今回のメイン……今まで出番が微妙だったこの娘です!
side相模南
微妙な恐竜が池に沈んで微妙な空気が流れていたうち達。
葉山「……。次、行こうか」
戸部「そ、そうだべ!次、次!」
笑顔の隼人くんに言われ、固まっていた翔くんも再起動した。翔くんが微妙な空気なのって案外大きいんだよね。ムードメーカーだから、それが全体の空気になっちゃうんだよ。
結衣「なら、そろそろアレ行こっか?」
結衣ちゃんが指差していたのは史上最怖のお化け屋敷ってヤツだった。最初から行くつもりだったのかな?
でも、このメンツでお化け屋敷って……。
お化けよりも怖い吸血鬼やウルフスと戦ってる人間達だよ?作り物のお化けで楽しめるのかな?
戸部「お化け屋敷か…よしっ!」
気合いを入れる翔くん。姫菜ちゃんと良い雰囲気になれるチャンスだと思ってるのかも。まぁ、姫菜ちゃんは見た目だけなら儚い感じだもんね。見た目だけなら。
でも、あの恐竜ちゃんよりは楽しめるかも知れない。
まぁ、手助けはしないけど、応援はしてるよ?
単にお化け屋敷と思っていたけど、流石は天下の東映だね。お化け屋敷のセットとかすごく凝ってるよ…。脅してくるお化けまで東映の役者さんなんだって。
でも、そこはアーシス。
静「きゃー!お、お、お兄ちゃん………怖い……」
仗助「…………」
抜群の演技力なのか、東方会長にしなを作ってしなだれかかるけど、ちょっと待って。
そんなん怖がるお前じゃあ無いだろ。という東方会長の呆れた声が聞こえてくるようだよ。
ジョジョちゃんってむしろ脅し返して楽しむタイプだよね?透明になって、突然現れて「ワッ!」とか。
むしろ、そういうことを考えているときのジョジョちゃんの方が魅力的だとか思っちゃうのがうちも大分アーシスに毒されてる証拠かも。
仗助「いや、スッゲー演技力なのは認めるけどよぉ、お前がそれはねぇだろ」
すると、ジョジョちゃんは演技を止めて不満そうな顔をケロッと元の普段の表情に戻した。そして拗ねたような顔をしている。
静「お兄ちゃん……つまんない」
その拗ねた表情も演技なのか本気なのか。
ジョジョちゃんは可愛いから、普通の人だったらコロッと落ちちゃうかもね。
まぁ、東方会長はコロッと落とされたって話だけど。
実妹じゃあ無いけど兄妹で婚約だなんて……流石は型破りが当たり前のジョースター家だよね。
うちにも1つ年下の弟がいるけど、そんなのはあり得ないよ。それ以前にまともに話すようになったのはアーシスと関わるようになった最近なんだけどね。
うちが関わる前に既にアーシスと弟がトラブルを起こしていたなんてビックリしたよ。(第3章参照)
弟から聞いていたから、ダービーさんと比企谷のイカサマの事を知っていたんだけど。ダービーさんの弟を麻雀で負かしたらしいし。(第2章参照)
大和くんのラグビー部の麻雀の腕じゃあ比企谷に確実にカモられるよね?大和くんは部活の麻雀で自信を持っていたかも知れないけど(原作2巻参照。総武高校ラグビー部は練習前に半チャンやるのが通例)。
葉山「俺もこういうのはあまり得意じゃあ無いんだよな」
え?千葉村で屍生人を操ったのに?
…………だからかな。肉の芽のせいとはいっても、実際に屍生人を操ってジョースター家と殺し合いをしたんだから…。(第3章参照)
しばらくしてうち達の出番になる。
この人数でまとめて入ったら迷惑になるし、アトラクションとして楽しめない可能性もあるから何組かに別れて入ることにした。
そこでジョセフさんとか小町ちゃん、サキサキ、雪ノ下さんのお姉さん、戸塚くんがいないことに気が付いたんだけど、そう言うことは結構あるみたいだから東方会長達は気にしない事にした。後から合流した時に聞いたら、まさかウルフスの襲撃があったなんて思わなかったけど。
グループ分けは四人、五人一組で入って行くことになった。
まずは大和くん、大岡くん、宮ヶ瀬ちゃん、丹沢ちゃんの4組。最近はこの四人は仲が良いんだよね。よく会話の中でも名前が出てくるし。
次にジョルノさん、トリッシュさん、由花子さん、ポルナレフさん(ココ・ジャンボ)、エンポリオくん。なんでも東方会長は亀が少し苦手なのだとか。だから少し距離を置くことにしたみたい。
次に隼人くん、翔くん、姫菜ちゃん、優美子ちゃん。少しだけチャンスを欲しいって翔くんが言っていたけど、あれ?翔くんってお化け苦手じゃあ無かったっけ?
