やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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突如現れたもうひとつの幼なじみーズ。奴らは何者か!?


幼なじみーズ対幼なじみーズ

side比企谷八幡

 

陽乃α「いつから気が付いていたのかな?八幡君?」

 

八幡「いくつかあるが、違和感は最初からだな。今にして思えば……だが」

 

本当に、今にして思えばわりかし最初から違和感を感じていたとは思う。

最初の違和感は席の位置だ。店に入り、遭遇した段階での陽乃さんは狙撃とかを警戒する位置の最善の場所にいた。それだけなら違和感を感じなかった。だが、俺と遭遇した後もそのままの位置にいた。普段の陽乃さんならば、俺と位置を代わっていたはずだ。

理由はいくつかある。

常々ヒットマンから狙われている立場なのは俺だ。

次にウルフスの狙いはザ・ワールドと俺の魂。

それらの観点から陽乃さんは俺を護衛しようとするはずなのだが、それをしなかった。

次に今の陽乃さんは俺との距離感を測ったりとかはしないし、それをしみじみ言ってきたりはしない。今さら普通の男のように頑張って話しかけたりすることなんか無いのは分かりきっている。

そして寒川の襲撃だ。寒川は陽乃さんに対してこう言った。「雪ノ下」と。それに対して陽乃さんは「ん?」と首を傾げていた。

 

八幡「決定的だったのは折本を見たときの反応だろうな。そうだろ?陽乃さん」

 

陽乃「そうだねー。だってわたしは折本ちゃんを知っているわけだから、八幡君と折本ちゃんの関係をわざわざ確認なんかしないしねー」

 

……決定的に違和感を感じたのは折本が現れた時だ。

何故なら陽乃さんは折本の事を知っている。わざわざ俺と折本の関係を聞いてくる事は無かったはずなのだ。

そしてその段階から俺はひそかに携帯を操作し、ハーミットアメジストでそれを録画していた。

観察して確信に変わったのは折本の「それある!」だ。

折本の能力を知っていて、それに無反応なのは明らかにおかしかった。

そこで完全に確信した。少なくとも陽乃さんαは陽乃さんだが、今の陽乃さんではない……と。

そしてそれは正解だった。画像を送信し、返答を待った。陽乃さんの特務用の携帯に。

そして返事が来た。陽乃さんから。別段携帯を操作しているようには見えなかった陽乃さんαに返事を送信する暇は無かった。その段階でアーシス・スクランブルが仗助から発せられた訳だ。

俺は引っ掛かった振りを続けて監視をしていたって訳だ。

 

八幡「まぁ、この中では陽乃さんか仗助が適任だったろうな。そうだろ?」

 

そう、この陽乃さんは陽乃さんでも雪ノ下陽乃ではない。小町αや俺αの状態から見て……。

 

八幡「少なく見積もっても2年半前以上の陽乃さん……つまり茅ヶ崎陽乃さんだったんだよな?だから雪ノ下陽乃と呼ばれて違和感を感じたんだろ?」

 

そう考えれば納得できる。陽乃さんが茅ヶ崎陽乃から雪ノ下陽乃に戸籍を戻したのも去年の春から夏に変わろうとしていた時期だ。

そして……。

 

八幡「そしてあんたらはEOH事件以前の俺達の偽物だ」

 

そう感じたのは何故か?

陽乃さんの俺への態度にある。

陽乃さんが本格的に俺の事を異性として狙い始めたのはEOH事件の後だからだ。それまでは多少の好意はあれど、お気に入りのオモチャとして俺の事を見ていた。

 

陽乃「そっかぁ。あの事件ではわたしと小町ちゃんはオーバーヘブンの異変に操られ、そして八幡君に助けられたから本気になったんだっけ?」

 

そんなロマンチックな奴では無かったと思いますがね?陽乃さんはもっと打算的な理由で俺の事を狙い始めたと思いますよ?それに小町はフロリダの時からもう依存症を拗らしていたし。

だが、それ故に関係を清算した今とあまり変化がなかったから気が付くのが遅れたとも言える。

関係が清算された今となっては陽乃さんの態度が元のオモチャ的な何かに戻っているから。

まぁ、俺α、いろはα、ジョジョαが中学の制服を着ていたり、小町αの野暮ったいセーラー服がすこしダボダボしている事なのも考察の理由なのだが。

三人が総武中学に通っていたのは俺が中学3年の時しか無かったからな。

 

