天然&パワフルなホリィのパワーに仗助は耐えられるか!?
side空条ホリィ・ジョースター
もう我慢できないわ!いつまで経ってもパパも承太郎も私を仗助に会わせてくれないんだもん!
貞夫「ホリィ。旅行支度までして、本当にいくのか?杜王町に」
ホリィ「当然よ。弟に会えないなんて……そんなの残酷だわ?それに………」
承太郎から聞いた。仗助のお母さん……朋子さんは今でもパパの事を愛しているって……。仗助はそんなお母さんの為にパパと朋子さんを会わせないようにしたって言うけど………。そんなの悲しいわ。
ママはしっかりもののつもりみたいだけど、私と同じ天真爛漫な人……。一度会ってみて、しっかりとお話しすれば良いのよ。
承太郎から聞いた仗助は、やっぱりパパや承太郎のような人だったわ。
そんな仗助を産み、育てた人ならばきっと、ママとも仲良くなれるはずだもの。私ならば、間に入れるかも知れないわ。
思ったら吉日よね?
ホリィ「ねぇあなた。東京のお土産っていったらやっぱりひよこかしら?」
貞夫「そうだな。ひよこは福岡の名産という話もあるが……妥当なところでやはりひよこだろう」
ホリィ「やっぱりそうよね?じゃあ駅で買えば良いわ。じゃあ行きましょう。私達のカワイイ弟、仗助のいる杜王町へ!」
やっと仗助に会える!
私はルンルン気分で東京駅までむかった。
キングクリムゾン
杜王町駅前
やってきました杜王町♪
こうして見てみると不思議な町よね?杜王町って。
日本なのに町の作りが日本じゃあないみたい。まるでヨーロッパのような町の作りよね?
知らない町にくるとウキウキしちゃう。こういうところは旅行好きのジョースターの血を継いでるなって思っちゃうのよね。
それを貞夫さんに言ったら、貞夫さんも同意みたい。
貞夫「確かにこの町は本土の中でも独特な空気があるよね。ギターで1つ、表現してみたいものだ。仗助君は半分、イギリス人の血が流れているから、この町の空気がよく合ってるんだろう」
あなた……。ギターなんて弾いたらまた騒ぎになるわよ?空条貞夫のネームバリューを少しは自覚した方が良いわ。
さて、もう少しこの町を眺めていたいけど、目的は仗助に会いに行くことだから、そろそろ行かないと。
すると………
リーゼントの学生「そーっと……そーっと……」
ソフトモヒカン「まぁた苦手な亀の克服の訓練かよ。いい加減に諦めろよ」
小さな男の子「そうだよ。それをやろうとするといつも何かが起きるし」
あれは……間違いない!あの特徴的な髪型……
後ろ首筋に見えるジョースターの痣……
あの子が………あの子が………
貞夫「お、おい!ホリィ!」
貞夫さんが制止するのも無視して私は駆け出す。
やっと会えた……私のカワイイ弟に!
ホリィ「仗助ぇぇぇ!」
仗助「………あ?」
ガバァ!
仗助「なぁっ!ちょ、ちょっとぉ!」
私は仗助に抱き付く。
写真じゃわからないものね。パパや承太郎にそっくりよ。
大きな体に外国人の血が混じったその瞳の色…。
目元なんて若い頃のパパにそっくり!やっぱり私の弟なんだわ!
ガッシリした体つき……この抱き心地も少し前のパパや承太郎と同じ………安心するわぁ………。
ホリィ「うーん♪この抱き心地……仗助、最高の抱き心地よぉ♪」
億泰「おい仗助ぇ……オメェよぉ……モテるくせに彼女とか作らねぇとは思ってたけどよぉ……オメェ、年上が好みだったのかよぉ……」
康一「さすがに年上すぎるよ?仗助君。仗助君のお母さんくらいの年上なんじゃあないかな……」
仗助「お、オメェらぁ!ちげえよ!こんな人、俺は会ったことがねぇって!ちょっとおばさん!誰かと勘違いしてるんじゃあねぇの!?」
ホリィ「勘違いなんかしてないわよ?あなた、東方仗助君……でしょ?ん~~」
チュッと私は仗助のほほにチューをする。
うん!この高さ、頬の感触も承太郎にそっくりだわ!ますますカワイイって気持ちが込み上げて来ちゃう♪
億泰「仗助って言ってるぜ?なぁ康一?」
康一「間違いなくね。仗助君……この人は誰?」
仗助「だから知らねぇって!おばさん!勘弁してくれよ!」
ヒソヒソ……
「うわぁ………仗助君って年上が好きだったんだ…」
「年上好きで外国人好き?」
「仗助君ってお母さん想いって聞いてるし……マザコン入ってたのかなぁ………」
あらあら。これはガールフレンド達かしら?承太郎に似ているから、やっぱり女の子にモテるのね?
