やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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虹村億泰と虹村京

side由比ヶ浜結衣

 

カマクラ「ニャア~」

 

万作「あうう♪」

 

雪乃「ニャア」

 

カマクラ「ニャア~」

 

万作「あうう♪」

 

雪乃「ニャア」

 

あ~……ゆきのんのあれが始まっちゃった…。猫と遊ぶゆきのんってカワイイんだけど、それ以外が目に入らなくなるからなぁ………。

 

サブレ「キャンキャン!」

 

万作「あううう」

 

三浦「イギー、ガムならさっきあげたっしょ?万作もカワイイからって好きなだけあげるなし!」

 

サブレ「ウガルルルル!」

 

三浦「怒って顔にへばりつこうとすんなし!」

 

ポルナレフ「ハハハ。遊ばれてるな?優美子」

 

優美子「これはあーしの役目じゃあないし!ポルナレフの役目だし!」

 

億泰さんのお父さん、万作さんはサブレの事も気に入ってくれたみたいで、サブレの鳴き声にも反応してくれている。

最初はサブレが鳴く度にゆきのんはビクッ!となっていたけど、かーくんに集中しだしてからは気にならなくなったみたい。

一方で………

 

ジョルノ「こういうのもたまには良いね」

 

トリッシュ「ジョルノ…雪乃がああなる度にそれを言ってない?まぁ、荒んだ生活をしているギャングがたまの癒しを求める気持ちはわからなくも無いけどさ」

 

留美「ギャングにも癒しは必要……」

 

鶴見先生「留美……あなたがギャングになるのは許さないわよ?まだ子供なんだから」

 

留美「イタリアのギャングは子供の幹部もいるけど…でも私がギャングになるかならないかは今後次第。SPW財団には入るかも」

 

鶴見先生「実態を知るとそれも勘弁して欲しいわ……」

 

小町「大丈夫ですよ♪本人の意思は尊重しますから♪」

 

鶴見先生「何がどう大丈夫なのか問いただしたいわ…」

 

鶴見先生……御愁傷様です。

それよりも、あたしは億泰さんがポロっと漏らした内容が気になった。

 

京「お待たせ。エスプレッソとクッキーしかないけど良い?」

 

億泰さんの京さんがあたしたちにお茶とお菓子を用意してくれた。

突然の来客なのに嫌な顔を1つ見せずに応対してくれる。

 

結衣「突然押し掛けたのにすいません……」

 

息子さんの兆君が留美ちゃんの所へ走っていく。

どうやら一目で留美ちゃんの事が気に入ったみたいで、留美ちゃんの方も好意を向けられれば満更でもないのか、兆君を膝の上に座れせてニコニコしている。

それを見ながらあたしは億泰さんと京さんに頭を下げた。

 

億泰「良いってことよ。カマクラがうちに来れば大体こんな風になるからよ。ジョルノやトリッシュが来たときはさすがにおでれーたけどよぉ」

 

ヒッキー達は大体月に1度はかーくんを虹村家に連れてきているらしい。その都度みんなでこの虹村家に押し掛けるから、億泰さん達もすっかり慣れちゃったんだって。

今回はアーシスのみんなが杜王町に来るって聞いた億泰さんは、どれだけ押し掛けてくるんだろうって焦ったみたいだけど、実際にここにいるのはあたし、ゆきのん、リオ君、優美子、ポルナレフさん、小町ちゃん、ジョルノさん、トリッシュさん、鶴見先生と留美ちゃん。

何でジョルノさん達がいるのかといえば、小町ちゃんがかーくんやサブレの様子を見に行きたいけど、一人じゃつまらないからとジョルノさんを誘ったみたい。

たまには昔からの妹分を構え……と。

留美ちゃんはジョルノさんと久し振りに会えたのだからそれについて来たみたいだけど、パッショーネを警戒している鶴見先生が一人で留美ちゃんをジョルノさんと交流させるのには反対だったようで、自分が監督しているならば……と、留美ちゃんに着いてきたって言ってたね。

最初は虹村家に行く意味がわからなかったジョルノさんだったけど、小町ちゃんが………

 

小町「多分雪乃さんなら億泰さんの家に預けているかーくんを可愛がりに来るから♪」

 

と聞いて、先回りしていたみたい。

ちなみにはるのんさんが逃げていった理由はサブレがいるからだね。

川尻さんも仕事があるから……というのもあるけれど、どちらかと言えばかーくんが川尻さんの事をヒッキー以上に嫌っているから気を使ってくれたらしいんだ。

何でもかーくんの前々世……っていうのかな?猫草になる前の猫に川尻さんのお母さんが誤って殺しちゃった(実際は死んでいない。仮死状態になってしまったところを生き埋めにされた)関係で母子共々かーくんに嫌われてるんだって。

