side比企谷八幡
??「…………なさい」
ん?
なんか変な声が聞こえる………。
??「…………なさい、DIO」
DIO?まぁ、確かに俺はDIOだったけど……。
??「起きなさい!DIO!」
ドズン!
腹にくる衝撃で目が覚めた……。ってあれ?どこここ?
??「あなたの夢の中よ」
なぁんだ夢か。夢なら二度寝しても仕方ないよね?明日には千葉に帰るんだし。
??「はぁい。そうはさせないわよ?DIO」
ギリギリ………痛い痛い痛い痛い痛い!割れる割れる割れる割れる割れる!
アイアンクローを食らい、更に持ち上げられる感覚が!
頭割れるし首がもげるぅぅぅぅぅ!誰ださっきから!
八幡「げっ!」
そこには毎日見る顔でありながら、その当人ではない人物の顔があった。
その顔は間違いなく…………
八幡「母ちゃん……いや……」
母ちゃんじゃあない!母ちゃんにしては若い!この母ちゃんは………比企谷白良さん!
数ヶ月ぶりに見る平行世界の規格外、比企谷白良さんだった。
白良「目が覚めた?」
八幡「はい……バッチリと。何の用ですか?白良さん」
ホント、人の安眠邪魔しに来て何してんの?つうか、人の夢の中に入るなんてまるでサキュバスですね?
白良「もう一回、魂を砕かれたい?」
八幡「勘弁してください」
白良「それに何で私が来たのか、想像付かないかしら?DIO?」
うん?何だろ。
お土産をまだ買ってなかった事かな?東京駅か最悪、有名な店の通販で済ますつもりだったしなぁ……ドンパチ連続でそれどころじゃあなかったし。
白良「ハズレ♪」
あ、いろはと子作りしなかった事か?結局全部徐倫や承太郎に阻まれたし、またはドンパチで潰れたし。
白良「それもハズレ♪っていうか、それは自立してからやりなさい?」
や、もう自立してますから。勤続十数年のキャリア幹部ですよ?あー……もうじき関東支部長を降りて日本支部のどこかの部署で下積みになるんだよなー。総括営業部とかだったら嫌だなぁ……。
白良「社畜を嫌がりながらもしっかり社畜してるじゃない。そういう愚痴を聞きに来たわけじゃないから」
そこは作風に合わせて『来たわけじゃあないから』では無いですかねぇ?
白良「知らないわよ。そもそもこのシリーズのキャラじゃ無いんだし」メメタァ!
メタいですよ?白良さん。大体将来的に日本支部をしょうなんて苦痛、嫌じゃないですか?
白良「出世欲が強い人にしてみたら喉から手が出るほど欲しいポジションよ?それに諦めなさい。前世貴族なんだからそれくらいはやるつもりでいなさいよ」
えー……普段はDIODIO言いながら、そういうときだけジョナサン扱い?汚い。大人汚い。それにジョナサンは考古学者ですよ?商売やってませんでしたよ?
白良「はいはい。それよりも、話題をどんどん反らして誤魔化そうとしない!」
チッ!バレたか……。
白良「そういう部分だけは比企谷八幡っぽいわね。それに今、舌打ちしたわよね?良い度胸じゃない」
ユラァ………。ヤバイ!戦闘体制に入った!ザ・ジェムストーン!
無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!
白良「無駄無駄無駄ぁ!はこっちのセリフよ?DIO」
ガシッ!と拳を掴まれ、小指と手首を支点に引き摺り倒される。小手返しだとぉ!
白良「元々そんなものは効かないけど、そんな弱ったザ・ジェムストーンなんかじゃエリナちゃんにも勝てないわよ?薄々は分かってたでしょ?」
………見抜かれてたか。
何でもない振りをしていたけど、実際魂が砕けかけてた状態だ。実際はスタンドパワーは大分落ちている。そうでなければ不意を食らったとはいえ、戸塚に再起不能にされてないし、オロチの時だって真っ先に落とされてない。
白良「千葉村で言ったわよね?不完全なレクイエムを使ったら許さないって」
完全なレクイエムなんて出来るんですかね?特にザ・ジュエルは強大すぎるんですが?
白良「もうひとつの魂との癒着が完全じゃないのよ。もう1つのフロリダで手にいれたジョナサン・ジョースターの魂とDIOの魂が。だから少しはもっても長時間は持たない」
……俺とJonathanとDioの融合が不完全…だから長時間使えないのか。
白良「しばらく大人しくしていることね。いろはちゃんに散々甘えなさい」
えー……でも時期的にいったら次はいろはが大変な事にならないっすか?