陽乃α「へぇ?たった2年で色々と変化があるなんてねぇ?お姉さん、気が付かなかったなー」

 

陽乃「そのわたしの真似、止めてくれないかなー。結構とさかにくるんだよねー?雪ノ下陽乃さん?」

 

陽乃α「そっちこそ、わたしの未来に化けて何のつもり?少なくとも、わたしは雪ノ下陽乃じゃあ無いんだけど?」

 

およ?そうか。当時の陽乃さんは雪ノ下の姓を毛嫌いしていたからな。茅ヶ崎陽乃さんのコピーなら驚くか。

 

陽乃「ねぇ八幡君?このわたしたち、本当に過去のわたしたちって事は無いよね?」

 

八幡「あり得ないですね。確実に違いますよ」

 

そう、過去の俺達を模した何かであるのは間違いない。

 

八幡α「何故そう思う?そっちの俺」

 

八幡「1つは偽陽乃さんの時計だ。あんた、何でこれを付けていない?」

 

俺はザ・ジェムストーンを出現させて偽物の俺達に見せ付ける。

ザ・ジェムストーンの左腕には閣下との連絡用の時計型通信機が装着されている。

そう、確信を持って違うと言い切れるのは俺達が常時装備している時計型通信機である時計が無いことだ。

今でこそ改良され、スタンドを発現させて腕にはまるようになっているが、当時の技術では常に装備している必要があった。俺達のように人型スタンドならばともかく、刀がスタンドである陽乃さんは常備していなければならなかった代物。

仮に本物の過去の平行世界の俺達が現れたのならば、あの野暮ったいデザイン性を無視したあれを陽乃さんが付けていないのはおかしい。

 

八幡「お前らが本当に俺達の過去だと言うならば、ザ・ジェムストーンを見せてみろよ。ああ、溶かされて消失したチンチクリン小町の腕も左腕だったな。どれどれ」

 

八幡α「……………」

 

当然ながらチンチクリン小町の溶かされた腕の残骸には時計型通信機が装着されていない。真っ赤な偽物であるのが丸わかりだ。

 

八幡「それにな。そっちの偽物の俺。お前がここにいる段階で偽物なのは確定なんだよ」

 

小町「お兄ちゃん?どういうこと?」

 

おいおい妹エンジェル小町。肝心要の事を忘れるんじゃあない。

 

八幡「俺は……DIOなんだぞ?そして、ザ・ワールドを持っている」

 

小町「???それは当たり前じゃんか」

 

こらこらこらこら!状況的にあり得ないだろ!なんで分からないんだよ!

 

いろは「あ、そう言うことですか。それなら確かにおかしいですよね?」

 

静「確かにそうだよね?本物の過去のハッチならば…」

 

仗助「戦いの駒にするなんて事はしねぇな。オーバーヘブンの生け贄にする」

 

そう。ここにいる過去の俺が、本物の俺の過去、もしくは平行世界の俺ならば、速攻でこの俺αを殺し、骨を摘出して後は火葬する。そして36の大罪の魂を集め、14の言葉を紡ぎ、フロリダを目指していただろう。

 

小町「あ、そっか。ウルフスならそうするはずだよね?」

 

気が付くのが遅いっての。ホントに勘が時々鈍いよな?この妹エンジェルは。

さてと……頃合いだ。

 

仗助「行くぜ!野郎共!アーシス……」

 

静「スクランブル!」

 

敵が体勢を整え直す前に戦闘開始だ。

 

いろは「エメラルド・ストライク!」

 

走り出す俺達の間を縫うように、いろはが弾丸で援護してくれる。

相手は過去の自分達だ。どんな仕掛けかは解らないが、とことんやらせて貰うぞ!