最後は引率者として一番後ろを行くことになった東方会長、ジョジョちゃん、エルメェスさん、結衣ちゃん、そしてうち。
うちも隼人くんと一緒が良かったけど、今回は結衣ちゃんと一緒に行くことにした。本当の意味で結衣ちゃんとわかり合いたいしね♪
前の3組が入ると、うち達もお化け屋敷へと突入する。
最初はイントロダクション。お化けは役者さんがやっているみたいで、殴る蹴るの暴行を加えるなどしないように注意する映像が流れていた。
ネタバレになるけど、そうじゃないと役者さんも大変だしね。
そう思っていた……この時までは。
一歩踏み入れると、異質な空間が広がっていた。
モチーフは江戸時代かな?
暗がりの中、ごく最低限の灯りしかない。で、その光源の配置が視線を誘導し、おどろおどろしいシンボルを的確に浮かび上がらせている。
頭ではわかっていても、怖いものは怖い。
戸部「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄ぁ!」
三浦「キャアアアアアア!」
海老名「優美子!な、なに!?あなた達!キャアアアアアア!」
…………本当に怖いみたいだね。あの優美子ちゃんや姫菜ちゃんまで悲鳴をあげるなんて……。
仗助「………なんか様子がおかしくねぇか?」
静「………ジョルノ兄さんがまるでスタンドラッシュをしているような………」
ドォン!ドバババババババ!バキィッ!
本当に戦闘が起きているような音が………。
葉山「南!東方会長!来るな!ウルフスの…うっ!」
ドサッ………。
ジョルノ「く………油断していた……こんなところで敵が待っているなんて………」
ドサッ………。
仗助「ヤベェ……既に敵の罠に嵌まっていたのかよ…。アーシス!スクランブル!」
エルメェス「エンポリオ!待ってろ!すぐに助けてやるぜ!」
結衣「優美子!姫菜!隼人くん!」
静「葉山達はともかく、一番最初に先行していた奴等がヤバいよ!」
うちらが襲撃を受けていたであろうみんなのところに急ぐと………。酷い光景が広がっていた。
ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス)…
トリッシュ・ジョバァーナ(スパイス・ガール)…
広瀬由花子(ラブ・デラックス)…
空条エンポリオ…
葉山隼人(オーラル・シガレッツ)…
戸部翔…
三浦優美子(マジシャンズ・レッド)…
海老名姫菜(ハイエロファント・グリーン)…
仗助「ひ、ひでぇ……」
ポルナレフ「仗助!全員のダメージが酷い!治してココ・ジャンボに入れるんだ!」
仗助「ポルナレフさん!無事なんッスね!?何でこんなことに!?ジョルノまでやられるなんて普通じゃあねぇっスよ!くっ……亀には触りたくねぇってのによ!」
東方会長がみんなをクレイジー・ダイヤモンドで治して亀の中に入れる。
え?背後からお化け役の人達が……。
静「お兄ちゃん!
役者「タコス!」
ジョジョちゃんが東方会長を背後から襲おうとしていたお化け役の人を波紋で蹴り飛ばす!
暴行を加えちゃった!
ポルナレフ「わからない!でも、襲って来たのは一般人だ!殺してはダメだ!」
仗助「そうか……だからジョルノも本気を出せなかったのかよ!」
ギャングで非道なパッショーネも、一般人を巻き込むのは極力避けているって言ってたっけ……。だからジョルノさんも………。
でも、何で一般の人達が!?
結衣「こ、こ、この……この能力って……」
結衣ちゃんがブルブルと震えだす。
知ってるの!?結衣ちゃん!
結衣「ハーメルン!鼠のハーメルンだよ!」
周囲「キキキキ!よく分かったな!由比ヶ浜結衣!あの時のリベンジだぜぇ!」
ハーメルン……。確か花火大会の時に民衆を操って襲って来た最初のウルフス!
結衣「ヨッシーがやっと倒したウルフスだったのに…また現れるなんて!」
確か空条先生、露伴先生、城廻先輩、雪ノ下姉妹がやられ、そして材木座くんが辛うじて倒したっていう…。
今回は材木座くんがいない!
残っている人達は東方会長、ジョジョちゃん、エルメェスさん、結衣ちゃん………それに………うち。
仗助「相模……ココ・ジャンボの中に逃げろ。俺達がやるからよぉ!」
相模「で、でも……うちだって……うちだってスタンド使いなんだから………」
東方会長がうちに逃げるように言う。
本当は怖い……でも、そんなんで良いの?守られているだけで良いの?
