sideジョセフ・ジョースター
ワシの話を聞いていた静とジョルノ、ポルナレフは驚いたような顔をしていた。
静「私達がアメリカに留学している時に忍さんにそんなことがあったなんて……スタンド・バイミー。少なくともかかわり合いになりたいとは思わないかな……」
ジョルノ「自動遠隔タイプのスタンドは厄介なタイプのスタンドですからね。ボーン・ディス・ウェイAや自動モードのシンデレラ・ハーヴェスト……本当に厄介ですね」
静「その大倉都子という子は……財団では何とかしないの?」
ジョセフ「継続して調査をしておるが……どうしようもないタイプのスタンドじゃ。何せ本人すらも自覚しておらんのじゃからな。おまけにコントロール不能と来ておる。平々凡々に生活してもらうしか無いようじゃな」
気のせいか忍くんが現在進行形で悲鳴をあげておる気がするのじゃが、ワシにはどうすることもできん。なぜなら………。
sideジョセフ・ジョースター(過去)
伊集院家、応接室。
ジョセフ「ふぃ~……色々と含めて何とかなりそうじゃのう」
皆の尽力のお陰で、下手をすれば表でも裏でも日米の関係が拗れて大戦争という最悪の事態を避ける事が出来た。
問題の発端となった古式不動産の株式も、全面的にSPW財団側の手違いという事実を公で正式に記者会見を行いながら、時間をかけて円満に片付ける事が出来た。
ワシが何度も伊集院、古式に頭を下げる事でのう。
色々と反発もあったが、そこは影に表にと色々と動いて鎮圧させた。
色々と緻密な調整をし続けながらも……ヤレヤレ。本当に大変じゃったわい。
??「僕の力も役に立った事を忘れないで欲しいね」
伊集院レイ殿とただならぬ関係と言われておる財閥の当主がワシに言ってくる。
波嵐万丈……と言ったか?伊集院家と同等の力を持つ人物とかで、彼も忍の友人らしい。本当に何者じゃ?忍という男は。
ちなみに男装をしておるレイ殿と万丈君が仲良く寄り添う姿を見ていたとき、なにやら「これで性別が同じなら美味しかったのに……」とか花京院の声が聞こえた気がしたが、気のせいじゃと思うことにしよう。
もしかしたら花京院もエリナおばあちゃんやリサリサ先生のように生まれ変わっておるやも知れんが、決してそんな人物じゃあないと信じよう。
承太郎「波嵐万丈……あなたからはとんでもない力を感じる……まさか………」
万丈「おっと。僕はそのスタンド使いとかそういうのとは関係ないですよ。空条承太郎博士。もっとも、こういう存在が現れた時には、僕に一報お願いしたいですがね」
承太郎「……互いに領分が違う……と言うことですか。波乱万丈」
万丈「そう言うことですよ。あと、僕に対しては気楽に接して貰いたい。堅苦しいのはお互いらしくないんじゃないかい?僕はあなたの事もよく知っている。最強のスタンド使い、空条承太郎博士」
承太郎「………ふ、違いない」
何やら承太郎と意気投合しておるが……まぁ良い。
後々、同盟を結んだ閣下からの話しじゃと、平行世界では仗助と忍、そして万丈が友人関係で共に巨大ロボットで共闘しておる世界があるようじゃ。
そして、その世界が………ワシらの平行世界をめぐる1つのヒントになったのじゃが……。
それは今の話じゃ。直接は関係ないしのう。
承太郎「しかしジジイ。何とか間に合ったな。これで仗助達が帰ってきても、事後報告だけで済みそうだ」
康一「まぁ、全く報告しない訳にはいかなかったから、概要だけは仗助君達にしておいたけど。みんな呆れていたよ?仗助君もジョルノ君も静ちゃんも」
怖いのう。即座に動いていなかったらどうなっていたかわかったもんじゃあない。特にパッショーネは独立しておった可能性もある。そうなるとジョルノは恐ろしいからのう。
承太郎「確かにな。パッショーネが敵にならずに済んで良かったというところか……億泰の奴を襲った奴らがこれを機に動いていたらもっと厄介になるところだった。ヤレヤレだな」
