やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までのクリスタル・クルセイダーズの冒険

ロッキーマウントにてセト神のアレッシーに襲われ、子どもに戻された静の涙は、仗助の越えてはならない最後の一線を越えさせてしまった!

同じくアレッシーの攻撃によって甦ったDIOとジョナサンの協力を得て、仗助はアレッシーを第2のアンジェロにしてしまう。

戦いを終わらせ、静の元に戻った仗助を待っていたのは静との婚約が確定したことだった。
光源氏計画、ここに完成!
ひとまず決着のついた仗助と静の関係だが、旅はまだまだ続く!
さて、このところお休みしていた二人がついに動く!


運命の輪とユキトキCLICK

side比企谷八幡

 

八幡「サバンナで待ち伏せ…ですか?」

 

ミドラー「ええ、ここで私とアレッシーが敗れたばあい、予備としてサウスカロライナ州とジョージア州の境であるサバンナで待ち伏せすることになっています」

 

承一郎「綾瀬絢斗とサンタナを除けば残るは運命と悪魔とアトゥム神の三人でしたよね?」

 

陽乃「あれ、審判は?審判のカメオも生きていたはずだけど」

 

承一郎「カメオは人間として再起不能になっていたらしい。敵が減ってくれるなら、喜ばしいことじゃあないかな?」

 

確かにそうだな。

なんか承一郎が「あのスタンド能力を知っていても、それでも願ってしまうよ、彼女達に会いたいって…」とブツブツ言っている気がする。

案外、審判を密かに始末したのかもしれない。

 

いろは「どういうスタンドだったんです?」

 

承一郎「アラジンと魔法のランプって知ってるか?」

 

小町「まぁ、有名ですから知ってますけど」

 

アラビアンナイト自体は知らなくても、アラジンと魔法のランプは童話や絵本などで有名だから知らない人の方が少ないだろう。

 

承一郎「『審判』のスタンドはその魔法のランプで願いを土の偽物で叶えるという物さ。大抵の人間の願いは真偽を確かめるために大金を求める」

 

実際にポルナレフさんがそれで引っ掛かってしまったらしいな。

 

承一郎「そして信用した人間は、恋人を求めたり、死んだ人間を甦らせて欲しいと求める。その結果、土で出来た偽物に攻撃されるっていう酷いスタンドさ」

 

うわぁ…イヤらしいスタンドだなぁ。

 

ジョルノ「知らなければ僕も昔の仲間を甦らせて欲しいと願ったかもしれないね。ブチャラチィ、ナランチャ、アバッキオの三人とか」

 

ジョルノが遠い目をしてボソリと言った。

死んでしまったかつての仲間を思い出しているのだろう。

しかし、タネを知っているからわかるが、今思い出しても酷いスタンドである。

もし襲われたら、俺と承一郎、茅ヶ崎さんがいなければ引っ掛かっていたかも知れない。

まさかやっぱり承一郎が…。

 

ミドラー「彼をやったのはパッショーネって聞いたわ。20年前の闘いの後にケシ畑で儲けたそうだけど、麻薬売買のマーケットをヨーロッパにまで拡大させようとして、足掛かりにイタリアを選んだのが失敗の原因と聞いたわ」

 

ジョルノ「ああ、確かに中東の麻薬屋の進出を阻止したという報告がウチの麻薬対策部署からあがっていたような気がする。そうか、フーゴがやっていたのか」

 

なるほど、イタリア支部がやったのか。

 

JOJO「で、八幡?誰が密かに暗殺しただって?」

 

承一郎が一条に代わっていた。

しかも、超にっこりと怒っている。

 

八幡「あれ?口に出ていた?」

 

JOJO「口には出していなくとも、目線で察しがつくわ!血ぃ晒したろうか?このガキ!」

 

やっべえ!超絶!壮絶!ダイナミックにお怒りだ!

