やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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幕間…主人公達の語らい

sideなし

選手通路

 

DIO「いつつつ……あの規格外オブ規格外め……マジで死ぬかと思った……つぅか、何でレクイエムを使ったのが速攻でバレた?いや、いずれは誰かにチクられてやられていたんだろうけど………」

 

忍に治療され、意識を取り戻したDIO。

忍のクレイジー・ダイヤモンドは完璧で、もう全く傷など無いのであるが、気持ち的な問題で、まだ顔がヒリヒリと痛んでいる気がするようだ。

 

承一郎「僕のだったら良かったのか?相変わらず変に歪んでいる奴だな……普段はどうしているのやら……」

 

DIO「最近だと、何段教室の机を高く積めるかを実験したり、学校で徐倫から逃げるのに掃除ロッカーに(透明化して)隠れたまま、そのまま寝てしまって翌日の登校時間ギリギリで起きて全員を驚かしたりしたな」

 

忍「あんた……小学生でもやらないことを良い年齢してなにやってるのよ……」

 

???「本当だぜ……下らねえ事で俺の娘に苦労を負わせてるんじゃあねぇぜ………」

 

忍&承一郎&DIO「そ、その声は………」

 

声がした方向に顔を向けると、そこには……

 

忍&承一郎&DIO「じょ、承太郎(さん)!?」

 

ジョセフ、卍丸、カブキを伴った承太郎が呆れながら現れた。

しかし、この承太郎は主人公3人がよく知るジョセフ・承太郎ではない。

高校生の頃の承太郎と、68歳のジョセフ……つまり、スターダストクルセイダーズ時代の承太郎である。

 

忍「若いわ……あちしが知っている承太郎さんよりも」

 

承一郎「というか、何で若い頃の承太郎さんが僕たちに話しかけて………というか、徐倫さんの事を何で知ってるんですか?」

 

承太郎「既に会っているからな。そこにいるDIOの生まれ変わりと共に……」

 

承太郎はタバコを咥え、火をつける、

 

八幡『嘘だろ……空条承太郎が……なぜここに……しかも若い姿で……』

 

餓狼八幡「承太郎が……リアル承太郎が、目の前に…」

 

試合から戻ってきたノスフェラトゥの八幡と餓狼世界の八幡が揃って歩いてくる。

特に直接戦ったことがあるノスフェラトゥの八幡は戦慄する。

ストーンオーシャン時代の承太郎でもかなり苦戦した経験がある故に、全盛期の承太郎が目の前にいたのならば警戒をするのも頷けるだろう。

 

承太郎「なんだ……八幡。てめぇが3人いるじゃあないか。100年前のDIOとDIOや、吉良吉影と川尻耕作に化けた吉良が同時に現れたように、テメェもそういうことになってるって事か?」

 

DIO「………まさか、あの時の承太郎か?4年前に出会った……EOH事件の………それならばお前が徐倫の事を知っていてもおかしくは無いが……試してみよう。承太郎、こいつは一条承一郎。平行世界のジョルノの弟だ」

 

承太郎「ほぅ?ジョルノの弟か。名前も俺と一字違いか……奇妙な縁だな」

 

ジョセフ「ジョルノの弟と言ったら……ワシの叔父ぃ?オーノー!それにジョルノの弟と言ったらDIOの子供と言うことじゃあないか!」

 

DIO「落ち着けジジイ……そのDIOそのものがここにいるんだぞ……承一郎はジョースター家の味方だ」

 

承一郎「ハハハハ………平行世界と関わる度にこんなやり取りをしていますね。ちなみに僕の世界では承太郎さんが僕を探しに来てくれたのが出会いでしたが。初めまして……で良いんですかね。空条承太郎さん、ジョセフ・ジョースターさん」

 

忍「えっと……あちしは藤崎忍。八幡ちゃんの世界では仗助の友達をやっているわ。ちなみに、経営するカフェではホリィが常連で来てくれているわ」

 

DIO「あれ?ジジイは……」

 

