やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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第8部で有名なカツアゲロードです


カツアゲロード

side葉山隼人

 

折本さんからヒキタニ達の中学時代の話を聞き、呆れて良いやらわからずひきつった笑いを浮かべる俺達。

何をやっているんだか。確かにアースブルース63は無自覚で使われたら厄介だろうとは思う。ヒキタニ達が陥った事態にはそうそうならないだろう。

折本さんも災難だったと言うべきか……。

 

戸部「でもさー。折本さんはそのままアーシス支援部隊に入ったんしょ?やっぱそれってヒキタニ君絡み?」

 

戸部………。どう考えてもヒキタニも折本さんもお互いに何とも思って無いって。

良くて知り合いだ。

 

折本「アハハハ!比企谷絡み?まったく比企谷関係ないよ?だって私、比企谷がアーシス実行部隊にいたことすら知らないかったんだし。ウケる」

 

戸部「べー……違ったんかぁ……」

 

折本「うん。だって比企谷の事はあまり知らないし、聞いたところじゃあ学校生活は中学時代のままだっていうじゃん?聞くけど良く知らなかった頃の比企谷を見ててさ、それで普通だったら好きになると思う?男女的な意味が無かったにしても……」

 

相模「あー……確かにね………ウルフスの事が無ければうちも距離おいていたかも……つうか、アーシスと行動しててもうちは基本的に比企谷とは個人的には接点あまりないし。優美子とか結衣とか、後はポルナレフさんくらいかも?」

 

折本「でしょ?」

 

うん。そう言われてしまうと否定は出来ない。

互いに目的があり、極限状態で協力をし合うようになったから少しずつわかるようになったが、そうでなければこうして一緒に行動するようになっていなかったと思う。

折本さんの言いたいことがわかるだけに俺は苦笑いをするしかなかった。

 

戸部「じゃあ折本さんはどうしてアーシス支援部隊にいるん?」

 

折本「近いところで相模さんの事情に近いかな?ほら、スタンド使いはスタンド使いと惹かれ合うってあれ?仕事する傍らで守ってもらってるってやつ。後は下手なバイトするよりも破格の給料だからね。能力があるなら活かしてみるのもうけると思って。実行部隊のように危ない仕事は学生組には回さない事になってるし。後は私立限定だけど大学受験とかにも少しは有利になるって話だから。海浜幕張は偏差値の高い進学校だけど、だからといって入りたい大学に入れる訳じゃあないし、受験に有利になるなら少しでも有利にしておかないとね?うちの生徒会長とかも抜け目ないし」

 

海浜幕張総合高校は俺達の学区では総武の次に偏差値が高い私立進学学校だ。

ヒキタニ達のせいで変な噂が立っている総武高校はじわじわ偏差値が下がっているとも最近は言われている。もしそれが本当ならば来年は海浜幕張の方が偏差値が高くなるかも?とか……。

海浜幕張の生徒会長の噂もすごい。全国模試ではトップ圏を狙えるくらいの上位に食い込んでいるのだとか…。噂では東大法学部を目指しているって噂も…。

ヒキタニ達幼なじみーズ……校内のテストはともかく少なくとも全国模試は上位を狙ってくれないかな……。

変な噂の責任を取って……。

あいつら自分達の都合の良いことには権力とか財力を使うくせにそういうフォローはしていなさそうだ。

未来の後輩達の為にも是非ともそうして貰わないと。

全国総合模試の時だけオーラル・シガレッツを使おうかな。

 

 

side比企谷八幡

ー杜王グランドホテル・比企谷父子の部屋ー

 

八幡「…………ビクッ!」

 

なんだ今の悪寒は………。この感じは海老名じゃあない。

 

いろは「どうしました?」

 

八幡「いや………何だろう。今、全国統一模試の時だけはいつもの勝負(平均点勝負)は休んだ方が良いという第六感が……」

 

いろは「………自信無いんですか?」

 

八幡「今回だけは小町の1人勝ちになりそうな気がする……理由はわからないが………」

 

海老名以外で悪寒を感じさせる奴がいるとは……。

しかもそれは原因が自分にあるような気がしてならないから避けようがないような……。

うーむ………。

 

いろは「ハチ君?まだユニコーンの影響が残ってるかも知れないんですから太ももをナデナデするの、やめてくれませんか?発情したらどうするんですか?」

 

八幡「welcome」

 

ゴンッ!