俺はしばらく一条から逃げ惑った。まあ、最終的には捕まって説教受けたけど。

説教したのは一条ではなく、承一郎だったから助かった。

もっとも、怒ってはいたけどね。

ちなみに、アレッシーとの闘いの時にミドラーが支援に来たのは偶々で、本来はこの事を伝え忘れたので教えに来たのが本当の理由だった。

俺達は貴重な情報をくれたミドラーに礼金を渡して別れを告げ、新しく調達した車に乗り換えて移動を再開した。

ミドラーからもたらされた情報により、十中八九、サバンナで待ち伏せしているスタンド使いによって車両が壊されるだろうと予測しての事だった。

大切なマイクロをこれ以上破壊されたら堪らないしな。

 

新しい車両は頑丈さが売りのミニバン二台だった。

片方はミスタさんがドライバー(毎度すみません)のジョルノ、茅ヶ崎さん、小町、億泰さん。

もう一台が仗助をドライバーに俺、承一郎、いろは、静の乗車編成だった。

 

ちなみに出発するまで、俺達はあることにはふれなかった。後方の後継に。

 

静「うふふふ♪お兄ちゃん、我慢しなくても良いって言っていたもんね♪」

 

仗助「いや、確かに言ったけどよぉ…」

 

ジョジョが仗助にユーカリにしがみつくコアラのようにガッチリと抱き付いて離れなかった。

 

静「一日中抱き付いてくれるってのは嘘だったの?お兄ちゃん?」

 

仗助「今はそれどころじゃあ無いだろ!承太郎さんを助けに行くんだろうが!」

 

静「…ゴミいちゃん」

 

仗助「ぐふぅっ!」

 

あ、初めて小町以外からその言葉を聞いた。

わかるぞ?仗助。

意外と威力があるんだよな?ゴミいちゃん。

 

何故止めないのかって?

あんな激甘な空間に割り込む勇気はない。

それに、やっとジョジョの願いが叶ったのだから、今くらいは好きにさせてやりたかったし。

 

…一人を除いて。

 

JOJO(イライライライライライラ…)

 

超絶壮絶ダイナミックにイラついている平行世界人がいました。

めっちゃコワイ!

 

車内

 

仗助「なあ、承一郎。お前は車の運転って」

 

承一郎「いえ、16ですので」

 

仗助「そうか…」

 

丈夫さに定評がある日本のミニバン、ハイエース(外国車バージョン)を運転しながら、仗助は承一郎に訪ねる。

まぁ、どう見ても承一郎は高校生くらいの感じだもんなぁ。

上手く交代しながら運転出来ればと考えていたようだが、世の中上手くはいかない。

もっとも、承一郎は構わず無免をやってそうだが。

俺もやったことあるし。

 

八幡「なぁ」

 

助手席の俺が話しかける。

 

八幡「来ると思う?サバンナで」

 

俺が言っているのは敵の襲撃の事だ。

 

仗助「ミドラーが裏切るとは思ってもいないだろうから、おそらく来るだろうな」

 

仗助は町のなかを走る高速道路を運転しながら返答する。

もうじき昼時。このCCにとっては鬼門とも言える時間帯。

予定ならそろそろサウスカロライナを抜け、ジョージア州の北端の町、サバンナだ。

サバンナと言われてイメージするのは荒野や草原の湿地地帯で、野生動物が豊富な場所…と思われるだろうが、実は違う。

サバンナ気候、または草原地帯を意味するアフリカのサバンナと、地名のサバンナと勘違いをされやすいが、ジョージア州のサバンナとはアメリカの南北戦争に深く関わる歴史的な「都市」として有名な場所である。

 

八幡「で、誰が来ると思う?ダービーさんの弟か、死神か…それとも」

 

承一郎「アレ…とか?」

 

そう、先程からイカツイ外装のトラックが並走して来ており、徐々に右に幅寄せをしてきている!

うん。多分アレだろうとは思っていた。

何でだろうね?

俺達って昼時と夜が鬼門過ぎない?