それに、川尻さん自身も昔、猫草に襲われた関係で苦手意識を持ってるんだとか………。吉良吉影との最終決戦でも利用されたっていうし……。

 

結衣「そう言えば聞いたんですけど、億泰さんも最終決戦では猫草にやられて死にかけたんですよね?でもこうしてかーくんを可愛がっているなんて、優しいんですね?」

 

億泰「あー……ちょっと違うんだよ。猫草が撃った空気を爆弾に変えられて、それを食らっちまったんだよな?別に猫草が俺を殺そうとしたわけじゃあねぇし、普通になついて来るんなら俺は可愛がるぜ?俺はくれるっつーんなら病気と女以外は何だって貰う主義だからよぉ。愛情だって例外じゃあねぇ」

 

あれ?前は『病気と悪評』だったと思ったけど?それに女ってなにッ!?

 

億泰「オメェ、かみさんがいるのに女を貰っても困るだろうがよぉ。まぁ、俺なんかを相手してくれるのはよぉ、うちのかみさんくれぇなもんだけどよぉ」

 

結衣「あ、そっか。たははは……」

 

億泰「オメェ、おもしれぇなぁ?何だか気が合いそうだぜぇ」

 

結衣「スタッチやヒッキーにもたまに言われる……あたしと億泰さんって似てるって……」

 

億泰「俺とオメェが?はて……何だろうなぁ?静や八幡の奴が考える事はよぉ………俺には理解できねぇよ。俺はバカだからよぉ……」

 

あ、なんかデジャヴ。あたしもたまにそう言って誤魔化し笑いをするっけ。

 

京「億泰はそれで良いのよ。大事な事はわかっているんだから」

 

億泰「んんんん?ますますわからねぇよ……」

 

そう言って億泰さんは考え込んじゃった。

 

結衣「そーいえば、京さんと億泰さんってどうやって出会って、どうやって結婚したんですか?」

 

京「コイバナ?あんたら女子高生ってそーゆーのが好きよね」

 

たまにみんなにあきれられるけど、あたしはそーゆーコイバナが好きなんだ。普通の女子高生ならみんなそーじゃないのかなぁ……。

 

京「私らは……やっぱり普通じゃあ無かったわ。丁度良いわね。億泰が話そうと思っていた事とも被るし…教えてあげるわ。私と億泰の出会いを……」

 

億泰「そうだなぁ………あれは吉良吉影との戦いが終わって少し後の話だったから……」

 

 

sideなし

 

2000年11月杜王町

 

吉良吉影が死亡してから約2年。

空条承太郎とジョセフ・ジョースターが杜王町を去り、奇妙な出来事がめっきり無くなったこの街は、落ち着きを取り戻していた。

これは平和になった杜王町で起きた、小さな奇妙な物語である。

 

side虹村億泰

 

億泰「ギャハハハハ!それじゃあオメェ、本格的に由花子とできちまったのかよ!」

 

康一「笑いすぎだよ億泰君……ハァ……」

 

付き合って大分経つしぃ?ボヨヨン岬での一件からは信じられねぇくれぇにラブラブだしよぉ。

あの由花子だからよぉ、遅かれ早かれそうなっていただろうからよぉ。別に驚きゃしなかったけどよぉ。ほとんど康一の逆◯◯◯だったんじゃあねぇかよ。

 

億泰「まぁよぉ、子作り計画はしっかりしとけよなぁ?高校生で学生結婚なんてよぉ、案外シャレにならねぇからよぉ」

 

康一「う……由花子さん、そういうの逆に狙ってそうなんだよなぁ……千帆ちゃんみたいな事にならないようにしないと……」

 

蓮見琢馬と双葉千帆か………思い出させるなよ。大体あの事件は発端はお前が死体を見つけた事から始まったじゃあねぇかよ……。

あの山岸由花子なら考えられるよなぁ。おー恐ろしい。考えねーようにしよ。

最初は康一にあんな美人の彼女が出来るなんて思ったときには正直、何で俺には彼女ができねーんだって泣いちまったけどよぉ、山岸由花子があんな性格だと知ってからは俺じゃあ無くて良かったと思っちまったしよぉ。

あいつ、いまだに仗助共々あの時の事を恨んでやがるしよぉ。

その仗助だけど、今日は承太郎さんが杜王町に出張してきているっつーことで、承太郎さんに付き合ってるようだ。

 

億泰「しっかしよぉ、承太郎さん、今家庭が大変なんだって?」

 

康一「うん。そうみたいだね。今、別居しちゃってるらしいよ?娘さんにも恨まれているらしいし」

 

