麦芽ゼリーに触れている作品ってありますかね?
千葉県あるあるから色々ネタを拾ったのですが。
ちなみに…作者は千葉に住んだことはありません。
side比企谷八幡
彼が元の世界に帰ってから数日が経ち、俺達は日常へともどった。
つまり、仗助にこき使われる日常だ。
八幡「うがあぁぁぁぁ!」
ジョセフ「なんじゃ八幡。いつもの発作かのう」
いつもの発作とは社畜生活をしている自分に対して正気に戻った俺が、現状に対して発狂するか、泣き叫ぶか、逃げ出すか。
確率的には三番が一番多い。
それが週一のペースで起こる。
ジジイがいるのは関東支部の引き継ぎの為だ。
俺達がアメリカに行っている間の日本支部の仕事はジジイが肩代わりしてくれていたからだ。
プッチを倒して平和な日常へと戻った俺。
そう、平和な
…
……
………
八幡「ふざけるなぁ!」
小町「お兄ちゃん、気持ちはわかるけど諦めよう」
いろは「そうですよ。どうせ逃げられないんですから」
八幡「イヤイヤイヤ、おかしいでしょ!何で中学生の平和な日常が社畜なの!?返して!俺の平穏と青春ラブコメを返して!」
いろは「ラブコメを誰とするかは置いておいて、青春をするくらいなら仕事してください」
八幡「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている!」
いろは「何を言っているんですか?ハチくんの青春は私との青春。今さらその青春に終止符を打つとしたら、結婚か無理心中しかないですからね?」
八幡「何その2択!もうこの際『どジャアァァン』して貰うしか…」
小町「下らない理由で呼び出したら今度こそ取り上げられるよ、大統領から」
実は帰って来て早々にこの現実から逃げ出したくて、どこでも良いから逃がしてくれと言ったら怒られた。
まぁ、当然ではあるが。
陽乃「ひゃっはろ~!今日も頑張ってるわね~」
息抜きがてらに発作を起こしていると、陽乃さんが入ってきた。
まあ、なんだかんだ言いつつ、仕事はきっちりやってるよ?働きたくはないけど。
仗助「よう、陽乃じゃあねぇか。今日はどうしたんだ?何かあるとは聞いてねぇけど」
陽乃「今日から正式にSPW財団でバイトをやる事になりましたから、挨拶にでもと思いまして。あの辛い一週間を乗り越えた仲じゃあないですか?あ、これは差し入れです」
陽乃さんは俺達に麦芽ゼリーを配って回る。
おお!給食の定番、麦芽ゼリーじゃあないか!
仗助「なんだコレ?」
静「え?お兄ちゃん、本気?」
小町「ウソっ!?」
八幡「麦芽ゼリーを知らない…だと?」
いろは「信じ…られない…です」
陽乃「学校給食の定番じゃない!仗助さんは日本人?」
総武組が口々に仗助をボロボロに言う。
ジョセフ「いやいや、お主ら。そんな商品、東京じゃあ売っておらんよ」
ジジイが爆弾を投下してきた。
ウソだろ?
八幡「またまたぁ。……まじ?小学校とか給食で普通に出るだろ?」
仗助「少なくとも杜王町の学校では出なかったぞ?」
静「それは杜王町が関東じゃあないからでは…」
小町「そうだそうだ!」
八幡「ならば承太郎に聞いてみよう!」
仗助「あ、バカやめろ…」
いろは「ちょっ…いま、3時頃…」
仗助といろはが何か言ってきたが、色々気になっていた俺は、早く知りたくて速攻でスマホを操作して承太郎にコールした。
ピッ!ピッ!プルルルルル…プツッ!
承太郎『空条だが、どうした?八幡』
俺は承太郎に質問をした。すると承太郎は。
承太郎『確かにそんなものは俺の地域にはなかったな、ちなみに、千葉県民だと他には出席番号が誕生日順だとかそういうのがあったな、他だと五十音順だが。あと、出欠で「はい、元気です」とか聞いたときは正気かと思った』
八幡「まじか…」
承太郎『ところで八幡。用件はそれだけか?』
八幡「ん?そうだけど…」
承太郎『そうか。ところで、いまアメリカは何時だと思う?』
八幡「あ…………」
アメリカと日本は場所にもよるが、丸々半日の時差がある。
日本の今が午後の3時だから、アメリカは…
承太郎『こんな時間に電話がかかってくるから何事かと思ったが、大したことがなくて良かった。まだプッチとの件から一週間しか経っていないからな。こんな下らないことで良かったと言うべきか…やれやれだ』
承太郎の声は非常に穏やかだ。
だが、これがマンガだったら「ゴゴゴゴゴ…」という擬音が響いているような気がするのは何故だろう?
