やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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明けましておめでとうございます!
令和2年、最初の投稿です!


こうして比企谷八幡と一色いろは友達になる

side比企谷八幡

 

徐倫「ハッチ………あんたねぇ………大人の思考を持っていたのに何をしてるのよ……」

 

これを聞いていたのが徐倫だけというのが救いだ。

俺はと言えば頭を抱えてゴロゴロと悶えている。

俺の人生の最初の黒歴史だ。

いや、ファーストキスがいろはで良かったと思うよ?でも俺はディオに引き続き、二度もエリナのファーストキスを奪ってしまったわけで……。

 

いろは「まぁ、こうしてわたしはハチくんによって人生で1回しか出来ないファーストキスを無理矢理奪われたんです。今ではほとんど毎日チュッチュッしてますけど、それでも大事な初めてを奪われた事には変わりません。反省してもらいますからね?一生……もうホント、一生反省してもらいます♪」

 

ホントね。

俺のおはようはいろはとのキスで始まり、お休みはいろはとのキスで終わる。

ユニコーンの攻撃の時はキツかった……。

理由なくそれがないともう……発狂して叫び出すまである。

 

徐倫「まぁ、出会いがイーハにとって最悪だったのはわかったわ」

 

いろは「ん~~………実を言うと、当時のハチくんって目は腐って無かったですし、魂の惹かれ合いって言うんですか?いきなりキスをされたのは確かに頭に来ましたけど、それほどハチくんに対して嫌悪感は無かったんですよ~。やっぱり運命だったんですかね?」

 

八幡「い、いろはぁ………」

 

いろは「ほらほら。わたし達ってこういう関係じゃあないですかぁ♪落ち込んじゃダメですよ~?ハチくんは一生わたしを愛でなければダメなんです♪」

 

徐倫「ハイハイ!ノロケご馳走さま!」

 

徐倫は俺達の間で俺達から醸し出されるピンク色の空気を振り払うように言う。

この甘い雰囲気が嫌ならさっさと承太郎のところに帰ってくんね?

ものすごぉぉぉぉぉく邪魔なんですけど?

 

徐倫「絶対に帰らない。お前らを二人きりにしたらこの話だけはR18のタグを貼って別の作品として出さなくちゃならない展開になるだろうからな!」メメタァ!

 

八幡「え?もちろん」

 

いろは「メイクラヴ……しちゃいます♪」

 

ゴン!×2

 

徐倫「するな!お前らは絶対に千葉に帰るまで二人きりにさせねぇからな!」

 

いろは「うう……徐倫……酷いです!わたしにまで拳骨を落とすなんて!」

 

徐倫「さっさとナイチンゲールで治しておきながら白々しいんだよ!さっさと続きを話せ!このバカップル!」

 

はいはい。こうなった徐倫はテコでも帰らないからな。この男日照りめ……。

 

ゴン!

 

徐倫「そろそろ殴るぞ?テメェ……」

 

殴ってから言うの、おかしくね?

 

 

side比企谷八幡(回想)

千葉・稲毛

 

いろは「ムッスゥゥゥゥ………」

 

八幡「だからごめんってば!いろはちゃん!」

 

いろは「(プイッ!)」

 

いろはちゃんは頬を膨らませて僕と視線を合わせてくれない。

そんな姿もカワイイなぁ………。

肩まで伸ばしている亜麻色の髪も良く似合っているし、膨れていて半目になっているパッチリしたお目めもカワイイし、への字になっているピンク色の唇もカワイイ……。

あの唇………柔らかかったなぁ………。

またチューしたいなぁ………。

 

N・E「ねぇ………」

 

いろはちゃんの幽霊が話し掛けてくる。いろはちゃんの幽霊って喋られるんだ。僕のウネウネももしかしたら喋ることが出来るかも?

今度試してみよう。

 

N・E「ねぇってば!」

 

八幡「あ、ごめん。なに?」

 

N・E「そのだらしがない目でわたしの顔を見るのは止めてくれない?」

 

うっ!そんなにだらしがない顔をしてたかなぁ。

チラチラとしか見ていなかったのに何でわかるんだろう。

 

N・E「女の子はね、男の子の視線に敏感なの!次にその顔で見たらこうだからね!」

 

いろはちゃんの幽霊が手を合わせ、そして離すと…。エメラルドグリーンの液体が手と手の間に流れる。

凄いキレイ………。

 

八幡「キレイだね?そのエメラルド・グリーンのそれ。見とれちゃうよ」

 

N・E「見とれていられるのも今のうちですよ?見て驚かないで下さい!緑の弾丸!」

 

液体が段々と宝石のような形になり、そして街路樹に向けて飛んでいく。

カンカンカンカンッ!