白良「起こらないわよ?多分」
え?だってそろそろ生徒会の交代時期ですよ?基本世界ではいろはが生徒会長候補に……。
白良「あのねDIO。それが起こるフラグは叩き折ってるの。なるわけないでしょ?エリナちゃんとイッシキ・イロハはもう完全に違うんだから」
…………あ、うちのいろはは男をジャグリングしてなければサッカー部にも所属してないし、何よりも女子に嫌われていない。だって他の男とは仲良くしてないものな。むしろ女子としか仲良くしてないわ。
藤沢っていう女子と特に仲が良いって言っていたっけ。
大体……
白良「そう。時間の修正力が働いていない。基本世界の出来事を覚えている段階で既に生徒会長選挙は基本世界通りにはならない。代わりの騒動はあるかも知れないけどね」
だろうね。基本世界の生徒会長選挙は……比企谷八幡と一色いろはが本当に知り合うきっかけとなったあの事件は何が原因か。
それは一色いろはが女子にやっかみを受けてイジメにも近い方法で推薦を受けた事と、他に立候補者がいなかった事が原因だ。ともなれば、代わりに誰かが生徒会長にならなければならない。
八幡「なりませんよ?俺は」
白良「多分だけど、関わらない……もしくは誰かが立候補するんじゃないかしら?例えば………」
そこで白良さんは口を止める。心当たりがあるのか?
白良「うん。二人ほどね。エリナちゃんじゃないとだけ言っておくわ。エリナちゃんもDIOと同じで財団のキャリア幹部でしょ?そんなに暇じゃないはずだし」
こんな修学旅行に付いてきてるのに?
白良「今回の場合はいつもとは違うわよ。明日にでも空条君から聞いてみたらどうかしら?空条君やジョルノ君が今回の旅に付いてきたのには理由があるからね」
空条君って……承太郎はあなたより年上……。
そもそもあなた、今何歳……
ガシッ!ミシミシミシミシ……
ギャーーーー!割れる割れる割れるぅ!
白良「女性に歳を聞くものじゃないってエリナちゃんや小町……エリザベスから教わらなかったかしら?特にエリザベスは前世で体現者なんだし」
あー……じゃあ小町はずっとあんなちんちく……
白良「エリザベスにチクるわよ?」
やめてくださいごめんなさい。ゴミゴミされたくないです。
白良「まったく……大体自分の母親の年齢を知らないの?」
知ってるから承太郎を君付けで呼んでることに違和感を覚えてるんですが……。まぁ、閣下をちゃん付けで呼んでいる段階で今さらなんだけどね?
白良「まぁ、それは空条君に聞きなさい。もしくはジョースターさんから」
あ、さすがにジジイはさん付けで呼ぶのね?
白良「とりあえず……はい」
白良さんは何やら宝石みたいな物を取り出した。
白良「これはとある平行世界の異世界に行った将来的には規格外になる人物借りた物よ。聖霊石っていう光の魔術を込めてあるの。ウェールティっていう所まで行くのは苦労したわ」
あなたに規格外って言われるって何ですか?
白良「うーん……その人には京都でDIOも一度ニアミスしてるわよ?これを借りた本人はその時から3年経っているけど。光と霊術のスペシャリストなの。衰弱した魂には良く効くって話よ」
確かに暖かい不思議な力が俺のスタンドパワーを戻してくれている。
でも会ったかな?そんなのに。…………あっ!
いたわ。ものすごい殺気を放っていた三人組が。
白良「そう。あの三人組の一人。この世界にはない木藤神社の次男だって言っていたわ。嵐山が出身って言うから、この山にでも感謝のお祈りしておくことね」
え?嵐山をメチャクチャにしちゃったんですけど…。
白良「気にして無いみたいよ?その世界、嵐山はおろか、行政とかメチャクチャになっちゃってるみたいだし、何より三人組の残り二人は故郷を故郷とも思って無いみたいだし。完全にウェールティや
……俺、そんなの相手に下手したらケンカ売り掛けてたの?大体曼陀羅って聞くだけでも恐ろしいな。
白良「伝言よ。あの三人組と同じ力を持つ8人から。『ウルフスは絶対に止めろ。新たな邪神族の尖兵を作られたら奴らがお前らの世界を狂わす事になる』…だそうよ。どれだけいるのかしらね?知的生命体の敵って。アカシック・レコードに触れてみたいものだわ」
ウルフスですら尖兵程度にならない存在がいるのかよ。そして奴等の狙いは俺……。マジで特異点じゃあないかよ。
あと白良さん。あなたサラッととんでもない事を言いませんでした?アカシック・レコードに触れちゃダメ!絶対!
白良「レクイエムやオーバーヘブンも充分アカシック・レコード級だと思うけどね。さて……やることは終わったわ」
ああ、やっと終わりか。
白良「あとはDIOが起きるまで、お説教の時間よ?」
え?
白良「今回の体たらくは私もちょっとどうかと思うのよねー。ジョースターの人達やエリナちゃんがいなかったら総武高校京都ツアーは全滅の最後だったわよ?下手しなくてもオーバーヘブンで世界はアウトだったわ」
ダラダラダラダラ………
白良「DIO、あなたが起きるまで……O・HA・NA・SHI……よ♪」
ギャー!修学旅行なんかヤッパリ嫌いだぁー!
比企谷八幡inドリーム…
←To be continued
白良さんのお説教ターイム♪
(悪)夢のような時間の始まり始まりー。
そりゃ忠告を受けていたのにレクイエムを使い、衰弱してればお説教受けますわ。
それでは次回もよろしくお願いいたします。