周りの面々に視線で助けを求めるが…
全員目をそらしている。
八幡「そ、そうだな。下らない内容で済まなかったな、承太郎。いやぁ、本当に悪い悪い。ワハハハハハ!」
承太郎『ワハハハハハ!』
八幡&承太郎「『…………………』」
例のゴゴゴゴゴはまだ収まらない。
八幡「なぁ、承太郎?」
承太郎『なんだ?八幡』
八幡「怒ってる…よな?」
承太郎『夜中の就寝中に下らねぇ事で起こされて、怒ってるか怒ってないか、自分の身に置き換えて考えてみれば良いじゃあないか』
ええっと……
八幡「えっと…どうすれば赦してくれる?」
承太郎『では質問だ。俺は次にお前に会ったとき、どうすると思う?』
八幡「親子共々助けに向かったわけだし、素直に謝れば笑って許してくれる…とか?」
承太郎『ノー。先週の事は感謝しているから、出来ればそうしてやりたいが、それでは八幡の為にならん。それとコレとでは話が別だ』
八幡「じゃあ、正座で小一時間ほど説教?」
承太郎『それもノーだ。お前はジジイと同じで口だけは達者だから、のらりくらりとかわされておしまいなのは目に見えている。俺は口下手だからな』
八幡「やっぱり、スパーリング?」
承太郎『イエス。まぁ、そうなるな』
八幡「もしかして、オラオラですか?」
承太郎「イエス。仗助といろはで治せる範囲に留めておいてやるから心しておけ。その日になったら連絡する。じゃあな」
ピッ!ツー、ツー、ツー、ツー。
ダラダラダラダラダラダラダラダラ(脂汗)
仗助「だから止めろと言っただろ…」
小町「先週までアメリカにいたくせに、普通、時差を忘れるかなぁ、このゴミぃちゃんは…」
八幡「思いっきり児童虐待宣言が…」
仗助「いつも言っているだろう?法律なんてものは…」
八幡「…金と権力が有れば何とでもなる…」
……………………。
八幡「助けてー!前世も現世も承太郎に殺されるのはイヤだー!」
いろは「後でたくさん慰めてあげるから…御愁傷様」
うん。
いろはとイチャイチャできるのは良い。
でも、承太郎にボコられるのは嫌だ!
仗助「まぁ、やっちまったものはしょうがねぇな。ところでよ、麦芽ゼリーっていうのは千葉のローカルメニューってのは良くわかったんだが、千葉県民のオヤツと言ったらやっぱりピーナッツじゃあねえのか?」
ザ・ワールド!時よ止まれ!
いや、使ってないよ?
空気が固まった的な意味で時が止まったって言っただけだからね?
それにしても…。
仗助め。
千葉県に6年もいながら、千葉県民が言われたらイラッと来る言葉。
別に名産品だからって毎日食っとりゃせんわ!
千葉出身組、ハイライトオフ!
そして時は動き出す。
ジョジョだけは別に純粋な千葉出身という訳でも空気を読んで後退。
陽乃「別に千葉県民ってそれほどピーナッツ食べませんからね?社長」
小町「杜王町の人が毎晩夕飯が牛タンの味噌漬けを食べるって言うなら、話は別だけど」
いろは「福岡県民に豚骨ラーメン、京都府民にお茶、北海道民にカニを毎日食べてると言っているようなものです!」
仗助「いや、福岡県民なら明太子、京都府民なら八ツ橋、北海道民なら札幌ラーメンだろ?」
一同『各県民にとって怒り出す誤解の方が出てきた!謝れ!福岡、京都、北海道民に謝れ!』
こいつは地方出身者に対する偏見が強すぎる!自分だって地方の出身のクセに!
地元には新幹線使わないと行けないくせに!
こいつには千葉をどう考えているのか問いただす必要性があるな。
八幡「テメェは千葉県を何だと思ってるんだ?」
仗助「え?東京のディスティニーランドが何故か近くにある?」
再びザ・ワールド!
小町「東京ディスティニーランドは千葉にあるから」
陽乃「確かに千葉と東京じゃあ、東京の方が近いのは確かだよ?」
いろは「でも、仗助さん。あなた、千葉に住んで5年以上も経っているのにそれはなくありません?」
うわぁ、千葉県民の最大の地雷を踏み抜きやがった!