宝石は街路樹に命中し、その表面を少し抉った。

つまり……人に重傷を与えるには充分な威力…。

後にエメラルド・ストライクと名付けられるいろはちゃんの必殺技だった。

 

典子「キャッ!いろはちゃん!またお化けさんを使ったわね!?人前で使っちゃダメだって言っているでしょ!」

 

母親に怒られるいろはちゃん。それでも僕の方を見ていて「ンベー!」と舌を出していた。

かなり嫌われちゃったかなぁ……。

それも仕方がないよね……。

ハァ………やっと友達になれそうな子が見つかったのになぁ………。

それにしても今の技………どこかで………。

 

花京院『エメラルド・スプラッシュ!』

 

キーン………!

まただ………たまにくるこの頭痛は………。

何かを思い出しそうな………。

 

ジョナサン『まだだ!ディオの記憶を取り戻すには君にはまだ早すぎる!』

 

うわぁぁぁぁぁぁぁ!

 

八幡「…………うう……頭が……痛いよぉ……」

 

僕は抱っこしてくれているお母さんにしがみつき、えぐえぐと泣いてしまう。

精神は大人でも体はまだ子供だ。

痛みには………まだ慣れていない。

 

八幡「コォォォォ………」

 

痛いときにはこの呼吸をするのが一番だ。でも、何かを思いだしかけた時に出てくるこの頭痛は呼吸の力でも癒えない。

 

いろは「え?どうしたの?急に泣いちゃって……ねぇ、大丈夫?どこか痛いの?」

 

八幡母「大丈夫よいろはちゃん。八幡はね、時々こういう時があるの。何かの病気を疑ったこともあるけど、原因が分からなくて………」

 

いろは「じゃあわたしの力なら………」

 

典子「まさかいろは………ダメェェェェ!」

 

いろはちゃんの幽霊は、再びあの構えを取った。

ああ、あの弾丸で気絶させるつもりかなぁ……。

呼吸の力がないと、とても痛そうだもんね……。

 

いろは「痛いの痛いの飛んでいけ!」

 

僕に飛んでくるエメラルドの弾丸。

頼むから苦しまずに気絶させてよ?

僕は訪れる痛みに耐えるように、ギュッと目を閉じる。

 

パアアアァァァァ………。

 

え?

痛みがないどころか………痛みが消えた?

凄い………なにこれ………。

 

八幡「凄い………凄いよいろはちゃん!痛いのが無くなった!」

 

いろは「えへへへへ~」

 

さっきまで怒っていたことを忘れたのか、いろはちゃんは満面の笑みを浮かべる。

ヤッパリ凄くカワイイ!なんなのこのカワイさ!もう反則でしょ!僕、完全にKOだよ!君のカワイさにメロメロだよ!天使だ……本物の天子がここにいるぅ!

 

典子「いろは!お化けさんの力を使っちゃダメだってさっきから言っているのに……このままじゃあまた…」

 

八幡父「大丈夫ですよ。一色さん。いろはちゃんみたいな不思議な力は、八幡にもあるんですよ」

 

ヒョイっと僕をお母さんの手から僕を抱き上げるお父さん。

うう……お父さん……怖い。

コォォォォ………。

誰かが言っていた気がする。呼吸の力は勇気の力だって。

たしか……波紋(オーバー)………

 

八幡「オーバードライブ!無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

バリバリバリバリ!

 

八幡父「ギャアアアアア!」

 

八幡「無駄ッ!」

 

シュタッ!

お父さんに呼吸の力を流し、お父さんの頭を踏み台にしてジャンプ!

そしてカッコよく着地!へへーん!僕は小さいけれどもとっても強いんだぞ!

将来は龍玉の孫悟空だぃ!宇宙の帝王、冷蔵庫一味だって倒しちゃうんだぞ!

 

天の声『2歳で龍玉を見てるのかよ!』

 

いろは「ハチマーくん!お父さんにそういうことしたらめッ!ハチマーくんのパパに痛いの痛いの飛んでいけ!」

 

パアアアァァァァ………

感電してピクピクしていたお父さんに例の力を当てると、お父さんの痙攣が治まってむくりと起き上がった。

 

八幡父「あいてててて………ほら、こんな風に不思議な力がこの子にはあるんです。いろはちゃんとは少し違いますけど……」

 

真面目な話をしているお父さん達を無視して僕は「ピョッ!」といって今度はいろはちゃんのお母さんの腕に飛び付く。そう、いろはちゃんのお母さんの胸の高さまで。

 

典子「キャッ!何ッ!この子!なんてジャンプ力!」

 

呼吸の力を使えば余裕だい!

 

八幡「凄い!やっぱり凄いよ!いろはちゃんの幽霊の力は最高だ!」

 

いろは「う、うん……そうですか?初めて言われました……」

 

典子「この高さまでジャンプ出来る八幡君も凄いと思うんだけど……」

 

八幡「やっぱり君は僕と同じ……なんだね!もうこれは結婚するしかない!いろはちゃん!チュー……」

 

いろは「チュー禁止です!」

 

ゴン!

 

八幡「ギャアアアアア!」

 

ドスン!

 

 

side一色いろは(回想)

 

あのコォォォォ……の力、異常です!絶対にわたしでは抵抗できません!

