やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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険悪は更に加速する!


モード・サバイバーの訓練成果と表裏一体無双

side比企谷八幡

 

おかしい……

康一さんと康穂、承太郎。

海老名と承太郎と折本、仲町。

葉山と相模と折本達。

俺といろは……。

更には………。

 

三浦「戸部~。ここまで一色と仲良く来たってわけ?あーしらがいち早くここに来たってのに、一色と?ふーん……良いご身分だね~?一色がヒキオの彼女だって知っててやってるん?海老名に振られたばっかだってのに、立ち直りが早いね~?」

 

戸部「いいっ!ちょっ!たまたま訓練が一緒だったからっしょ!大体優美子には関係なくね?何で優美子が俺を責めてくるのかわからんわー」

 

三浦が戸部に詰め寄る。ホント、なにこれ?

 

小町「やっちゃんと肩を組んでいたと思ったら、今度はお姉ちゃんとイチャイチャ?ホントに最近のお兄ちゃんはどうしようもないね……ゴミいちゃん。承太郎も何やってんのさ」

 

陽乃「問題解決の為に送り出してみたら、更に問題が起きてるって……隼人、変わってないね?それに八幡くんも見損なったよ」

 

静「それもこれもお兄ちゃんの教育がしっかりしていないからだよ。パパのせいもあるかな?」

 

仗助「あ?おめぇは八幡の相棒だろうがよ。相棒の手綱くれぇ握ってろ!」

 

ジョセフ「かー!最近の日本の若者はなっちょらんのう!ワシの若いときにはこう言うことはビシッ!と決めておったぞ!」

 

大志「63にもなって浮気したお前が言う言葉かよ!な!姉ちゃん!?」

 

沙希「あんたもそのシスコンを何とかしなよ。いい加減疲れたんだよ」

 

京華「うわぁぁぁぁぁん!みんなどうしちゃったのぉぉぉぉ!イヤだよぉぉぉぉ!」

 

ジョルノ「陽乃も八幡もどうしたんだ……大人気ない」

 

雪乃「あら、比企谷くんやジョースターさん、姉さんの監督は兄さんの管轄ではなかったかしら?ギャングというのはそう言うところもだらしがないのね」

 

結衣「ヨッシー!あたし達が早く来ていればこうはならなかったのに、ヨッシーがモタモタしてるから!」

 

材木座「何を!?それはどういう事だ結衣!」

 

更には徐倫に戸塚やめぐり先輩や露伴先生、合流した康一さんにトリッシュさん……

異常だ。こんなことは……今まで……。

ハッ!

 

八幡「徐倫!モードだ!」

 

徐倫「はっ!モード・サバイバー!」

 

これしか考えられない……。

俺達は細かいケンカはすれど、ここまで深刻化するケンカはまずしない。

元々の仲の良さもある。幼なじみーズは元々仲が良かった事もあるが、他の転生者達も基本的には仲が良い。

それに、不平不満はあれど、俺たちには絶対な関係性がある。

親愛とかそういう物じゃあない。

一部に於いては仕事……だからだ。

給料が発生している以上は多少は腹に何か思うところがあろうとそれを呑み込むのが普通だ。

ところがこの体たらく……。

そうでなくては康一さんが承太郎に絡むこと自体がそもそもおかしい。

まだ恋人とかでも無いのに相模が葉山に、海老名が承太郎に、三浦が戸部に絡むこともおかしい。

家族、夫婦、恋人、友人……それらの関係性で軽いケンカをする事自体はどんなに仲がよくてもあり得る事だろう。

むしろ、ケンカをするほど仲が良いと言うように、簡単なケンカがあるくらいが互いの関係に良いくらいだ。

しかし、ここまで強烈な……もはや憎み合いの領域にまで発展するのは無かった。

思えば修学旅行から帰って来たくらいから兆候はあったのかも知れない。

簡単な事でケンカに発展しすぎているし、コレが普段たったら適度なところで……特にいろは相手だったらすぐに謝っている。αだけが原因だと思っていたが、複数同時に攻撃を受けていたんだ……。

三々五々に散る元々アーシスの俺達。

千葉村以前から所属している人間はモードの事を良く知っている。

散っていないのは葉山、戸部、相模、折本、仲町だ。

 

八幡「フェニックスが言っていたことはこれか……」

 

俺の横にいる康穂がポソッと言う。

 

康穂「そう言えばさ……さっきはパパの事を凄く頭に来ていたのに、なんでだろ。今は何でこんなにみんな怒ってるんだろうって気にしかならないんだよね?」

 

ん?そう言えばさっきは康穂と康一さんは激しくケンカをしていた。

その様子に俺もイライラしていたのだが、今は冷静に分析出来ている……。

さっきと今の違い……もしかしてこれは……。

 

葉山「ジョースターやアーシスでもこれなんて……みんな仲良くなんてのは、やっぱり夢物語なのか?」

 

八幡「葉山!諦めるな!それが敵の能力だからだ!戸部、相模、折本、仲町をシガれ!」

 

