やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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兄妹ケンカは思わぬ方向へ!


2002比企谷小町のサンシャイン・ルビー

side比企谷小町(現在)

 

徐倫「そんなに早く、前世を思い出していたんだ……」

 

小町「むしろお姉ちゃんが何でサンシャイン・ルビーを見てすぐにエリナお母さんの記憶を思い出さなかったのかが不思議だったよ………」

 

サンシャイン・ルビーはエリザベス・ジョースターの面影をかなり残してるからね……。

 

いろは「わたしが前世を思い出したのはハチ君が典明おじさんのお墓参りで暴走する一年前の話でしたから」

 

確かジョセフを見て思い出したんだっけ?前世を思い出すのが一番遅かったのはお兄ちゃんだったからね。

でもさ、お姉ちゃん……エリナお母さんが知っているジョセフの姿とあの当時のジョセフじゃあ違いすぎないかなぁ。

承太郎おじさんと仗助お兄ちゃんがジョセフの面影を残しているのもあったかも知れないけど、それにしたってサンシャイン・ルビーで思い出せないなんて……。

リサリサだって立派なエリナ・ジョースターの娘だったよね?もしかして勝手に波紋の道に進んだり、ジョセフを置いて出ていった事を怒ってた?

しかも仕方が無かったとはいえ、ジョセフを波紋の一族の宿命に巻き込んじゃったもんね………。

 

徐倫「それにしてもマーチ、昔はどっちかって言うとマザコンだったんだね」

 

小町「その時はまだお姉ちゃんやお兄ちゃんの前世を知らなかったけどね。小町がそれを知ったのってホテルロイヤルオークラでの話だったし」(第1章)

 

徐倫「アハハハハハ!ジョジョに匹敵するレベルの超絶ブラコンなマーチが昔はハッチの事が嫌いだったなんて信じられない!アハハハハハ!」

 

小町「ジョージと比べちゃうとお兄ちゃん、色々とあれだったし………」

 

八幡「そうなのか?ジョナサンはジョージが産まれる前に死んでしまったからわからん」

 

うん。ジョナサンお父さんは確かに死んじゃってたからね。もしジョナサンお父さんが生きていたらどんなお父さんになってたんだろ。

紳士だったって話だったけど、お兄ちゃんからは想像が付かないよね?

 

いろは「ジョージは手のかからない子でしたからね。ハチ君とは大違いでした」

 

八幡「少なくとも孫のじじいはああはならなかったかもな」

 

………かもね?

でも、あの世界でのジョースター家の結末を考えたらどっちが良かったかって聞かれれば………うーん。

まぁ、考えたって仕方ないよね?そんな事を考えるのは無駄なんだよ。ジョルノお兄ちゃんの口癖を借りればだけど。

それとお兄ちゃん……。そのジョセフの影響を悪い意味で一番影響受けてるのはお兄ちゃんじゃんか。なんだかんだ言ってジョセフの事が好きなくせに素直じゃあ無いよね?ホントに。

 

徐倫「で、そっからどうなったの?」

 

八幡「小さな暴走をした。俺が………」

 

徐倫「は?暴走なら今もしてるじゃん?あたしをいじったりとか、あたしをいじったりとか、あとジョジョと結託してあたしをいじったりとか」

 

八幡「そういう暴走じゃあねぇよ。小さなザ・ワールドの暴走だよ。承太郎の訓練が原因だと思うけどな」

 

タイミングが悪かったよね……。完全にさ。

 

 

side比企谷小町(過去)

 

私がエリザベス・ジョースターの記憶を取り戻してから数日が過ぎた。いろはお姉ちゃんの日本語授業もだいぶ進んだ。やっぱりこのお姉ちゃん、教えるのが上手い。

そして密かに進んでいる幽霊を調べる事。

幽霊は多分、私の力だ。私が思い描いた通りに動いてくれる。手足ですら満足に動かせない私よりも自在に動いてくれる。

幽霊は私からは離れられない。いろはお姉ちゃんの幽霊は遠くに行けるみたいだけどね。兄の幽霊?あの紫の植物?あんな幽霊はいらないよ。やっぱりショボい兄にはショボい幽霊しか使えないんだね。

後は………

 

小町(失敗したら痛いかも………)

 

私は幽霊を足元に立たせ、幽霊に小指を立たせる。

呼吸が上手くできればこんなことをしなくても自力で出来ると思うけど、今はまだそれが出来ない。

あんな兄に出来て私が出来ないなんて我慢できない。

 

S・R「ゴミィ!」

 

ドズッ!