 

いろはα「くっ!エメラルド・ストライク!」

 

いろはαのストライクがいろはのストライクを相殺しようと放ってくる。しかし、ストライクにそんな精密性はない。

交差するストライク。

 

いろは「無理無理無理!」

 

いろはがαのストライクを拳で弾き飛ばしながら接近を開始する。

 

仗助α「俺同士ならよぉ!若い俺の方が上だよなぁ!?」

 

仗助「生憎だけどよぉ!俺は俺同士との戦いは経験済みなんだよぉ!」

 

C・Dα「ドラララララララララ!」

 

C・D「ドラララララララララ!」

 

ぶつかり合うクレイジー・ダイヤモンド同士の拳のぶつかり合い。スタンド同士は互角。ならば、本体同士はと言えば。

 

仗助「コオオオオ………」

 

仗助α「こ、こいつ……自力で波紋を……」

 

仗助の場合はこいつの差がある。自力で波紋を練れるようになったことにより、加齢による衰えがあるどころか逆に2年前より肉体能力は高くなっている。

 

仗助「あでがよぉ、外れてよぉ、残念だったなぁ!このダボがぁッ!」

 

仗助はαに鳩尾に向けて膝蹴りをお見舞いし、そして……。

 

仗助「ズームパンチ!」

 

最近やっと出来るようになったズームパンチをαの人中に入れる。

 

仗助α「どうなってやがる!何で俺が自力で波紋を使えるようになりやがったんだッ!?」

 

仗助「てめぇも大嫌いな露伴の力によって出来るようになったんだよ!」

 

波紋を自力で練れる。それが千葉村での戦いで露伴先生によって出来るようになった仗助の成長。

一方………。

 

静α「ドラララララララララ!」

 

静「ほっ!よっ!ドラララララララララ!」

 

一見大きな成長が無いように見えるジョジョ。

しかし、それは間違った認識だ。

ジョジョの戦術における成長。それは女版比企谷八幡とも言われるようになったジジイの戦術と性格の悪さ。

思い出して欲しい。フロリダでのジョジョは強いには強いがそれほどの強さは無かった。

そのジョジョを並みの奴では手も足も出せないくらいに変えたのはその性格だ。

元々素質はあったとは思うが。

ジョジョは制服のリボンを然り気無く解く。

 

静「ヘイッ!ドラァ!」

 

フック気味に放つ拳。

ジョジョαは紙一重で回避したつもりだろう。だが、それがジョジョの罠。

 

スパッ!

 

アクトンで透明にしたリボンタイ。それをナイフのように鋭くしてジョジョαの中学時代の宝物、白いカチューシャを両断した。

ジョジョのリボンタイは他のみんなと同じように見せかけてあるが、それはサルボロジアビートルの腸を仕込んである特殊なリボンタイだ。

波紋を百パーセント伝える事が出来る、咄嗟に取り出せる季節を選ばないジョジョ流の隠し武器。

 

静α「あっ………私のカチューシャを……」

 

呆然とそれを見るジョジョα。

 

静「技も充分、力も充分。でも、あんたと私は違う。そう言えば2年前だったよね?私が性悪の快感に目覚めたってのは」

 

EOH事件で基本世界の承太郎達をいじくったことにより目覚めたその性悪。手を変え、品を変え、それこそ悪巧みを二人で考えては周囲を引っ掻き回してきた俺達性悪コンビのやり方は、まだ淑女然としようとしていた2年前のジョジョαでは今のジョジョはかなり厄介な相手だろう。

 

そうしている間にちらほら決着が付いているところもあった。

最初は陽乃さんだ。

 

陽乃「うりゃぁ!」

 

陽乃α「甘い!」

 

陽乃さんの攻撃が素早く繰り出される。陽乃さんの攻撃を覚え、スペックをイーブンに持ってきたまでは良かった陽乃さんα。

しかし、陽乃さんの技には切り札がある。部分透過。

透過能力を使うことは自身のスタンド故に陽乃さんαもわかっており、ただ透過させたのでは刀ごとすり抜けるような体勢でガードしたが……。

スパッ!