承太郎も珍しく安堵の息を吐いている。
承太郎とジョルノの関係はかなり気を使ったそうじゃからな。特にジョルノはジョースター家の継承順位は第二位じゃ。
つまり財団の派閥の中でもかなりの支持を受けておる。もしパッショーネが離反となっていたならばと思うと寒気がするわい。
ガチャ
光輝「ようやく終わりましたな。空条博士。お疲れ様でした」
古式「一時はどうなるかと肝を冷やしましたが、さすがは最強のスタンド使いと名高い空条博士。大きな騒ぎも少なく、円満に解決なされた。老舗のSPW財団の面目躍如……といったところですか?」
承太郎「ええ。今後、こんなことが無いよう、このジジイにはよく言っておきますよ。伊集院さん、古式さん」
無事に全てが解決して三人の当主が互いに頭を下げる。
そして………。
伊集院「しかし、藤崎忍………大した男だ。高校時代の頃から目を付けていたが……彼は一介のカフェのオーナーで終わらすにはあまりに惜しい器だ」
古式「我が娘も満更では無かったがな……まぁ、そればかりは仕方がない。そう言えばジョースターさん。あなたにも秘蔵っ子がいるようですが……」
んん?誰の事かのう?静の事か?
ジョセフ「わが次女の静の事ですかな?」
伊集院「おとぼけを………聞いていますぞ?ジョジョの先祖と言われている存在の転生を……」
八幡の事か。もっとも、あやつは………
ジョセフ「どうですかな。あやつには確かにジョースターのすべてを詰め込んで色々と鍛えてはおりますが…」
あやつは天国、柱の一族………そしてウルフス……それらが終わったあとは消えようとしておる節があるからのう。危なっかしくて見ておれんし、恐らくは財団の幹部としてワシらと共に歩むことは無いかも知れん。
あるとするならば………過去の罪を清算する為に承太郎の後を継ぐ……くらいやも知れん。
それどころか人知れず、自ら命を絶つとか考えていても不思議じゃあない。
それにしても伊集院光輝……表立っておる静はともかく、八幡の存在まで掴むか………。侮れぬ男じゃな。
光輝「ふ……ご心配召されるな。彼の扱いについては我々も判断しかねる。上手く……導いて下さい。ジョースターさん」
古式「私にはその秘蔵っ子とやらと、忍の道が交わると…そう思える何かを感じる。本来は並び立つ事の無かった劉備と曹操が並び立つ……そんな未来が……」
あの忍と八幡がのう。
あったとしたならば……面白い事になるやも知れん。もっとも、そんなことがあったとしたならば、それはとんでもなく厄介な事じゃと予感するが。
光輝「では、今後もよろしくお願いしますぞ?ジョセフ・ジョースターさん。空条承太郎博士」
ジョセフ「ええ。我々の同盟に幸あれ……じゃ」
承太郎「ヤレヤレ。原因を作っておきながら、懲りないジジイだ……」
伊集院家を後にするワシら。そうじゃ、帰る前に忍の所に寄っていかんとな。今回はだいぶ世話になってしまったからのぅ。
キング・クリムゾン!
光「えっと………ごめんなさい。ジョセフ・ジョースターさんは今後、出入り禁止だそうです……」
ジョセフ「Oh my god!それはどういう事じゃ!なぜワシが出入り禁止なんじゃ!」
ワシに会いたくないからか、準備中と書かれた店前に忍の奥さんの光さんが申し訳なさそうに立っておった。
準備中とか嘘を吐け!中でホリィと朋子が談笑しておるじゃあないか!
光「それは………さすがに仕方がないですよ。今回の騒動で忍ちゃん、かなり怒っていましたから……従業員もかなりプンプン怒ってましたし……」
困ったように言う光さん。
古式不動産と伊集院家は忍くんの友人じゃと言うことじゃし……。参ったのう。
ワシは企業人としても個人としても……そして戦士としても忍の事がかなり気に入っておった。
なによりこの店のコーヒーは捨てがたい!