仗助「ちょ、離れて下さいよ!あらぬ誤解があちこちに広まるから勘弁ッス!」
仗助は私を引き離してしまう。でも、私が痛くないようにしてくれる辺り、優しい子ね?そんなところも承太郎に良く似てるわぁ♪
貞夫「この人は私の家内だ。初めまして、東方仗助君」
億泰「え………この人は………」
康一「ジャズで有名な………空条貞夫ぉぉぉ!」
仗助「空条貞夫って………まさか………」
貞夫「そうだ。空条承太郎の父親だ。戸籍上では、君の義兄にあたるかな?」
億泰「じょ、承太郎さんの親父さんかよ!しかもそれがあの空条貞夫さんで、仗助の義兄だってぇ!じゃあこのおばさんは………」
康一「承太郎さんのお母さんで……仗助君のお姉さん?」
仗助「姉貴……俺の?姉貴………?やッべぇ……俺、すっげぇ混乱してきたぜ……グレートに一度に起こりすぎていてよぉ……俺の姉貴がいきなり抱きついて来て、その旦那があのジャズで有名な空条貞夫で、それがいきなり現れるなんてよ………」
ホリィ「驚かせちゃってごめんなさいね?私は空条ホリィ・ジョースター。ジョセフ・ジョースターの娘で、空条承太郎のママよ。初めまして、仗助。あなたの事を知ってから、ずっとあなたに会いたかったの!だって私、ずっと兄弟に憧れてたから!あなたみたいなカワイイ弟がいるって知って、嬉しかったわ!」
そう言って私はもう一度仗助に抱き付く。うん!やっぱり最高の抱き心地!
貞夫「本当に承太郎によく似ている。目元はお義父さんに似てるかな?お義父さんや承太郎に似ている君に、ホリィが夢中になるのも頷ける」
仗助「は、はぁ………どうもッス………承太郎さんは確かに俺の憧れッスから………そう言われて悪い気はしないッスけど………」
貞夫「ハハハ!君は承太郎に比べたら人当たりは良いみたいだね!ホリィは君に会うのを凄く楽しみにしてたんだ!」
仗助「は、はぁ………って!ちょっとぉ!ホリィさん!いきなり頭を撫でるのは止めてくださいッスよぉ!自慢の髪が乱れるッス!」
ホリィ「どうしてぇ?良いじゃない!少しくらい乱れても!」
仗助「あぁ?」
億泰「や、やべぇ!」
康一「お、落ち着いて!仗助君!相手は君のお姉さんだよ!」
どうしたのかしら?低い声を出しちゃって?それにお友達が凄く慌ててるんだけど……。
ホリィ「うーん。でもゴメンね?かっこよく決まってたのに。カワイイ弟の頭を撫でたくなっちゃって我慢できなくなっちゃったの!素敵な頭ねぇ♪」
仗助「へ?あ、そ、そっすか………?」
康一「じ、自力で回避した!それも天然で!」
億泰「危ねぇ……もう少しでドラララだったぜ…。仗助の奴、クレイジー・ダイヤモンドまで出しちまってからよぉ……」
あら?これは仗助のスタンドかしら?
承太郎のスタンドとは違うけど……でもハートがバッチリ決まってるし、よく見るとカワイイかも?
ホリィ「きゃー!これが仗助のスタンド!?スタンドもカワイイわぁ!スタンドまで見せてくれるなんてぇ♪お姉ちゃん、嬉しいわぁ♪」
仗助「は、はぁ………あ、ありがとうございます。頭も俺の自慢の髪型なんで………」
億泰「すっげぇ……仗助の姉ちゃん……あの仗助がすっかりペースを乱されてるぜ……完全に毒気を抜かれちまった……」
康一「一切の打算とか、そういうのが無いからなんだ。それも、初めて会ったのにこの仗助君好き好きオーラが仗助君を更に混乱させている。おまけにアメリカ人特有の距離感の無さがそれに拍車をかけてるんだ……」
貞夫「ホリィの特技の1つだな。ホリィは相手の良いところを見付けては、それを打算とかなく誉めちぎる。さしもの承太郎でもこれには敵わない」
ホリィ「だってカワイイじゃない。この頭も仗助に似合ってるし、お手入れだってしっかりやっているみたいだし、セットするにも凄く気を使ってるのがわかるわぁ。カッコいいわよ?仗助?」
仗助「あ、ありがとうッス………何だか嬉しいッスよ。ホリィさん」
もう!