 

陽乃α「え………」

 

首を切断され、そして消滅する陽乃さんα。

体が炎の塊になったかと思ったら、そのまま消えていった。

 

陽乃「倒した………のかな?」

 

陽乃さんは刀を消し、臨戦体勢を解く。

この戦いはもはやただのドンパチではない。かつての自分を倒すことで自分の成長具合を試す戦いでもある。

次の決着はいろはだった。

互いにストライク同士で弾幕バトルを繰り広げていた二人のいろは。

そこに変化が訪れた。埒があかないと考えた二人は接近戦に持ち込むべく、弾丸を放ちながらダメージ覚悟で突っ込む。多少のダメージを受けても回復して接近戦に持ち込めば良い。

互いにそう考えていたのだろう。

しかし、いろはαは知らない。2年前にはなかったいろはの新たな技がある。

あの規格外の弥七ですら修得出来なかったその技は…。

 

いろはα「エメラルド・ストライク!」

 

いろは「エメラルド……エクセス!」

 

千葉村で目覚めた、自らの回復の能力を攻撃に転化させた攻撃……エメラルド・エクセス。

回復力を暴走させ、本来体を守るべき免疫力等が体を蝕む逆転の発想技。エクセス。

 

いろはα「ぐううう!これは……エメラルド・ヒーリングの暴走!」

 

予想だにしなかった未知のダメージ。そこに……

 

いろは「エクセス・ラッシュ!無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!」

 

動きが止まった隙を見逃すほどやわな訓練をいろはは受けていない。すかさず接近し、自らの最強技であるエクセス・ラッシュを叩き込む。

正にマホ○ミ!

 

いろはα「キャアアアアアアア!」

 

断末魔の声をあげ、炎となって消えるいろはα。

そして………

もっと勝負になってなかったのは小町αだ。不意討ちによるルビーレーザーを既に受けていて欠損している小町α。ただでさえ両腕が健在だったとしても今の小町に小町αが敵うはずがない。

何故なら……。

 

小町α「くっ!みんな!」

 

小町αは切り札であるルビーレーザーを放とうとサインを出す。

そう、この当時はまだ指先からですらもルビーレーザーの照準を修得できなかった。故に、味方の避難を待たなくてはならなかった。

しかし、今のサンシャイン・ルビーならば……

 

小町「ルビーレーザー!」

 

しゅううう………

小町αの眉間にノータイムで穴が開く……。

 

小町α「あ………」

 

小町αが炎となって消える。

さて………ジョジョも間もなく決着だ。

ジョジョは器用に細かくジョジョαにダメージを蓄積させる。伊達に訓練において、俺やジジイの幻影の波紋相手に何度も苦戦していない。

しかし、俺らが幻影の波紋を訓練で多用するようになったのは今年度になってからだ。

何故ならすっかり幻影の波紋……というよりは、俺がハーミット・パープルの本来の能力を思い出したのが由比ヶ浜のクッキー教室の時。

つまり、ジョジョがアクトンの透明化との模擬訓練はバッチリ出来るようになったのはつい最近の話だ。

ジョジョがジョジョαに苦戦する道義は最初からないのである。

 

静α「くっ………小細工ばかり……」

 

静「それがアクトンの持ち味だからねぇ。それに、もう詰んでるし」

 

静α「は?」

 

次の瞬間、ジョジョαの喉元がかっ切られる。

 

静「宝物はキチンと把握しておけっつーの」

 

シュルルルルル!パシッ!

ジョジョが何かをキャッチし、透明化を解く。

それは先ほどジョジョがリボンタイで両断したかつての宝物、ジョジョαの白いカチューシャだ。

小学生時代から高校入学までの間に愛用していた仗助からのプレゼント。

 

静「確かに今の私が頭にかけているのはマーチからプレゼントされたリサリサおばあちゃんのサングラス。だけど、このカチューシャが私の宝物であることに変わりはない。偽物の存在は……私の存在共々許さない」

 

ジョジョは怒っていた。しかもそれが致命傷になるように小細工までして皮肉になるように……。

ちなみに本物のカチューシャは今でもジョジョの部屋の小物入れの中に大切に保管されている。

 

静「終われ。七代目ジョジョと認められる以前のあんたなんかに、私は決してやられたりはしない!アクトン!」

 

A・C「怒ララララララララララララ!怒ラァ!」

 

ジョジョαは怒れるジョジョのラッシュを受けて炎となって消えた。

ジョジョの手の中に握られているカチューシャも……

 

静「ふん!」

 

ジョジョは火傷するのも構わず、カチューシャが変化した炎を握り潰し、消す。それは、まるでカチューシャを粉々に握り砕いたかのように見えた。

 