 

徐倫「………R-18禁止」

 

監視役に徐倫がいるので無理でしたね。プライベートだから良いじゃあないか!

 

 

side葉山隼人

 

葉山「折本さん。やっぱりヒキタニとは仲良くできそうには無いのか?」

 

今のヒキタニと折本さんは良くて知り合い。

良くも悪くも。

普通ならば当時の仲の良し悪しはともかくとしても、もう少し何かあるだろう。当時の人間関係は一旦脇に置いておいて、その場を思い出話で取り繕うくらいは普通はする。

だけどそんな素振りはまったくない。

とても同じクラスだったという間柄のようには見えない関係だ。それは今のクラスでのヒキタニと変わらない。

これまでの事件が無ければジョースターさんとヒキタニは折本さんから中学時代を焼き増ししたような生活だったかも知れない。

いや、汐華の関係が無ければそもそも高校だって通っていなかったと言っていた気がする。既に大学を出ている幼なじみーズは高校に通う意義がなかったのだから。

今年に入ってヒキタニ達の学校生活環境は大きく変わったと聞いている。

それは優美子や姫菜、川崎さんといったかつてジョースターと関わりがあった人達と出来た交流、そして彼らと事件を乗り切る事によって出来た更なる輪……例えば雪乃ちゃん、例えば由比ヶ浜、例えば俺達といった交流。

これはあの二人にとってはプラスになる予想外の事だっただろう。

でも、俺はそれでも足りない……。

俺は俺の関わる何かには、みんな仲良くを貫きたい。

理想は理想として………

 

折本「どうだろう……葉山くんならわかるんじゃない?ほら、私も人との壁はなるべく無くしたいっていうスタイルだけどさ。これでも比企谷とはそれなりに話しかけていたんだけどさ。あ、ごめん……私のそれとは違うか。葉山くんの場合は信条みたいなヤツは私にはないから」

 

葉山「ああ、それは問題ないよ。ヒキタニは……色々とあったみたいだからな……この間の映画で少しは彼の狭い世界を広げられれば良いなとは思ったんだ。折本さん達には悪いとは思ったけど」

 

結局はフェニックス、ユニコーンとの連戦で仲良くさせるどころじゃあ無かったけど。

折本さんから聞いた話だと俺達の話ほど深刻な事は起こっていないようだ。ハードと言えばハードな話ではあるけれど、少なくともブラッディスタンドや柱の一族、それにウルフスに比べれば……な。

普通ならばかなりの事件なんだけど、それらに比べてしまったらまだマシと思ってしまう自分に感覚が麻痺してしまっているなと自分でも思う。

 

仲町「アハハハ………まぁ、そうだよね。あの時の雪ノ下さんも偽物だったって話だったのに、私達と遊びに行くなんて何かあるって思っていたけど……」

 

葉山「済まない。君達を利用するような真似をしてしまって……でも、良いきっかけになればと思ったんだ」

 

彼らは普通じゃあない。もう手遅れかも知れない。だけども少しでも普通を知るべきだと思ったんだ。

仲良く出来る存在が血生臭い関係の上で成り立ったスタンド使いやアーシス、家族だけだなんて……そんなのはあまりにも哀しすぎるじゃあないか。

昔にトラブルがあった人との関係を逆転してしまえば改善の糸口になるんじゃあないかと思ったけれど…。

 

折本「まぁ、こうして関わったからには少しはジョースターさんと比企谷の知らない部分を知る事はあるかも知れないし、簡単な友達程度ならなれるかもだけど」

 

それは女子の中では知り合いと同じではないのかい?

