母親を経験していないお前では到底太刀打ち出来ん。
弥七「ちょっ!せんぱい、エリナさんはせんぱいのお嫁さんですよね!?なんとかしてくださいよー!」
ふ………やはりお前は何もわかっていない……。
八幡「良いか?弥七………だからこそなんだよ」
弥七「ふぇ?」
八幡「亭主関白なんてのはな………夢物語なんだ。夫婦円満の秘訣はな?嫁に逆らわない事だ………つうか、まず勝てない。戦う気も起きない」
弥七「なんで最初から諦めてるんですか!」
八幡「諦めるわ!俺にはいろはしかいないんだ!三件半を突きつけられたら今度こそ俺は死ねるわ!つぅか、そもそもお前を庇う理由もないわ!」
いろは「お久しぶりですねー?弥七さん?」
サードステージのゴールの梯子を上り、すんごいにこやかな顔をしたいろはがピョコン♪っと顔を出す。
あー、ある意味死んだな?弥七………。
骨は拾ってやるぞ?
俺は先にファイナルステージへと向かおうとして……
材木座?「ゴールだ!DIO殿!エリナ殿!久し振りだな!」
…………誰?まじで。
声は材木座だが、異様に痩せているし、そもそも材木座にサードステージをクリアできる力は無いし。
目が点になる俺といろは。
弥七を見てみる。お前の世界の材木座?
こんなに痩せたの?そもそも何か人間じゃあ無くなってない?マジもんのサイボーグっぽく見えるけど?
でも弥七も心当たりが無いのか、同じく目が点になっているし、ブンブンと顔を横に振っている。
え?お前の知り合いじゃあないの?じゃあこいつはホントなに?
材木座?「何を鳩がビーンズガンを食らったような顔をしておる!ノスフェラトゥの材木座義輝だ!貴様が弥七弥七と言っておったろう!」
鳩がビーンズガン?ああ、鳩が豆鉄砲ね?
じゃなくてぇ!
や、どこの組織?ノスフェラトゥなんて知らないんだけど!ねぇちょっと!?世界間違えて来てない!?お前を弥七と呼んだ記憶はねぇよ!弥七はそこにいるいろはもどきだから!
材木座?「ケプコンケプコン!照れ臭いのだな?DIOよ!なぁに!我は勝手にやって、閣下に戻してもらう故に気にする事はない!さらばだ!トゥ!」
跳んだぁ!なんか勝手に何かを納得して跳びやがったぁ!マジでアイツも忍者だ!どの世界の閣下か分からないが、送る世界を間違えないでぇぇぇぇぇ!
いろは「ま、まぁとにかく……弥七さん!正座です!」
あ、いろはは見なかった事にしたようだ。うん、俺も見なかった事にしよう。
弥七「ふぇ?でも今………」
いろは「せ・い・ざ・です!」
弥七「はぁ?はぁ…………」
やー、杜王町は今日もヘイワダナー………
とある世界線………完全なこの世界の平行世界。
八幡α「弥七を送った?いや、見てないですよ?あの残念イケメンの姿を見ればすぐにわかりますから。ノスフェラトゥかぁ。元気かなぁ?あの人外達……」
ヴァレンタインα「ふむ………もしかしたら送る世界を間違えたかも知れん。そっちの世界には悪いことをしてしまったようだ」
たらればの数だけ平行世界は存在する。
もしかしたら、あなたの背後にも平行世界の迷い人が現れるかも知れない。
ドッペルゲンガーの如く………
ほら、今もあなたの背後に………
←To be continued
サードステージの結果
1比企谷小町
2残念イケメン
3ジョセフ・ジョースター
4弥七
5静・ジョースター
6川崎沙希
7雪ノ下陽乃
8川崎大志
9比企谷カマクラ
10東方仗助
11空条承太郎
12城廻めぐり
13比企谷八幡(5位から大幅ダウン)
14一色いろは
サードステージ敗退者
雪ノ下雪乃
葉山隼人
ジョルノ・ジョバァーナ
空条徐倫
三浦優美子
海老名姫菜
八幡「あの残念イケメンがジジイを追い抜いてるぅぅぅぅぅぅぅ!」
いろは「ガミガミガミガミガミガミ!」
弥七「ひぃぃぃぃぃぃ!」
はい、今回はここまでです。
残念イケメンは………はい、確かに相手の作者が存在します。
EX4-1とも言いますか………
それでは次回もよろしくお願いいたします。