忍「ふん!ジョセフのジジイは出入り禁止よ!」

 

ジョセフ「こらこら。ワシが何をしたって言うんじゃ」

 

忍「あちしの友人の実家の株を買い占めたのよ!あの時の騒動は大変だったわよ!」

 

承一郎「あの……忍さん。その話はストーンオーシャンの時に聞きましたけど、このジョセフは関係ないんですから……」

 

忍「あ、あら。そうだったわね。あの騒動を起こした時のジジイの姿にそっくりだったから、つい」

 

八幡『68でこの体格か……ジョースター家の大火災の時に見た俺の世界のジョースターさんとは違い、しっかりとした体格なんだな……』

 

ピクリと反応するDIO。

ジョースター家の大火災とは『4-1』でも発生したアラビア・ファッツの襲撃の事だろうか?

ほぼ同じことが起こったとノスフェラトゥの陽乃から聞いている。

 

ジョセフ「君は?八幡と同じ姿をしておるが……」

 

八幡『ノスフェラトゥの世界からやって来ました、比企谷八幡です。このおバカとは関係ありません。もちろん、スタンド使いでもありません。雪乃は……俺の彼女はあなたに憧れていましたが……』

 

餓狼八幡「俺もこの世界とは平行世界の比企谷八幡です。格闘家を目指しています。あなたの事は創作として知っていました。直接お会いできて光栄です」

 

ジョセフ「ワッハッハッハッハ!根本的にこのDIOの転生とは違うようじゃな!お前も見習え!八幡!」

 

ジョセフはDIOの頭を鷲掴みにし、グリグリと掻き回す。

 

DIO「ジジイ……うぜぇ……それにしても、お前達だけか?この世界にいるのは……花京院やアヴドゥル、イギーも健在なんだろ?」

 

ジョセフ「ひずみに巻き込まれたのはワシと承太郎だけじゃ」

 

八幡『どういうことだ?』

 

承一郎「花京院さんやアヴドゥルさん……それにイギーは……DIOによって。それに、八幡の世界ではそれぞれ三浦さん、海老名さん、サブレに転生したはず……」

 

八幡『ああ。迷惑な事に肉の芽を植え付けられた三浦や葉山達が俺達の世界でも現れたしな』

 

八幡「………アイズ オブ ヘブン………か?」

 

忍「そう言えば……言っていたわね。異変に操られた小町ちゃんやジョジョちゃん、それに陽乃ちゃんが本気でドンパチを挑んできた事件があったって……」

 

DIO「死ぬかと思ったがな……。特に異変で操られた小町……仗助やいろはがいなければ冗談抜きに殺されてた……」

 

承一郎「そろそろ教えてくれ。一体、何があった?」

 

DIOは「EOH」事件の概要を話す。

そして、その事件に関わった歴代ジョジョやその仲間達が奇跡の生還を果たした事件の事を。

オーバーヘブンによって衰弱し、結局は何も出来なかった情けない黒歴史を話す羽目になるので、DIOとしてはあまり口にしたくはないのだが……。

 

八幡『へぇ……そんな事があったのか。戦ってみたいな……この承太郎さんに』

 

餓狼八幡&DIO「やめとけ。力を使われたら、下手したら消えるぞ……」

 

餓狼八幡が知っている理由は、ゲームソフトとしてのEOHを知っているからだろう。

 

承太郎「使わねぇよ。あれ(・・)はリスクが高すぎるからな。そろそろ試合だ……行くぜ、ジジイ、卍丸」

 

承太郎達はぞろぞろと会場へと向かう。

 

八幡『どういう事だ?時を止める力は確かに脅威だ。だが、俺はそう簡単には死なない』

 

DIO「強いとか……そういうレベルの話じゃあない。スター・プラチナ・オーバーヘブンには……現状では誰も太刀打ちなんて出来ない……オーバーヘブンとレクイエムでは……オーバーヘブンの方が上だ……」

 