 

小町「かはっ……………コォォォォ………」

 

バチバチバチバチ………

 

出来た………。

懐かしい力が全身を駆け巡る。

横隔膜に幽霊の小指をいれての強制的な波紋の覚醒。

成長すればいずれは使えた波紋の呼吸。使えないなんて考えは始めから無かった。

兄ですら初級の波紋を使いこなせるんだ。血縁の私に波紋の適正が無いなんてあるはずがない。

一瞬だけで良い。この体にわずかな波紋を生み出すことが出来れば身体能力が上がり、後は自力で波紋を生み出せる。

私の目論見は上手くいき、生後わずか一月くらいで私は波紋使いになった。歴代最年少の波紋の戦士の誕生よ。

 

小町(やっぱりあった………この体は波紋の適正が高い。いや、高すぎる)

 

この段階で既にリサリサと同等かそれ以上……。

 

小町(この力なら鍛えればカーズクラスに匹敵するかもしれない……なんて波紋の適正……)

 

なんてハイスペック………

この波紋の力を使い、首が座るようにして自力で立ち上がれるようにする。

次に舌が回るようになり、乳歯が生えてくる。波紋の生命力の強化を最大限に使ってみた。

 

八幡「こ、小町?」

 

小町『兄………確か八幡と言ったかしら?』

 

八幡『もうその呼吸の力を………』

 

呼吸の力?ああ、波紋の事ね。

一回使えるようになれれば私にはもう何でもない。

 

八幡『さすがマイエンジェル!天才!小町天才!さすがは僕の妹!』

 

兄は波紋の呼吸で高めた身体能力で私のベットに飛び乗ってくる。いつも思うけど………馴れ馴れしい。

私に………小町に触るのは死の覚悟が必要なり!良い機会だ。この兄にそれをわからせてあげよう!

 

小町『コォォォォ………ピョッ!』

 

八幡『なっ!もうそんなジャンプ力を!』

 

これでも手加減して跳んでいる。本気で跳んだら天井に頭をぶつけるからね。

 

小町『波紋疾走(オーバードライブ)!』

 

八幡『ぐはぁ!』

 

私のキックを受けて飛ばされる兄。だけど……

 

小町(浅い!)

 

手加減しているとはいえ、私のキックを受けてもノックアウトしないなんて………。

 

小町(波紋でガードを固めた?だとしたらこの兄も……この体と同じで相当な才能……)

 

リサリサの時のクセで波紋に適正がある者を見るとついつい分析したくなる。

このヒキガヤという家の人間は、波紋に適正がある人間が生まれやすいのかな?

 

八幡『小町……何を………それに、なんて力……僕よりも呼吸の力を使うのが上手すぎる………いろはちゃんの幽霊以外で………僕がこんなに痛みを感じるなんて初めてだ………つ、強い………』

 

兄は腕が痺れたのか痛そうに腕をブンブンとふるい、波紋の呼吸で治療する。

その歳でリサリサの全盛期と同じレベルの私の蹴りを受けて骨折していないのも驚きだし、治療も自力で出来るなんて……。この子は将来、波紋使いとして大物になるわ。

確かに大した才能ね。イタリアで再会した時のジョジョ(ジョセフ)と同じかそれ以上の波紋の使い手かもね。

でもね?お兄ちゃん。いくら才能があっても力の使い方がなってない。

 

小町『兄。大した才能だわ。試しに鍛えてみるのも面白い逸材ね』

 

うん。これは逸材だわ。すこしヤキを入れて、立場をわからせた後は鍛えてあげましょう。修行方法ならたっぷりとあるわ。

 

八幡『小町!やめろ!何で小町は僕に攻撃するんだ!』

 

小町『先に産まれた……ただそれだけで私よりも上だと思い込んでいるその考えが間違えだと言うことを分からせてあげるだけよ。そうでしょ?たかだか先に産まれた。それだけで偉そうにしているなんて許される?』

 

八幡『や、そんな気はさらさら無かったんだけど…結局、小町の面倒はほとんどいろはちゃんが見てるし…ああっ!早くも反抗期!?』

 

小町『??』

 

ここで私も気が付いた。思えば兄もいろはお姉ちゃんも、この歳にしては物を知りすぎている。だとしたら私と同じ?

なら、なおのこと……ここで1つ……立場をわからせないと!

 

小町『ふん!』

 

八幡『こんな使い方は初めてだけど……うねうね!』

 

兄の両腕から紫のいばらが現れる。

シュルシュルシュル

これが兄の幽霊………。いろはお姉ちゃんや私の幽霊みたいに人間の形をしていないんだね。

それが私をからみとり、私の突撃を止める。

油断してたわ。そう言えばリサリサもツメが甘いときってあったわね。

 

八幡『更に呼吸の力!コォォォォ!』

 

バリバリバリバリ!