でも、彼らにはそういう存在も必要だろう。

 

仲町「でも葉山くんも大概いい人だよねー。ザ・ワールドのDIOとも仲良くしてみようなんて普通は思わないよ?」

 

戸部「でしょ?隼人君、マジできてるわー」

 

相良「戸部。うるさい」

 

戸部「べー………杜王町に来てまでこのノリないわー。南、辛辣ぅ~」

 

ホントに戸部はどこでも変わらないな。だけど、その変わらない戸部に助けられる時もある。

 

葉山「君達が思うほど俺はいい奴じゃあないさ。俺は彼らには借りがある。それだけだよ」

 

戸部「べー。隼人くん、それカッコ付けすぎじゃね?マジでリスペクトだわー。マジで将来は空条博士のようになるっきゃなくね?!」

 

あの人と俺とはだいぶ違うとは思うけど。あの人のカッコよさに追い付ける人はそうそういない。

 

葉山「それよりももう出ないか?せっかく杜王町まで来たんだ。色々と名所もあるみたいだし」

 

もっとも、その名所のほとんどは17年前の東方会長が関わった事件に所縁があるところらしいけどね。

 

相良「良いけどどこに行くの?」

 

………そうだな。

 

葉山「南達は明日、有名なイタリアレストランで女子会をやるって言っていただろう?」

 

相模「そうだね。トニオ・トラサルディーさんってスタンド使いがやっているお店だって」

 

葉山「トニオさん?聞いたことがあるような……」

 

相模「うちらの文化祭にも来てくれていたみたいよ?アーシスでは無いけれど、空条博士や東方会長の友達みたい。何でも比企谷が無理矢理お願いして教えて貰ったとか言ってたね」

 

葉山「そう言えば昨日も映画の後はサイゼリアに行って飯を食べようとか言っていたけど……アイツはイタリア料理が好きなのか?」

 

??「ジョルノ・ジョバァーナの旦那が仕切るパッショーネや小町の前世のリサリサさん、そして千葉が発祥のサイゼリア。それらが絡み合ってあいつはイタリア料理が好きなんだぜ。トニオさん自身と味に惚れ込んだってのもあるけどな」

 

妙な声が聞こえてきた。振り向くと変な髪型のチンピラ風の小さな男がニタニタしたがら立っていた。

 

折本「あ、あなたは………」

 

折本さんがすっごく嫌そうな顔をして男から距離を取る。

すると、男の方は気分を害したような様子で目をスッと細める。

 

??「人の顔を見てそれは酷いだろ?折本。それに仲町よぉ」

 

どうやら知り合いのようだが、これは悪い男の類いなのだろう。

俺はそっと折本さん達や南達女子達の前に出る。

どういう目的かはわからないが、彼女達を傷付けさせる訳にはいかない。

 

??「いい大人が高校生さ苛めるなんて許せないっちゃ」

 

今度は誰が………

すると、金髪の長い髪を伸ばした人が竹刀を片手に俺の隣に立つ。

 

??「なんだぁ?テメェは?」

 

エリサ「わだしはエリサ・ドクトル・鳴瀬っちゅうぶどうヶ丘高校の生徒だっちゃ」

 

この娘……少なくともスタンド無しなら俺よりも強い。

それにしても外国人なのにバリバリの東北弁なんだな。

地方の人でも最近はそれほどバリバリには方言を喋るのは珍しいのが今の時代なのに。

特に東方会長とか東方先生、広瀬さんなんかは全然方言が出てこないしね。

 

??「ああ?ぶどうヶ丘の生徒だぁ!?」

 

エリサ「だっちゃ。さではカツアゲロードの犯人っちゅう人はあんただっちゃね?」

 

カツアゲロードって……物騒な名前の道だなぁ。

 

??「カツアゲロードォ?確かにあの道には関わりがあるって言ったらあるけどよぉ。俺は犯人じゃあないぜぇ?」

 

エリサ「しらばっくれるさないっちゃ。おめさからは悪人の感じがするっちゃ」

 

??「確かに善人じゃあねぇけどよぉ……」

 

エリサ「観念するっちゃ!わだしらはカツアゲロードのせいで登下校で回り道をされられてるっちゃ!もう我慢の限界っちゃよ!」

 

かなりのお怒り状態なのだが……。

 

折本「あー………葉山くんもエリサさんも、守ってくれるのは嬉しいんだけどさ………その人、敵じゃあないから。むしろ組織的には私の先輩にあたるっていうか……アーシスの一人なんだよね……見るからにただのチンピラ風の人だけどさ」

 

はっ?こんなチンピラみたいな人が?