それに何故だかこの呼吸は……好きになれそうもありません!

だからお化けさんの拳骨で叩き落とします!

この人なら大丈夫です。多分、叩き落としても、お化けさんの力で殴ってもケロッとしているはずです!

 

八幡「いてててて………いろはちゃんの幽霊、強いね?僕、お父さんに拳骨されてもそんなに痛くないのに、今のは結構痛かったよ!」

 

ほら。全然……という訳では無かったんですけど、案の定大して痛がる訳でもなく、すぐにまたわたしのところまでよじ登ります。

猿なんですか!?しつこいです!

 

八幡「ねぇねぇ!いろはちゃん!そんなに嫌がらなくても良いじゃん!初めてなんだよ!僕と同じで、本当の友達になれそうな人なんて!」

 

いろは「友達………」

 

そう。わたしにも友達がいない。

お化けさんの力を見ると、誰もが怖がる。

誰もが気持ち悪がる……。

わたしは……大人が言っていることはわかるけど、同じ子供のはずの子供の言っている事が理解できない…。

八幡君の言っている事がわたしには理解できてしまう。

本当に同じなんだね……わたしと八幡君。

 

八幡「ねぇ……お嫁さんはダメでも、僕の友達になってくれないかな……いきなりキスしたことは謝るからさ…僕も寂しいんだ。本当の友達が……本物が欲しいんだよ………」

 

八幡君の目が、何だか捨てられた子供のように見えて…。

 

いろは「うん……友達なら……良いよ?」

 

八幡「ホント!?やったぁぁぁぁぁ!初めて出来たぞ!僕と同じ幽霊持ちの、こんなカワイイ本物の友達が!やったぁぁぁぁぁ!殲滅すべし!ボッチだった僕!」

 

わぁい!わぁい!と民家の二階の屋根まで飛び上がりそうな凄いジャンプで跳び跳ねて喜ぶ八幡君。

こんな変な子がわたしの最初の友達かぁ…。

でも、わたしのお化けさんをみて怖がるどころか逆に友達になりたいだなんて……変な子だけど……面白い人だとわたしは思った。

変な力があるわたしには………丁度良い友達なのかも知れませんね?

 

八幡母「良かったわね?ハッくん。初めてのお友達なんだから、大事にしなさいよ?もういきなりキスなんて、したらダメだからね?」

 

八幡「うんッ!わぁい!わぁい!」

 

八幡母「あと、その力、もう少し加減しなさい!いろはちゃんと離ればなれになっちゃうわよ!」

 

八幡「え?それ困る………」

 

シュンとなって大人しくなる八幡君。本当にどんな大人になるんですかね?

その時まで友達でいられるかなんて……わからないけですけど。

 

典子「比企谷さん。あなたがお隣で良かったです。あの八幡君の家族なら……色々と苦労を分かち合えそうですから……わたしの実家である家は、この子を……いろはを虐待するような風潮がありました。わたしの従兄がいろはと同じようなお化けさん持ちでしたから。他に頼りになりそうな人達はジョースター家だけです。ですがわたしはジョースター家の事も……」

 

八幡父「一色さん。それは私も同じです。いろはちゃんと会えて……良かった。このままでしたら、私は……我が家は遅かれ早かれ一色さんと同じく、逃げるようにこの千葉から引っ越していたでしょう…。我が家も頼れる人は誰もいない。八幡を……施設に入れろという親戚から縁を切り、逃げるようにこの千葉までやって来たんです。八幡を捨てることなんて私には出来ませんでした。かけがえのない、私の血を引く子供ですから……」

 

典子「わたしもです。八幡君に会えたのは幸運です。わたしの従兄は孤独でした……いろはもそんな典明君のようになるんじゃあないかって……心配だったのです。ですが、同じお化けさん持ちの八幡君に出会えたのは…本当に良かった……」

 

お母さん………。

そうだね。幸運だったんだよね。

わたしは……この日以来、あんなに求めていた『よぅよ』の事など忘れ、奇妙な幼なじみに振り回される日々が始まったのです。

だって……知らなくても見付かっていたんですから。

わたしが求めた『よぅよ』を……。

 

side一色いろは

 

徐倫「ねぇイーハ。結局、その『よぅよ』ってのは何だったわけ?」

 

ふふふ……察しが悪いですね。弥七を見破った徐倫はどこに行ったのですか?あなただって『よぅよ』なのに。

 

いろは「さぁ、何でしょうね?6代目『よぅよ』」

 

徐倫「……なるほど。『ジョジョ』って事ね。それならば見付けているはずだわ。既にあんたにとっての『ジョジョ』は……ジョナサン・ジョースターは見付かっていたんだもの」

 

そういうことです♪

 

徐倫「じゃあ、次はマーチの誕生ね?期待してるわよ?イーハ、元初代『よぅよ』」

 

八幡&いろは『え?』

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

次回は小町誕生からのお話です。

それでは次回もよろしくお願いします。

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