ホリィ「ホリィさん……だなんて……そんな寂しい呼び方をしないでよ。お姉ちゃんって呼んで?仗助」
仗助「いぃっ!無理ッスよ!ジジイにだってまだ親父って呼んだこと無いのに!」
ホリィ「あ、パパをジジイって呼ぶところも承太郎にそっくり!でも、やっぱりホリィさんは寂しいわぁ。ねぇ、お願いだからお姉ちゃんって呼んでよ…仗助」
仗助「うっ!………ホリィさん……それは……」
ホリィ「お姉ちゃん!」
仗助「…………あ、姉貴………これで勘弁してくださいッスよぉ!」
姉貴……姉貴ね。ちょっと乱暴な呼び方だけど、ホリィさんよりはよっぽど良いわ!
照れてる顔もカワイイし!もう全力で可愛がっちゃうんだからぁ!
side空条ホリィ・ジョースター(現在)
仗助「ってな感じでよぉ………姉貴には最初から振り回されっぱなしだったんだぜ?」
仗助があの頃とは全く違う、背中まで伸びたサラサラのオールバックを撫でながら困ったように言うわ。
あの髪型もかっこよかったけど、今の髪型も素敵よ?仗助。
エンポリオ「わかるよ仗助お兄ちゃん。僕の時でもそうだったから……」
エンポリオちゃん!なんでエンポリオちゃんまでそんな困った顔をしてるの?おばあちゃん、悲しいわ!
ホリィ「そんな………嫌だったの?仗助……エンポリオちゃん。雪乃ぉぉぉ!おばあちゃん、悲しいわぁ」
雪乃「嫌じゃ無いのが逆に困るのですけど……ホリィおばあちゃん………」
ホリィ「ホント!?あら、雪乃ちゃんの髪の毛も素敵ね!サラサラで引っ掛かりがなくて!赤いリボンも似合っていてカワイイわぁ!撫で心地が凄くよくて最高よ!」
雪乃「え、ええ………ありがとうございます……仗助兄さんの当時の気持ち………凄くわかります。これは照れ臭くて本当に困るもの……」
あらあら照れちゃって……本当にカワイイわぁ。エンポリオちゃんのお嫁さんになって、本当の孫娘になってくれないかしら?おばあちゃん、大歓迎よ?
三浦「変わってないですね?ホリィさん。本当にカワイイおばあさんって感じですよ」
仗助「そんな事を言っちゃうと、矛先がお前に向くぜ?三浦」
三浦「えっ!?」
ホリィ「優美子ぉぉぉ!」
ガバァ!もう嬉しいこと言ってくれちゃってぇ!
ホリィ「優美子もカワイイわよ!このロールした金髪も凄く似合ってる!これがあのムッツリしたアヴドゥルさん!?こんなに可愛くなっちゃって!もう最高よ!」
三浦「ホ、ホリィさ………やめて!く、苦し…!あーしの顔を胸に埋めないで……い、息が……」
仗助「だから言ったのによぉ。ほら、姉貴。まだ話の続きだろ?」
静「聞こえてないよ……この辺は姉弟ってのが痛感するよね?お兄ちゃんとお姉ちゃんって。スイッチが入ると周りが見えなくなるのはそっくり」
雪乃「ジョースターさんも仗助兄さんが関わると似たようなものだと思うのだけれども……さすがは兄弟ね」
そうそう!チグハグな私達だけど、結構似ているところもあるのよ?私達って。
三浦「キュウ………」
あ、優美子ちゃんが呼吸困難でのびちゃった……。
静「まったくお姉ちゃんは………コオォォォ…ハッ!」
静が波紋の力で優美子を気付けする。
三浦「ハッ!助かったし……ジョジョ」
ホリィ「ゴメンね?優美子……」
三浦「わかったからやめろし!」
ガバァ!ガシッ!
仗助「終わらねぇだろ!ったくぅ……悪意がまったくねぇのが逆に性質わりぃぜ……姉貴のパワフルさは相変わらずだなぁ?なぁ、ジョジョ」
静「そうだね……お兄ちゃん」
ジョルノ「本当ですよ。話が進みませんから先をお願いできますか?ホリィ姉さん」
んもう。これからだったのにぃ………
←To be continued
パワフルホリィ、相変わらずです。
次回はホリィと朋子の邂逅です。
それでは次回もよろしくお願い致します。