 

折本「お久しぶりです。小林玉美さん」

 

玉美「おう。矯正施設以来だなぁ。にしても酷い奴等だぜ。俺だってお前らの文化祭には招待されてバンドを見ていたってのによ?」

 

こ、こんなチンピラ風の男もアーシスなのか……。

でもアーシスはジョルノさん達ギャングも関わっているからよくよく考えてみれば不思議じゃあ………

 

玉美「オメェ、チンピラとか思ったな?」

 

葉山「……い、いえ……その………」

 

玉美「正解だぜ。康一さんに負けるまで俺はタカリ屋をやっていたからよぉ。チンピラってことには変わりがねぇ。けど、チンピラだって能力によっては露伴先生の仕事の代理は出来るって訳さ。アーシス支援部隊では矯正試験官の一人だぜ?」

 

そして今度は怒れるエリサさんに向き直る。

 

玉美「で、俺っちは確かにチンピラだ。けど、もうタカリは辞めたし今ではキチンとした金融会社で働いているし、金には困ってねぇ。それに、俺はぶどうヶ丘の生徒には手は出さねぇ。ぶどうヶ丘高校は俺の友人の母校だからよぉ」

 

エリサ「でもおめさはカツアゲロードに関係あるって言ってたべ。どういう事か聞かせてけろ」

 

葉山「俺も聞きたいですね。玉美さん」

 

玉美「言っただろ?まともな金融会社に働いているってよぉ。数年前からやたらとガキどもやその親が借金をしに来るケースが多くてよぉ。不審に思って会社が警察に連絡を入れて調べたんだけどよぉ。それがカツアゲだったんだよ。タカリに近い形のな。けど、犯人は1人だけじゃあねぇ。いくら調べてもカツアゲが止まらねぇ。警察も匙を投げてよぉ……で、スタンド使いが犯人の疑いがあるって事でアーシスと本業の両方からカツアゲロードについては調べてるんだよ」

 

スタンド使い絡みの可能性があるのか……。

だとしたら俺も役に立てるのかも知れない。

 

葉山「玉美さん………」

 

玉美「カツアゲロードの件に同行しようってぇなら、葉山。お前じゃあ無理だぜ。そこの外国人のお嬢さんにも無理だ。性格的に向いちゃあいない」

 

エリサ「何でですか?」

 

葉山「そうです。俺は将来、警察官を目指している。だったら実地訓練も兼ねてやらせては貰えませんか?」

 

そうだ。スタンド使いが犯人と疑われているというならば、俺だって役に立つはずだ。

 

玉美「………無理だね。性格的に向いていないんだ。カツアゲロードの案件に仗助がうごかないと思うか?ここは仗助の故郷なんだぜ?その仗助が俺に一任しているんだよ。カツアゲロードの件は俺が適任だからなぁ」

 

そんな説明で納得がいくわけがない。

なおも詰め寄ろうとする俺とエリサさん。

 

玉美「だったらテストだ。お前らは俺がカツアゲロードでカツアゲをするチンピラだと思っていたよな?確めもせずによぉ」

 

うっ………確かにそうだ………それは申し訳ないと……

すると、折本さんと仲町さん以外の人達の胸に南京錠のような物が現れ、体が重くなったような感覚に陥る。

これは………。

 

エリサ「な、何なの?これ………急に罪悪感が……」

 

エリサさんは自分に何が起きているのかわかっていないようだ。彼女はスタンド使いじゃあ無いようだな。確かに彼女が向いていないのは確かのようだ。

 

玉美「違うぜ葉山。このお嬢様がスタンド使いじゃあないと言うのが理由じゃあねぇんだよ。能力の相性的にはお前や相模の能力は俺のスタンドと似たようなものだから向いているけどよぉ。言っただろ?性格的に向いていないんだって」

 

スタンド使いじゃあ無いから向いていないわけじゃあない?

 

玉美「おめぇやお嬢様はよぉ。キレイすぎるんだよ。俺の錠前(ザ・ロック)の能力にあっさり引っ掛かっているのがその証拠だぜ?錠前はよぉ、俺に対して罪悪感を持ったやつに対してこうして錠前を付けることで罪悪感を加速させるんだぜ。折本の能力の罪悪感専用版ってぇ奴だ。相模のラスト・ノートにもよく似ているなぁ」

 

南のラスト・ノートと確かに似ている。しかし……だからこそ何で向いていないんだ。

 

玉美「カツアゲロードのカツアゲはよぉ、どちらかと言えばカツアゲというよりはよぉ、昔の俺がやっていたタカリに近いんだよ。こんなに簡単に罪悪感を感じるくらいにキレイなんじゃよぉ、奴らにカモられるのがおちなんだぜぇ?」