仗助「ハーメルンのこの能力はよぉ!ジョルノとは相性が悪くても、俺ならば何とかなるってもんなんだよぉ!だから安心して逃げろっての!クレイジー・ダイヤモンド!」
C・D「ドラララララララララ!」
東方会長は手加減なんて一切ないスタンドラッシュを操られた役者さんに容赦なく加える。
ハーメルン「チュー!ウケケケケ!やりやがった!一般人を巻き込まねぇとか言いながら、一般人を殺しやがった!ウケケケケ!ジョースターの誇りとやらはこんなもんだってのか!?」
仗助「調子こいてんじゃあねぇぜ!よく見てみるんだな!」
東方会長が殺したと思っていた人達の体は、すぐにクレイジー・ダイヤモンドの力で治癒されていく。
そうか!これならば確実に気絶させられる!
ハーメルン「ケッ!それで俺の力を封じたつもりかよ!東方仗助ぇ!ハーメルンの笛吹の力はよぉ、気絶させた程度じゃあ何とも出来ねぇんだぜ!?それだったらとっくにジョルノ・ジョバァーナが試していたんだよぉ!」
ハーメルンが再び能力を発動させたのか、気絶していた役者さん達が気絶しながら立ち上がってくる。
仗助「何だって!?」
ハーメルン「一度俺に勝ったからと言って、舐めてるんじゃあねぇ!調子に乗ってたのはお前らの方だったなぁ!」
仗助「チッ!グレートに厄介な相手だぜ!」
エルメェス「どこだハーメルン!本体をぶっ殺してやるぜぇぇぇぇ!姿を見せやがれ!民衆を人質に取って、更にその人質で攻撃してくるなんてよぉぉぉぉ!やることが汚ねぇじゃあねぇかよぉぉぉぉ!このダボがぁ!」
エルメェスさんも能力のシールを使えずに普通に応戦するしかない。ジョジョちゃんも
結衣「こんな時こそ……リバース・タウンで!」
R・T「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
結衣ちゃんのリバース・タウンが敵を殴り飛ばすと、その人達は瓦礫に埋もれたりして動けなくなる。
仗助「ナイスだぜ!運を落とす由比ヶ浜の攻撃がここで活路を開くかよ!グレート!」
結衣ちゃんがここでのキーパーソン……。すごいな…。
ハーメルンの本当の天敵は結衣ちゃんだったんだ…。
うちは……何の役にも立たないのかな……。
ポルナレフ「南。本当にそれで良いのか?」
亀のココ・ジャンボからポルナレフさんの魂が浮かびあがり、うちに声をかける。
ポルナレフ「君だって、本当はみんなの役に立ちたいんじゃあないのか?アルミラージの時だって、孫悟空の時だって、君はやれることを精一杯やろうとしたんじゃあないのか?」
相模「ポルナレフさん………」
うちだって……やれることならみんなの力になりたい。
でも、うちなんかが……。
ポルナレフ「やれる。君は文化祭の時でも、体育祭の時でも、自分が出来る精一杯の事をしてきたはずだ。私はそんな君をずっと見ていた。横牛との戦いで、君はその勇気を私に見せてくれたじゃあないか。あの時の勇気を、君はまた見せてくれる。奇跡を起こしてくれる。私はそう信じている…」
うちを……信じてくれる?ポルナレフさんの言葉がうちの心に染み渡る。
……結衣ちゃん。
怖いのに、結衣ちゃんは自分だけがこの場を何とか出来るとわかって精一杯やっている……。
うちは…結衣ちゃんや優美子ちゃんと……心から笑って並び立ちたい……。
うちにどこまで出来るかわからないけど……。
やるっ!うちを助けてくれたポルナレフさんの信頼に応えて見せる!見てて、結衣ちゃん!優美子ちゃん!姫菜ちゃん!隼人くん!
相模「うちもやるんだぁぁぁ!ラスト・ノートォォォォ!」
←To be continued
ハーメルン再び……です。
そして、さがみんのラスト・ノートの本当の初陣!
果たしてさがみんはこの状況を何とか出来るのか!
それにしても、修学旅行編はこれまでと打って変わって戦いの連続ですね。
やはり、日常と違う場面の方がドンパチを組み込み易いです。
それではウルフス登場までの原作との相違点。
お化け屋敷に入るのは葉山、戸部、三浦、海老名グループと八幡、由比ヶ浜、戸塚、沙希のグループ→八幡、戸塚、沙希は不在。代わりに他の葉山グループ&相模と相模グループのオリキャラ&アーシスの一部
三浦は演技して葉山にしなだれかかる(原作三浦は葉山の事が好き)→静が仗助にしなだれかかる
由比ヶ浜は戸部の依頼の一環としてお化け屋敷へ→純粋に楽しむため
それでは次回もよろしくお願いいたします!