兄の波紋が幽霊を伝って私に流れ込んでくる。

甘い……普通ならそれで終わるけど、私にそんな貧弱な波紋は通用しない!たかだか2歳の子供の波紋でやられるほどやわな前世を送っていない!

 

天の声『まてや!生後数週間!』

 

小町『貧弱貧弱ぅ!その程度のなまっちょろい力でこの私がやられるはずがない!』

 

グギギギギギ………くっ!幽霊の力、大した事ないのに振りほどけない!幽霊に身体能力はあまり関係ないのかしら?

この時は小町は知らなかったからね。スタンドにはスタンドでしか触れることが出来ないなんて。

でも……波紋の力は通ることはわかった!ならばその幽霊に波紋を流せば良い!

 

小町『コォォォォ!波紋疾走(オーバードライブ)!』

 

私の目論みは見事にあたり、逆に兄に波紋を流し返す。

 

八幡『がぁぁぁぁぁ!』

 

弾き飛ばされる兄。

それでもいばらの幽霊は私を離さない。

 

小町『はぁっ!』

 

今度は私も幽霊を出して力を込める。思った通りだ。この私の幽霊に散りばめられている宝石はエイジャの赤石!

私の波紋によって更に力がみなぎる!

私も……幽霊も……相乗効果でみるみる力が出てくる!

そして………幽霊の力に弾かれて兄のいばらが弾け飛ぶ!

 

八幡『まさか………小町まで幽霊を持っているなんて…それになんて呼吸の力………僕じゃ……かなわ……』

 

ビシュン!

 

兄の姿が突然消えた………な、何?

 

八幡『に、逃げられるなら………逃げろ……小町……このままじゃあ………まずい……』

 

いつの間に背後に回っていた兄。

どうやって?

いつの間に………

 

??『無駄ぁ!』

 

バキィ!

 

小町『!!』

 

突然、何かが私の幽霊を殴った。その衝撃が何故か私にも伝わる!

痛い!とてつもなく痛い!

うそっ!こんな馬鹿げたパワー、吸血鬼だって無理だよ!

 

八幡『くくくく…………WRYYYYY!』

 

まるで吸血鬼みたいな咆哮………雰囲気がさっきまでの兄とは全然違う!何か黄色い幽霊が兄から出ている!

 

八幡『やってくれたな小娘。この私に楯突こうなどとは中々の度胸よ』

 

小町『あ………あ………あ………』

 

何故?怖い………こんな恐怖は……初めてだ。

 

ディオ『ジョジョォ!お前の肉体は我がフューチャーであり続ける!』

 

なに………この火事の記憶は………これはリサリサの記憶?でも、こんなことは………私は知らない!

今一瞬見えたのは吸血鬼!?

リサリサ時代、私は数えるのも億劫になるほど吸血鬼を倒してきた!今さら吸血鬼なんて怖くもなんともないのに………なのに今の記憶の中の吸血鬼は………怖い。

 

side比企谷小町(現在)

 

小町「今にして思えば、DIOにトラウマを持っていたんだよね?」

 

徐倫「DIOに対してトラウマ?マーチが?」

 

うん。だって………

 

小町「リサリサにとっては恐怖の象徴だったんだよ。だって………いくら産まれたばかりだからって……DIOによってリサリサの本当の両親は死んじゃってて…ジョナサンお父さんも死んじゃったんだから……。リサリサにとっては恐怖の象徴だったんだよ。DIOは」

 

そして、偶然にも承太郎おじさんがザ・ワールドの練習をしたんだね。だから、お兄ちゃんの中のDIOが一時的に目覚めちゃったんだ。

それが小町の最初の敗北。産まれたばかりで、前世のトラウマと遭遇した小町には………恐怖に抗う力なんて無かった………。

 

side比企谷小町(回想)

 

小町『あ………ああ………』

 

八幡『どうした。もうその呼吸の力は使わんのか?同じふーふーと吹くのなら、この比企谷八幡を讃えるファンファーレでも吹いていろぉぉぉぉぉ!』

 

あの謎の吸血鬼が乗り移ったかのように、がらりと雰囲気が変わった兄がゆっくりと近付いてくる。あの小町の幽霊を殴り飛ばした黄色い幽霊も………。

波紋の賛歌は勇気の賛歌。だけど今の私には……。

 

小町(助けて………助けて………ジョージ…ジョセフ…スピードワゴンさん……ストレイツォさん……)

 

そして………

 

小町『エリナおかぁさぁぁぁぁぁん!』

 

カッ!