億泰「なんか責任感じちまうよなぁ……元々は杜王町の問題の為に承太郎さんは高熱を出した娘さんの所に帰れなかったんだからよぉ……」

 

康一「そんなことを普段はおくびに出さないから余計に責任感じちゃうよ。最近では結構ニューヨークに顔を出しているみたいだよ?ほら、透明の赤ちゃんの……静ちゃんだっけ?ジョースターさんが引き取った……」

 

億泰「あの赤ん坊に娘さんを重ねてるって訳か……くぅぅぅ!承太郎さんよぉ……不器用すぎるぜぇ!」

 

康一「億泰君が泣いてどうすんのさ……変に涙脆いよねぇ、億泰君って」

 

うるせぇんだよ康一よぉ。

ヒュウゥゥゥ………

うおっ!さっみぃ!帰りに灯油を買っていかねぇとなぁ。東北の冬はさみぃからよぉ。特にうちはボロボロですきま風とかもあるしよぉ。

 

億泰「帰りに銀行に寄って金を下ろして、灯油を買いに行かねぇとなぁ」

 

康一「億泰君の家ってヒーター無いの?」

 

億泰「ああ。うちにそんな余裕はねぇからよぉ。節約しねぇと」

 

親父の資産や兄貴の遺産もだいぶ少なくなっちまったからなぁ………

 

康一「億泰君、大学にはやっぱり……」

 

億泰「まぁな、親父がDIOから貰った金や兄貴の保険とかも残り少なくなっちまったからよぉ、高校卒業まで何とか節約して持つってところか?とてもじゃあねぇけど大学なんかに進学する余裕はねぇよ。それに、進学できっほどの頭もねぇしな。オメェも知ってっだろ?俺の学力の低さはよぉ」

 

康一「まぁ……ぶどうヶ丘高校始まって以来の不毛地とか言われて進級も危なかったもんね」

 

一年前はマジでヤバかったよなぁ。

戦いで負けてインフルエンザになっちまったしよぉ。双葉千帆は死んだ蓮見の子供を孕んでいた事もあって学校を辞めちまったよなぁ。あいつ、今後の人生はどうするんだろうなぁ。

作家になれればいいけどよぉ。

就職先を探さねぇとなぁ。

 

億泰「そういやぁよぉ、噴上の野郎がまた入院したって聞いてるか?」

 

俺がそう言うと、康一はジト目になって俺を見る。

なんだよその目はよぉ。

 

康一「億泰君の情報ってデマカセが多いからなぁ…露伴先生がカメユウで万引きして捕まったとか、未起隆君が新しいミステリーサークルを作ったとか……」

 

う………確かに。いつもチラッと聞いては仗助とかに話して最後は恥をかくんだよなぁ。最近じゃあ誰も信じちゃくれやがらねぇ。

 

康一「一応噴上君に連絡してみるけどさぁ」

 

康一は最近買ってもらった携帯で電話をかける。

携帯かぁ……。最近じゃあ俺達の年代でも持つ奴が一杯いるからなぁ。

俺みてぇな不良なんかじゃあ当たり前に持っている奴がたくさんいっしよぉ。早人すらも最近じゃあ買ってもらったって言ってたもんなぁ。

 

康一「…………億泰君。本当らしいよ?」

 

億泰「何が?」

 

康一「噴上君の件だよ!本当に事故を起こしてぶどうヶ丘総合病院に運ばれたらしいんだ!」

 

マジだったのかよ。

 

康一「それも………スタンド使いに襲われたって……」

 

億泰「マジかよ!それもスタンド使いだって!?蓮見先輩の時以来じゃあねぇかよ!」

 

あれから一年経ったんだよなぁ……。

吉良吉影との戦いから半年後に起きたザ・ブックの蓮見琢馬先輩以来のスタンド使いの事件じゃあねぇか……。

あの事件も後味が悪かったよなぁ。

関係者で生き残ったのは双葉千帆だけだったんだからよぉ。

 

億泰「またこの時期に事件かよ………」

 

康一「どうなってるんだろ……杜王町は……呪われてるのかな………」

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。
吉良吉影の事件から一年半後、ザ・ブックから一年後、第5部より半年前のエピソードとして扱っています。
蓮見琢馬は実際は仗助との戦いの果てに転落。助けようとする仗助の手を拒否して杜王図書館から転落死をするという結末でした。(「THE BOOK」より)
本作の公式では自殺・事故死として扱われたという事にしております。
敵の蓮見琢馬と双葉千帆は腹違いの兄妹。
ウェザー(ドメニコ・プッチ)とペルラ・プッチと同様に兄妹と知らずに(蓮見琢馬は知っており、千帆は知らなかったが最終的には知った)子供を作っていた。
ジョースケ?

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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