side比企谷八幡
小町が生まれた時……小町が生まれた時……ねぇ。
八幡&いろは「う~~ん………」
徐倫「ちょっと。なんでそんなに頭を悩ませてるのよ」
そうは言われてもなぁ……。
ガラッ!
小町「たっだいまぁ!ねぇ聞いて聞いて!露伴先生とめぐりさんがついに本格婚約だよー!小町、嬉しすぎて早くお兄ちゃん達に報告しようってダッシュで帰って来ちゃったよ!」
ガチャッ!ではない。ガラッ!だ。
小町は例のごとく、部屋のドアから入って来たわけじゃあない。
ホテルのベランダまで飛び上がり、窓から侵入してきたのだ。
徐倫「杜王町にも忍者ロードが出来ないことを切に祈るわよ……」
うちから総武高校までは通称忍者ロードと言われていますが何か?
八幡「おー、露伴先生もついに覚悟を決めたかー」
いろは「今度はマチちゃんだと良いですね?」
八幡「エンポリオとの……」
ゴン!
徐倫「
何故だ!小町の何が不満なんだ!
小町「うわー………お兄ちゃんうざーい。もう小町のそーゆーのは放っておいてよ。エンポリオとくっつけようとするの、ホントに止めて」
小町がホントに嫌そうな顔をする。
うーん………優良物件だと思ったんだが……。
小町「小町は小町で自分で探すよ。そうでないなら小町の事はお兄ちゃん夫婦が養ってくれれば良いから。少なくともエンポリオも小町も互いに男女の意識はありません!余計なお世話なのです!」
く……こうもハッキリ否定されたんじゃあ諦めざるを得ない。
ダメかー……
小町「で、なんの話をしてたの?」
八幡「いやぁ、徐倫が俺達の出会いの話を聞きたいって言ってきてな。で、俺といろはの話をし終わったところなんだが……」
小町「お兄ちゃんとお姉ちゃんの出会い?出会い頭のズキューーーン事件?」
え?
八幡「ねぇちょっと小町ちゃん?なんでそれを知ってるの?君が生まれる前の話だよ?」
小町「ん~………ちょっと待ってね?はいこれ」
小町はスマホを弄くり、1枚の写メを見せる。
当の事件の写メだ。だってこの頃、いろはとキスをしたのってこの時だけだもん。
なんでこんなの残ってるの?
小町「ほら、当時って写メ機能が世に出て一年後ってところでしょ?」
J-PHONE発売のあれね。
確か親父、そっこうで買ってたわ。
パシャパシャ撮られまくっていたわ。
小町「で、こんな大事件だからお父さん、速攻で撮ってパソコンにデータを写したんだって。で、お姉ちゃんとの結婚式の思い出アルバムの1枚目には絶対にこれだってお父さんと一色のお父さんは決めているらしいよ?」
親父ぃぃぃ!
家族好きが変な方向に暴走させているんじゃあなぁい!
次の写真が………ん?こ、これは。
徐倫「ヘトヘトに疲れきったハッチらしき子供とイーハ?真ん中にいる赤ん坊は………ぷっ!可愛くない赤ちゃん」
小町「悪かったね……可愛くない赤ちゃんで」
徐倫「へ?これ、マーチ?」
小町「そだよ。小町は生まれていきなり反抗期だったんだよ」
八幡「大変だったな、実際……」
いろは「おまけにスタンドがあれですからねぇ…」
side比企谷八幡
2002年3月
いろはちゃんと友達になってから約1年と数ヶ月。
僕達はだいぶ仲良くなったと………思いたい。
典子「いろはちゃーん♪お風呂だよー♪」
いろは「はーい!」
八幡「ぼくもー!」
いろは「………お化けさん、出すよ?」
八幡「くすん…………」( ゜∀ ゜)内心
家の外壁
八幡「このくらいの高さなら………ピョッ!」
窓に張り付く。結露の為、波紋で張り付ける。
八幡「…………ここからならお風呂を覗け……」
チョンチョン
八幡「何だよ………今良いところなんだから」
もう少しで………
チョンチョン
八幡「待ってよ。もう少しなんだから……」
湯気が邪魔だな………もう少し上に上がれば……
チョンチョン
八幡「なんだよ!うるさいなぁ!」
振り向くとそこには………
八幡「げっ!いろはちゃんの幽霊!」
N・E「ハチくんは壁チョロですか?呼吸の力の悪用は感心しませんね?無理ぃ!」
ゴン!