カフェ・ドゥ・マゴのような店ですら既に旧慨化されておる昨今、この店のような昔ながらの美味しいコーヒーを出すカフェは希少なんじゃ!せっかく見つけた店なのになんたることじゃ!
光「あのぅ……ごめんなさい。忍ちゃんって基本的にはおおらかなんだけど、怒るとすごく長いし、それでもしつこいと本当に怒って手が付けられなくなるから……」
今回の手腕を見ていてもそうじゃな。あまりしつこいと本当に何するかわかったものではない。
ジョセフ「くぅ………諦めるしか無いかのぅ……ところでここはテイクアウトは………」
光「……やってません。やってたとしても多分、聖子さんや朋子さんにはやらないんじゃないですか?絶対にあなたの依頼だと感づきますから」
ぐぬぬぬ………また新しい店を探さんといかんのか。
どこか良い店は無いものかのぅ。
光「あのぅ。ジョースターさんが気に入るかどうかはわかりませんけど……もう少し足の運んだ所に『語堂さん』という方がやっている喫茶店があるんですよ。忍ちゃんもそこのお店はお勧めだと言っていましたし……」
ふむ。あの忍がお勧めだと言うからには……行ってみる価値があるやも知れんのう。一度行ってみるか。
ジョセフ「そうか……残念じゃが仕方がない。忍くんによろしく言っておいてくれ。世話になったとな」
嫌われてしまっては仕方がない。縁があればまた会うこともあろう。その時までさらばじゃ。藤崎忍君。
sideジョセフ・ジョースター(現在)
静「パパ………そりゃ怒るわ、忍さん。……で、代わりに奥さんから教えて貰った喫茶店はどうなの?」
ジョセフ「忍君が言うとうり、良い喫茶店じゃった。ちょっと遠いのがたまに傷じゃがな。近くに郡山さんとかいう女将がやっておる小料理屋も中々のものじゃぞ?」
もっとも、ホリィからとんでもない噂を聞いたがの。
何でも最近、忍は例の処置をした眼鏡をよくかけておるそうじゃ。
そしてそういう時には必ずポヤヤンとした男子高校生と、様々な女子高生、そして由花子を思わせるなんだか良くない雰囲気を醸し出した女子高生がおるのだとか。
そしてその男子高校生の連れてくる女子高生の中にはワシが常連にしておる喫茶店の娘も混じっており、時おりホリィは『いけなぃんだぁ』とか『セニョール!』とか聞こえ、時おりウサギっぽいぬいぐるみのようなスタンドが出るらしい。
……………間違いなく例のスタンドじゃよな?
ジョセフ「行っても良いが、『セニョール』には気を付けるようにするんじゃぞ?どうも最近、例のスタンドが暴走しておるようじゃからな。被害らしいものは例の少年だけのようじゃが………本体は由花子のような女らしい」
ジョルノ「それは……関わらない方がベターですね。では、話が終わったところでジョースターさん……」
ジョセフ「??」
ジョルノは懐からチューブを取り出す。
ジョルノ「お楽しみの時間です。留美を呼んで来ますので、覚悟を決めてください。静、逃がさないように頼みましたよ?」
静「オッケー♪パパ、大人しくしていてね?でないと私がワサビを食らうから。ハルさんに続いて杜王町二人目の被害者だね♪」
ジョセフ「な、な………逃げるんじゃよォォォ!」
ガシッ!グルグルグルグル!
なんじゃと、生意気にも透明にしたロープトリックを張り巡らしておるじゃと!
さすがはワシの秘蔵っ子の静じゃ!じゃが、それをワシに向けんでもええんじゃよ?すぐに解放してくれぇ!
静「甘いっつーの。パパのロープトラップはすべて習得済み!逃げ出そうとするのもね!」
Oh Noーーーー!
ジョセフ・ジョースター(ハーミット・パープル)…ワサビの刑に処され、
なお、数日後に常連の店にいった際、スタンド・バイミーにも遭遇することになるが……これはまた、別の話である。
←To be continued
はい、ジョセフ編はここまでです。
次は誰の話にしますかね?
それでは次回もよろしくお願いいたします。