八幡『オーバーヘブン?レクイエムよりも上だと?』

 

DIO「現段階では……だがな。もっとも、どちらが上かどうかなんて事自体、検証する気も起きん」

 

レクイエムもオーバーヘブンも、扱い方次第では世界そのものを破壊する。

 

承一郎「さっき、簡単にホイホイと使った奴が言うんじゃあない」

 

再びDIOが聞くに耐えないレベルの下手な口笛を吹く。もしここに比企谷小町が…リサリサがいたのならば、『どうしてそこまで下手くそなレベルの口笛が吹けるのか、いっそ感心する』とまで言っていることだろう。

誤魔化しの為の口笛というよりかは、むしろ一種の音による暴虐と言えるまである。

ゴン!

 

承一郎「鼓膜が腐る……やめろ。あと誤魔化すな」

 

DIO「………まぁ、俺のレクイエムに関してはさっき見た通りだ。ぶっちゃけ、パンチ一発放つだけで次の瞬間には再起不能(リタイア)。いきなり砕けないだけでもマシなレベルなまである。例外は飛騨の時みたいに宇宙意思のレクイエムが何らかの目的で俺を利用しようとしている時くらいだ」

 

承一郎「お前が弱体化したの、結構痛手だな……」

 

DIO「そりゃ悪かったな………」

 

承一郎は、いざとなったら力押し……という部分でDIOのレクイエムを期待していたかも知れない。

『真実』に干渉する能力は、それほど強力であり、強さとかのレベルとは別物のチートだからだ。

 

DIO「つうか、事が事なだけに、単純に黒幕を倒して終わりという話じゃあ無いんだよなー」

 

八幡『そうなのか?』

 

餓狼八幡「今一つわからん」

 

忍「今はアーシスもクリスタルファングもノスフェラトゥもいない。あちしたちが完全に個人だから……という事じゃない?」

 

DIO「そういうことですね……お前、よくクリスタル・クルセイダーズの時には正気でいられたな?」

 

承一郎「ようやく分かってくれたか……」

 

完全なゼロから始まる異世界生活。

承一郎にとっては二度目の事である。

 

八幡『……つまり?』

 

DIO「疑心暗鬼に陥らなくて済む味方の裏方がいないってのは、結構なストレスだし、出来ることも限られてくるって事だ。しかもクリスタルファングやノスフェラトゥのようなクラスが敵だろ?」

 

なまじ今いる世界をゲームのプレイヤーとして観測していただけに、シャドルーという組織と秘密結社ネスツという組織のヤバさを知っている。

 

八幡『………』

 

忍「怒部隊やMs.OFUKUROから聞かされている話だと、元々ノスフェラトゥやクリスタルファングと同等の技術力を持っているのがシャドルーと聞いてるわね。更に旧秘密結社、ネスツの技術も使ってるんでしょ?聞けば衛星ビーム兵器をも持っているって話じゃない」

 

承一郎「核兵器以上の戦略兵器じゃあないか……そんなものを持つ組織が敵なんて……」

 

餓狼八幡「あれ?何でだろう。タクマご隠居がその衛星ビーム砲を覇王翔吼拳の上位互換技で消し飛ばした光景が浮かんで来たんだが………」

 

その他一同「なにそれ凄い!」

 

KOF2000の龍虎の拳チームのエンディングの1つである。

ネスツの上級幹部、ゼロ(クローン)が見せしめでサウスタウンの一部を消し飛ばす程の衛星ビーム兵器、ゼロキャノンを覇王至高拳で消し飛ばしたのがMr.KARATEことタクマ・サカザキなのである。

ここにノスフェラトゥやアーシス……なんならば基本世界の材木座義輝がいたならば、こう言うだろう。

敢えて言おう………事実である、と。

 

DIO「…………ノスフェラトゥの八幡。椎拳祟、チームメイトにいたよね?」

 

八幡『あ、ああ………』

 

DIO「麻宮アテナにコンタクト取るように言っておいてくれない?」

 