シガる……そう、俺と康穂は葉山に触れていた。シガられていた。だから、サバイバーやエンジェル・ダストに似たような仲を引き裂くスタンドの能力に引っ掛からなかった……

葉山のオーラル・シガレッツ…万能過ぎるだろ。こういう精神系に来る能力には最適の能力だな……。

お陰で冷静になれた。俺までカッカしていたらいつかは仲間同士で同士討ち……笑えない事態になるところだった。

 

葉山「何か俺、便利グッズ扱いになってないかな?」

 

便利なんだから仕方がない。

RPGでいうところのディスペルというか、凍てつく波動とでも言うか……。

葉山が周囲をシガり、そして俺達の方へと合流する。

 

八幡「果たしてこれを仕掛けて来たのはウルフスか…それとも普通のスタンド使いなのか……」

 

もっと早くに気がついていたならば、さっき超接近していた時にいろはをシガってもらっていたのに……。

 

八幡「葉山……こっちに襲って来た奴等をとことんシガれ…。お前が味方で良かったわ……」

 

今日は二度も共闘する事になるなんてな……。

 

海老名「ちょっと!こんな時にハヤハチをやんないでよ!楽しめないでしょ!」

 

ハイエロファントがスプラッシュを放ってくる。もう時間の問題だった。

 

O・S「オラオラオラオラ!」

 

オーラル・シガレッツがスプラッシュを弾く。

しかし、海老名が正気に戻った気配はない。スプラッシュはスタンドの弾丸であり、スタンドその物じゃあない。

 

葉山「ヒキタニ!お前の時を止める能力なら……」

 

八幡「………無理だな。それどころかスプラッシュを弾く力だってねぇよ」

 

俺はザ・ジェムストーンを出現させ、見せる。

所々に皹の入ったザ・ジェムストーンを……。

 

葉山「そうか……レクイエムを使ったから……」

 

戸部「べー!ヒキタニくん痛そうだわー」

 

相模「比企谷……これは……」

 

八幡「そう言うことだ。実質的に俺と承太郎は再起不能だ。京都と違うのは衰弱しきる直前でレクイエムを解除したから考える事も出来る。だが、時を止める事は不可能だし、無駄無駄ラッシュも使えない。念写はわからんが、俺ありきで状況打破は難しいと思ってくれ…」

 

修学旅行からこっち、やたら再起不能が多い。

 

康穂「ハッチ。戦わなくて良いから作戦を考えて…ハッチの強みはむしろそこ。ジョセフさんの弟子であるハッチの真価を発揮して」

 

………その方面での俺に期待するか、康穂…。

………となると、最初にシガるべき相手は……。

 

八幡「戸部!俺の前に出てくれ!康穂!俺の手を握れ!折本!いろはにそれあるを!仲町!亜麻色の女子に音を届けろ!相模、ジョルノを牽制だ!」

 

康穂「なにそれ……やるけどさ……」

 

康穂が俺の手を握る。

 

いろは「ハチ君!?やっぱり浮気!?エメラルド・エクセス!」

 

やっぱり反応して動きを見せたな?

仲町の音をいろはに届け、その嫉妬心を更に折本が加速させる。ハッキリ言って最低なやり方だ。

 

八幡「戸部!エクセスとルビーレーザーを上空に逸らせ!葉山は接近してくる陽乃さんをシガれ!」

 

戸部のスタンドで厄介なエクセスとルビーレーザーを反射させ、無効にする。そして同じく嫉妬で襲ってくる陽乃さんをまずはシガる。

倒す必用はない。一発パンチを当てれば良い。

 

葉山「オラァ!」

 

ベネ!

陽乃さんをシガらせた!

だが、まだまだ油断は出来ない!

 

陽乃「くぅ!八幡くん?そのやり方は反則だと思うわよ?」

 

うん、自分でもそう思います。さて、こうなるとますますこちらに攻撃の層が厚くなるのは……

 

いろは「エメラルド・エクセス!」

 

八幡「戸部!葉山!相模!俺らと一緒にいろはに向けて突進!陽乃さんは小町を抑えて!康穂、折本、仲町は安全を確保しつつ後退!仲町は足音を感知して位置を知らせてくれ!」

 

既にジョジョとジジイの姿が見えない。二人は厄介だ。

ジョジョもジジイも能力はそれほど強くない代わりに工夫や戦術が上手い。

姿と気配が消せる二人は音で感知するしかない。だとすれば仲町の能力が頼りだ。

自分達の事だけではない。承太郎もレクイエムの影響で戦えないだろう。承太郎をシガり、こちらに戻さないと危険だ。

普段頼りになる奴等がバトル・ロワイアル……。

シャレにならねぇな……。

 

葉山「ヒキタニ!一色と小町さんを戻したぞ!次の指示を頼む!」

 

八幡「ああ!相模!戸部と手を繋げ!三浦を釣るぞ!クロスファイヤーを雪ノ下に反射させろ!それで雪ノ下、ジョルノ、トリッシュさんが釣れる!葉山は上手く連携を取ってジョルノ夫婦をシガれ!」