何をどうしたら良いのかわからなかった。ただ、なんとなくそうしただけだった。波紋の力を幽霊に当ててみると………

 

八幡『ぐGYAAAAAAAAA!おのれぇ!小娘ぇぇぇぇ!』

 

兄の体が煙をあげ、穴だらけになっていた。

 

小町(エイジャの赤石!そうか………エイジャの赤石は波紋の増幅器!幽霊のエイジャの赤石が私の波紋に反応して、レーザーを射った!それが兄の黄色い幽霊に当たって……だから兄も傷付いた。さっき私の幽霊が殴られた時に私にも痛みが走ったように……)

 

なんとなく幽霊の仕組みが理解できた。

幽霊は幽霊にしかさわれない。幽霊が傷を受ければ幽霊の持ち主も傷つく。

 

八幡『ぐぅ………ざわざわが………ざわざわが止まらない………イヤだ!くるなざわざわ!』

 

バタリと倒れた兄。

兄もあの吸血鬼の影と必死に戦っているんだ……。あの吸血鬼は………危険だ。

あれは……イヤだ。あの吸血鬼の影は……。

 

ガチャッ!

 

いろは『何の音ですか!………なにこれ……お部屋がメチャクチャ………小町ちゃんもハチ君もどうしたんですか!?何がここで起きたんですか!?…これは…ざわざわとか言っている時のハチ君のお化けさん……それにこのお化けさんは………小町ちゃんのお化けさん?ハチ君の傷は小町ちゃんのお化けさんの仕業!?わたしのお化けさん!痛いの痛いの飛んで行けー!』

 

騒ぎを聞き付けたいろはお姉ちゃんの幽霊が兄と私に緑色の弾丸を当てる。すると、兄の体が輝いて致命傷だった兄の体が元通りになる。焦げた服は元に戻らなかったんだけど。

そして私の頬に出来ていた殴られた傷が無くなり、痛みが引く。そうだった。波紋の呼吸が乱れたから自己回復が出来なかったんだ。

 

いろは『ハチ君!大丈夫!?しっかりして!』

 

八幡『うう………いろはちゃん……逃げて……ざわざわが………危ないよ……』

 

いろはお姉ちゃん!離れて!危ないよ!

そいつは……そいつは………

バサ………

いろはお姉ちゃんが兄を抱く………。

 

いろは『ハチ君……。私は逃げません……今度こそ…最後まで……あなたの側に………』

 

そう言って………いろはお姉ちゃんは兄に唇を重ねる。

 

小町(エリナお母さん?それに……ジョセフ?ううん…ジョナサンお父さん?)

 

何故かそれが………エリナお母さんと……ジョセフによく似た男……確かリサリサの時に遺影を見たことがあるジョナサンお父さんの姿に似ていた。そして、これとよく似た光景を……リサリサは見たことがある気がした。

 

いろは『今度は死の匂いはしませんね?大丈夫ですよ?よぅよ』

 

八幡『エリ…………あれ?いろはちゃん?』

 

いろは『ハッ!わたしは何を!』

 

八幡『やっと僕のお嫁さんになってくれるんだね!もう一度!』

 

いろは『チュー禁止!』

 

あれ?いつものいろはお姉ちゃんと兄に戻った。

何だったんだろ………今のは……

いろはお姉ちゃんはエリナお母さんになって、兄は吸血鬼じゃなくなったと思ったら、ジョナサンお父さんになって……あれ?

 

小町『まぁ、良いか』

 

いろは『よくありません。小町ちゃん?あれはあなたの仕業だったんですか?』

 

ドドドドドドドドドドドドドドド

 

あ、またいろはお姉ちゃんがエリナお母さんに変わった気がした。

それもお説教をするときの一番怖い時の。

 

小町『えっと………その………』

 

いろは『随分と成長したみたいですね?まるで1年か2年は一気に成長したように見えますよ?何があったのか答えてくれますよね?』

 

小町『えっと……兄の呼吸のような……』

 

何故か波紋と言ってはいけない気がした。エリナお母さんは波紋が嫌いだったからかも知れない。

 

いろは『兄?へぇ……兄……ねぇ』

 

スッといろはお姉ちゃんの目が細くなる。

怖いぃぃぃぃ!さっきの吸血鬼とは別の意味の怖さが出てるよぉ!

そう言えばどんなに強くなってもエリナお母さんにはずっと逆らえなかったっけ?