椎拳祟は麻宮アテナの同門だ。チームメイトなら頼むのも容易であろう。

 

餓狼八幡「なんで?」

 

DIO「麻宮アテナは、春日野さくらと今回、チームを組んでるだろ?」

 

餓狼八幡「さくら先生に?」

 

春日野さくらは、この世界のこの時代はただのリュウに憧れるだけの杉並区在住の一般的な女子高生である。

餓狼八幡は、DIOが何故春日野さくらを必要としているかが分からなかった。

ちなみに、餓狼八幡が春日野さくらを『さくら先生』と呼んだのは、餓狼八幡の世界のさくらは総武高校で体育教師をしているからである。

 

DIO「あー………春日野さくらさん自体には用が無いんだよね。用があるのは、そのライバルの神月かりんさんなんだよ」

 

DIOは極限流繋がりで川崎経由から、神月かりんとセレブチームを組んでいるロバート・ガルシアからという線も考えたが、同一世界の人間同士の線から接触する方が確実だと思い、椎拳祟の路線から攻める事にした。

 

八幡『神月かりん?』

 

餓狼八幡「神月かりん?………って、あの神月財閥のご令嬢、神月かりんか!」

 

忍「それって、SPW財団みたいな組織なのかしら?」

 

DIO「忍さんの知り合いだと、伊集院財閥みたいなものだと思って下さい。一応神月財閥も私設軍隊やら衛星兵器的な物を持っていたようないなかったような……とにかく、少なくともSPW財団なんかよりもヤバイ財閥であることは確かです。あと、言っておきますけどアーシスは武力集団なんて持ってないですから。パッショーネ経由で横流しされた物や人は隠し持ってますけど。公式には持ってないことになってますから」

 

それを世間では武力集団と言うのだが、DIOは持っていないと押し通すつもりらしい。

もしくはサイコパス的な解釈で本気でそう思っているか。

そんな基本、頭のネジがどこかぶっ飛んでいるスタンド使いの中でも、とりわけサイコパスだった邪悪の化身の転生であるお前が言うのか?という視線をまるっと無視してDIOが神月財閥の説明をする。

よくテロリスト認定をされないものだと思う。(アーシスや伊集院財閥も含む)

因みにだが、DIOはうろ覚えしか記憶していない神月財閥私設軍隊の衛星兵器。それも事実である。

神月財閥もゼロキャノンと似たような衛星兵器を持っている。(ストリートファイターZERO3、神月かりんのエンディング参照)

敵がとんでもない組織なら、こちらもとんでもない組織を味方に引き込もうと言うのがDIOの考えである。

 

DIO「上手くいけば……なんだよなー」

 

 

一方…………

地球衛星軌道上

 

Ms.OFUKURO「あらあら。こんな物騒な物をいくつも量産しちゃって………」

 

某機動戦士に出てきそうな戦略兵器を目の前にポキポキと指を鳴らす規格外オブ規格外。

シャドルーがゼロキャノンを参考にして打ち上げた物である。

 

Ms.OFUKURO「こういうものはポーイ♪シャドルーの秘密基地にポーイ♪こういう時、最近DIO達か倒したヴィヴァーノ・ウエストウッドがいたら楽なんだけどねー。ああ、でも飛騨に○ィア○○彗星を呼ばれたら大変か。別のウルフスのウィルスを含んでいるってはなしだったしねー」

 

角度を定めて量産型ゼロキャノンを蹴り飛ばすMs.OFUKURO。

大気圏の圧縮で燃え尽きないように緩やかな角度を付けつつ、目標に落下させるのは至難の技のはずなのだが、何でもないようにやってのける。

 

Ms.OFUKURO「え?摩擦で燃えてるんじゃないのかって?そ・れ・は・間違い♪大気圏突入で燃えてるのは圧縮で燃えてるの♪」

 

一体誰に説明をしているのやら……。

 

その日、タイのシャドルー秘密基地では大量のゼロキャノンが降り注いだ。

 

←To be continued


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