 

特にジョルノは早めにシガる必要がある。万が一ウルフス級が来たら、レクイエムを使えるのはジョルノとジョジョだけだ。

 

八幡「いろは!俺と承太郎にヒーリングを頼む!仲町!アホ毛の俺の妹に不自然な音の位置を送れ!例の言葉の塊でもいい!小町!陽乃さん!仲町から送られた音の情報を頼りに個別に動け!そこにジジイとジョジョがいる!」

 

いろは「了解!エメラルド・ヒーリング!」

 

小町「アイアイサー!」

 

くっ!指揮に徹するのも楽じゃあない。次から次へと指示を飛ばさないと手詰まりになる。

 

戸部「ぐわぁ!」

 

八幡「いろは!オフェンスは他に任せろ!敵味方問わず負傷者を治して回れ!」

 

いろはをシガれたのは幸運だ。回復力もさることながら、エクセスの攻撃力も怖いし、なにより俺が気が気でなくなる。

 

葉山「ヒキタニ!雪乃ちゃんとトリッシュさんは成功した!次は!?」

 

よし!ジョルノが戻れば虫での撹乱ができる!

トリッシュさんが戻れば足を止める事が可能だ!

雪ノ下のフリージングビームを使えばシガるのと同じ効果が期待できる!

 

小町「お兄ちゃん!ジョセフを捕まえたよ!スージーもいる!」

 

陽乃「ジョジョちゃんと交戦中!」

 

戸部「べー!優美子強すぎっしょ!」

 

八幡「葉山!ジジイ、けーちゃん、三浦、承太郎を頼む!戸部!しばらく持たせろ!相模!戸部の援護を!仲町!声で陽乃さんを援護!小町!ジジイ達が正気に戻り次第、陽乃さんを援護!いろは!承太郎が正気に戻り次第、嫉妬作戦で海老名と徐倫を釣れ!ジョルノ!虫を大量に作って撹乱を頼む!雪ノ下!材木座にフリージングビームを当てて怒りの概念を凍結!トリッシュさんは敵の足元を柔らかくして動きを止めて下さい!」

 

一同「了解!」

 

とにかく釣る!とにかく捕まえる!

その為なら外道にもなる!

俺自身もダメージを貰うが、ここは耐える!

俺自身も囮であり釣り餌だ!

 

葉山「ジョセフさん、京華ちゃん、優美子、空条博士は終わった!」

 

八幡「承太郎!お前は下がれ!ついでに康穂と折本を使って海老名と徐倫と康一さんを釣れ!葉山はそこでそいつらをシガれ!三浦は葉山と承太郎の援護を!けーちゃん!俺に抱き付いて川崎姉弟を呼んでくれ!ジジイ!ジョジョを頼んだ!」

 

ジョセフ「任せるんじゃ八幡!ジョルノ!ココ・ジャンボを葉山くんに!ポルナレフとエンポリオも正気に戻すんじゃ!」

 

さすがはジジイだ。後はジジイに任せても良いが、ここは俺の戦場だ!

 

ジョセフ「静は取り押さえた!」

 

八幡「小町!陽乃さん!ジジイを援護!仗助が来るぞ!」

 

ジョジョに何かあれば仗助が黙っていないだろう。

けーちゃんが叫べば川崎姉弟が釣れる!

 

八幡「材木座は由比ヶ浜の攻撃を耐えてくれ!雪ノ下!隙を見て由比ヶ浜にフリージングビームを!」

 

もうじきだ……もうじきで終わる!

 

静「ハッチ!ごめん!戻ったよ!」

 

ジョジョが戻ったか……

 

八幡「ジョジョ!めぐり先輩と露伴先生を頼む!葉山!ジョジョの援護を!」

 

沙希「比企谷ぁぁぁ!けーちゃんを離せぇ!」

 

大志「お兄さん!覚悟ぉ!」

 

めきゃあああああ!

ぐう!波紋なしでは川崎姉弟の攻撃はキツい!

 

八幡「………へへ。最後の釣り、完了………」

 

俺に何かあれば戸塚が釣り出せる……。

俺は空手の三戦立ちで耐える。

 

葉山「ヒキタニ!オラァ!」

 

葉山が最後の三人に触り、全員を正気に戻した。

 

八幡「やった………ぞ………耐え抜いた……」

 

バタッ!

ここまでが限界だ………。

レクイエムはやっぱり諸刃の剣……だな。

 

いろは「ハチ君!エメラルド・ヒーリング!」

 

ダメだ……体は治っても……もう精神力が限界だ……。

ジジイ……ジョジョ……仗助……ジョルノ……徐倫……後は………頼む………

 

比企谷八幡…再起不能(リタイア)

 

←To be continued




案外、葉山のオーラル・シガレッツの使い勝手が良すぎて頼りきりになってしまいますね……(^_^;)
そして、八幡のコマンダー無双回でした。
次は誰がメインを張るのか!
次回もよろしくお願いいたします!

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