 

タカリに近いカツアゲ………確かに俺では厳しいのかも知れない。

能力の相性じゃあない。性格的な相性が俺達とは悪い。

むしろこれはヒキタニとかの方が性格的に向いている。

南との模擬戦で見せたあの開き直り……あのくらいの物があってこそか……。

 

玉美「カモにならないってことが最低限の条件だ。お前らじゃあ話にならない。蛇の道は蛇。俺みてぇな元犯罪者だからこそ、適任な事ってのがあるんだぜぇ?嬢ちゃん達よぉ。カツアゲロードに挑む前に俺に会っておいて良かったなぁ。ぶどうヶ丘高校近くのこの辺りには近付かない事だぜ。ここがカツアゲロードだ」

 

玉美さんは俺達が広げていた杜王町の地図に印を付ける。本当にぶどうヶ丘高校のすぐ近くだ。

 

戸部「ちょっと待ってください。玉美さん」

 

玉美「あん?何だよ。カツアゲロードの事か?」

 

戸部「いや、杜王町に詳しいんっすか?」

 

玉美「そりゃ、俺は杜王町生まれの杜王町育ちだから詳しいけどよ。それがどうした?」

 

戸部「大した事じゃあ無いんっすけど……」

 

戸部、何かカツアゲロードの事でわかったのか?

 

戸部「杜王町の旨いラーメン屋って知らねぇっすか?」

 

俺はそこでガックリとなった。空気読めよ!戸部!

 

戸部「だって隼人くん!女子がイタリアンレストランで女子会やるならこっちも男子会をやらなきゃっしょ!」

 

………確かにそんな約束をしていたな。

それを杜王町でやるつもりなのか。

 

玉美「だったらこのすぐ近くにあるぜ。広瀬通りによぉ。仗助に聞けばすぐにわかる。靴のムカデ屋って所やエステシンデレラの跡地のすぐ近くにあるラーメン屋だ。男子会って事ならめぐりは来ないんだろ?だったらあそこも大丈夫だろうよ」

 

城廻先輩にまつわる場所?杉本鈴美さんに関係があるところか?

 

玉美「杉本鈴美もそうだけどよぉ……」

 

待てよ?エステシンデレラ跡地……エステシンデレラ……エステシンデレラ(・・・・・)

 

葉山「シンデレラ・ハーヴェスト……エステシンデレラはシンデレラ・ハーヴェストと何か関係があるのですか!?」

 

跡地と言うからには……

 

玉美「あるぜ。シンデレラ・ハーヴェストってのはよぉ。ハーヴェストというスタンドとシンデレラってスタンドが融合したスタンドというのは知っているか?めぐりにはとある二人のスタンド使いの能力が力を貸しているって話だがよぉ……。その内の1人、シンデレラの辻彩はエステシンデレラのオーナー兼エステティシャンだったんだよ。ところが………仗助達と吉良吉影の戦いに巻き込まれちまってよぉ………」

 

 

 

玉美さんの話を聞いて俺達はショックを受けた。

そして下見をしにそのラーメン屋に向けて歩いていると……。

 

エリサ「あそこが小林玉美さんが言っていたラーメン屋だっちゃ」

 

騒がせたお詫びとしてエリサさんがその場所まで案内してくれる。

靴のムカデ屋とエステシンデレラは杜王町では有名な謎の爆発事件で有名な場所だと言う。

吉良吉影の事件は十何年も経ったいまでも人々の心に傷痕を残しているんだと痛感できる。

 

折本「へぇ、エリサさんって両親とも外国人だけど、帰化しているから国籍は日本人なんだ」

 

エリサ「そう。よぐ勘違いされるっけど、わだしは生まれも育ちも杜王町だから、英語は喋られねぇんだ」

 

エリサさんが困ったように言う。

なんでも親の転勤で来年度からは東京の「きらめき」という街に引っ越すのだとか。

だから杜王町を去る前に「カツアゲロード」の事を何とかしようとしたらしい。

ん?きらめき?どこかで聞いたことがあるような…。確かアーシスにも関連する人物の親戚がそこにいるとか言っていた気がする。

 

相模「また会うかもね?その隣町には空条家の人達が常連している喫茶店があるから」

 