ヒュゥゥゥゥ………ドサッ!
壁チョロって………。確か九州の方のヤモリの呼び方…。
八幡「何で………バレた………ガクッ!」
比企谷八幡(ハーミット・パープル・ネオ)…
……夜……
八幡「えーと………確かこの辺に……」
ガソゴソ………
八幡「あったあった」
パパパパパー♪(青狸風)
お父さんのJ-PHONEー♪(ガラケー)
これに僕のウネウネ幽霊を巻き付けて……
カメラモード!
ウヒヒヒヒヒ………
うーん、今の時間はおじさんが入ってるのか。御仕事、ご苦労様です……そこから大体八時間前だから……念写の時間を戻して……。
あ、一色のおばさんが入ってる。将来のいろはちゃんってこうなるのかな?楽しみだ。
でもヤッパリ一番の目的は………あった!外にガラス越しに僕が張り付いてる!こりゃバレるに決まってるや。
典子「…………好かれてるわね?いろは。でも2歳の子供がやるような事かしら……末恐ろしいわ……」
いろは「………はぁ」
もうちょっと下……もうちょっと……やったー!
いろはちゃんのはだ………
チョンチョン
………か?
ま、まさ………か………。
N・E「は・ち・く・ん?な・に・を・し・て・る・ん・で・す・か?」
八幡「やぁいろはちゃん。ちょっとカメラで遊んでたんだ……」
N・E「へぇ?そうなんですね?こんな真っ暗な中で何を撮影するんですか?」
八幡「さぁ……僕の幽霊の能力次第かな?それよりもいろはちゃん」
N・E「何ですか?」
八幡「夜はちゃんと寝てなくちゃダメだよ?成長が止まっちゃうよ?おばさんみたいにスタイルが良くならないよ?………あ」
N・E「はぁ………ハチくんが心配することじゃあ無い気がしますけど?巨大なお世話です。で、何でハチくんはお母さんのスタイルを知っているんですか?」
ダラダラダラダラ………
八幡「さ、さぁ?」
N・E「もう良いですか?」
覚悟は出来てますか?って意味ですね?わかります。
覚悟は出来ているか!僕は出来ている!
N・E「無理無理無理無理無理!無理ぃ!」
いろはちゃんの幽霊によって往復ビンタされる僕。
ビビビビビビビビビビビビビ!( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン!
八幡「タコォォォォォォォォォォォォォス!」
ドメギャァァァァァン!
比企谷八幡(ハーミット・パープル・ネオ)…
八幡母「ちょっと!何の音!?………ってハッくん!?予防接種したのにおたふく風邪がぁぁぁぁ!あなたぁぁぁぁぁぁ!ハッくんが!ハッくんがぁ!」
八幡「………ピクピク………ガクッ!」
いろは「…………すけべ」
いろはちゃんだけなんだぁぁぁぁ!
男の声『紳士として恥ずべき行為だな……もうディオの影響を受けてるんじゃあないのか?』
誰なんだ………この声は………。
side比企谷八幡
徐倫「あんた………なにしてんの?もうこの頃から性悪に目覚めてたんじゃあないの?」
八幡「否定できない………だと?」
確かに2歳児のやることじゃあないですね?
何をやってたんだろう……当時の俺。
小町「ゴミぃちゃんだったのは昔からだったんだね?ごめんね?お姉ちゃん………こんな兄で」
ゴミぃちゃん、久々に聞いたよ……。
いろは「未だに直ってないんですよねぇ。ハーミット・パープルを使った念写の覗き」
徐倫「相手がイーハじゃあなければとっくに警察に突き出されてるわよ?あんた………」
八幡「いろはの裸以外には興味ない!むしろいろはの念写なら今なら目を瞑っていても出来る!ハーミット・アメジスト!」
スマホに繋げてポチッと………
ゴン!