静「good-bye(さよならだ)

 

次の決着は俺。

俺は他の誰かのように劇的にパワーアップはしていない…と思ったら大間違いだ。

レクイエムをある程度制御出来るようになったということもあるが、それはザ・ジュエルを使ったときの話。

スペック上や能力での変化は大したパワーアップはしていない。

つまり、波紋による身体スペックを除けば大した強化は5年前と変わらない………。

 

八幡α「無駄ァ!」

 

八幡「ぐふっ!」

 

ザ・ジェムストーンαの攻撃を受けてしまう俺。

同じ能力である以上、時を止める攻撃は無意味な為、策と基本スペック同士の戦いになる。

ハーミット・アメジストから出現したザ・ジェムストーンによる一撃を食らい、のけ反る俺。

 

八幡α「貧弱貧弱ぅぅぅ!他の奴らはともかく、お前だけは修行を怠ったようだなぁ!間抜けめ!ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

ここぞとばかりに時を止め、ザ・ジェムストーンを再びハーミット・アメジストにばらけさせる俺α。

隙を突かれ、時を止められてしまう事を許してしまった俺は、抵抗も出来ずに全身を絡め取られてしまう。

これは………。

 

八幡α「紫水晶の波紋疾走(アメジストパープル・オーバードライブ)!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

八幡「ぐあああああああああああああ!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!

俺だけが………敗けかよ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………なんてな。

 

八幡「ビリッとしたぞ?ちょっとだけな」

 

八幡α「ダニィッ!」

 

八幡「縛りあげろ!ハーミット・アメジスト!」

 

さっきまで無様に紫水晶の波紋疾走を食らっていた俺が消え、ハーミット・アメジストの先端へと変化する。

食らったのはハーミット・アメジストの先端のみ。

そう、幻影の波紋だ。本物の俺はもう一本のハーミット・アメジストでアクトンのように姿を消し、俺αの背後に陣取っていた。

多重幻影の波紋。見事に騙されたな?

そのまま俺は2つのハーミット・アメジストで縛り上げる。

さっきも言っただろ?今年度に入るまで、幻影の波紋やハーミット・アメジストの念写をすっかり忘れていたと。

自分相手であっても騙す!これが騙しの手品と言うやつだ!

 

八幡「電子レンジがお好みか?ならばお望み通りに…」

 

先端のみを腕に編み上げる。

 

八幡「やられたらやり返す!紫水晶の波紋疾走(アメジストパープル)!無駄無駄ラッシュ追加バージョン!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

バキボコ!バリバリ!ドカッ!

 

八幡α「ギャアアアアアアア!」

 

フシュウ………

俺αは炎となって消えていく。

残るは…………

 

仗助α「く………くそッ!ここまでグレートに埋め込まれちまうとよぉ!もう何も出来ねぇじゃあねぇかよ!」

 

仗助「他の奴が偽物を消しちまったからよぉ。尋問するにはおめぇしかいねぇだろ?」

 

仗助の方も決着が付いたようだ。しかも、俺達は偽物を消してしまったのに反し、仗助はこいつらの正体を探るべく、アンジェロ状態にして千葉大学の校門に仗助αを埋め込んでいる。

 

仗助「葉山ぁ!出番だぜ!」

 

葉山「あ、ああ………」

 

葉山を連れてきていて正解だったな……こいつらは何者で、誰が操っているのか。

素直に喋って貰うとしよう。葉山の能力でな。

 

←To be continued




はい、今回はこれまでです。

第2章と第3章の間には3つ、エピソードが存在しています。
いずれも八幡達が中学3年の時のエピソードであり、SPW財団実働部隊が組織改編をされ、アーシスが結成される話となるわけですが……。
1つは岐阜の隕石の話。(真の解決は本編完結後に当たるので、まだ先の話です)
1つは第4章ー3で語られているアイズ オブ ヘブン事件。
そして1つは折本事件です。

いずれ、そのエピソードはするでしょう。(というか、知っている方は知っていると思いますが、隕石事件は既に未来編でやっていますね……(^_^;))
特に折本事件は次のエピソードで登場予定です。

それでは次回は尋問回です。

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