エリサ「空条家って、あの空条承太郎博士の?」

 

戸部「空条博士を知ってるん?俺の憧れのひとだべー」

 

エリサ「個人的には知らんっちゃ。けど、杜王町に住んでいて空条承太郎博士を知らない人さはモグリだべ。空条博士が博士号を取ったモリオウヒトデのモリオウは杜王町の事をいってるんだべさ」

 

戸部「べー、空条博士ってやっぱすげーわー!俺にできねーことを平然とやってのけるべー!そこに痺れる!憧れるっしょ!」

 

戸部のそのテンションにエリサさんは引いている。戸部の言葉使いは似非東北弁にも似てるから、生粋の杜王人のエリサさんには不愉快なのかもしれない。

関西人が似非関西弁に対して嫌悪感を持つように。でも南関東人の一部は「べー」を口癖にしている地域もあるんだから勘弁してほしい。

 

相模「翔くん、うっさい。翔くんの事は放っておいて良いからさ」

 

エリサ「う、うん。わがった。あ、東京さで会ったら仲良くして欲しいっちゃ。そのsunny lightにもいぐかも知れねぇし。あ、あそこが小林さんの言っていたラーメン屋だ。じゃあ、わだしはこれでいくっちゃ」

 

そう言ってエリサさんは去っていった。出会いこそ強烈だったけど、あの奥ゆかしさは下手な日本人よりも日本人らしい。

ちなみにだが、エリサさんは半年後にきらめきに移住。転校した先のきらめき高校にて生徒会長の皐月優さんと既知になる。驚くことにその皐月優さんはsunny lightの店長、藤崎忍さんとは血縁だったらしく、数ヵ月後に再会したときに驚く事になるのだが、それはまた別の話だ。

また、例のカツアゲロードの謎が解決されるのは今から約20年後、空条先生の息子さんの空条仗世文さんとヒキタニの二女である比企谷彩葉、そして俺の息子である葉山歩夢になるのだが……それもまた、別の話だ。

そして、そのラーメン屋のちょっと手前では……。

 

戸部「隼人くん………あれ」

 

戸部が指を指したそこには………1体のシンデレラ・ハーヴェストが1つの歯医者さんの前でじっとしていた。

その場所は………

玉美さんから聞いていたエステシンデレラがあった場所だった。そこは今、歯医者さんになっていた。

 

葉山(城廻先輩………)

 

城廻先輩は今、どんな気持ちで杜王町にいるんだろうか。

 

←To be continued




はい、今回はここまでです。

ちょこっとだけカツアゲロードに触れてみました。
この世界はスティールボールランが無く、それにしたがってジョースター地蔵も無いのに何故カツアゲロードがあるのか……。
それはまだ秘密です。
本当はアンジェロ岩をネタにするつもりでしたが、アンジェロ岩とジョースター地蔵がある場所はあまりにも違いすぎましたのでボツにしました。
ジョースター地蔵がある場所は支倉高校(本作では杜王町北西にあるぶどうヶ丘高校)のすぐ近くという事で、杜王町のほぼ南西寄り(仗助の家の近く)にあるアンジェロ岩とは駅を挟んでほぼ反対ですので無理がありすぎました。
カツアゲロードの解決は仗世文(ジョセフ)や彩葉達二代目性悪コンビが何とかするでしょう。

次にラーメン屋の場所と靴のムカデ屋。
仙台の美味しいラーメン屋で検索したところ、現実にある靴のムカデ屋と近い位置にありましたのでネタに組み込みました。

さて、作中に出てきたエリサ・D・鳴瀬は越後屋さんの忍の名前が出てきたことから察する事が出来ると思いますが、ときメモ4のヒロインの1人です。
仙台出身という事で関わらせてみました。
同じく名前だけ出てきた皐月優は藤崎忍の従姉、初代ときメモのヒロイン、藤崎詩織の親戚であり、必然的に忍の親戚という事になります。優も京都編の映画村で出すつもりだったのですが、八幡があんなことになっていたので絡ませる事ができませんでした。更に言えばきらめき高校と総武高校の修学旅行の時期がずれているというのも理由の1つですね。
裏設定では徐倫をいじる性悪コンビの事を忍から聞いており、性悪コンビの事を嫌っているという内容です。

それでは次回もよろしくお願いいたします。

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