徐倫「するな!」
はい、次!いってみよう!(コメディアン風)
side比企谷八幡(回想)
数日後
八幡母「すいません、一色さん。八幡をお願いします」
典子「良いんですよぉ。それよりも、元気なお子さんを産んで下さいね?」
八幡「いろはちゃんのお家でお泊まりだぁ!うれしいなぁ!いろはちゃん、いっぱい遊ぼうね!?」
八幡母「………この子、ホントにいろはちゃんが大好きね……まぁ、良いことだけど……いろはちゃんに会う前はホントに陰気で………」
ホントに周りに興味が無かったもんな……。
それは今でも変わっていないけど、いろはに出会う前まではホントに『僕』は………世界が灰色だった。
side一色いろは(回想)
ハチくんが陰気だったなんて信じられない。
でも、わかる気がします。だって……わたしだってそうだったから……。
ハチくんは他の男の子とは違いました。女の子をいじめて来ないし、時々チューをしてこようとしたり、この前みたいなお風呂覗きをしてくる以外は特に嫌な事をしてこない。
遊ぶときもわたしがやりたい遊びを優先してくれるし、本当に心の底からわたしの事が好きで大事にしてくれるっていうのがわかる。
お化けさんのことで悩んでいるのなんて忘れるくらいに楽しい毎日だった……。
八幡「そうだ!この前、ピンクダークの少年を見逃したんだった!うねうね!」
ハチくんがお化けさんを出してテレビに絡めます。見逃したアニメを見るつもりみたいです。
ピンクダークの少年………って、あのアニメ、わたしたちの年代が見るものじゃあ無いですよね?
八幡「………うう………ザワザワが………」
ハチくん?あれ?テレビ画面に映ってるのって……。
DIO「貴様!見ているなぁ!」
顔が影で覆われた金髪の男の人が………。
この男の人は………誰?
わからない……わからないけど………とても恐ろしい!この男の人は誰!?
ハチくんのウネウネのお化けさんが消えて……時々ハチくんから出てくる黄色いお化けさんが………このお化けさん!嫌い!なんなの?このお化けさん!
八幡「ザワザワ………怖い………ザワザワ………くるなぁぁぁぁぁ!」
同時刻
イタリア・ヴェネチア(後のSPW財団イタリア支部となるパッショーネ本部)
side空条承太郎
今夜はポルナレフの紹介で汐華初流乃……つまりジョルノ・ジョバァーナとの面会をする日だ。
杜王町でDIOの片鱗を感じたときから数年。
未だに事件の犯人は掴めていない。当初はDIOの息子、ジョルノ・ジョバァーナを疑ったが、ジョルノ・ジョバァーナは白だった。
敵は別にいるって訳か……。
敵の目的は間違いなく俺の記憶だ…。確信が持てる。
その時は間違いなく戦いになるだろう。
暇な時はなるべくスタンドパワーの強化を訓練するべきだな……。
承太郎「スター・プラチナ・ザ・ワールド」
ブウウウウン…………
承太郎「1、2、3………ここが限界か……そして時は動き出す…………」
少しは伸びたか………。もうじき俺の成長は限界を迎える……。せめて5秒は止められるようにならなければな。
side比企谷八幡(回想)
ピンクダークの少年♪ピンクダークの少年♪
ブウウウウン………。
八幡「!!」
まただ………周りの景色が灰色になった……。
そうなると僕以外は止まってしまう……。そして、僕も一瞬だけ動けた後は動くことが出来なくなる……。最近では2、3日に1度はこれが起きる……。
僕はこの感覚が嫌いだ………。だってその後は……。
八幡(ザワザワ………ザワザワが来る……)
???(WRYYYYY!)
僕の中で……僕じゃあない誰かの声が響く!
そして………
???(支配しろ!ひれ伏せ!このザザー……の前に!人間ども!再び支配してやるぞぉぉぉぉ!)
う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!
やめろ!僕の中から出て行けぇぇぇぇぇ!
いろは「ハチくん!しっかりしてぇぇぇぇ!」
フワサァ……………
いろはちゃんのいい匂いが僕を包み込む……。
ザワザワが消えていく………。
いろはちゃんの匂いが………僕の心を落ち着かせてくれる。
ヤッパリ僕にはいろはちゃんが必要なんだ……。
うっ!
チクリと耳に痛みが走る。そして首の後ろにも……。
いろは「ハチくんの耳に……3つのほくろがいきなり出来た………それに、首の後ろにも薄い痣が……これは、わたしやよぅよの痣と………同じ?」
僕の首の後ろには昔から徐々に痣があり、それが段々と大きくなってきた。最近ではまるで星を描くような形になってきている。
いろはちゃんの首の後ろにも……。この痣は……なんなんだろう?
←To be continued
はい、徐々に第1章へと時系列は近付いています。
八幡&いろは+小町編
過去の千葉で、一体何が起きるのでしょうか?
それでは次回もよろしくお願いします!