なんかその時と同じだよ!

 

小町『お兄ちゃん!お兄ちゃんですぅ!』

 

いろは『よろしい………それで?』

 

八幡『僕が小町に面白半分で呼吸の力を教えたんだよ。もしかしたら僕の妹だし、出来るかなぁって、こう、お腹のこの辺にドズッ!っとやったら……そしたら小町がこうなっちゃって、しかも小町って僕よりも呼吸の力をうまく使えるみたいでさ。強いのなんのって……。しかも小町の幽霊、呼吸の力をレーザーに出来るみたいで凄いんだよ?』

 

え?兄はまるで違うことをいろはお姉ちゃんに伝える。

 

いろは『へぇ……じゃあこれはハチ君が原因だった。そういうことでよろしいですか?』

 

八幡『う、うん。そうだよな?小町』

 

兄は振り返って私にウインクをする。そういうことにしておけ………と。その姿がジョナサンお父さんの姿とまた重なった。

 

小町(ジョナサンお父さん?…ううん…お兄…ちゃん)

 

私が悪いのに……兄は……お兄ちゃんは私を…小町を庇ってくれたんだ……。

 

いろは『ハチ君!お説教です!そこに正座して下さい!』

 

八幡『は、はいぃぃぃぃぃぃ!』

 

小町『ち、ちが………お兄ちゃんは……』

 

いろは『大変だったですね?小町ちゃん?ちょっとあっちに行っててもらって良いですか?今からお姉ちゃんはお兄ちゃんとお話をしなければいけませんから。良いですね?』

 

小町『だからお兄ちゃんは全然悪くなくて……小町が』

 

いろは『い・い・で・す・ね?』

 

小町(ビクゥ!コクコク……)涙目

 

やっぱり怖いぃぃぃぃ!

 

八幡『ほら小町。お兄ちゃんも妹に情けないところを見られたく無いからさ……あっちに行っててよ……』

 

お兄ちゃん……ありがとう……ごめんね?

 

いろは『覚悟は出来てますね?ハチ君?』

 

八幡『僕は出来てない!』

 

ガミガミガミガミガミガミガミガミ!

 

八幡『ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』

 

比企谷八幡(ハーミット・パープル・ネオ&ザ・ワールド・ネオ)……再起不能(リタイア)

 

 

side比企谷小町(現在)

 

小町「とまぁ、こういう訳だったのです」

 

いろは「2年後に事の真相を知って呆れましたけどね?そういう変に自分を犠牲にするところは変わってないって言うか………」

 

八幡「俺もエリナお母さんモードのいろはがあんなに怖いだなんて初めて知ったよ……ジジイも未だにいろはに頭が上がらないしな。そう言えばあれから小町は素直になったよな?」

 

小町「そう?小町は昔からお兄ちゃんやお姉ちゃんには素直だったよ?」

 

いろは「どの口が言いますか……このお米ちゃんは」

 

小町「お米ちゃんって言うのやめて!なんかその呼び方すごくイヤだ!」

 

どうせ秋田小町からとったんだろうけどさ!

それにしても……あのときからちゃんと小町はお兄ちゃんの事をちゃんとお兄ちゃんって呼ぶようになったし、お姉ちゃんには逆らえなくなったよね?

 

小町「結局さ……母親って一番強いよね?」

 

八幡「同感だ。嫁や母が最強だわ。結局……ジョースター家の中で誰が最強かといえば………いろはだよな?」

 

徐倫「あー………わかる気がするわ。グランパも父さんも兄さん達も………イーハには逆らえないよね。あたしもだけど……イーハが怒ると一番怖い」

 

いろは「なんですか?それ。急に母親とか……」

 

八幡「俺の嫁、最強。だからいろは……愛してるぞ」

 

いろは「ちゅー禁止です!」

 

( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

 

あ、それ久々に見た。でも、お互いに本気じゃあない。懐かしい話をしたからジャレ合いしたくなったんだね。

思えば粗暴な言動をするとお姉ちゃんが怒るから、次第に口調が今みたいに少し子供っぽくなっちゃったし、一人称も小町に変えたんだっけ?

もう来年からは高校生だから、来年には一人称は「私」に戻しても良いかもね?

だけど、今はまだ二人に甘えていたいや。

兄と姉……であると同時に両親でもある二人に。

まだ良いよね?お兄ちゃん、お姉ちゃん?

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

うまくまとめられたかはわかりませんが、これにて小町編は終了です。

次回はそれから第1章までのダイジェスト…でいきます。

それでは次回もよろしくお願いします。

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