 

仗助「ったくぅ!案の定かよ!」

 

承一郎「合わせろ八幡!」

 

八幡「わかってる!」

 

承一郎の力で俺達二人は相手のトラックの屋根へと登り、上からスタンドラッシュを叩き込む!

 

ブラッディシャドウ「無駄無駄無駄ぁ!」

ザ・ジェムストーン「無駄無駄無駄ぁ!」

 

二人がかりの無駄無駄ラッシュだったが、「運命の車輪《ホウィール・オブ・フォーチューン》」というスタンドはただのボロ車をラッセル車並のパワーに変えるスタンドだ。

俺達のダブルラッシュではトラックに取り付いた「運命の車輪」の装甲を破れず、トラックはハイエースを潰しにかかる!

 

八幡「頼む!承一郎!」

 

承一郎「わかってる!」

 

いろは「キャアアア!ハチ君!」

 

八幡「いろは!」

 

承一郎「!!」

 

承一郎が仗助とジョジョをブラッディシャドウで車外に放り投げ、空間でサバンナ川に着水させたが、いろはだけは間に合わずに橋下に落ちるハイエースごと落下をしてしまう!

 

させるかよ!

 

八幡「ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

 

俺は時を止め、いろはを助ける為にサバンナ橋からダイブし、いろはを救出して抱き止める!

なんか、デラウェアといい、今回って紐なしバンジーが多過ぎやしませんか?

まぁ、作るんだけどね?

 

八幡「ハーミットアメジスト!」

 

爪先からサバンナ橋にハーミットアメジストを引っかけ、紐なしバンジーから普通のバンジーに変える。

そのまま落下の衝撃を殺してからアスファルトに着地する。

 

八幡「仗助とは車の走行距離分は離れてしまったな」

 

いろは「ハチ君!ありがとう!怖かった!」

 

いろはが俺に抱き付く。

 

承一郎「イチャイチャは後でにしてくれないかな?敵はまだ倒して無いんだからね」イライラ

 

はい、まあそうですよね。

それにしてもあなた、今日はやけにイラついていますね?

 

いろは「ねえ、ハチ君。最近のトラックってさ、水上を走るのかな?」

 

いろはが訳のわからないことを言う。

 

八幡「水陸両用車と言うのは聞いたことがあるが、水陸両用トラックは聞いたことがないな」

 

承一郎「最近は水陸両用観光バスがあるらしいよ?山中湖とか」

 

ああ、確かそんなのがあったらしいけど…

それがどうしたんだ?

 

いろは「さっきのトラックが水上を走ってるんですけど…」

 

そういえば「運命の車輪」で強化された車ってゲッ○ー

2のように地中に潜れたね。

それに比べたら水上を走るトラックなんてむしろ常識の範疇に見えるから不思議だよね。

 

承一郎「ならば、ブラッディ・シャドウ!」

 

承一郎はトラックの助手席に転移する。

なるほど、外がダメなら内側からってやつだな。

しかし、これも意外なやりかたで防がれる。

 

承一郎が移動した先の助手席と、「運命の車輪」のスタンド使い、ズィー・ズィーの間に外壁と同質の壁が生じ、承一郎の攻撃を防いだ。と、同時に助手席の側の床と天井が承一郎を挟まんと狭くなる!

 

承一郎「チッ!」

 

承一郎は舌打ちをして空間を使って脱出する。

 

八幡「大丈夫か?承一郎」

 

承一郎「承太郎さん達が複数で苦戦しただけあって手強いぞ」

 

マジで案外きょうてきだったな。承太郎はどうやってたおしたんだ?

俺と承一郎は存外の強敵に戦慄した。

 

←To be continued

 




中途半端ではありますが、今回はここまでです。

次回には運命の車輪戦が終了できたらなと思っています。

タイトルに関しては俺ガイル第一期のOP「ユキトキ」とニセコイの初期OP「CLICK」から取ってあわせました。
無理矢理感はんぱないけど。

次回はダブル主人公で決着を付けます!

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