仗助「えっと…ジョージアのマックスコーヒー」
……………
小町「お兄ちゃんにザ・ワールドがかかった!」
静「愛好家にとっての禁句を言っちゃた!」
陽乃「マッカンを千葉の誇りと考えてる千葉県民にとっては最大の禁句だわ」
いろは「私としては、コカ・コーラの自販でい・ろ・は・すとマッカンが並んでいるのを見るとハチくんと私が並んでいる気分になって嬉しいまでありますけど」
小町「お姉ちゃん…マッカン並みに砂糖と練乳吐きそうだから止めて…」
ハッ!
いま、時間が飛ばされたぞ!
ジョルノが残した資料に載ってたキング・クリムゾンのスタンドかっ!?
と、言いたくなるくらいは固まってしまった。
仗助「あとは幕張と言ったら、露伴や間田みたいなオタクの聖地ときいたんだが…」
ブッチン!!!
これを見ている千葉県民…そしてオタクとか言われたサブカルチャー愛好者達…その全てがぶちきれた音が聞こえた気がした。
俺達は生粋の屍生人よろしくフラフラと仗助に近付く。
陽乃「社長…今、千葉が誇る全国的なイベントホールをばかにしましたね?」
いろは「私は別にサブカルチャーがどうとは言いませんが、さすがに差別用語を堂々と言うのはどうなんです?」
小町「大体、露伴先生や間田さん達って、危険を承知でアメリカまで助けに来てくれて、二度までも救ってくれた恩人ですよね?それに対してなんて言い方を…」
ちなみにジジイとジョジョは既に逃げ出していた。
正解だよジジイ達。特に、幕張の下りは許せねぇ。
陽乃「ね、ねぇ。なんか比企谷君のぶちギレ具合が私達よりも段違いなんだけど…」
当たり前だ。
小町「あ~…そりゃそうだろうね」
いろは「幕張はホテルロイヤルオークラという、私達とジョースター家をつないだ思い出の場所でもあるし、何より…ハチくんにとっては…」
仗助「あ…………やべぇ!」
そう、幕張には俺達の絶対忘れてはならない出会いの場所である。
何よりだ。
幕張は千葉県千葉市
さて、思い出して頂きたい。
その中でも、承太郎と最後の決闘を行った場所を。
俺達が住む総武地区と幕張がある海浜地区を繋ぐ花見川にかかる橋、美浜大橋。
いま、このダボはあのときの決闘を汚しやがったも同然のセリフを言いやがった…
八幡「なぁ、仗助…とりあえず今から殴るが、右の拳か左の拳、どちらで殴られるか決めろ…」
俺はザ・ジェムストーンを出して仗助に近付く。
仗助「に、逃げ…」
小町「られると思わないでね?二代目ゴミぃちゃん?」
いろは「あおなじみが出来てもしばらくは直しませんからね?」
陽乃「私はそこまでキレてないけど、こうなったらノリだよね?」
仗助「あおなじみって…何?」
ブッチン!
J・S「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
N・E「無理無理無理無理無理無理!」
S・R「ゴミゴミゴミゴミゴミゴミ!」
陽 乃「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
仗助「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!
さすがにボコボコにはしないよ?
ただ、しばらくは呼吸困難で白眼が戻らなくなるくらいにはくすぐり倒した。
その日、スピードワゴン財団日本支部では支部長の悲鳴が木霊したという。
ちなみにあおなじみ=青タンの事である。(千葉県の方言。以外と方言と知らない千葉県民は多いらしい)
←To be continued
時系列的に第6部外伝終わって直後のお話です。
俺ガイルの舞台である千葉に関する話です。
仗助が地雷をまとめて踏み抜くお話になってしまいましたが…
ちなみに福岡の豚骨ラーメン、北海道のカニ、京都のお茶に関しては、毎日とまでは言わないまでもそこそこに食べる、またはそこまでは食べないにしても、まぁそういうイメージだよな程度の認識らしいです……が、福岡の明太子、北海道の札幌ラーメン、京都の八ツ橋に関しては毎日食っていると誤解されると逆鱗に触れるそうです。
だれ情報か?
それぞれの出身の先輩(福岡)、同僚(北海道)、後輩(京都&福岡)に聞いてみた結果です。
名産品と現地の人の趣向とは違うってヤツですね。